4 / 57
転生〜ロッカの街
第3話 ちょっと魔王城まで
しおりを挟む
俺はフィズがひく馬車に揺られてのんびりと街道を進んでいた。
人が住んでる場所に向かっているはずなのに少しずつ街道が荒れていくことに少々不安を覚えたが、それより気になることがあった。
「本当にみんなに挨拶していかなくてよかったのか?」
「いいのよ、あれは友達じゃなくて仲間なんだから」
仲間だったらよほど挨拶をしていった方がいいような気がしたけど、本人がいいというのだからいいのだろうと自分を納得させた。
考えてみれば自分も挨拶をせずに居なくなってしまったわけだしな。
「……少しくらい距離が離れてても心は繋がってるもんなのよ」
少しくらい……か。
ここの世界が前の世界とどれくらい離れているかは分からないけど前の職場のみんなは俺の事を覚えていてくれるだろうか?
仕事中に事故って死んだ奴って代名詞で俺の事を語ってくれているだろうか?
ちょっとしんみりした気分を変える為に、俺は御者台から身を乗り出した。
何をするため?って、お尻を触るために決まっている。
俺はフィズが数十歩歩く度にこうしてお尻を触っているんだからな。
特に深い意味はないが、自然と手が伸びてしまうのだから仕方がない。
「……あのさ、ご主人さま……じゃなくてカケル」
「いや、待って。俺はご主人さまと呼ばれたいんだけど」
「じゃあ……ご主人さま、どうしてお尻ばっかり触るのよ?」
「それを聞くならなんで目の前で可愛いお尻をフリフリしているのか?って話になってくるけど」
「こっちは歩いてるんだから仕方ないじゃない! もう、本当にエ……チなんだから」
「え、なになに?」
「もう……ばかっ」
聞こえたけど聞こえないフリをしてフィズの口からもう一度言わせよう作戦は失敗に終わった。
けどちょっとした満足感があるから問題はない。
「そういえば馬になっていても言葉が喋れるんだね」
「そうみたいね。でも周りから聞いたらたぶん嘶いてるようにしか聞こえないんじゃないかな」
「じゃあ俺は特別なの?」
「えっ……?」
「他の人には聞こえないのに俺には聞こえるんだろ? 特別……なのかな?」
「もうっ! そ、そうよっ! カケ……ご主人さまはフィズにとって特別なのっ! それでいいっ!?」
「むふふ、特別かぁ……」
「恥ずかしいからもう言わなせないでよねっ!」
フィズは首だけ動かしてチラリとこちらを見ると、すぐ前に向き直った。
俺は前世から女の子というものに縁がなかった。
だからもちろんこれまで誰かと”特別な関係”になったことなんてない。
むしろタクシー運転手時代の俺は女のお客さんが乗る度にドキドキしていたほどだ。
なのにフィズとはなぜだか気軽に話せるのが不思議だった。
「この鞭のお陰なのか……」
そう思った俺は、とりあえず女神様が居そうな空に向かって多少おざなりに、だが拝んでおいた。
信仰していた宗教もなかったから祈り方なんて知らないしな。
「ねぇご主人さま?」
「はいはいなんでしょうフィズちゃん」
「とりあえず人の住んでるところまでって指示だったわよね?」
「うん、その予定だけど」
「そういわれから一番近くで人が住んでいる場所に向かってるんだけど……」
フィズが何か言いづらそうに口ごもる。
「もう少し二人きりの時間を過ごしたいって事だったらそれもやぶさかではないぞ」
「いや、そうじゃなくて……」
そうじゃないんだ……と落ち込みかけたが、一応その続きも聞いてみるか。
「この先に住んでいるのは”魔族”っていう種族の人なのよね」
「その”魔族”っていうのは何?」
「魔族を知らないの? 人族より身体能力が高くていつもヒトと争ってばかりいるあれよ」
「あ、あーあれねー。うーん、知ってる知ってるー」
「それ絶対知らないって時の反応よね?」
「な……こんな短時間でもう俺の細かい癖まで把握されているなんてっ!」
「…………ふう。で、向かっていいのよね?」
フィズは深刻そうな顔でそう尋ねてきた。
俺は無視されたことにショックを受けていたが、この際それは忘れよう。
その方が精神衛生上正しいはずだ。
「フィズとしてはどう思う?」
「ここまで指示通り歩いてきちゃって今更だけど、フィズとしてはやめた方がいいかなって思うの」
「そうなんだ。フィズがそういうなら……。じゃあ今から人、じゃなくて人族がいる村には向かえる?」
「うん。ちょっと遠いけどそれでよければ。…………あれっ? ご主人さまっ!」
「どうしたんだい、フィズ」
慌てた声を出すフィズの様子に何か問題でも起きたかと内心ドキリとした俺だったけど、そんな情けない姿を見せないように、とあえて落ち着いた声を出した。
「あそこ……人がいる……」
「どれどれ?」
フィズが鼻先で示した方向を見ると——確かに人がいた。
こっちに来てから馬しか見ていなかったからちょっと心配だったんだよな。
ああ、フィズは人馬一体なんだっけ?まあそれはいいか。
「あれ、なんか俺たちが進んでたのと同じ方向に向かっているけど……」
「この道をもう少し進むと魔族の領域——魔界に入るわね」
「もしかして知らないのかな? 声を掛けてみよう」
そういうとフィズがスピードを上げて二人組に近づいてくれたので、俺は男女二人組の後ろから軽く声をかけた。
「そこのお二人さん、お熱いですね。これから魔界へデートですか?」
「っ! そろそろ敵が来るかもしれないっていうから気を引き締めてたらほんとに来やがった!」
「でしょっ!?」
そういって二人は呼吸を合わせるかのように振り返って、同時に武器を構えてきた。
「ちょ、ちょっと待って下さい! 俺は普通の人間! ただの御者ですよ」
「うーん、普通の? おい、こんなとこまで来る馬車があったか?」
「いや、来る前に調べたけどそんなのはなかったわ。つまりこの馬車は……闇営業かも……」
「闇営業の野良馬車か……そこまでは調べてなかったぜ」
二人は俺を置き去りにしてどんどんと話を進めている。
闇営業というのはいわゆる無許可のタクシー、白タクみたいなものだろうか。
しばらく二人でヒソヒソ話していたけど、その結果が出たのか、男の方が武器を下ろして俺に話しかけてきた。
「おーい御者さん、ものは相談なんだが……俺たちを乗せてくれないか?」
「え? もちろんいいですよ。はい、二名様ご乗車でーす」
こうして俺はこの世界で初めての客を乗せた。
一旦馬車を止めてから客車に乗せると、その中の広さに驚いていた。
俺だって最初みた時は驚いたしな。
そういえば行き先を聞いていなかったのを思い出した俺は、御者台から客席へ繋がっている小窓を開けた。
「お客さん、どちらまでいかれます?」
「ああ、…………ちょっと魔王城まで頼む」
人が住んでる場所に向かっているはずなのに少しずつ街道が荒れていくことに少々不安を覚えたが、それより気になることがあった。
「本当にみんなに挨拶していかなくてよかったのか?」
「いいのよ、あれは友達じゃなくて仲間なんだから」
仲間だったらよほど挨拶をしていった方がいいような気がしたけど、本人がいいというのだからいいのだろうと自分を納得させた。
考えてみれば自分も挨拶をせずに居なくなってしまったわけだしな。
「……少しくらい距離が離れてても心は繋がってるもんなのよ」
少しくらい……か。
ここの世界が前の世界とどれくらい離れているかは分からないけど前の職場のみんなは俺の事を覚えていてくれるだろうか?
仕事中に事故って死んだ奴って代名詞で俺の事を語ってくれているだろうか?
ちょっとしんみりした気分を変える為に、俺は御者台から身を乗り出した。
何をするため?って、お尻を触るために決まっている。
俺はフィズが数十歩歩く度にこうしてお尻を触っているんだからな。
特に深い意味はないが、自然と手が伸びてしまうのだから仕方がない。
「……あのさ、ご主人さま……じゃなくてカケル」
「いや、待って。俺はご主人さまと呼ばれたいんだけど」
「じゃあ……ご主人さま、どうしてお尻ばっかり触るのよ?」
「それを聞くならなんで目の前で可愛いお尻をフリフリしているのか?って話になってくるけど」
「こっちは歩いてるんだから仕方ないじゃない! もう、本当にエ……チなんだから」
「え、なになに?」
「もう……ばかっ」
聞こえたけど聞こえないフリをしてフィズの口からもう一度言わせよう作戦は失敗に終わった。
けどちょっとした満足感があるから問題はない。
「そういえば馬になっていても言葉が喋れるんだね」
「そうみたいね。でも周りから聞いたらたぶん嘶いてるようにしか聞こえないんじゃないかな」
「じゃあ俺は特別なの?」
「えっ……?」
「他の人には聞こえないのに俺には聞こえるんだろ? 特別……なのかな?」
「もうっ! そ、そうよっ! カケ……ご主人さまはフィズにとって特別なのっ! それでいいっ!?」
「むふふ、特別かぁ……」
「恥ずかしいからもう言わなせないでよねっ!」
フィズは首だけ動かしてチラリとこちらを見ると、すぐ前に向き直った。
俺は前世から女の子というものに縁がなかった。
だからもちろんこれまで誰かと”特別な関係”になったことなんてない。
むしろタクシー運転手時代の俺は女のお客さんが乗る度にドキドキしていたほどだ。
なのにフィズとはなぜだか気軽に話せるのが不思議だった。
「この鞭のお陰なのか……」
そう思った俺は、とりあえず女神様が居そうな空に向かって多少おざなりに、だが拝んでおいた。
信仰していた宗教もなかったから祈り方なんて知らないしな。
「ねぇご主人さま?」
「はいはいなんでしょうフィズちゃん」
「とりあえず人の住んでるところまでって指示だったわよね?」
「うん、その予定だけど」
「そういわれから一番近くで人が住んでいる場所に向かってるんだけど……」
フィズが何か言いづらそうに口ごもる。
「もう少し二人きりの時間を過ごしたいって事だったらそれもやぶさかではないぞ」
「いや、そうじゃなくて……」
そうじゃないんだ……と落ち込みかけたが、一応その続きも聞いてみるか。
「この先に住んでいるのは”魔族”っていう種族の人なのよね」
「その”魔族”っていうのは何?」
「魔族を知らないの? 人族より身体能力が高くていつもヒトと争ってばかりいるあれよ」
「あ、あーあれねー。うーん、知ってる知ってるー」
「それ絶対知らないって時の反応よね?」
「な……こんな短時間でもう俺の細かい癖まで把握されているなんてっ!」
「…………ふう。で、向かっていいのよね?」
フィズは深刻そうな顔でそう尋ねてきた。
俺は無視されたことにショックを受けていたが、この際それは忘れよう。
その方が精神衛生上正しいはずだ。
「フィズとしてはどう思う?」
「ここまで指示通り歩いてきちゃって今更だけど、フィズとしてはやめた方がいいかなって思うの」
「そうなんだ。フィズがそういうなら……。じゃあ今から人、じゃなくて人族がいる村には向かえる?」
「うん。ちょっと遠いけどそれでよければ。…………あれっ? ご主人さまっ!」
「どうしたんだい、フィズ」
慌てた声を出すフィズの様子に何か問題でも起きたかと内心ドキリとした俺だったけど、そんな情けない姿を見せないように、とあえて落ち着いた声を出した。
「あそこ……人がいる……」
「どれどれ?」
フィズが鼻先で示した方向を見ると——確かに人がいた。
こっちに来てから馬しか見ていなかったからちょっと心配だったんだよな。
ああ、フィズは人馬一体なんだっけ?まあそれはいいか。
「あれ、なんか俺たちが進んでたのと同じ方向に向かっているけど……」
「この道をもう少し進むと魔族の領域——魔界に入るわね」
「もしかして知らないのかな? 声を掛けてみよう」
そういうとフィズがスピードを上げて二人組に近づいてくれたので、俺は男女二人組の後ろから軽く声をかけた。
「そこのお二人さん、お熱いですね。これから魔界へデートですか?」
「っ! そろそろ敵が来るかもしれないっていうから気を引き締めてたらほんとに来やがった!」
「でしょっ!?」
そういって二人は呼吸を合わせるかのように振り返って、同時に武器を構えてきた。
「ちょ、ちょっと待って下さい! 俺は普通の人間! ただの御者ですよ」
「うーん、普通の? おい、こんなとこまで来る馬車があったか?」
「いや、来る前に調べたけどそんなのはなかったわ。つまりこの馬車は……闇営業かも……」
「闇営業の野良馬車か……そこまでは調べてなかったぜ」
二人は俺を置き去りにしてどんどんと話を進めている。
闇営業というのはいわゆる無許可のタクシー、白タクみたいなものだろうか。
しばらく二人でヒソヒソ話していたけど、その結果が出たのか、男の方が武器を下ろして俺に話しかけてきた。
「おーい御者さん、ものは相談なんだが……俺たちを乗せてくれないか?」
「え? もちろんいいですよ。はい、二名様ご乗車でーす」
こうして俺はこの世界で初めての客を乗せた。
一旦馬車を止めてから客車に乗せると、その中の広さに驚いていた。
俺だって最初みた時は驚いたしな。
そういえば行き先を聞いていなかったのを思い出した俺は、御者台から客席へ繋がっている小窓を開けた。
「お客さん、どちらまでいかれます?」
「ああ、…………ちょっと魔王城まで頼む」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
嫁に来た転生悪役令嬢「破滅します!」 俺「大丈夫だ、問題ない(ドラゴン殴りながら)」~ゲームの常識が通用しない辺境領主の無自覚成り上がり~
ちくでん
ファンタジー
「なぜあなたは、私のゲーム知識をことごとく上回ってしまうのですか!?」
魔物だらけの辺境で暮らす主人公ギリアムのもとに、公爵家令嬢ミューゼアが嫁として追放されてきた。実はこのお嫁さん、ゲーム世界に転生してきた転生悪役令嬢だったのです。
本来のゲームでは外道の悪役貴族だったはずのギリアム。ミューゼアは外道貴族に蹂躙される破滅エンドだったはずなのに、なぜかこの世界線では彼ギリアムは想定外に頑張り屋の好青年。彼はミューゼアのゲーム知識をことごとく超えて彼女を仰天させるイレギュラー、『ゲーム世界のルールブレイカー』でした。
ギリアムとミューゼアは、破滅回避のために力を合わせて領地開拓をしていきます。
スローライフ+悪役転生+領地開拓。これは、ゆったりと生活しながらもだんだんと世の中に(意図せず)影響力を発揮していってしまう二人の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる