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ロッカの街〜アイオール皇国
第19話 歓迎会
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目的地であるドライエント王国へは直接街道が繋がっていない。
方向として北の方角にあるのだが、ロッカの北には鉱山そびえていて通行することが難しいらしい。
そのため一旦西側から迂回するようにして北を目指さなければならない。
ざっとその辺りの地理を頭にいれた俺は、その道のりの長さに目眩を覚えた。
前世のタクシー運転手時代であれば長くても一人の客を乗せている時間は数時間といったところだった。
しかし、こちらの世界では一人を送り届けるのに一ヶ月だ。
もちろんそれが嫌なわけではないけど、その分俺に責任が及ぶ範囲は広くなる。
危険も多いだろうし、事件も起こるかもしれない。
だからこそ色々なことに目を光らせて、無事に送り届けられるように力を尽くさないとな。
カラカラカラと車輪は回り、そろそろ夕陽が沈みかけている。
「フィズ、今日はそろそろ休もうか」
「先は長いからもう少し進みたいな、とフィズは思うんだけど」
「いや、本当はロッカの街でフィズをもっと休ませてやろうと思っていたんだ。でも色々あったから慌ただしく出る事になっちゃってさ。だから心配なんだよ」
「フィズは大丈夫よ……だけど……」
フィズは大丈夫だといいながらも、馬車の速度がどんどんと落ちていく。
「心配してくれるなら今日は一緒に寝てくれる……かしら?」
「う、うん。でも昨日も一緒に寝たじゃないか」
「あの柔らかいベッドっていうので一緒に寝たいのっ!」
「わ、分かったから。とりあえず……まずはご飯にしよう」
右手の山脈に沿って流れる川があったので、今日はその川べりで野営をすることにした。
野営といっても外で食事を摂るだけで、あとは馬車の中で寝るんだけどな。
馬車が止まって俺が御者台から降りると、ゴンザさんとリリアも降りてきた。
「カケルさん、前から思っていたんですけどこの馬車って凄いですね!」
「ん、凄いって何が?」
「王族専用の馬車よりも揺れないんですっ!」
「ああ、良さそうなサスペンションがついてたし……それにフィズがそういう所を選んで進んでるみたいだぞ」
「そうだったんですか! フィズちゃんもすごーい」
リリアはそんなことをいいながら、まだ馬のままのフィズにぐりぐりと頬を押し付けている。
「私、ほとんどお城から出たことがなかったので、こういうの凄く楽しいんですっ!」
「それは良かったな。まぁ帰るころには嫌になってるかもしれないけど」
「そんなことないですよ! この旅は私にとって最後の思い出、ですから……」
そういうとリリアはちょっと寂しそうな顔をした。
まぁ国に戻ったら国のための生贄になるわけだからそれも当然か。
「っということで! 今日から私がご飯を作ってもいいですか? 皆さん料理が苦手なようですから」
寂しそうな顔をむりやり笑顔にして、リリアはそう明るく口にした。
「王女様にそんなことさせていいのかな? もしかして俺たち連れて行ったところでいきなり捕まったりしないか?」
「大丈夫ですよ、この旅の間はただのリリアなんですから! ぜひこのリリアにお任せ下さいっ!」
「……よし。じゃあリリアをこの馬車の料理担当大臣に任命するっ!」
「ははー。ありがたき幸せー……ってやってみたかったんですよね!」
ヤッターと喜びながらリリアは川に向かって歩いていく。
そうだな。せめてこの旅の間だけは……ただのリリアとして、楽しい思い出を作らせてやろう。
俺はそう誓った。
リリアが川に水を汲みにいっている間に、俺はかまどを作る。
石場の近くに停めたから、石は豊富にあった。
その中から具合の良さそうな石をいくつか集めて形を作るんだったな。
「おい、薪になりそうな廃材を持ってきたぞ」
大体の形ができたところで、ゴンザさんがそういいながら木を持ってきてくれた。
おそらく家具作りで使った切れ端だろう。
俺は礼をいって受け取ると、かまどの中央に重ねておいた。
それからグレイズさんに貰った火の魔石で火種を作る。
しばらくするといい感じで炎が上がりはじめた。
やっぱりあの時グレイズさんに火起こしを習っておいて正解だったな。
リリアが戻ってくると、料理が始まった。
今日は助手としてローズがついている。
リリアがいなくなった時のために覚えるんだ、なんて張り切っていた。
俺とジャックはその間にちょっとした実験をする事にする。
「本当にいいんだな?」
「ええ、マスターのためならこの生命……惜しくはありません!」
そう、これはちょっとした命の危険が伴う実験だった。
何かというと——。
「よし、乗ったな?」
「はい、マスター。一思いにやって下さいっ!」
そんなジャックの覚悟を聞いた俺は、ジャックが乗ったままの馬車を小さく縮めた。
「おーい、聞こえるかー?」
「…………」
「返事がない……」
恐る恐る台帳を見てみると、乗客リストという欄が増えており、そこには”ジャック”の文字があった。
「お、成功かな? じゃあ呼び出してみよう。”ジャック”」
俺が台帳を見ながらそう念じると目の前にジャックが現れた。
急に空間から現れたことに、なんともいえない気持ち悪さを感じる。
「どこも変なところはないか?」
「ええ、問題はなさそうです」
「中から俺の声は聞こえていたか?」
「いえ、声は聞こえませんでしたね。では外で私の声は聞こえましたか?」
「いや聞こえなかったな」
小さすぎて聞こえないのか、空間的なアレなのか分からないが、とにかく小さくしてしまうと中と外で会話はできないことがわかった。
これからもこうした馬車の機能は積極的に調べていかないといけないだろうな。
その場合は大体ジャックが実験台になるだろう。
まぁ嬉々として引き受けてくれてるから今の所はそれで問題ないか。
そんなことをしていると、夕食ができたと声がかかったのでみんなが集まっている川べりに向かった。
「それでは新たな乗客、リリアとゴンザさんの乗車を祝って——」
かんぱーい!という掛け声でちょっとした歓迎会が始まった。
もちろん手にしているのは街で買った酒だ。
麦のような植物で作ってあるというそれは気の抜けたビールのような味だった。
前世のビールを知っている俺としては、お世辞でも美味い!と言えるような代物では到底なかった。
けど、それでもみんなの笑顔でその美味さは何倍にもなった。
ゴンザさんはさすがドワーフの血が入っているというだけあって、よく飲んだ。
それにつられて俺も前世と同じようなペースで飲んだ。
リリアの料理も美味しくて、非常に酒が進んだというのもあるがその結果——。
倒れた。
「ありゃりゃーやっぱし転生でちょっと若くなってたから、アルコールに弱くなっていたようら。すまん、ちょっと見張りおなしゃーす」
お腹もいっぱいになって満足した俺はジャックとローズに見張りを頼むと馬車に戻ることにした。
ちょっとした気の緩みは無礼講ということにして許してほしい。
部屋に入ると……夢にまでみたベッドが備え付けられている。
王女様にはベッドがないのに俺だけあるのもどうかと思ったけど……すまん、リリア。
俺は買っておいた枕を並べるとベッドにダイブする。
それは、最近ずっと硬い床で寝てきた俺にとって暴力的な柔らかさだった。
「ふかふかだぁ……」
いやぁ実に楽しい歓迎会だった。
こんな日々が続いていくなら一ヶ月なんてすぐかもしれない。
俺はそう思って少し寂しさをおぼえつつ瞼をゆっくりと閉じる。
一緒に寝ようといっていたフィズをどうしても待つことが出来ず、俺の意識は夢の中に落ちていった。
翌朝、ぷんぷんしていたフィズに謝り倒し、今日こそは一緒に寝ることになった。
よし、今日はなるべく酒を控えよう。
俺はそんなことを思いながらゆっくりと馬車を走らせた。
方向として北の方角にあるのだが、ロッカの北には鉱山そびえていて通行することが難しいらしい。
そのため一旦西側から迂回するようにして北を目指さなければならない。
ざっとその辺りの地理を頭にいれた俺は、その道のりの長さに目眩を覚えた。
前世のタクシー運転手時代であれば長くても一人の客を乗せている時間は数時間といったところだった。
しかし、こちらの世界では一人を送り届けるのに一ヶ月だ。
もちろんそれが嫌なわけではないけど、その分俺に責任が及ぶ範囲は広くなる。
危険も多いだろうし、事件も起こるかもしれない。
だからこそ色々なことに目を光らせて、無事に送り届けられるように力を尽くさないとな。
カラカラカラと車輪は回り、そろそろ夕陽が沈みかけている。
「フィズ、今日はそろそろ休もうか」
「先は長いからもう少し進みたいな、とフィズは思うんだけど」
「いや、本当はロッカの街でフィズをもっと休ませてやろうと思っていたんだ。でも色々あったから慌ただしく出る事になっちゃってさ。だから心配なんだよ」
「フィズは大丈夫よ……だけど……」
フィズは大丈夫だといいながらも、馬車の速度がどんどんと落ちていく。
「心配してくれるなら今日は一緒に寝てくれる……かしら?」
「う、うん。でも昨日も一緒に寝たじゃないか」
「あの柔らかいベッドっていうので一緒に寝たいのっ!」
「わ、分かったから。とりあえず……まずはご飯にしよう」
右手の山脈に沿って流れる川があったので、今日はその川べりで野営をすることにした。
野営といっても外で食事を摂るだけで、あとは馬車の中で寝るんだけどな。
馬車が止まって俺が御者台から降りると、ゴンザさんとリリアも降りてきた。
「カケルさん、前から思っていたんですけどこの馬車って凄いですね!」
「ん、凄いって何が?」
「王族専用の馬車よりも揺れないんですっ!」
「ああ、良さそうなサスペンションがついてたし……それにフィズがそういう所を選んで進んでるみたいだぞ」
「そうだったんですか! フィズちゃんもすごーい」
リリアはそんなことをいいながら、まだ馬のままのフィズにぐりぐりと頬を押し付けている。
「私、ほとんどお城から出たことがなかったので、こういうの凄く楽しいんですっ!」
「それは良かったな。まぁ帰るころには嫌になってるかもしれないけど」
「そんなことないですよ! この旅は私にとって最後の思い出、ですから……」
そういうとリリアはちょっと寂しそうな顔をした。
まぁ国に戻ったら国のための生贄になるわけだからそれも当然か。
「っということで! 今日から私がご飯を作ってもいいですか? 皆さん料理が苦手なようですから」
寂しそうな顔をむりやり笑顔にして、リリアはそう明るく口にした。
「王女様にそんなことさせていいのかな? もしかして俺たち連れて行ったところでいきなり捕まったりしないか?」
「大丈夫ですよ、この旅の間はただのリリアなんですから! ぜひこのリリアにお任せ下さいっ!」
「……よし。じゃあリリアをこの馬車の料理担当大臣に任命するっ!」
「ははー。ありがたき幸せー……ってやってみたかったんですよね!」
ヤッターと喜びながらリリアは川に向かって歩いていく。
そうだな。せめてこの旅の間だけは……ただのリリアとして、楽しい思い出を作らせてやろう。
俺はそう誓った。
リリアが川に水を汲みにいっている間に、俺はかまどを作る。
石場の近くに停めたから、石は豊富にあった。
その中から具合の良さそうな石をいくつか集めて形を作るんだったな。
「おい、薪になりそうな廃材を持ってきたぞ」
大体の形ができたところで、ゴンザさんがそういいながら木を持ってきてくれた。
おそらく家具作りで使った切れ端だろう。
俺は礼をいって受け取ると、かまどの中央に重ねておいた。
それからグレイズさんに貰った火の魔石で火種を作る。
しばらくするといい感じで炎が上がりはじめた。
やっぱりあの時グレイズさんに火起こしを習っておいて正解だったな。
リリアが戻ってくると、料理が始まった。
今日は助手としてローズがついている。
リリアがいなくなった時のために覚えるんだ、なんて張り切っていた。
俺とジャックはその間にちょっとした実験をする事にする。
「本当にいいんだな?」
「ええ、マスターのためならこの生命……惜しくはありません!」
そう、これはちょっとした命の危険が伴う実験だった。
何かというと——。
「よし、乗ったな?」
「はい、マスター。一思いにやって下さいっ!」
そんなジャックの覚悟を聞いた俺は、ジャックが乗ったままの馬車を小さく縮めた。
「おーい、聞こえるかー?」
「…………」
「返事がない……」
恐る恐る台帳を見てみると、乗客リストという欄が増えており、そこには”ジャック”の文字があった。
「お、成功かな? じゃあ呼び出してみよう。”ジャック”」
俺が台帳を見ながらそう念じると目の前にジャックが現れた。
急に空間から現れたことに、なんともいえない気持ち悪さを感じる。
「どこも変なところはないか?」
「ええ、問題はなさそうです」
「中から俺の声は聞こえていたか?」
「いえ、声は聞こえませんでしたね。では外で私の声は聞こえましたか?」
「いや聞こえなかったな」
小さすぎて聞こえないのか、空間的なアレなのか分からないが、とにかく小さくしてしまうと中と外で会話はできないことがわかった。
これからもこうした馬車の機能は積極的に調べていかないといけないだろうな。
その場合は大体ジャックが実験台になるだろう。
まぁ嬉々として引き受けてくれてるから今の所はそれで問題ないか。
そんなことをしていると、夕食ができたと声がかかったのでみんなが集まっている川べりに向かった。
「それでは新たな乗客、リリアとゴンザさんの乗車を祝って——」
かんぱーい!という掛け声でちょっとした歓迎会が始まった。
もちろん手にしているのは街で買った酒だ。
麦のような植物で作ってあるというそれは気の抜けたビールのような味だった。
前世のビールを知っている俺としては、お世辞でも美味い!と言えるような代物では到底なかった。
けど、それでもみんなの笑顔でその美味さは何倍にもなった。
ゴンザさんはさすがドワーフの血が入っているというだけあって、よく飲んだ。
それにつられて俺も前世と同じようなペースで飲んだ。
リリアの料理も美味しくて、非常に酒が進んだというのもあるがその結果——。
倒れた。
「ありゃりゃーやっぱし転生でちょっと若くなってたから、アルコールに弱くなっていたようら。すまん、ちょっと見張りおなしゃーす」
お腹もいっぱいになって満足した俺はジャックとローズに見張りを頼むと馬車に戻ることにした。
ちょっとした気の緩みは無礼講ということにして許してほしい。
部屋に入ると……夢にまでみたベッドが備え付けられている。
王女様にはベッドがないのに俺だけあるのもどうかと思ったけど……すまん、リリア。
俺は買っておいた枕を並べるとベッドにダイブする。
それは、最近ずっと硬い床で寝てきた俺にとって暴力的な柔らかさだった。
「ふかふかだぁ……」
いやぁ実に楽しい歓迎会だった。
こんな日々が続いていくなら一ヶ月なんてすぐかもしれない。
俺はそう思って少し寂しさをおぼえつつ瞼をゆっくりと閉じる。
一緒に寝ようといっていたフィズをどうしても待つことが出来ず、俺の意識は夢の中に落ちていった。
翌朝、ぷんぷんしていたフィズに謝り倒し、今日こそは一緒に寝ることになった。
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