科学は、如何にしてヒトを幸せにするか~ななの例~

深町珠

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タイムスリップ

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ゆりは、加藤のイメージする
いまどきのJK、なんて
悪意を含めたものとは掛け離れた
純粋な存在に見えた。


ゆりだけが特別かと言うとそうでもなく
ゆかやゆうこ、まいやほのか、
あいしゃ、ひな。

男の子たちの名前は覚えてないが(笑)
彼らも純粋だったので

それに驚いた当時の加藤だったが

良く見ると、ひとりになると
皆、いい子で

集団になると、騒々しい不良、みたいな
仮面をかぶるようにも見えたから


「たぶん、環境からの防衛なんだろうな」と
加藤は考え、それなら環境を
変えないといけない。




そう思っていたのが、エネルギー革命を
発案したきっかけだった。


人類が発祥して2万年の間、普遍だった
農耕と牧畜、貯蓄の概念。


それを、貨幣価値が浮動する事で

勤労しても相場変動の利益が勝ってしまう、
そんな経済になってしまったから


正しい者より卑怯な者が儲かる。


そんな世の中になってしまったのだ。


それを否定するよりは、誰でも豊かになれた方がいい、と加藤は考えて
エネルギーが自然に変換できる装置を考えた。

実際、太陽であればエネルギーは
いつもそこにある。

元々、水や空気も
そこから得られたものだから
エネルギーに変換できればそれでいいのだ。





それで、狂ってしまった人々の感覚を
自然に帰す事ができれば。


ゆりたちを苛ます社会は、なくなる。




それにしても加藤が不可解だったのは

12才のゆりに恋した教師が、
嫌がる相手を犯す事が本当に愛だと思っていたのだろうか、と言う事だった。

そんなものが教育者になっていいのだろうか?

と、疑問を考えて見ると
教員試験に愛、の項目はないのだ(笑)。

歪んだ人格は口頭諮問で見いだせないのだろうか?


考えて見ると加藤の周辺にも
表情に乏しい、加藤から見ると

心の病気(笑)な人々が増えていた。




そういう人々の前では、ゆりたち
子供達は仮面を被ってしまう。




「ゆりのお父さんは、その教師を許したの?」加藤が尋ねると、ゆりは笑顔でかぶりを振って



「お父さんには言ってない。言ったらたぶん、
お父さんは先生を殺すよ。きっと。
お父さんを犯人にしたくないもの」と、
ゆりは、それで家出の理由を語った。



学校に行きたくなかったのも、それが理由。
教師が狂った愛を持っているのは
仕方ない。


受験のためにがり勉をして、悪い頭を
更に悪くして
見境が付かないところに

変なエロ情報でもネットで見たのだろう。

そういうものが愛だ、と信仰のように
思い込んでしまうタイプ。
実は、教師のように世間を知らないタイプには
多い。


本ばかり読んでいて、生身の人間を知らないから
自分の持っているイメージが
相手に通じると思い込んでしまう。


実は、親に支配されて服従だけを覚えてしまうと

強くなれば相手が服従すると言うロジックを
覚え込んでしまうので


相手を認めない。



それが、あらゆる問題の根源で


根源は貨幣流通経済が歪んだ理由と
同じ、である。






加藤は、そんな過酷な社会の中でも
父への思いやりを忘れないゆり、の
優しさに感動する。


そして、父親に代わってゆりを
支えようと思った。


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