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想像の地平線
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・・・・。
神流は、落ち着かない。
研究は、いわゆる物理AIである。
情報工学的なAIとは異なり、物理シミュレーション・モデルの計算結果を
重み付けするものであり、物理の分野では信頼性の高いものだ。
例えば、自動車の排気ガス浄化触媒をシミュレートするとする。
構造
排気ガス=>触媒=>浄化ガス
である。
エンジンでの燃焼で、主にCO・HC・NOxの三種を浄化するのだが
NOxは、見ての通り酸素が多い時。
HCは、酸素が少ない。
COは、その中間。
空気にガソリンを混ぜて燃焼する場合に、適当な比率で
気化したガソリンと、酸素が混ざっていれば
NOx・HCは出にくい。
それを、触媒で浄化するのだ。
要素
燃料の量
吸入空気量
触媒の反応温度
エンジンの温度
単純に言って之等であるが
これを、反応の進み具合から模擬するのが
物理・化学シミュレーションモデル。
いわゆるアレニウス式だ。
K=A・exp(-Ea/RT)である。
A:反応係数
Ea:活性化エネルギー
R:ガス定数
T:温度
これを、HC・CO・NOx各々で計算し
結果として
NOx=N2+Ox
HC=H20+CO2
CO=CO2
とする。
それらについて発生する温度で、触媒の温度が決定するので
それがTに代入される。
そのような変数各々を
input
encviron
output
と、分類し
それらを解析するのが、神流の研究する物理AIである。
情報工学的にデータを機械学習・深層学習するよりも
高度な科学的知見を要するが
多変量解析をするよりも確実であるので
実用になり、結果に信憑性が高いのである。
情報工学AIは、単に結果が出たと言うだけであるが
物理・科学の根拠が、このモデルには存在する。
そんな研究をしている神流であるが
碧の電話が気に掛かっている。
幸い、スーパー・コンピュータを持ってしても
計算に時間が掛かるので
珠子のことを考えていた。
珠ちゃん・・・。
思い返すと、どことなく
瞳の色も若干、違っていた。
・・・詩織ちゃんに相談したのは、近所に居たから。
なぜ、大学なのでしょうね。
と、神流は考える。
・・・生態に関する事+お母さんの事。
それから類推する。
「珠ちゃんに、何か不安があるのでしょうね。生態学的な。」
・・・詩織ちゃんは、ミズクラゲの飼育をしているから。
生まれ変わりの事?
と、神流の類推は帰結する。
ミズクラゲの研究は、割と普遍で
首都の大学でも行っていた。
不老不死細胞を作ると言う研究。
万能細胞の次に、人類が望むものだ・・・が。
遺伝子そのものコピーが完全に起こらないと不可能である。
・・・・そういえば、珠ちゃんは
かなり早起きして、働いていたのに
高校生の頃も元気いっぱいだったね。
と、回想する神流。
「よし。」神流は理論的である。
いつか、碧が言い出せない事を
神流が言って、結局碧は
それで悩みをみんなに打ち明けられた事があった。
珠子の時もそうだった。
神流は、研究室に誰もいないので
自分の携帯から、珠子に電話する。
「珠ちゃん。」と、長閑に言う神流に
珠子も和む。けれど。
「何があったのですか?詩織ちゃんに相談したのって。
わたしにはいえないことですか」
率直な声に、珠子も
素直にいきさつを告げる。
神流は「うんうん。わかりました。そういう事もあるでしょう。」
と、呆気なく言うので珠子も拍子抜け。
「何が?」と、シーリアスな気持が吹っ飛んで。
神流は「珠ちゃんが、16歳のままだとしても
気にすることはないですよ。昔と違うし。
いろんな人が、それぞれに幸せになれば。
商店街の皆さんもそうですね。」
珠子は、言われてみて
あっ、と思う。
昔なら、「こうあるべき」と言う形に
皆、無理して沿っていた。
でも、今はそうしなくてもいい時代だから
アーケードの人たちは、寄り添って生きている。
みんなが、ひとつの家族なんだ。
そう、言われてみると思う。
「そうだね。わたし、何を悩んでたんだろう。わたしはわたしだね。
神流ちゃん、ありがとう。」
もし、神隠しにあったとしても。
それまでを幸せに生きれば。
そんな風に思えてきた。
・・・・お母さんも、きっとそうだったんだ。
珠子は、そう決めた。
神流は「でも、時空間移動の能力があったら楽しいですね。
それは、何れ判るでしょう。詩織ちゃんの大学の検査で。」
珠子はわからない。「どうするの?」
神流は「はい。例えば超伝導場。リニア・モーターの動いている所は
理論的に、光、つまり電磁波が入れないのです。
写真に映らない。
そういう空間を想像できますか、珠ちゃん。」
珠子は、ちょっと想像も付かない。
神流は「それでも、リニアモーターカーは動いているのです。
そういうものです。想像できないような空間はあるんですね。」
*神流の説明*
ふつうの電磁場
電子<=>電子<=力
電子同士はマイナスの電荷を帯びているので反発するが
その斥力で電気抵抗も、熱も発生
超伝導電磁場
<=====力
そもそも、電子が存在していないので
力だけが伝わる。
故に、抵抗もない。光も電磁波なので
伝わる物が存在しないから、伝われない。
神流は、長閑に「そういうものです。空間を飛び越えて
お母さんが戻ってこれるかもしれないけれど、お母さんは
今の珠ちゃんより若いかも。
ひょっとすると、珠ちゃんはそういう存在なのかもしれないです。
時間を飛び越えて存在している。」
神流は、落ち着かない。
研究は、いわゆる物理AIである。
情報工学的なAIとは異なり、物理シミュレーション・モデルの計算結果を
重み付けするものであり、物理の分野では信頼性の高いものだ。
例えば、自動車の排気ガス浄化触媒をシミュレートするとする。
構造
排気ガス=>触媒=>浄化ガス
である。
エンジンでの燃焼で、主にCO・HC・NOxの三種を浄化するのだが
NOxは、見ての通り酸素が多い時。
HCは、酸素が少ない。
COは、その中間。
空気にガソリンを混ぜて燃焼する場合に、適当な比率で
気化したガソリンと、酸素が混ざっていれば
NOx・HCは出にくい。
それを、触媒で浄化するのだ。
要素
燃料の量
吸入空気量
触媒の反応温度
エンジンの温度
単純に言って之等であるが
これを、反応の進み具合から模擬するのが
物理・化学シミュレーションモデル。
いわゆるアレニウス式だ。
K=A・exp(-Ea/RT)である。
A:反応係数
Ea:活性化エネルギー
R:ガス定数
T:温度
これを、HC・CO・NOx各々で計算し
結果として
NOx=N2+Ox
HC=H20+CO2
CO=CO2
とする。
それらについて発生する温度で、触媒の温度が決定するので
それがTに代入される。
そのような変数各々を
input
encviron
output
と、分類し
それらを解析するのが、神流の研究する物理AIである。
情報工学的にデータを機械学習・深層学習するよりも
高度な科学的知見を要するが
多変量解析をするよりも確実であるので
実用になり、結果に信憑性が高いのである。
情報工学AIは、単に結果が出たと言うだけであるが
物理・科学の根拠が、このモデルには存在する。
そんな研究をしている神流であるが
碧の電話が気に掛かっている。
幸い、スーパー・コンピュータを持ってしても
計算に時間が掛かるので
珠子のことを考えていた。
珠ちゃん・・・。
思い返すと、どことなく
瞳の色も若干、違っていた。
・・・詩織ちゃんに相談したのは、近所に居たから。
なぜ、大学なのでしょうね。
と、神流は考える。
・・・生態に関する事+お母さんの事。
それから類推する。
「珠ちゃんに、何か不安があるのでしょうね。生態学的な。」
・・・詩織ちゃんは、ミズクラゲの飼育をしているから。
生まれ変わりの事?
と、神流の類推は帰結する。
ミズクラゲの研究は、割と普遍で
首都の大学でも行っていた。
不老不死細胞を作ると言う研究。
万能細胞の次に、人類が望むものだ・・・が。
遺伝子そのものコピーが完全に起こらないと不可能である。
・・・・そういえば、珠ちゃんは
かなり早起きして、働いていたのに
高校生の頃も元気いっぱいだったね。
と、回想する神流。
「よし。」神流は理論的である。
いつか、碧が言い出せない事を
神流が言って、結局碧は
それで悩みをみんなに打ち明けられた事があった。
珠子の時もそうだった。
神流は、研究室に誰もいないので
自分の携帯から、珠子に電話する。
「珠ちゃん。」と、長閑に言う神流に
珠子も和む。けれど。
「何があったのですか?詩織ちゃんに相談したのって。
わたしにはいえないことですか」
率直な声に、珠子も
素直にいきさつを告げる。
神流は「うんうん。わかりました。そういう事もあるでしょう。」
と、呆気なく言うので珠子も拍子抜け。
「何が?」と、シーリアスな気持が吹っ飛んで。
神流は「珠ちゃんが、16歳のままだとしても
気にすることはないですよ。昔と違うし。
いろんな人が、それぞれに幸せになれば。
商店街の皆さんもそうですね。」
珠子は、言われてみて
あっ、と思う。
昔なら、「こうあるべき」と言う形に
皆、無理して沿っていた。
でも、今はそうしなくてもいい時代だから
アーケードの人たちは、寄り添って生きている。
みんなが、ひとつの家族なんだ。
そう、言われてみると思う。
「そうだね。わたし、何を悩んでたんだろう。わたしはわたしだね。
神流ちゃん、ありがとう。」
もし、神隠しにあったとしても。
それまでを幸せに生きれば。
そんな風に思えてきた。
・・・・お母さんも、きっとそうだったんだ。
珠子は、そう決めた。
神流は「でも、時空間移動の能力があったら楽しいですね。
それは、何れ判るでしょう。詩織ちゃんの大学の検査で。」
珠子はわからない。「どうするの?」
神流は「はい。例えば超伝導場。リニア・モーターの動いている所は
理論的に、光、つまり電磁波が入れないのです。
写真に映らない。
そういう空間を想像できますか、珠ちゃん。」
珠子は、ちょっと想像も付かない。
神流は「それでも、リニアモーターカーは動いているのです。
そういうものです。想像できないような空間はあるんですね。」
*神流の説明*
ふつうの電磁場
電子<=>電子<=力
電子同士はマイナスの電荷を帯びているので反発するが
その斥力で電気抵抗も、熱も発生
超伝導電磁場
<=====力
そもそも、電子が存在していないので
力だけが伝わる。
故に、抵抗もない。光も電磁波なので
伝わる物が存在しないから、伝われない。
神流は、長閑に「そういうものです。空間を飛び越えて
お母さんが戻ってこれるかもしれないけれど、お母さんは
今の珠ちゃんより若いかも。
ひょっとすると、珠ちゃんはそういう存在なのかもしれないです。
時間を飛び越えて存在している。」
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