28 / 93
思い出
しおりを挟む
日曜だから、事務員さんはいないけれども
受付の所に、用務員さんが居た。
「おじさん、しばらくですー。」と、碧。
「お元気ですか?」と、珠子。
おじさんは、おーおー。と
思い出した。
古楽器の材料に、と
学校の敷地に生えている竹を切ったりしたので
印象があるのかな、なんて
神流は思った。
詩織はテニス部だったのだけれども
2年になった時、珠子とお友達になったから
珠子の居る、古楽器クラブに参加した。
まあ、思いつきで作ったようなクラブなのだけれども
空き部屋の多いこの学校。
古い木造校舎にある、理科室が部室とされた。
それで、4人一緒になった訳。
「まだ、あるよ。木造校舎」と、用務員さんはにこにこ。
「なんだか、嬉しいね。」と、詩織は、ちょっとノスタルジック。
高校生の頃も、そうだった。
海外に憧れたり、すこし夢見がち。
「いってみよ。」と、碧はわくわく。
校舎なら、鍵は開いているだろう。
本校舎は、白い外観だけれども
木造校舎は、その裏手に建っている。
合間に渡り廊下があって・・と言う
昔の小学校みたいな作り。
珠子も、懐かしくなった。
いろんな事、あったなぁ。
「あ、そうだ。買出しどうする?」碧は気づく。何も用意していない。
珠子は「うちのお菓子は持ってるよ。お茶もあるけど。」
神流は「裏門のところのお店、まだあるでしょうか。」と。
裏門に、駄菓子屋さんのような、パン屋さんのような。
文房具屋さんのようなお店があって。
時々、忘れ物を買って済ましたり。
そういう生徒も居たりする。
「行ってみようか。」と。碧。
うんうん。と、用務員さんにお礼を言って
校庭の端を歩く。
体育館が隣にあって、バレーボール部や、体操部。
声が響いている。
裏門は、小さなコンクリートの門柱で
シンプル。
錆びた門扉が風情を醸している。
その門扉を開くと、油が切れているのか
きい、と音がする。
神流は「給脂したくなりますね。」と、エンジニアっぽい。
「休止?」と、碧は判らない。
「牛脂?」と、珠子は和菓子屋さんっぽい。
「グリースを点す事を、そう言います」と、技術用語。
「そうなんだ。初めて聞いた」と、詩織は素直に頷く。
「大学の人でも知らない事ってあるの?」と、碧は笑う。
あるわよ、と詩織も笑う。
「面白い先生もいらして。とても楽しいところ。」と。
珠子も、それは思う。「あの、医学部の人とか。」と言うと
碧は「珠子、大学に行った事あるの?」と。
珠子は「あ、この間、詩織ちゃんに会ったの。」と。
碧は思い出し「ああ!それで詩織は・・。」と言いかけて
言ってはいけない事だと、口をつぐんだ。
碧だけが知らない、神隠しのお話など。
珠子は「碧ちゃん、言って無かったね。ごめんね。」と
これまでの事を話した。
碧は「ふーん。そうなんだ。私にも言ってよ。珠子。」と
近くにいない、と言う事をちょっと残念に思う。
珠子は「私もよく判らない話しなの。」と。
碧は「そうかもね。難しいのは私もダメ。」と。
詩織は「偶々、私が大学に居た、ってだけよ。」と。
それはそうね、と。碧。
その、駄菓子屋さんは
少し、新しくなっていて。
洋菓子なども、少しはある。
コンビニエントみたいな感じもするお店。
お菓子やケーキを買ったり。
「チョコケーキにしようかなー。」と、珠子。
「和菓子屋さん、チョコ入り大福とかですか?」と神流。
それはダメー、と、珠子「お父さん、頑固だもん」
碧は「そーだよねー。あの頃も結構、ケンカしてたね。新作の事で。」
詩織は「そんな事あったの?」
珠子は「それは、詩織ちゃんと出会う前のお話。」と。
神流は思う。
記憶って、そんな風に積み重なるけれど。
時間の流れが変わると、どうなるのでしょうね・・・・。
ちょっと、想像ができない。それは、神流でも。
数式で定義する事は出来るけれど。
受付の所に、用務員さんが居た。
「おじさん、しばらくですー。」と、碧。
「お元気ですか?」と、珠子。
おじさんは、おーおー。と
思い出した。
古楽器の材料に、と
学校の敷地に生えている竹を切ったりしたので
印象があるのかな、なんて
神流は思った。
詩織はテニス部だったのだけれども
2年になった時、珠子とお友達になったから
珠子の居る、古楽器クラブに参加した。
まあ、思いつきで作ったようなクラブなのだけれども
空き部屋の多いこの学校。
古い木造校舎にある、理科室が部室とされた。
それで、4人一緒になった訳。
「まだ、あるよ。木造校舎」と、用務員さんはにこにこ。
「なんだか、嬉しいね。」と、詩織は、ちょっとノスタルジック。
高校生の頃も、そうだった。
海外に憧れたり、すこし夢見がち。
「いってみよ。」と、碧はわくわく。
校舎なら、鍵は開いているだろう。
本校舎は、白い外観だけれども
木造校舎は、その裏手に建っている。
合間に渡り廊下があって・・と言う
昔の小学校みたいな作り。
珠子も、懐かしくなった。
いろんな事、あったなぁ。
「あ、そうだ。買出しどうする?」碧は気づく。何も用意していない。
珠子は「うちのお菓子は持ってるよ。お茶もあるけど。」
神流は「裏門のところのお店、まだあるでしょうか。」と。
裏門に、駄菓子屋さんのような、パン屋さんのような。
文房具屋さんのようなお店があって。
時々、忘れ物を買って済ましたり。
そういう生徒も居たりする。
「行ってみようか。」と。碧。
うんうん。と、用務員さんにお礼を言って
校庭の端を歩く。
体育館が隣にあって、バレーボール部や、体操部。
声が響いている。
裏門は、小さなコンクリートの門柱で
シンプル。
錆びた門扉が風情を醸している。
その門扉を開くと、油が切れているのか
きい、と音がする。
神流は「給脂したくなりますね。」と、エンジニアっぽい。
「休止?」と、碧は判らない。
「牛脂?」と、珠子は和菓子屋さんっぽい。
「グリースを点す事を、そう言います」と、技術用語。
「そうなんだ。初めて聞いた」と、詩織は素直に頷く。
「大学の人でも知らない事ってあるの?」と、碧は笑う。
あるわよ、と詩織も笑う。
「面白い先生もいらして。とても楽しいところ。」と。
珠子も、それは思う。「あの、医学部の人とか。」と言うと
碧は「珠子、大学に行った事あるの?」と。
珠子は「あ、この間、詩織ちゃんに会ったの。」と。
碧は思い出し「ああ!それで詩織は・・。」と言いかけて
言ってはいけない事だと、口をつぐんだ。
碧だけが知らない、神隠しのお話など。
珠子は「碧ちゃん、言って無かったね。ごめんね。」と
これまでの事を話した。
碧は「ふーん。そうなんだ。私にも言ってよ。珠子。」と
近くにいない、と言う事をちょっと残念に思う。
珠子は「私もよく判らない話しなの。」と。
碧は「そうかもね。難しいのは私もダメ。」と。
詩織は「偶々、私が大学に居た、ってだけよ。」と。
それはそうね、と。碧。
その、駄菓子屋さんは
少し、新しくなっていて。
洋菓子なども、少しはある。
コンビニエントみたいな感じもするお店。
お菓子やケーキを買ったり。
「チョコケーキにしようかなー。」と、珠子。
「和菓子屋さん、チョコ入り大福とかですか?」と神流。
それはダメー、と、珠子「お父さん、頑固だもん」
碧は「そーだよねー。あの頃も結構、ケンカしてたね。新作の事で。」
詩織は「そんな事あったの?」
珠子は「それは、詩織ちゃんと出会う前のお話。」と。
神流は思う。
記憶って、そんな風に積み重なるけれど。
時間の流れが変わると、どうなるのでしょうね・・・・。
ちょっと、想像ができない。それは、神流でも。
数式で定義する事は出来るけれど。
0
あなたにおすすめの小説
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
〖完結〗終着駅のパッセージ
苺迷音
恋愛
分厚い眼鏡と、ひっつめた髪を毛糸帽で覆う女性・カレン。
彼女はとある想いを胸に北へ向かう蒸気機関車に乗っていた。
王都から離れてゆく車窓を眺めながら、カレンは夫と婚姻してから三年という長い時間を振り返る。
その間、夫が帰宅したのは数えるほどだった。
※ご覧いただけましたらとても嬉しいです。よろしくお願いいたします。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる