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深町珠

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電気

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「珠ちゃんって前向きだから。元気だからでしょうか」と、神流は
微笑んで。

いつも、なーんとなくのんびりしているように見える神流は
研究が好きなので、つい、夜遅くまで。
それも、まあ、「脳」の中の空想に「体」が従ってしまう例である。
判断が誤っているのだが、それを「空想」、つまり希望が
目的にするから、なのだが。

そこを理論的に判断すれば、この世の中の不都合はほぼ、無くなる。

珠子の場合は、その空想が過剰だったので・・・。
かえって、これでよかったのかもしれない。


珠子は回想する。「わたし、お母さんが居なくなった時の事は覚えていないの。
でも、双葉のおかげかな。前向きになれたのは。」


優しい子で、女の子みたいに可愛らしい子だった。
ずっと姉妹みたいに過ごしていたから、男の子とは思っていなかった。

「高校の時に、ラブレターを書いた人ですね。珠ちゃんに。」と、神流はにこにこ。
あの時は碧ちゃんが、守護神のように立ち塞がって。勇ましかったですね、と。


珠子も思い出して「そうそう。碧ちゃんって面白いね。」と。笑顔になる。


「双葉さんは、首都にいるんですね。確か。」と、神流。


珠子は「そうそう。確か・・・まだ大学に残ってるとか。」と、国立だとか、と。

「留年ですか」と。神流はのんびりと言う。

「私もそう言ったら、そうじゃなくて仕事があって就職したとか。」と。珠子。

「詩織ちゃんと一緒ですね。」と、神流。

珠子は「・・・そうなのかな?そうだね。きっと。」よくわからないので (笑)。

大学の人がなにをして食べていけるのか、和菓子職人の珠子には
よくわからないのが正直なところ。

難しいこと考えてる、くらい。

詩織ちゃんは、まだクラゲを飼ってるから、そのために居るのは
判るけど・・・。


「双葉さん、なにしてるんでしょうね。大学で」と。神流は思う。
ひょっとしたら、詩織ちゃんみたいに・・・。とも期待して。


「わかんない。あっちについたら聞いてみようよ。電話で」と。珠子。
電話番号くらいは知っている。幼馴染だし。



もう少しで、到着する。「早いね。新幹線」と。珠子。

神流は「そうですね。電磁気力の。」と、いいかけて

「・・・いえ、趣味の話しですね」と。笑う。



電子は、右回転しているから、右回りに磁気が発生するのである
なぜ右回りなのかはよくわかっていない (笑)。

それで、電流が起こると右回りの磁界が出来るから
コイルを作ると電磁石になるという、単純なお話なのだが

電子そのものはそんなに早く移動出来ないのは、よく知られている。
つまり、電流は電子の流れ、と言う概念で考えると、現実とは異なった認識になってしまう

のだが。

概念と言うのはそのようなもので、よく知られているお話としては

+=>- と、電流が流れるとされているが

実際には電子の動きは

ー=>+ である辺りもそうなのだが、これは仕方ない。
古き良き時代の定めである。
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