タビスルムスメ

深町珠

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イッシーちゃん

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「いい事したのに。」と、友里絵。

愛紗は「でも、会社に言ったら、会社も困るよ」

菜由は「規則って面倒だね」


由香は「しょーもない、逃亡者。」

友里絵「リチャード・キンブル」

由香「金ぶる?」

友里絵は「ちゃうよー。欲求不満かいな」


由香「あんたと一緒にせんといてー。金がなーんで欲求不満なんじゃ。」


友里絵「あ、そっか。ははは。」


由香「あんたが不満なんじゃろ」



・・・楽しいお友達(^^)。シーリアスになんなくて済むの。
と、愛紗は思う。



真面目に考えても仕方ないものね。



菜由「でーもさ、緊急避難だったね。人命救助でしょ、あれ。新聞によく載るね。
乗客がバスを停めたとか」









大岡山でも、同じような事があった。
歩道のないトンネルの中に迷い込んでしまった旅行者が
ローリングバゲッヂを、転がしながら歩いていて。

それを見かねた深町が、バスに乗せてトンネル外まで運んだ。
勿論、無料である。

感謝の気持を、会社にメールしてしまったので・・・・。

深町は責任を問われた。

ただ、運行指令も社長も喜んでいたが。


この時は岩市も「ばーか、料金取れ」と、行って
笑っていた。

岩市にも、人の心はあるのである。



この時、国交省に届出無かったが
幸い、見つかる事は無かった。


法律上は、停留所でない所で乗降は出来ないし
トンネル内は駐停車禁止場所である。



(だが、人命尊重である。道交法の基本理念からして
これは、法に則った措置であるので・・・国交省に届出ても
不問になった、と考えられる)。












池田湖沿いに、お土産屋さんがいくつも。
果物とか、野菜とか。筍とか。きのことか。
長閑な雰囲気。


見てても和む。



「TVの取材受けたりしてねー。

新聞によりますとー、バスガイドの日生愛紗さん(21)は
旅先でー。
バスの乗客を危険から救ったんですー。」

と、友里絵は、レポーターみたいに(^^)。


「ウィークエンダーかいな」と、由香。

友里絵「♪ちゃっちゃらっちゃちゃー♪」


菜由「あんたら、ほんとに芸人になったほうがいいわ」



愛紗「今晩出るんでしょ?お宿で」


友里絵「えー、あのおじさん達、今日も泊まるのかな?」


由香「それはわかんないけど」




「まあ、ガイドだったらほんとにワイドショーが来るよね。
『美人ガイド、人命救助』とか」と、菜由。

「美人じゃないよ。ガイドでもないし」と、愛紗も笑う。



「かわいーもんね」と、友里絵はにこにこ。


「ありがと。」と、愛紗。



でもまあ、TVに出たら・・・父に見つかっちゃうし。なーんて思ったりもした。



「イッシーでるかな」と、友里絵。

「朝か夜だよ」と、由香。

「イッシッシ」と、友里絵。

「それはさっきもやったぞ」と、由香。


「イッシー三宅」と、友里絵。

「それは古い」と、由香

「イッシー坂本」と、菜由。


愛紗「誰だっけ?」

「なんだっけ、かせたいしゅー。」と、友里絵。


「貸せ体臭?」へんな名前。と、由香(^^)。


「下着レンタルかな」と、友里絵。


「わっはは」と、由香。


「オトメの下着貸します」と、友里絵。


「誰がオトメなんだよ」と、由香。


「わかんないって」と、友里絵。


「そりゃそうだな」と、由香。



湖畔に、とととと・・・と、友里絵は駆けて行って。

「いないなー。イッシーちゃん。

『おーい、イッシーちゃーん』

 ・・・こないねぇ」


果物売りのおばさんが「面白い子だねぇ」と、にこにこ。


由香は「ほっといてください。少しヘンなの」と、笑って

「これー、友里絵。人が見てるでしょ」


愛紗も、友里絵が一緒だと、楽しい。
悩まなくていいの。

いいお友達ができて、よかった。


そんなふうに思う。
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