タビスルムスメ

深町珠

文字の大きさ
201 / 361

FEN

しおりを挟む
「だいたい、おねーさんっていっても、ほぼ同じじゃん」と、友里絵。

真由美ちゃんは「友里絵さん何月生まれですか?」

友里絵は「2月。真由美ちゃんは?」

真由美ちゃんは「私は5月です」


由香「あ、じゃ・・・学年も同じかな?」

菜由「そう・・・じゃないの?だって、友里絵が20でさ、真由美ちゃんが19だったら。」


愛紗「じゃ、お誕生日が来たら20歳なの」

真由美ちゃん「はい」


まだ、後片付けがあるおばあちゃんに、ばいばい、して。真由美ちゃんはにこにこ。


友里絵は「いいね、やさしいおばあちゃん」


真由美ちゃんは「はい。よく、遊んでもらっていました。」

菜由は「いまから後片付けで・・・・朝が、ご飯の支度かー。すごい。」


食堂から、磨き込まれてつるつるの廊下をスリッパで歩く。

友里絵は「なんか、滑るね」
と、スケートの真似。

片足、蹴って、つー・・・。


真由美ちゃんは、ころころ笑う。


由香「やーめなさいって。幼稚園児かキミは」

友里絵は「イナバウワー」と、反り返って。

浴衣の前がはだけて、足が丸見え。


菜由は「よせって、これ!」

愛紗もびっくりした。

由香は、友里絵を捕まえて「アホ」と。


愛紗は「イナバウワーって、なつかしいね」

友里絵「やんなかった?」


由香「やったな。」


友里絵「あんたもやってたじゃん」


由香「浴衣じゃやんないよ」


友里絵「いーじゃん、だれもみてないし。見たって減るもんでもないし」


菜由「そーいうところがすでに・・・。」

友里絵「すでに?」


菜由「言ってほしい?」

友里絵「おやじギャル」


菜由「・・・というか」

由香「BBA」


友里絵「わはは!。BBQは美味しいけど」


みんなは、乙女階段を上りながら。

真由美ちゃん「バーベキュー、楽しいですね、よく、お庭で焼いたっけ」

由香「いーねぇ。広いとこは。」

友里絵「うちらも、まあ・・海岸でできたけど」



真由美ちゃん「海岸、いいですね。海が無いですから、この辺り。」


友里絵「あ、そっか。そうね。海岸をお散歩したり。明け方とか」

由香「寝てるだろ」

友里絵「うるさいなあ、いめーじよ、イメージ」


菜由「犬つれたりして。」


愛紗「かわいいのね」

友里絵「ドーベルマンとか」


由香「かわいいか?」



友里絵「かーいーんだよーぉ。噛み付くし」


菜由「それ、かわいいのか?」



友里絵「うん」


真由美ちゃんはくすくす笑って「かわいいですね、わんこさん」



階段をあがって、左に曲がって。
203号室。


愛紗が鍵を開けて。


「なんか、愛紗がツアーコンダクターみたい」と、友里絵。


「代わる?」と、愛紗。部屋の鍵を差し出して。


由香が、掌で抑えて「ダメ、失くすから」


友里絵は「そーんなことなーいよって。そういうものは失くさない。」


由香「そうか?宿題とか、よく「失くしました」って。小学校の頃」


友里絵「あれは、わざと失くしたの」


菜由「ははは、いたねー。そういう子。男の子ね」


由香「友里絵は男だろ、実は。乙女を狙うし」


友里絵「おじさんにまかせなさい」


菜由「それ、好きだなぁ」



友里絵「まー、あったことないけど。そういうおじさん」


由香「向こうも選ぶと思う」


友里絵「なるほど」



「あしながおじさんね」と、愛紗。


友里絵は「うん、でもさ・・・あれって、ホントにお金だしただけ?」


菜由「あ、そっか。そう思うと・・・ちょっと。」


由香「まあ、外国ってほら、階級社会だから」


友里絵「鋭い!さすがは三流高卒女」

由香「三流は余計だ。なんだ、三流高中退女」

友里絵「いーじゃん。中退して専門卒」


真由美ちゃんは「そういう学校ってあるんですね」


友里絵「そうそう。お料理の学校なんかと似てて。で、美容師・理容師もそう。
一応高卒資格あるけど」


真由美ちゃん「すごいなー。」


友里絵「えへへ」


由香「せっぱつまるとな」



友里絵「なんだよそれ」


由香「アンタさ、英語の書き取りとか、鉛筆2本持ってやってたじゃん」

菜由「ははは。いたいた!同じとこ間違えてバレた」

愛紗「男の子ね。だいたい」


由香「やっぱ、あんた男だろ。」


友里絵「ひっひっひ・・・筆卸し」


由香「あんたの筆か」


友里絵「・・・ソウル♪ドラキュラ♪・・はっはっはっは・・・。」


真由美ちゃん「なつかしいですね。よくFENで掛かってた」




愛紗「スリラーとか」


菜由「それはテレビ」


愛紗「そっか。ここ、FENってどこの放送局?」


真由美ちゃん「どこでしょう?回すと入ってくるんです。ダイヤル」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

処理中です...