タビスルムスメ

深町珠

文字の大きさ
248 / 361

馬さらみ

しおりを挟む
「ごちそうさまでしたー」と、友里絵は
ウエイトレスさんたちに、ご挨拶。

「おいしかったですー。」と、由香。
かわいく。

菜由も、ご挨拶「ごちそうさまでした」

愛紗も、続いて「ありがとうございます」と、ご挨拶。


食堂を出た、右手には
おみやげものコーナー。

「あ、ちょっと見ていこ」と、友里絵。

とっとことっとこ・・・。


「馬の油だって」と。

シャンプーとか、クリームとか。

クリームのびんを開けてみると、白い。

「なんか、ふつうだね」と、匂い嗅いだり。

「犬だろやっぱ」と、由香(^^;


売店のおばちゃんが来て・・・。「荒れを防ぐのよ」


友里絵は「アレを防ぐ・・・うーん・・。塗るの、これ?」


おばちゃん、こくこく。


友里絵「ねー、試していい?」

おばちゃん、こくこく。


友里絵は指につけて・・・お股に塗ろうと、屈んで。

由香が「まてまて。どこに塗る気だ」


友里絵は「だって・・・アレを防ぐんでしょ?塗るならアソコ」


おばちゃんはげらげら「おもしろいねぇ、お嬢ちゃん。高校生?」

由香は「いえ、20です。頭の中身は幼児並み」

おばちゃんは、まだ笑っている。
日焼けの顔。にこにこ。パーマの頭。制服がモダーンで、なんかユニーク。


友里絵は、食べ物のコーナーへ。


干した大根とか・・・おもしろいものがある。
お味噌、お米。

「なんでもあるねー。あ、馬さらみだって」

ぶっとい、ソーセージ状の物体を右手で掴んで。

右手を前後に・・・ごしごし。


由香が「なんか怪しいなぁ」

友里絵「男の手仕事」


フロントマンも、笑っている。



愛紗は・・・・既に消えていた(笑)。


いないと思っていたら、ロビーの向こうにあるカフェ・バーに。


「高森神楽・・・・か」

秋に来ると、見れるんだな・・・・。なんて。


ホールは結構広いので、お神楽をしても賑わうだろう。


バーのコーナーは、シーズンなら賑わうだろうけど
オフシーズンの水曜とあって、静か。

そこがまた、旅情を誘う。



菜由が「なにしてるの?」と、とことこ。


愛紗が「うん、展示を見てたの」

菜由は「お神楽かー。あたし見たことあるよ」

愛紗「そう。どんな?」


菜由「うん、高千穂のと似てるけど、観客を襲う振りしたり。コミカルなの」



由香が来て「おー。此方は伝統芸能。友里絵は男の手仕事だもんなー。
やっぱ知能がなー。」

友里絵は「いいじゃん別に。


由香「まあ、いいならいいけどさ」


愛紗も思う。いいならいいんだ。

妙なところに同感する(笑)。自分の選択を、人と比べなくて、いいんだ。

そう、自分にも言いたいのだろう。









さて・・・かたや。人吉温泉芸者(笑)恵はと言うと・・・。

日光さんのお家の離れで、のーんびり。
ご飯食べて。「ごちそうさまでしたー」と。

真由美ちゃんはにっこり「はい。よく食べました」

恵は「なんか、その言い方、おばあちゃんみたい」

真由美ちゃんは「おばあちゃんがよく、こうして」

恵は「真由美ちゃんのおばあちゃんって・・・KKR人吉に居るって言う?」

真由美ちゃん、こくこく。頷く。

恵は「いいなー。ずっと、働いて来たんだね」

真由美ちゃんは「恵さんは・・働かないんですか?」

恵「だって、結婚して・・とか考えたらその後はムリでしょ、乗務員は」

真由美ちゃんは「まあ・・・車掌は無理かもしれないですね。駅員とかだったら。」

恵は「駅でもねー。・・・あ、ローカル線の小さな委託駅とかだったら。」

真由美ちゃんは「愛紗さんの伯母さんがしているそうです。久大線の庄内駅で」

恵は「へーぇ。そういうのってあるといいね。仕事のクチ。・・・でも、今は。列車に乗るの。」

真由美ちゃんは「そうですね。まだ若いし。」

恵「女ってメンドイよね。顔だってメークしないといけないとかさ。誰がきめたの?って
言いたくなる。しないで乗務していいのか、って言うと・・・。」

真由美ちゃんは「男の人でメークすると問題になるし」

恵「はは!そーだね」と、お膳を持って
この離れの台所に。


真由美ちゃんは「あ、いいです」

恵は「いいの。この位やらせて?お世話になったんだし。無理やり」


真由美ちゃん「無理やり・・・。」と言って、さっきのことを思い出して笑った。

「ホントにここに住むんですか?」


恵は「ま、現実には無理ね。」と、笑った。

真由美ちゃんは「はは」と、笑った。

・・・なーんだ、冗談か。


・・・・ホントに、お兄ちゃんの押しかけ女房(笑)になるかと心配だった。少しだけ。

でもまあ、他の人に取られるよりは・・・いいけど。
フクザツである。オトメこころは。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

処理中です...