291 / 361
ありがとう
しおりを挟む
特急「ゆふDX」は、向之原を発車する。
床下のターボ・チャージャーが金属音を発する。
ジェット機のような、きーん・・・と言う高い音だ。
排気エネルギーで回すので、回転数は10000rpmを超える。
吸気側を、単に扇風機のような羽で押すだけだから、空回り半分。
圧力が上がると、空気は熱くなる。PV=nRTである。
それを冷やすのがインタークーラだ。
それらのおかげで、重い鉄道車両も動かす事が出来る。
流体クラッチ、トルク・コンバータの恩恵である・・・。
車体が、ぐぐぐ・・・と、押し出される。
ゆっくりゆっくり。
上り坂なので、少しゆっくりメ。
でも、着実に動いている。
駅舎のある1番線側で、駅員さんで挙手、挨拶をしている。
車掌さんに、だろうか。
それを見ても、来た時みたいに暗鬱な気分、バスを思い出して・・・
と言う感じにならない愛紗は
「来て良かったな」と思った。
みんなが、優しい。
友里絵、由香、菜由。仕事や家庭をとりあえず、休み(?)にして
付き合ってくれた。
そして・・・国鉄のみんな。
友里絵ちゃんの誘いに、休日なのに付き合ってくれたり。
いい人たち。
わたし、しあわせだ・・・・。と、思う愛紗。
「ありがとう・・・・」と、思う。
菜由が、そんな愛紗に「どうしたの?」
愛紗は、ううん、と、かぶりを振って「ありがとう、って思ったの」
友里絵は、敬礼をして「母さん、行ってきます!」
由香「♪~いっつもー心に~・・・」
菜由「ありがとう」
ともちゃん「なつかしー」
パティは「ナースでしたっけ」
さかまゆちゃん「そうそう。お巡りさんのもあったの」
愛紗「懐かしいでしょ」
と、友里絵が一緒だと、楽しい。深く考えなくていい(^^)。
いい子ね、友里絵ちゃん・・・・。
左の車窓に、大きな夕陽が映る。
友里絵は「おぉーぉぉぉ~」
由香「太陽にほえろ!」
菜由は「列車で吠えるなよ、ケージに入れるぞ」
由香「ハウス!」
友里絵「わんわんわん」と、お座り。
パティ「かわいいわんわん。よしよし」
と、友里絵をなでなで。
友里絵は「あ、庄内だね」
伯母ちゃん、いるかなー・・・と、左の窓を覗いた。
「ゆふDX」は、信号停止。
行き違いらしい。
駅の中の、出札に居るみたいな
愛紗の伯母さん。
「お茶してるのかな」と、友里絵。
パティは「日野さんの伯母さん」
愛紗は「そうそう。わたしもね、こっちへ帰って来て
この辺りに住もうかなって思うの」
パティ「いいねー。のんびりできますね」
ともちゃん「駅員さん、いいですね。」
さかまゆちゃん「理想かもしれないです。」
友里絵の気持が通じたのか、伯母ちゃんは駅舎から出てきて。
友里絵は、ともちゃんとさかまゆちゃんの間に立って
窓を、コンコン。
伯母ちゃんは気がついて、びっくり。
何か言ってるけど、聞こえない。窓開かないから。
友里絵は「た・だ・い・ま」と、一言づつ言った。
伯母ちゃんは「お、か、え、り」と、にこにこ。
愛紗は後ろで手を振った。
菜由は、会釈。
由香、お辞儀。
そのうちに信号が青になり・・・
運転士さんは、信号現示確認。
本線、出発進行!
停止位置にしていたブレーキ・ハンドルを1にし
変速段。
車体が、ぐ、と前のめりになる。
マスター・コントロール 1ノッチ。
ブレーキ0ノッチ。
エンジンが、ごー・・・・・。
ターボ・チャージャーが金属音。きーん・・・・・。
ディーゼル特急「ゆふDX」は、庄内駅を走り出した。
伯母ちゃんはにこにこ、手を振っている。
友里絵も手を振って。
跨線橋を渡り、右カーブしながら駅を離れる。
左手に、保線区の建物が見える。
ふるーい、モルタルの2階建て。
だんだん、勢いが付いて
「ゆふDX」は、線路を上り始めた。
・
・
・
裕子が「じゃ、仕事に戻るね」と
業務室から出て行ったので
まゆまゆは、ふたたびひとり。
かたたん、かたたん・・・
急行「球磨川4号」は、八代に向かって
鹿児島本線を下っている。
かーん、かーん、かーん・・・・
踏み切り警報機の音が遠くから近づいて、離れていく。
最初は高く聞こえて、離れるときは低くなる。
「音楽みたい」と、まゆまゆは思う。
「旅する仕事って、いいな」なんとなく。
「運転手さんか・・・裕子さんすごいなぁ」と、思う。
真由美には、遠い道のり。
車掌に登用されて、それから運転士に登用される。
その間に大過なく過ごさなくてはならない。
運転士になるなら、試験もある。
「お兄ちゃんは貨物だったからなー。」
貨物の車掌は、客扱いが無いので
気楽かも、なんて思った。
もっとも、女の貨物車掌って前例が無いのだけど。
貨物の車掌車は、トイレが無い(^^;と言う事情もあって。
「旅客の車掌は、トイレに行っておけ。貨物なら、溜めておけ」
と言う教訓がある。
冬場など、寒いのでマメタンストーブを持って乗る。
ややもすると、マメタンがストーブから転がり出る事があって
消火に使うわけ(^^;
女子には無理だろうと思う(笑)。
床下のターボ・チャージャーが金属音を発する。
ジェット機のような、きーん・・・と言う高い音だ。
排気エネルギーで回すので、回転数は10000rpmを超える。
吸気側を、単に扇風機のような羽で押すだけだから、空回り半分。
圧力が上がると、空気は熱くなる。PV=nRTである。
それを冷やすのがインタークーラだ。
それらのおかげで、重い鉄道車両も動かす事が出来る。
流体クラッチ、トルク・コンバータの恩恵である・・・。
車体が、ぐぐぐ・・・と、押し出される。
ゆっくりゆっくり。
上り坂なので、少しゆっくりメ。
でも、着実に動いている。
駅舎のある1番線側で、駅員さんで挙手、挨拶をしている。
車掌さんに、だろうか。
それを見ても、来た時みたいに暗鬱な気分、バスを思い出して・・・
と言う感じにならない愛紗は
「来て良かったな」と思った。
みんなが、優しい。
友里絵、由香、菜由。仕事や家庭をとりあえず、休み(?)にして
付き合ってくれた。
そして・・・国鉄のみんな。
友里絵ちゃんの誘いに、休日なのに付き合ってくれたり。
いい人たち。
わたし、しあわせだ・・・・。と、思う愛紗。
「ありがとう・・・・」と、思う。
菜由が、そんな愛紗に「どうしたの?」
愛紗は、ううん、と、かぶりを振って「ありがとう、って思ったの」
友里絵は、敬礼をして「母さん、行ってきます!」
由香「♪~いっつもー心に~・・・」
菜由「ありがとう」
ともちゃん「なつかしー」
パティは「ナースでしたっけ」
さかまゆちゃん「そうそう。お巡りさんのもあったの」
愛紗「懐かしいでしょ」
と、友里絵が一緒だと、楽しい。深く考えなくていい(^^)。
いい子ね、友里絵ちゃん・・・・。
左の車窓に、大きな夕陽が映る。
友里絵は「おぉーぉぉぉ~」
由香「太陽にほえろ!」
菜由は「列車で吠えるなよ、ケージに入れるぞ」
由香「ハウス!」
友里絵「わんわんわん」と、お座り。
パティ「かわいいわんわん。よしよし」
と、友里絵をなでなで。
友里絵は「あ、庄内だね」
伯母ちゃん、いるかなー・・・と、左の窓を覗いた。
「ゆふDX」は、信号停止。
行き違いらしい。
駅の中の、出札に居るみたいな
愛紗の伯母さん。
「お茶してるのかな」と、友里絵。
パティは「日野さんの伯母さん」
愛紗は「そうそう。わたしもね、こっちへ帰って来て
この辺りに住もうかなって思うの」
パティ「いいねー。のんびりできますね」
ともちゃん「駅員さん、いいですね。」
さかまゆちゃん「理想かもしれないです。」
友里絵の気持が通じたのか、伯母ちゃんは駅舎から出てきて。
友里絵は、ともちゃんとさかまゆちゃんの間に立って
窓を、コンコン。
伯母ちゃんは気がついて、びっくり。
何か言ってるけど、聞こえない。窓開かないから。
友里絵は「た・だ・い・ま」と、一言づつ言った。
伯母ちゃんは「お、か、え、り」と、にこにこ。
愛紗は後ろで手を振った。
菜由は、会釈。
由香、お辞儀。
そのうちに信号が青になり・・・
運転士さんは、信号現示確認。
本線、出発進行!
停止位置にしていたブレーキ・ハンドルを1にし
変速段。
車体が、ぐ、と前のめりになる。
マスター・コントロール 1ノッチ。
ブレーキ0ノッチ。
エンジンが、ごー・・・・・。
ターボ・チャージャーが金属音。きーん・・・・・。
ディーゼル特急「ゆふDX」は、庄内駅を走り出した。
伯母ちゃんはにこにこ、手を振っている。
友里絵も手を振って。
跨線橋を渡り、右カーブしながら駅を離れる。
左手に、保線区の建物が見える。
ふるーい、モルタルの2階建て。
だんだん、勢いが付いて
「ゆふDX」は、線路を上り始めた。
・
・
・
裕子が「じゃ、仕事に戻るね」と
業務室から出て行ったので
まゆまゆは、ふたたびひとり。
かたたん、かたたん・・・
急行「球磨川4号」は、八代に向かって
鹿児島本線を下っている。
かーん、かーん、かーん・・・・
踏み切り警報機の音が遠くから近づいて、離れていく。
最初は高く聞こえて、離れるときは低くなる。
「音楽みたい」と、まゆまゆは思う。
「旅する仕事って、いいな」なんとなく。
「運転手さんか・・・裕子さんすごいなぁ」と、思う。
真由美には、遠い道のり。
車掌に登用されて、それから運転士に登用される。
その間に大過なく過ごさなくてはならない。
運転士になるなら、試験もある。
「お兄ちゃんは貨物だったからなー。」
貨物の車掌は、客扱いが無いので
気楽かも、なんて思った。
もっとも、女の貨物車掌って前例が無いのだけど。
貨物の車掌車は、トイレが無い(^^;と言う事情もあって。
「旅客の車掌は、トイレに行っておけ。貨物なら、溜めておけ」
と言う教訓がある。
冬場など、寒いのでマメタンストーブを持って乗る。
ややもすると、マメタンがストーブから転がり出る事があって
消火に使うわけ(^^;
女子には無理だろうと思う(笑)。
0
あなたにおすすめの小説
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
元カノと復縁する方法
なとみ
恋愛
「別れよっか」
同棲して1年ちょっとの榛名旭(はるな あさひ)に、ある日別れを告げられた無自覚男の瀬戸口颯(せとぐち そう)。
会社の同僚でもある二人の付き合いは、突然終わりを迎える。
自分の気持ちを振り返りながら、復縁に向けて頑張るお話。
表紙はまるぶち銀河様からの頂き物です。素敵です!
会社員の青年と清掃員の老婆の超越した愛
MisakiNonagase
恋愛
二十六歳のレンが働くオフィスビルには、清掃員として七十歳のカズコも従事している。カズコは愛嬌のある笑顔と真面目な仕事ぶりで誰からも好かれていた。ある日の仕事帰りにレンがよく行く立ち飲み屋に入ると、カズコもいた。清掃員の青い作業服姿しか見たことのなかったレンは、ごく普通の装いだったがカズコの姿が輝いて見えた。それから少しづつ話すようになり、二人は年の差を越えて恋を育んでいくストーリーです。不倫は情事かもしれないが、この二人には情状という言葉がふさわしい。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド
まみ夜
ホラー
ここは、2008年2月09日朝に報道された、全国十ケ所総数六十体以上の「大量焼死体遺棄事件」のまとめサイトです。
事件の上澄みでしかない、ニュース報道とネット情報が序章であり終章。
一年以上も前に、偶然「写本」のネット検索から、オカルトな事件に巻き込まれた女性のブログ。
その家族が、彼女を探すことで、日常を踏み越える恐怖を、誰かに相談したかったブログまでが第一章。
そして、事件の、悪意の裏側が第二章です。
ホラーもミステリーと同じで、ラストがないと評価しづらいため、短編集でない長編はweb掲載には向かないジャンルです。
そのため、第一章にて、表向きのラストを用意しました。
第二章では、その裏側が明らかになり、予想を裏切れれば、とも思いますので、お付き合いください。
表紙イラストは、lllust ACより、乾大和様の「お嬢さん」を使用させていただいております。
子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちだというのに。
入社して配属一日目。
直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。
中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。
彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。
それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。
「俺が、悪いのか」
人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。
けれど。
「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」
あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちなのに。
星谷桐子
22歳
システム開発会社営業事務
中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手
自分の非はちゃんと認める子
頑張り屋さん
×
京塚大介
32歳
システム開発会社営業事務 主任
ツンツンあたまで目つき悪い
態度もでかくて人に恐怖を与えがち
5歳の娘にデレデレな愛妻家
いまでも亡くなった妻を愛している
私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる