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めぐの学園祭
しおりを挟むその命は、限られたものだったりする。
「ルーフィ、あのね?病気を直す魔法ってある?」と、Megは深刻な表情。
夜遅く、屋根裏部屋へやってきた。
ルーフィは、もちろん自分の部屋だから
人間の姿になっている。
アンダーウェアだけで、ベッドにごろり。
「深夜に男の部屋に来るなんてぇ」と、ルーフィは軽快。
「冗談じゃないのよ。おばあちゃんが具合悪いの。病院に行ったらね、ガンがあるんだって」と、Megは幼い女の子のように泣き出しそうだ。
ルーフィは、真面目な表情をして
「魔法、あるよ。うん。どうって事はないよ。
君にもできる。ガン、って嫌っているけれども
細胞だ。生きているのさ。遺伝情報を書き換えればふつうの細胞になるのさ」
ルーフィは、魔法のメッセージを
翻訳した。
model modelica.human.ordinaly.gene;
real genetec.infomeation=[0.0.0.0];
real d=255;
real n=158;
equation;
....
「ありがとう、ルーフィ」と、Megはようやく
笑顔になった。
ルーフィは思う。
ご主人様は、そういう愛しい人達より
長く存在し続けるから
いくつも、悲しい場面に遭遇するのだろう。
そして、魔法でも生命は作れない。
「そうか、そういう事もあるよね」と、
ルーフィはひとりごと。
見たくないから、眠ってしまう。
魔法使いも万能じゃない。
愛って、しかたないから
魔法使いって、悲しい。
そのルーフィーの想像が
正しかったとしても
眠っている、ご主人を
起こす理由にはならないから
「何か、彼が起きてくれるだけの
事が
こちらの世界で起こればなぁ」と
ルーフィーは、楽観的だ、いつでも(笑)。
眠っていたい彼を、無理矢理起こす事もないけれど
今のルーフィーは、限りある生命。
なので、生きているうちに
目覚めがなければ
後継者をルーフィーが
探さないといけない。
何しろ、あの絶海の古城でひとり、眠っているのだし
そこに入れるのは魔法使いだけなのだから。
「ルーフィーさん、ありがとうね」と、おばあちゃんは
魔法のおかげで
生き延びる事が出来たので。
お礼を言っている。
ここは、おばあちゃんのお部屋。
お礼を言いたいと、呼ばれたのだった。
「ご自身で術は使えなかったのですね(笑)と」
ルーフィーは
軽妙だ。
おばあちゃんはにこにこして
「天才外科医でも、自分の手術はしないでしょう」と、笑う。
「それに、寿命なら
直さなくてもいいのよ」と、おばあちゃんは意外に。
「死を選ぶとおっしゃるのですか?」
「いいえ、でもそれが天寿と言うものです。
わたしは、跡取りが出来たからもう、この世界でするべき事は済んだのよ」と。
魔法使いのおばあちゃんには、人間の感覚とは
少し違う所があるのだろう、なんて
ルーフィーは感じた。
確かに、そうかもしれない。
天寿を全うするならば、次の世界は自ずと知れるが
それを、人知で変えると
運命は変わってしまう。
そういう、見方もあるのだろう。
ルーフィーは納得した。
ルーフィは、でも
「でも、人はひとりで生きている訳
ではないですから。
死んで、誰かが悲しむと思うと
死ねないですね」と、魔法使いらしからぬ
発言。
おばあちゃんは「そうね。ルーフィさんの
おっしゃる通りだわ。わたしがいなくなって
悲しむ人がいるうちは」と、笑う。
ルーフィは、さっきまで考えていた
ご主人様の悲しみを、また回想する。
幾度も、愛する人を失って。
生まれ変わったその人に、また出会ったとしても
その人は、自分の事を覚えていない。
再会しても、愛してもらえないかもしれない。
そういう事を、幾度も経験するから
人間を愛してはいけないのかもしれない。
魔法使いなのだから、ひとつのところに
定住するのは間違いなのかもしれない。
悲しい永遠の別れが起こる前に
消えてしまえば、傷は浅くてすむ。
そんなふうに、ルーフィは思う。
悲しむ事がわかっていて
人は人を愛する。
いつか、必ず別れが訪れるのに。
「ルーフィさんのおっしゃる通りですね。
わたしは、少し身勝手だったのかしら。
」と、おばあちゃんは言う。
いえいえ、とルーフィは言い
並列時空間の、めぐの事を連想した。
ルーフィの身を案じて
神様と、アメリカのために
頑張った、めぐ。
見返りを求めずに、ルーフィの幸せを
願った彼女。
それは、並列時空間の
もうひとりの彼女のしあわせを願う気持ち
でもあった。
いい子だ。
そういえば、何か
音楽会をするとか、言ってたっけ。
なんとなく、ルーフィは
魔法が戻った事もあって、向こうの世界に
行ってみたくなった。
ルーフィは、そんなめぐたちの
音楽室の上の屋根に降り立って。
屋上に、すとん、と。
魔法使いに舞い戻ったルーフィは
こちらの世界では、もちろん
人間の姿に戻れる。
「さて、どうやってめぐちゃんを呼ぼう」
学校って、意外と不便で
たいてい、女の子は群れているから(笑)
お目当ての子だけを呼び出すのは
難しい。
今なら、メールとかでいいんだろうし
電話でもいいのだろう。
昔はそんなものはなかったから(笑)
図書館にひとりでいる子、とか
割と、きっかけを掴みやすいかもしれなくて(笑)
人気だった。
ルーフィは、青年の格好だから
屋上に誰か来ると、目立ってしまうと
考えて。
「17歳くらいって、こんなかな」と
魔法を使って。
すこーしあどけない表情に
長めの髪と。
ジーンズに白いシャツで、すっきり。
「あ、でもここ女子高だった」(笑)
そんな訳で、ルーフィはそのまま女の子に化けた(笑)。
意外に違和感なく(笑)。
「結構いけるかなぁ」なんて思って(笑)
自画自賛。
屋上から、3階に降りて行こうとした。
3階に降りて行こうとした、ルーフィ。
すっきりした美形(笑)に見えるので
廊下や、教室にいる生徒たちに
注目される。
「かっこいー」
「あんな子いたんだ」
「ステキ」
なーんて、女子校独特のノリで
たちまち、ファンができてしまう(笑)。
「えーと、音楽準備室はこっちか」と
ルーフィは、大股ですたすた歩くので
そこがまた、颯爽としてファンたちにアピール。
まあ、男なので当たり前なのだけど
今は、化けてるので
長い髪はさらさらのブロンドに、青い瞳で
白いシャツに男物(笑)ジーンズと
アメリカンロックのスターみたいな出で立ちで
音楽準備室の扉を開く。
ギターを弾いてためぐも、気づかずに「ステキ」(笑)
「あ、あの、どちら様?」と、れーみぃも
しどろもどろ。
すっきり美人だと、誰もが思っている。
ルーフィが、じっと見たので
めぐも、どっきん(笑)。
「あ、あ、あたしに何か?」ギターで
8ビート弾きながら。
騒々しいのを幸いに、ルーフィは
めぐの耳元で「僕だよ、ルーフィ」
めぐは、あまりの事に
ルーフィの顔を見上げて、目を見開き「うそぉ」
そのまま、ひっくり返った(笑)。
ギターがアンプにくっついてフィードバック。
かきーん。
「ジミヘンみたいだ」と、ルーフィは
ギターと、めぐを抱えた(笑)。
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