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マスターのお願い
しおりを挟むそのまま、めぐを抱っこしたルーフィ。
「意外に重いなぁ」(笑)
「なんて事言うのよ、もぅ」と、めぐは怒る(笑)
「気づいてるんなら降りて、(笑)そういうとこはMegとそっくりだ」と、ルーフィ。
「だって同じだもん」と、めぐが言うと
「その言い方もそっくりだ」と、ルーフィは
ゆっくりとめぐを下ろす。
「もう少し抱っこしててほしかったな」なんて
甘えためぐだったけど
「何やってんのよ、いつまで」と、れーみぃ(笑)
あ、そっか、と
めぐは
ここがどこで、いつなのか思い出した。
それに、ルーフィは女装(と言うか、女の子に化けてるので、見た目は女の子)。
ルーフィに会った事のあるみんなは
なんとなくわかるけど(笑)
生徒たちは全くわからない。
なので。
すっきりしたボーイッシュ(笑)に見える
ルーフィを
主に、百合系の下級生たちが
探し求める。
「こっちみたい。」
「音楽準備室?」
放課後の学生は、暇である(笑)。
音楽準備室は、廊下側に窓がないから
ここにいれば大丈夫。でも、音楽室との間には
小さな明かり窓が、ドアについているから
そこから見つけられたら逃げようがない。
ガラス窓を覗いた、その百合系さんは
「いた!こっち」と、ひとりが気づき
もうひとりが、準備室の扉を開けようとした。
Flash!
強い光に、あたりが包まれた。
ルーフィが、光る粉のような
魔法陣を空中に描くと
時間がほんの少し、逆転した。
いつものように、魔法使いは
時間軸から自由である。
めぐと、ルーフィだけ
その空間から飛び出して行けたのは
忘れかけていたけれど、めぐも
魔法使いだから(笑)。
わずかな間隙から、屋根の上に逃れて
ルーフィは、ふつうの青年の姿に戻る。
「さっきのスタイルもカッコイイ」と
めぐは、にこにこ。
「そう?」と、ルーフィは
いつものように軽快だ。
ほんの僅かな時間だけれども
同じ空間に、別の時間軸が出来ると
そこは、並列時空間。
めぐとルーフィが登った屋根の上
それと、音楽準備室は
ふたつの時空間になっている。
短い時間を、ルーフィたちは引き延ばして
話をする。
「僕が来たのは、それだけじゃないんだ」と
ルーフィが言うと
めぐは、なんとなくどきどき(笑)。
「なに....?」忘れたつもりでいても
好き、って気持ちは
変えようもない。
理由なんてない。
俯いてしまう。耳元が熱い。
前髪で隠れた瞳は、少し潤んで。
ルーフィは、でもふつうに
「頼みがあるんだ」
めぐは、想像の世界で心が泳ぐ。
視線も泳ぐ(笑)
「....どんな、こと?」
このまま、抱きしめられたらどうしよう。
とか、想像は広がるめぐだけど。
「魔法の力を貸してほしい」
「え?」めぐは言葉を聞きながら
恋の魔法を掛けてほしいの?
(笑)なんて、期待から想像。
「どんな、魔法?」
めぐは、口調が砕けた。
ルーフィは、めぐの様子が変なのに気づいたけど(笑)
「ご主人を助けてあげたいんだ」
でも、めぐは
ルーフィの言葉に、顔を上げると
女の子の姿をしたルーフィがいたので
違和感(笑)。
なーんとなく、愛せないな(笑)なんて思う
めぐ、だった。
めぐは、魔法を使えるけれど
ふつうの女の子。
なので、女の子同士の愛、って
よくわからないけれど
れーみぃとじゃれあう、くらいの
事はする。
なので「ご主人?ですか?」と
めぐは、少し外れた声を出して
愛の夢から醒めた(笑)。
「ルーフィさん、ふつうの姿に戻って」と
めぐは、ちょっとだけ要求的(笑)。
久しぶりなのに、コスプレじゃあ(笑)と言うか
そんな感じ。
めぐは、少しがっかりしたけど(笑)
でも、「そうですね。でも、ルーフィさんは
もう自由なのに、それでもご主人の事を
助けたいって思うんですね」と、夢から醒めて。
ルーフィは、思う、
めぐがいたから、いまの自分がいる。
並列時空間のもうひとりのMegのしあわせを
思って、めぐ自身の気持ちは抑えて
ひとり、淋しい思いをしていたはずなのに。
ルーフィ自身は、何も、その気持ちに
答えてあげられない。
「めぐちゃんに、助けてもらってばかりだ、
僕はダメだなぁ」
めぐは、かぶりを振って「いいえ、いまの
私が生きていられるのは、ルーフィさんの
おかげです。だから、せめて恩返しをしたいって
思っただけ」と、しっかりと言葉を伝えた。
どこから来るんだろう、愛おしむ気持ち。
ルーフィは、そんなふうに思う。
偶然、この世界に来て。
愛おしい人に出会ったりする。
時空間を旅する魔法使いだから、ここに
とどまる訳には行かない、のに。
「そういう言い方、Megにそっくりだ」と
ルーフィ(笑)
「同じ人だもの」と、めぐは笑う。
急に気分が変わるあたりは、Megとちょっと
違うかな、なんてルーフィは思いつつ
屋根の風に吹かれて
「魔法が戻ってよかった」と。
「あ、そうですね。急に使えるようになって」と、めぐは
それに気づいて笑う。
「墜落しそうな飛行機を助けて」と、ルーフィは言う。
「あたしも、似たような事あります」と、めぐは
スクーターで転んだ少年が
路面電車に轢かれるのを
魔法で助けた事、を思い出し
ルーフィさんも、そういう気持ちで
ご主人を助けたいのかな、なんて思ったり。
それなら、助けてあげようか。
そんなふうに思って「ご主人、助けてあげられるかしら、あたしに」と、めぐは
ルーフィの気持ちを察して。
めぐは、笛のような音色を編集して
少し、鋭い余韻の残る音を作った。
FM音源方式の懐かしい音で
ストリングスのような、でも
きらびやかなエコー。
積分音源の4倍、率は23.95,16,4。
一番上の音が少しズレているので、それで
きらびやかな音が出る。
息遣いで、その
23.95のオシレータが強く出たりすると
音が鋭くなる。
ヴェロシティーが、息遣いで変わる。
なぜか、それで
ロンドンデリーの歌、を
歌うように演奏した。
メロディーを弾くだけなら、めぐにも
簡単に出来るけど
息遣いで表情がつくと、とても
楽しい音楽になった。
その音楽は、屋根上にいた
ルーフィにも聞こえて
なぜか、懐かしい響きに
彼も、じーん、と感じてしまうから
音楽って不思議だ。
ただの音の連なりが、なぜ、そんなに
心に触れるのだろう。
ルーフィは思う。「イギリスの民謡だからかな」
なんて。
音楽って不思議に、聞いたことなくても
懐かしい事もあったりする。
聴くと、心安らぐ音楽っていい。
演奏を終えて見ると
「やっぱりギターがいいな」なんて
思うめぐだった。
左手で弦に触れ、右手で弦を弾く。
とても微妙な音の違いで、それだけに
上手く弾けると嬉しい。
プログラムで上手く弾けても
綺麗だけど、なんとなく
物足りないって、今は
そんな風にも思えた。
元々、オルガンが弾けるせいもあって
鍵盤の方がタッチパネルより
弾きやすいのもあったけど。
「もう暗くなっちゃう」と、れーみぃが
気づき
「みんなで帰ろうよ」と、リサは言う。
そうだね、とNaomiが頷き
音楽準備室から、ギターを担いで
出てくると
ルーフィが、また
女の子の顔で(笑)やってきた。
「ひょっとして、趣味なんじゃない?」と
めぐは思う。
「結構いいでしょ」と、ルーフィ(笑)。
それでも、待っててくれたのは有り難い。
ちょっと、夕暮れは淋しすぎるし。
めぐは、ルーフィを好きと感じる。
女の子の姿であっても、そう感じるのは
不思議だと
めぐ自身思うけど
前世で、ルーフィに
命を助けられていてるから
それを、どこかで
忘れずに、体が覚えていたのかもしれない。
めぐ自身にもわからない感覚。
めぐの場合、ふたつめの人生だから
そういうせいもあるかもしれない。
もう、夕暮れ。
少し、女の子だけで歩いていくのは
淋しい丘の上だ。
「ボディーガードがいて安心ね」と、リサが
言う。
「今は、女の子のつもり」と、ルーフィは
ふざけて
なよ、っとした仕種。
「よしてよ、気持ち悪」と、めぐも
冗談半分。
学校からのスクールバスは、もう終わっているけれど
赤い、ボンネットバスは、ガレージに仕舞われて。
もう、運転手のおじさんも
お家に帰って。
「あれに乗って帰ろうよ」なーんて
れーみぃはふざけて。
「面白いね」と、ルーフィも
女の子の姿で言うので
めぐは「言葉も女の子になんないと、変」と
冗談で言った(笑)。
「おもしろくってよ、めぐさん。おほほほ」と、ルーフィはどこで読んだか、大昔の
お嬢様言葉(笑)
「今、そんな言葉使わないよ、お嬢様だって。」と、れーみぃお嬢様(笑)。
「だいいち、バスで帰ったら
また、バスを返しに来ないと」と、リサは理論的。
さすがは国鉄職員のタマゴ(笑)。
回送まで考えている。
「そっかあ、面白そうだったんだけど」と、めぐが言うと
夕暮れは早く、空は紺色に暮れてきた。
夕陽の落ちたあたりは、オレンジ。
綺麗な夕暮れ。
「じゃ、あたしはバイクだから」と、Naomi。
「気をつけてねー」と、れーみぃ。
「バイク通学か、いいなぁ」と、めぐも言う。
Naomiは、いつもスカートをはかないけれど
それは、バイクに乗るせいか。
校庭の木陰に置いてある、銀色の
Yamaha TR1。
ひら、と跨いで
セルフスタートモータを回すと
乗用車のような、ギアが飛び込むモーター音。
さすがに1000ccの2シリンダともなれば
作動も重々しい。
「MotoGuzziみたい」と、れーみぃ。
「詳しいのね」と、リサ。
「うん。白バイのガレージにあるの。
いつか乗ってみたいと思って。」と、れーみぃ。
「夏はいいけどさ、冬は冷えるよー」と、めぐ。
「ありがと。冬は道路が凍るからパトカーだって」と、れーみぃ。
このあたりは、北の外れだから
確かに冬は寒い。
日本だと、北海道くらいだろうか。
そんなに寒く感じないのは、風向きと海流のおかげらしい。
意外に軽快な1000ccのエンジン音を
立てて、TR1は坂道を下りて行く。
ギアが噛み合う音の方が大きいくらいに
静かだ。
その後ろ姿を見て、めぐは「免許取ろうかな」なんて。(笑)。
夏の日に、リトルホンダで海岸へ行った事は
記憶に鮮やかだ。
行った、と言うか
帰って来た、のだけれども(笑)。
「ルーフィさんは、バイクも得意ですね」と
めぐは、笑顔で。
その、岬の思い出がまだ、気持ちを
軽やかに保っている。
「あたくしの事ざーますか、ほほほ」と
ルーフィは、まだふざけている。
「それは、お嬢様と違うなー」と、れーみぃ。
「いつまでやってんの?」と、リサ。
「あ、そっか。もう学校出たからいいのか」と
ルーフィ(笑)。
女子高に潜入するので女の子に化けたのだから。
でもまあ、制服のないこの学校だと
微妙だったりする女装。
ジーンズにシャツでも、女の子は女の子だし
男の子は男の子。
難しい(笑)。
別に化粧する訳でもなし。
めぐは「音楽室で見たけど、メンデルスゾーンって、とってもかわいい男の子だったの」と
言うけれど
でも、男の子ってわかるのだ。
「見た目、ほとんど女の子だよね」と、ルーフィ。
歩きながら、後ろ向いたり前見たりして
話す。
「アンデルセンが恋したんでしょ」と、リサ。
「それは、ジェニー。彼女がメンデルスゾーンに恋したんだけど、その時はもうメンデルスゾーンは結婚してて。どういう訳か
アンデルセンとメンデルスゾーンは、友達だった」
「かわいそうね」と、めぐは
自分の事みたいに思った。
好きな人に出会っても、その人は
もう恋人がいた、なんて
よくある事なのかな、なんて
思いながら。
めぐは、遠い昔の
芸術家の恋に、共感して
ちょっと、悲しそう。
ルーフィは、めぐの表情に気づいて
報われない恋の思い。
その原因を作ってしまった偶然に、心を痛める。
並列時空間から、ここに来てしまったと
言う事で
めぐを助けたけれど
その事で、彼女を
深い悲しみに包んでしまったのかと
罪の意識に駆られる。
自分は、ここに来るべきじゃなかったのかもしれない。
ルーフィ自身、少なからず
めぐに心惹かれるところがあったので
より、そんな風にも思ったりする。
「でも、そんなのよくあるよ」と
めぐは、思いを断ち切るように。
「シューマイと、ブラームふとか」と、
れーみぃが言うので、めぐも
笑顔になった。
「シューマンだって」と、リサも笑う。
「ブラーむふってなによぉ、ブラふぇちの
おじさんがむふむふ言ってるみたい」と
あからさまにめぐが言うのは
いかにも少女らしい率直さで
ルーフィも楽しくなる。
友達っていいなぁ、悲しい気持ちは和らげてくれて。
楽しい事はいっぱいになって、と
ルーフィはふと、魔法使いになって
孤独な時間を過ごす我が身、それと
ご主人の事も思う。
めぐたちの目前から、姿を消したのに
気づいたのは、魔法を使えるめぐだけで
この時空間での、ほんの僅かの時間で
ルーフィは時間旅行をしている。
バンドのみんなは、気づかない。
けれども、めぐは「どこへ行ったのだろ?」
たぶん、行き先はご主人様のところと
わかるのだけど。
でも、追い掛けていくのも変だし
予想が当たるとも限らない。
4次元の時間軸は不連続だし、空間も歪んでいる。
なぜかと言うと、時間軸が伸縮するからで
光の速度で測定した時間軸を縮めるなら
それよりも早いから、である。
「ぱ!」めぐは、かわいらしく
古城に似合わず(笑)。
ルーフィの後を追って。
「わ、びっくりした」と、ルーフィも
楽しそう。
眠ったままのご主人様の脇で、はしゃいでいても
起きたりしない。
「ご主人様の夢に行って来て貰おうかと
思ったんだけどね」と、ルーフィ。
「ダメなの」と、めぐ。
「どうして?」
「わたし、眠くないんだもん」(笑)
どうやら、めぐが眠らないと
誰かの夢には行けないらしい。
不便な魔法だ(笑)。
「じゃ、眠ったらね」と、ルーフィ。
「変な事しないでよ」と、めぐ(笑)。
「しないよ」と、ルーフィも笑う。
「どうして?」と、めぐは意味不明(笑)。
「どうしてって言われても」と、ルーフィもどぎまぎ。
人間になったルーフィだから、魔法使いではあっても
かわいいめぐを、そうして見ると
抱きしめたい、なんて
夢想したりもできる。
腕のなかに迎え入れて、ふんわりと抱き留めると
いい香りがして。
小鳥のような柔らかさで、快く
温もりが伝わって。
なんて思ったりする。
それは、エッチではないけれど(笑)
「わたし、子供じゃないの。」と、めぐは
少しいつもと違う。
魔法使いルーフィは、めぐの望みで
生命を神様から授けてもらった訳、だけれども
めぐと同じ人間になってもらいたいと
めぐが、どの程度思っていたかは
わからないけど
ひょっとして、神様のはやとちりで
人間にさせられてしまったのかもしれないけれど(笑)
でも、そのせいで
ルーフィのご主人の苦しみが少しわかったような
気がした彼、だったし
同時に、少女めぐの胸の痛みも感じられた。
「めぐちゃん....」と、ルーフィは
めぐの気持ちを察する。
向こうみずな少女の思い。
エネルギーが爆発しそうな。
たぶん、自らの恋人Megの数年前は
こんなだったんだろうか、と
ルーフィは思う。同時に
その、めぐの幸せを考えてあげないといけないし
ルーフィ自身に、そういう遠慮がある限り
どんな理由があっても
人間として、めぐを愛する事はできないとも
思う。
自分自身が、めぐを愛したいと願わなくては
めぐに望まれても、愛しあう事は無理だ。
そう、誠実に彼は思うが
それゆえ、めぐはもどかしい苦しみから
逃れられない。
「どうして僕は人間になったんだろ」と
ルーフィは、ひとりごと。
困惑している彼を見て、めぐは
「あ!戻らないと」と、時間軸を
そんなに引き伸ばせない事に気づいて
「そうだよ」と、ルーフィも夢から醒めるように
元の時空間に戻る。
それは、めぐの心遣い。
ルーフィを悩ませたくないと、それで
元々の時空間に戻る事にしたのだった。
ほんの一瞬の間だったから、下校の
みんなは全然気づいていない。
時々、そういう事があるので
めぐは、天然だとか(笑)
でも、本当はそういう事だったりする。
「でも、アンデルセンっていい人なのに
なんで、ジェニーは好きになってくれなかったのかな」と、れーみぃは乙女っぽく。
「そりゃ、そういうものよ」と、リサは
理系。
メンデルスゾーンが美形だから恋した訳でもなくて。
ジェニーは、オペラ歌手だからって
そんな理由もあるだろうし。
「そんなものかな」と、めぐも思う。
好きって気持ちには、羽根が生えてて
いつか、気が変わってしまうかも、なんて
そのくらい軽ければいいんだけど。
めぐには、ジェニー・リンドの
気持ちが解らないでもない。
奥さんがいる、メンデルスゾーンが
好きになってしまって。
アンデルセンに好かれても、心は変わらない。
結局、メンデルスゾーンとは
結ばれないにしても。
気持ちってそういうものだ。
めぐ自身、ルーフィを想っても
事もあろうに、めぐ自身の
並列時空間のもうひとりが
ルーフィの恋人、だなんて。
「こんなの、滅多にないよ」と、めぐは
思わず言葉に出て(笑)
「なに?なになに?」と、れーみぃに
聞かれて(笑)
なんでもないー、ひとりごと、って
はしゃいでごまかすめぐは、JKである(笑)。
深刻になるよりも、騒いじゃう。
そういうお年頃。
みんなと、過ごす
学校の生活も、ほんの少しの時間だって
気づく頃には、もう
楽しい時間は終わってる。
坂道を下って、路面電車の石畳がある
大通りに下りてきためぐとルーフィ、リサと
れーみぃは
「もう遅いね」と、誰からともなく言う。
「クリスタさん迎えに行こうか」めぐ。
めぐに良く似た天使、クリスタさんは
めぐの代わりの図書館勤めが、ほとんど
日課になっている(笑)。
ふつう、図書館が終わるのは
夕方なのだけど
閉館してからも、少し仕事が
あったりするので
いつも、帰りは
夜になってしまったりする。
「ちょうどいいかな」と、ルーフィが言うと
路面電車が歯車の音を響かせて
重々しくレールの継ぎ目を踏み締めて行った。
その図書館は、大きな橋のそばにあって
屋根の代わりに金属で出来た
モニュメントが作られている、変わった建築で
ルーフィは、その建物を見て
「ああ、懐かしい」と、一言。
めぐもそのひとことで、思い出す
夏休みに、絵本に挟まれて
海辺に行ってしまった事。
岬の家で、大きなわんこに
助けられて
ルーフィと一緒に、バイクで帰って来た事。
つい昨日の事のようだけど、もう数ヶ月も
前だ。
懐かしい、と思い
自分がひどく幼かったような気がして
少し恥ずかしいと思ったり。
0
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