蒼き月夜に輝く美しき桜のように

Luna

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第八話

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ルナが連れ去られてから数日が経った頃、長である景清に帰らせてくれないか抗議をしている時だった

ルナ「彼の元に帰らせて」

景清「……………いいだろう。ただし、1つ条件がある」

ルナ「条件…?」

景清「この依頼を受けることが条件だ」

ルナ「…………っ!」

渡された依頼内容は、恋人である安倍蒼世を暗殺せよとのことだった
"出来るはずがない"
そう断ろうと口を開くも、景清はルナの口答えを許してはくれなかった

景清「道具の分際で、何を勘違いしているのだ。色恋など、ただの利用価値に過ぎない。お望み通り会わせてやるのだから感謝するんだな」

ルナ「っ……だけど、こんなのって……」

景清「仏にあえば仏を殺せ、恋人相手を殺せばお前の心をも殺せるだろ。里のために、その身を持って道具と化すのだ。出来なければ、死ね」

ルナ「っ…………」

ルナはただ言うことを聞くしかなかった
彼に会える日を待ち侘びてたのに、"恋人である蒼世を殺す…?"そんなの出来るはずがなく、しかし、言うことを聞かなければなにをされるか分からず、今はただ会わないで欲しいと願うばかりだった
その影から芦屋の式神が見ていたとも知らずに

芦屋「隊長、月影を見つけました。おそらく伊賀の忍びの里かと…」

蒼世はその報告を受けると同時に立ち上がり走って行くのだった。部下達が止める声も聞こえるが、そんな声も蒼世には聞く余裕がないのだ。あるのはただ、彼女を迎えに行くことでしかなかった

芦屋「やれやれ、隊長も忙しない」

それからルナは里から出してもらえる許可が降りたものの、どうすればいいか分からずただ街を彷徨っていた
どうしてこうなったのか、誰を責めていいのかも分からずに
"いっそのこと、蒼世のためにも死んだ方がマシなのか"とさえ、頭をよぎってしまう
ルナ(任務失敗すれば、蒼世は助かるのだろうか、いや、次の刺客が送り込まれるに決まってる)
そんな意味のない自問自答を繰り返したその時、横から路地裏に引っ張り込まれる感覚がし、気付けば誰かに抱きしめられ、それが蒼世だと顔を見てわかった

ルナ「そ…蒼世…?」

蒼世「探したぞ馬鹿者、勝手に居なくなったりして……俺から離れることなど許さない」

ルナ「っ……」

ルナは涙で溢れていた、先程まで会ってはいけないと思っていたはずなのに、恋人から離れるなと言われて喜んでしまっている自分がいたからだ
拒まないといけないのに、少しでも長く一緒にいたいと望んでしまった

ルナ「蒼世っ…」
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