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8話
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カチャリ…
「ちょっとジュン、さっきから何の音なの?」
居ないと思っていたジュンの母親が突然ドアを開け、部屋を覗き込んできた。ジュンは驚き、咄嗟にスタンガンを背中に隠した。
「か、母さん!?出掛けてるんじゃなかったのか!?」
母親はジュンの足元に倒れている美子に気づき、仰天した。
「ちょ…ちょっと!これはなに!?何やってんのあんた!!」
美子は母親を見てすかさず叫んだ。
「お母さん警察を呼んでください!この人は人殺しです!死んだ生徒はみんなジュン君に殺されたんです!」
「えっ?ジュンが人殺し!?どういうことなの!?」
母親は状況を把握できずにパニックになった。
「チッ!」
バチバチバチッ!
「ギャアアッ!」
ジュンは美子にスタンガンを一発当てると、ドアへ駆け寄り母親の腕を掴んで部屋へ引きずり込んだ。
「そういうことだよ母さん。もう叫ぶな。そうすれば何もしない」
母親は訳がわからず目を見開いてジュンを見た。
「せ…生徒を殺したって、本当なの!?ジュン!」
「ああ本当だよ。この女にも死んでもらう。でもこれでいいんだよ母さん。全てうまくいく。母さんはいつも通り僕のご飯を作ることだけを考えてくれればいいんだ。僕の食べる物は母さんにしか作れない」
母親はジュンの言葉に混乱していた。
「ご…ご飯?あんた何言ってんの!?とりあえずこの手を離しなさい!」
ジュンは掴んでいた手を離した。
「ハァハァ…ジュン!どういう事か説明しなさい!本当に殺したのなら母さんが警察を呼ぶわ!」
「お母さん、本当です!すぐ警察を呼んでください!あなたも殺されるかもしれない!」
バチバチバチッ!
「ガアアアァ!」
「お前は黙ってろ大橋美子ッ!」
母親はここで初めてジュンがスタンガンを持っている事に気づいた。
「あ、あんたそれ…半年くらい前に通販で何か買ってたと思ったら、そんな物を…」
「この人は半年間それを使って殺人を犯してたんです!早く警察を呼んで!」
母親は愕然とした。
「あんた…一生懸命育ててきたのに…」
母親はジュンに背を向け、開いているドアから部屋を出ようとした。
ガシッ!
ジュンは母親の腕を掴み、ドアを閉めた。
「どこへ行くんだ母さん。まさか警察を呼ぶ気なのか?」
母親は掴まれた腕を振りほどき、
パアァン!
ジュンの顔を思い切りビンタした。
「当たり前じゃないのバカッ!父さんが死んであんたのためだけに生きてきたのに!あんたの事だけを考えて生きてきたのに!…人を殺すなんて…」
母親の声は震え、目から涙がこぼれた。
「自慢の息子だと思っていたのに……」
母親はそのまま泣き崩れ、その場に座り込んで号泣してしまった。ジュンはそんな母親を表情を変えずにじっと見つめていた。
泣き声が部屋に響き続ける中、しばらくしてジュンが母親の手を握り、口を開いた。
「ごめんよ母さん…わかったよ。でも最後に教えてくれ。いつから家にいたんだ。靴がなかったのに」
母親はジュンの手を握り返した。
「うぅっ…靴は捨てたわよ…あんた、私の誕生日に新しい靴買ってくれてたじゃない……今日履いて行こうと思ってたけど、体調悪くて寝てたのよ…うぅ…」
美子はジュンの背中越しに母親を見つめながら考えていた。
この人もお母さんにだけは弱いんだわ
当然よね
女手一つで育てられてきたんだもの
でもこれで警察を呼べる
今お母さんは動けない
私が行かないと
母親の返事を聞いたジュンはスッと立ち上がった。
「ああ、そういうことか。納得したよ」
バチバチバチッ!
「ギャアアッ!」
ドサッ…
ジュンは母親の首にスタンガンを当てると、母親は気を失いその場に倒れ込んだ。
「ん?気絶することもあるんだな」
美子は目を見開き、唖然として固まっていた。
ジュンはリュックからガムテープを取り出すと、母親の口に淡々と巻き付けていった。
美子は何が起こっているのか理解できなかった。
「な…なに…?ちょっ…ちょっと!何やってるのあなた!」
美子は上半身を起こしジュンに叫んだ。
「この母親はもうダメだ。新しいのを探す」
「…???」
美子はわけがわからなかった。
「あ…新しいの?あなた…何言ってるの………何言ってるのよ!!」
「僕が食べる物は全てこの母親に教え込んである。食材から料理法に至るまで全部だ。こうなった以上もう僕の料理を作り続けることはできない。君も母親も今日始末する」
美子は虫唾が走った。
ほ…本当に狂ってる
この男には人の心の痛みとか、相手を思いやる気持ちとか、人間の心というものが存在しない
"感傷"というものが全くない
それはもう人じゃない
殺さなければ
この男は…
ジュンは母親の口と手足を縛り上げると、美子の前へ来てしゃがみ込んだ。
「君のおかげで想定外の出来事になったよ。あの母親はバラバラにしてゴミの日に少しずつ出すことにするが、君は…」
ジュンはスタンガンを美子の首に押し当て、小さく笑みを浮かべた。
「僕に惚れ込んで家に押しかけてきたが、断られたショックでベランダから飛び降り自殺したことにしよう。よくある話だ」
美子はジュンを睨みつけた。
「この狂人ッ!」
「今から気絶するまでスタンガンを当て続けてやる。地面でグチャグチャになれば火傷の跡もわからなくなるしな」
「あんたはいずれ裁かれる!誰かがきっと死刑台に送ってくれるわ!」
「僕は未成年だよ。死刑台になんて行くことはない」
ジュンはスタンガンのスイッチに指をかけた。
その刹那ー
カチャリ…
閉めたはずのドアが、また開く音がした。
「ちょっとジュン、さっきから何の音なの?」
居ないと思っていたジュンの母親が突然ドアを開け、部屋を覗き込んできた。ジュンは驚き、咄嗟にスタンガンを背中に隠した。
「か、母さん!?出掛けてるんじゃなかったのか!?」
母親はジュンの足元に倒れている美子に気づき、仰天した。
「ちょ…ちょっと!これはなに!?何やってんのあんた!!」
美子は母親を見てすかさず叫んだ。
「お母さん警察を呼んでください!この人は人殺しです!死んだ生徒はみんなジュン君に殺されたんです!」
「えっ?ジュンが人殺し!?どういうことなの!?」
母親は状況を把握できずにパニックになった。
「チッ!」
バチバチバチッ!
「ギャアアッ!」
ジュンは美子にスタンガンを一発当てると、ドアへ駆け寄り母親の腕を掴んで部屋へ引きずり込んだ。
「そういうことだよ母さん。もう叫ぶな。そうすれば何もしない」
母親は訳がわからず目を見開いてジュンを見た。
「せ…生徒を殺したって、本当なの!?ジュン!」
「ああ本当だよ。この女にも死んでもらう。でもこれでいいんだよ母さん。全てうまくいく。母さんはいつも通り僕のご飯を作ることだけを考えてくれればいいんだ。僕の食べる物は母さんにしか作れない」
母親はジュンの言葉に混乱していた。
「ご…ご飯?あんた何言ってんの!?とりあえずこの手を離しなさい!」
ジュンは掴んでいた手を離した。
「ハァハァ…ジュン!どういう事か説明しなさい!本当に殺したのなら母さんが警察を呼ぶわ!」
「お母さん、本当です!すぐ警察を呼んでください!あなたも殺されるかもしれない!」
バチバチバチッ!
「ガアアアァ!」
「お前は黙ってろ大橋美子ッ!」
母親はここで初めてジュンがスタンガンを持っている事に気づいた。
「あ、あんたそれ…半年くらい前に通販で何か買ってたと思ったら、そんな物を…」
「この人は半年間それを使って殺人を犯してたんです!早く警察を呼んで!」
母親は愕然とした。
「あんた…一生懸命育ててきたのに…」
母親はジュンに背を向け、開いているドアから部屋を出ようとした。
ガシッ!
ジュンは母親の腕を掴み、ドアを閉めた。
「どこへ行くんだ母さん。まさか警察を呼ぶ気なのか?」
母親は掴まれた腕を振りほどき、
パアァン!
ジュンの顔を思い切りビンタした。
「当たり前じゃないのバカッ!父さんが死んであんたのためだけに生きてきたのに!あんたの事だけを考えて生きてきたのに!…人を殺すなんて…」
母親の声は震え、目から涙がこぼれた。
「自慢の息子だと思っていたのに……」
母親はそのまま泣き崩れ、その場に座り込んで号泣してしまった。ジュンはそんな母親を表情を変えずにじっと見つめていた。
泣き声が部屋に響き続ける中、しばらくしてジュンが母親の手を握り、口を開いた。
「ごめんよ母さん…わかったよ。でも最後に教えてくれ。いつから家にいたんだ。靴がなかったのに」
母親はジュンの手を握り返した。
「うぅっ…靴は捨てたわよ…あんた、私の誕生日に新しい靴買ってくれてたじゃない……今日履いて行こうと思ってたけど、体調悪くて寝てたのよ…うぅ…」
美子はジュンの背中越しに母親を見つめながら考えていた。
この人もお母さんにだけは弱いんだわ
当然よね
女手一つで育てられてきたんだもの
でもこれで警察を呼べる
今お母さんは動けない
私が行かないと
母親の返事を聞いたジュンはスッと立ち上がった。
「ああ、そういうことか。納得したよ」
バチバチバチッ!
「ギャアアッ!」
ドサッ…
ジュンは母親の首にスタンガンを当てると、母親は気を失いその場に倒れ込んだ。
「ん?気絶することもあるんだな」
美子は目を見開き、唖然として固まっていた。
ジュンはリュックからガムテープを取り出すと、母親の口に淡々と巻き付けていった。
美子は何が起こっているのか理解できなかった。
「な…なに…?ちょっ…ちょっと!何やってるのあなた!」
美子は上半身を起こしジュンに叫んだ。
「この母親はもうダメだ。新しいのを探す」
「…???」
美子はわけがわからなかった。
「あ…新しいの?あなた…何言ってるの………何言ってるのよ!!」
「僕が食べる物は全てこの母親に教え込んである。食材から料理法に至るまで全部だ。こうなった以上もう僕の料理を作り続けることはできない。君も母親も今日始末する」
美子は虫唾が走った。
ほ…本当に狂ってる
この男には人の心の痛みとか、相手を思いやる気持ちとか、人間の心というものが存在しない
"感傷"というものが全くない
それはもう人じゃない
殺さなければ
この男は…
ジュンは母親の口と手足を縛り上げると、美子の前へ来てしゃがみ込んだ。
「君のおかげで想定外の出来事になったよ。あの母親はバラバラにしてゴミの日に少しずつ出すことにするが、君は…」
ジュンはスタンガンを美子の首に押し当て、小さく笑みを浮かべた。
「僕に惚れ込んで家に押しかけてきたが、断られたショックでベランダから飛び降り自殺したことにしよう。よくある話だ」
美子はジュンを睨みつけた。
「この狂人ッ!」
「今から気絶するまでスタンガンを当て続けてやる。地面でグチャグチャになれば火傷の跡もわからなくなるしな」
「あんたはいずれ裁かれる!誰かがきっと死刑台に送ってくれるわ!」
「僕は未成年だよ。死刑台になんて行くことはない」
ジュンはスタンガンのスイッチに指をかけた。
その刹那ー
カチャリ…
閉めたはずのドアが、また開く音がした。
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