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第三話・異世界に行っても逃げられない
人類を脅かし、魔王と戦うドーエス
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ドーエスは城の者たちが抵抗の意志を無くすまで、立ち向かって来る者全てを蹴散らした。生存者たちは他の国の勇士たちに、侵略者(ドーエス)を倒してくれと救援を求めた。強大な力を持った軍や英雄がドーエスを倒しに来たが、この世界の人間では歯が立たない魔王を討つ者として召喚されたドーエスに敵う者は居なかった。
追い詰められた人類は、ドーエスを倒せるのは魔王しか居ないと考えて、
「侵略者を倒してくださるなら、我々はあなた様を唯一の王として永遠の忠誠を誓いましょう」
と魔王に膝を折った。事の次第を聞いた魔王は、なんで自分が召喚した勇者に追い詰められているんだ、コイツラと瞠目した。それと同時に今や恐怖と殺戮の象徴として、自分よりも恐れられているドーエスに嫉妬した。
人間たちは無意識のようだが、ドーエスよりは魔王のほうが安全だ。まだ話が通じそうだと思うからこそ、救援を求めて来たのだ。自分よりも危険視される存在を、魔王は許せなかった。
勇者として召喚されながら、恐怖の王としてこの地に君臨したドーエスに、
「貴様は人間の身でありながら、今や恐怖と殺戮の象徴とされているそうではないか。我の治める世界でこれ以上の狼藉は許さん。消えろ、侵略者!」
ドーエスが一向にやって来ないので、魔王のほうから出向いて来た。この世界を統べる者として、平和を乱すドーエスを成敗しに。
魔王の口上を聞いたドーエスはニヤニヤしながら
「遂にこの世界の覇者が私を殺しに来たぞ、ナンデ。私とともに滅ぼされぬうちに、寝返ってみてはどうだ?」
裏切りを勧められたナンデは「とんでもない!」と首を振って
「こんな図体だけの化け物が、あなた様に勝てるはずありません! だいたいこんなところまで足を運ばされている時点で器が知れているわよ! 自分からドーエス様にケンカを売りに来るなんて馬鹿じゃないのぉぉ!?」
魔王側の人間だと思われないように、つい言いすぎた。ただの女に侮辱された魔王は、全てを焼き尽くす火球をナンデに放ったが
「いくら腹が立ったとは言え、勝手に人の妻を殺さないでもらおう」
ドーエスは片手で火球を受け止めると、自分の魔力を注ぎ込み、ズン……! と質量を増したそれを
「そら、お返しだ」
顔面にメシャアッと火球をぶつけられた魔王は、業火に焼かれながらグォオオッと苦悶の声をあげた。しかし流石は魔王と呼ばれる存在だけあり、この一撃では倒れなかった。
ドーエスと魔王では、攻撃力の点でドーエスが勝っていた。しかし魔王には『超回復』という特性があった。どれだけ攻撃を受け魔力を消費しても、瞬く間に回復してしまう。しかも不死である。ドーエスがどれだけ強く膨大な魔力を持っていても、粉微塵にされたところからでも再生できる魔王にはいずれ負けるはずだったが
「器がどれだけ強靭だろうと、中身を失えば意味がない」
霊体に触れることのできるドーエスは、魔王が再生しきる前に肉体から魂を引きずり出すと
「さよなら、この世界の覇者殿」
容赦なく握り潰した。魂が消失するとともに霊体を失った肉体もボロボロと崩れ落ちた。戦いの間、ドーエスの結界に護られていたナンデは、夫のあまりの強さを目の当たりにして吐きそうになった。
この様子だと、やはりドーエスは早々倒されそうに無い。それは夫の気まぐれでいつ死ぬか分からない不安な日々が、これからも続くことを意味していた。
「もう出て来てよいぞ、ナンデ」
結界を解かれたナンデは、のろのろとドーエスの前に歩み出た。
「先ほどはよく私を選んだな? もし魔王に賭けていたら、そなたも殺すつもりだったのに。そなたはなかなか死ななくて飽きぬ」
ドーエスが上機嫌にナンデの頭を撫でていると
「ま、魔王様……新魔王様、バンザーイ!」
魔王が連れて来た部下たちが、新しい魔王の誕生に湧いた。それは勇者の名を与えて人のために働かせようとしたこの国の王族と同様、魔王の地位を与えることで魔物たちに利するように動かそうとする弱者の手段だった。
しかし雑魚の協力も賞賛も必要としないドーエスは
「勝手に人を主と仰ぐな。こちらにも部下を選ぶ権利がある。10数える間にこの城から失せろ。さもなくば殺す」
魔物の中でも勘のいい者は10秒で逃げ去った。ナンデもそのドサクサに紛れて逃げようとしたが
「ナンデ。そなたには言っていない」
「うぐぅぅ……」
ドーエスに引き留められて、玉座に座る彼の膝にセットされた。鈍感な者はその場に居残り、世界を支配するには優秀な配下が必要ですとドーエスに取り入ろうとして殺された。
緑や青や黒色の血に彩られた玉座の間。ドーエスと2人取り残されたナンデは、
「……こう血の臭いが濃いと昂って仕方ないな」
ドーエスの呟きにナンデはビクッとした。必死に目を合わせまいとしたが、ドーエスはナンデの顎を掴み顔を上げさせると
「ナンデ。そなたが私の熱を冷ませ」
血の臭いで欲情したドーエスに、ナンデは声にならない悲鳴をあげた。せめて清潔なベッドでして欲しかったが、ナンデは魔物たちの屍が累々と転がる中で、いつもどおりハチャメチャに犯された。
事後。半ば魂が抜けたナンデを撫でながら、満足した様子のドーエスは
「さて、また暇になってしまったな。しばらくは魔王に私を殺させようとした反逆者たちでも狩るとするか」
まるで「明日は遠乗りに行くか」くらいのテンションで、更なる殺戮を予告するドーエスに、ナンデは白目になった。そして目の前の脅威を除くために、もっと強い者を投入するなど愚の骨頂だと心に刻んだ。
追い詰められた人類は、ドーエスを倒せるのは魔王しか居ないと考えて、
「侵略者を倒してくださるなら、我々はあなた様を唯一の王として永遠の忠誠を誓いましょう」
と魔王に膝を折った。事の次第を聞いた魔王は、なんで自分が召喚した勇者に追い詰められているんだ、コイツラと瞠目した。それと同時に今や恐怖と殺戮の象徴として、自分よりも恐れられているドーエスに嫉妬した。
人間たちは無意識のようだが、ドーエスよりは魔王のほうが安全だ。まだ話が通じそうだと思うからこそ、救援を求めて来たのだ。自分よりも危険視される存在を、魔王は許せなかった。
勇者として召喚されながら、恐怖の王としてこの地に君臨したドーエスに、
「貴様は人間の身でありながら、今や恐怖と殺戮の象徴とされているそうではないか。我の治める世界でこれ以上の狼藉は許さん。消えろ、侵略者!」
ドーエスが一向にやって来ないので、魔王のほうから出向いて来た。この世界を統べる者として、平和を乱すドーエスを成敗しに。
魔王の口上を聞いたドーエスはニヤニヤしながら
「遂にこの世界の覇者が私を殺しに来たぞ、ナンデ。私とともに滅ぼされぬうちに、寝返ってみてはどうだ?」
裏切りを勧められたナンデは「とんでもない!」と首を振って
「こんな図体だけの化け物が、あなた様に勝てるはずありません! だいたいこんなところまで足を運ばされている時点で器が知れているわよ! 自分からドーエス様にケンカを売りに来るなんて馬鹿じゃないのぉぉ!?」
魔王側の人間だと思われないように、つい言いすぎた。ただの女に侮辱された魔王は、全てを焼き尽くす火球をナンデに放ったが
「いくら腹が立ったとは言え、勝手に人の妻を殺さないでもらおう」
ドーエスは片手で火球を受け止めると、自分の魔力を注ぎ込み、ズン……! と質量を増したそれを
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顔面にメシャアッと火球をぶつけられた魔王は、業火に焼かれながらグォオオッと苦悶の声をあげた。しかし流石は魔王と呼ばれる存在だけあり、この一撃では倒れなかった。
ドーエスと魔王では、攻撃力の点でドーエスが勝っていた。しかし魔王には『超回復』という特性があった。どれだけ攻撃を受け魔力を消費しても、瞬く間に回復してしまう。しかも不死である。ドーエスがどれだけ強く膨大な魔力を持っていても、粉微塵にされたところからでも再生できる魔王にはいずれ負けるはずだったが
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霊体に触れることのできるドーエスは、魔王が再生しきる前に肉体から魂を引きずり出すと
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ドーエスが上機嫌にナンデの頭を撫でていると
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事後。半ば魂が抜けたナンデを撫でながら、満足した様子のドーエスは
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