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第四話・妻が増えても逃げられない
増える花嫁とある聖女の死(残酷描写注意)
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ドーエスは生活のために必要な人材や物資を定期的に要求する以外に、こちらから他国を侵略するなどはしなかった。
しかしこれだけ多くの血を流せば、人々は勝手に脅威を感じてドーエスを排除しようと自ら出向いて来る。
(やめてよぉぉ! なんでわざわざ死にに来るのよぉぉ!)
悪夢に怯える少女のように震えるナンデの前で、さらに1万を超える人命が失われていった。流石に無理を悟った異世界の民は、ドーエスを倒すよりも取り入ろうと考えた。
そして選りすぐりの美しい花嫁たちを送って来た。ドーエスはその中から3人の女を選ぶと、残りの者には
「10秒以内にこの城を出ろ。残った者は順に殺していく」
いち早く城を出ようとしたのはナンデだったが、例によってドーエスに「そなたには言っていない」と止められた。
しかし他の花嫁たちは悪鬼のような男だと聞いていたのに、実際に会ってみたら、なんとも言えず美しい容姿だったドーエスに一目で心を奪われた。そして、こんな見目麗しい男性が鬼畜生のはずが無いと楽観して、ぜひお近づきになりたいとその場に残ったが
「そうか。そんなに私と鬼事がしたいか」
ドーエスはニヤッと剣を抜くと、手始めにいちばん近くに居た花嫁の胴体を輪切りにした。血と臓物を溢れさせて上体が落ちたのを合図に、キャアアアッと悲鳴が上がる。しかし花嫁たちはみな異常事態に怖気づいて動かない。
「とろいヤツラね! さっさと逃げなさいよぉぉ!」
ナンデが叫んだのは慈悲ではなく、自分と違って逃亡の許可を得たのに、さっさと立ち去ろうとしない花嫁たちへの憤りだった。ドーエスの手前、大きな声では言えないが、「こっちは逃げたくても逃げられないのよ!」と悔しさでいっぱいだった。
蜘蛛の子を散らすように逃げて行く花嫁たちを、ドーエスは特に追いかけなかった。今はナンデに満足しているので、鈍感な羊たちを追いかけてまで恐怖させるほど退屈していなかった。それに世間にはドーエス以外にも危険はある。なんの抵抗手段も持たない若く美しい女が、果たして無事に自国に辿り着けるか? 勢いで逃げ出した女たちの末路を想像するのも一興だった。
その他大勢の女たちは逃がしたものの、ドーエスは3人の女を選んで残した。もともとドーエスは1人の女に貞節を誓うような男ではない。過去にも50人以上の女と結婚して来たのだから、貞操観念があるはずも無かった。
ナンデを花嫁にしてから1年、とうとう夫は他に妻を持った。ナンデを放置し、夜ごと3人の新しい妻のもとに通うようになった。この状況にナンデは
(嘘、あの人は私に飽きたの? 私が孕むまで犯すと言っていたのに?)
ナンデはこの1年、毎夜のように犯されたが、まだ子は孕んでいなかった。ナンデの世界では夫と妻の間に、あまりに魔力の差があると受精しにくくなる。ドーエスの子を孕まぬうちに、新しい妻たちを迎えられたナンデは
(やったぁぁ! これでアイツの子を産まなくて済むぅぅ!)
死と同じくらい悪魔の子を孕まされるかもしれない恐怖に怯えていたナンデは飛び上がって喜んだ。今までドーエスの関心は、ナンデ1人に向けられていた。しかしこれからは4分の1に分散される。なんならドーエスの関心は、まだ若く瑞々しい3人の妻に向けられて、およそ1年の結婚生活ですっかり死相が定着したナンデから完全に離れるかもしれない。
(良かった……。新しい人が入ってくれて本当に良かった……)
もともとナンデは自分の境遇を、高貴な男性と結婚したのではなく、怪物のような男に拉致されて、毎夜のように犯されているだけだと認識していた。怪物が他の女を攫って抱きはじめたからって、私の男なのになんて嫉妬するはずが無かった。
ナンデは新しく加入した3人の花嫁に心から感謝した。自分にまたお鉢が回って来ないように、少しでも長生きして欲しかったのだが、ほんの2週間ほどで。
まずはセージョという女に悲劇が起きた。彼女は神に仕える徳の高い女性だった。お話に出て来る聖女のように、清らかで美しい彼女なら、悪鬼のようなドーエスを改心させられるのではないかと派遣された。
セージョには悪人さえ改心させる人徳はあっても、特別な力や加護は無い。だから最初はドーエスの残酷さに怯えていたが、夫婦生活がはじまると、ベッドでの甘やかな態度に自分のほうが絆されてしまった。
見目麗しく異性としての魅力に溢れるドーエスに心を奪われたセージョは、この方にもきっと無法を行うだけの理由や心の傷があるのだろう。妻の私が正しい方向に導いてあげたいと考えていた。
だからドーエスに復讐しようと、平民の少年が入って来た時も
「もうおやめになってください。あなたほどお強い方なら、この子1人見逃したところで脅威にはならないでしょう」
ここは私の顔に免じて、どうか少年をお許しくださいとセージョはドーエスに頼んだ。これまでセージョが相手にして来た男たちは、どんな荒くれ者でも自分の身をていして他者を救おうとする姿勢に感動して剣を下ろした。
しかしドーエスは愉快そうに口の端を上げると
「なぜ私がお前の顔に免じて、自分の意を変えなければならない?」
セージョの前髪を掴んで、ジッと目を覗き込みながら
「二、三度情を交わしたくらいで、私に気に入られたとでも思ったか?」
面白そうに問うドーエスの瞳には怒りも憤りも無かった。まるでこの時を待っていたかのように、喜色だけを浮かべる夫に
「あっ、だって……あんなに優しく私に触れてくださったのに……」
セージョはドーエスにも、自分たちと同じように愛や優しさがあると信じたかった。しかしドーエスは、
「優しく触れるのは当然だろう? お前たちは脆弱すぎて、少しでも力を入れれば、ほら。すぐに手足がもげてしまう」
「ぎあああっ!?」
とんぼの羽をもぐように、いとも簡単にセージョの腕を引き千切った。セージョはその激痛によって、ようやくドーエスの異常性と、命を賭してまで他者を庇う覚悟が自分には無かったことを思い知ったが
「お前の顔に免じて、あの子どもを許して欲しいのだったな? 可愛い妻の頼みだ、聞いてやろう。お前のその美しい顔と引き換えにな」
ドーエスはさらにセージョの顔に切れ目を入れて、ずるりと皮を剥ぎ取った。その痛みとショックで、セージョは息絶えた。少年は失禁し、一部始終を目撃したナンデも
「おごえぇっ……」
と嘔吐したが、すぐにドーエスの視線に気づいて
「ゴメンなさい。ゴメンなさい。掃除します。自分で掃除します」
動転したナンデは急いでなんとかしなきゃと焦るあまり、素手で吐しゃ物をかき集めようとした。およそ王族らしくないナンデの無様な振る舞いに、ドーエスはかえってニッコリして
「よいのだ、ナンデ。怖がりのそなたに恐ろしいものを見せてしまった私が悪い。どうせその子どもの粗相も、死体の処理もさせねばならない。ここは使用人に任せて、そなたは休んでいろ」
素なのかわざとなのか、セージョの面の皮を剥いだ手でナンデの頭を撫でた。手についた血と脂を塗り込むような手つきだったので、やっぱりわざとかもしれない。
「アイエエエ……」
ナンデは控えめに啼きながらも、ドーエスの仕打ちに大人しく耐えた。
不幸中の幸いとしてドーエスはセージョとの約束どおり、少年を無傷で解放した。ナンデは泣きじゃくる少年に
「アンタの無謀のせいで1人の女が死んだことを忘れるな。生き残ったからには他のヤツラが無茶しないように、アンタがあの人の恐ろしさを伝えて止めるのよ」
と恐ろしい顔で言い聞かせた。少年は何度も頷いて町へ戻った。
しかしこれだけ多くの血を流せば、人々は勝手に脅威を感じてドーエスを排除しようと自ら出向いて来る。
(やめてよぉぉ! なんでわざわざ死にに来るのよぉぉ!)
悪夢に怯える少女のように震えるナンデの前で、さらに1万を超える人命が失われていった。流石に無理を悟った異世界の民は、ドーエスを倒すよりも取り入ろうと考えた。
そして選りすぐりの美しい花嫁たちを送って来た。ドーエスはその中から3人の女を選ぶと、残りの者には
「10秒以内にこの城を出ろ。残った者は順に殺していく」
いち早く城を出ようとしたのはナンデだったが、例によってドーエスに「そなたには言っていない」と止められた。
しかし他の花嫁たちは悪鬼のような男だと聞いていたのに、実際に会ってみたら、なんとも言えず美しい容姿だったドーエスに一目で心を奪われた。そして、こんな見目麗しい男性が鬼畜生のはずが無いと楽観して、ぜひお近づきになりたいとその場に残ったが
「そうか。そんなに私と鬼事がしたいか」
ドーエスはニヤッと剣を抜くと、手始めにいちばん近くに居た花嫁の胴体を輪切りにした。血と臓物を溢れさせて上体が落ちたのを合図に、キャアアアッと悲鳴が上がる。しかし花嫁たちはみな異常事態に怖気づいて動かない。
「とろいヤツラね! さっさと逃げなさいよぉぉ!」
ナンデが叫んだのは慈悲ではなく、自分と違って逃亡の許可を得たのに、さっさと立ち去ろうとしない花嫁たちへの憤りだった。ドーエスの手前、大きな声では言えないが、「こっちは逃げたくても逃げられないのよ!」と悔しさでいっぱいだった。
蜘蛛の子を散らすように逃げて行く花嫁たちを、ドーエスは特に追いかけなかった。今はナンデに満足しているので、鈍感な羊たちを追いかけてまで恐怖させるほど退屈していなかった。それに世間にはドーエス以外にも危険はある。なんの抵抗手段も持たない若く美しい女が、果たして無事に自国に辿り着けるか? 勢いで逃げ出した女たちの末路を想像するのも一興だった。
その他大勢の女たちは逃がしたものの、ドーエスは3人の女を選んで残した。もともとドーエスは1人の女に貞節を誓うような男ではない。過去にも50人以上の女と結婚して来たのだから、貞操観念があるはずも無かった。
ナンデを花嫁にしてから1年、とうとう夫は他に妻を持った。ナンデを放置し、夜ごと3人の新しい妻のもとに通うようになった。この状況にナンデは
(嘘、あの人は私に飽きたの? 私が孕むまで犯すと言っていたのに?)
ナンデはこの1年、毎夜のように犯されたが、まだ子は孕んでいなかった。ナンデの世界では夫と妻の間に、あまりに魔力の差があると受精しにくくなる。ドーエスの子を孕まぬうちに、新しい妻たちを迎えられたナンデは
(やったぁぁ! これでアイツの子を産まなくて済むぅぅ!)
死と同じくらい悪魔の子を孕まされるかもしれない恐怖に怯えていたナンデは飛び上がって喜んだ。今までドーエスの関心は、ナンデ1人に向けられていた。しかしこれからは4分の1に分散される。なんならドーエスの関心は、まだ若く瑞々しい3人の妻に向けられて、およそ1年の結婚生活ですっかり死相が定着したナンデから完全に離れるかもしれない。
(良かった……。新しい人が入ってくれて本当に良かった……)
もともとナンデは自分の境遇を、高貴な男性と結婚したのではなく、怪物のような男に拉致されて、毎夜のように犯されているだけだと認識していた。怪物が他の女を攫って抱きはじめたからって、私の男なのになんて嫉妬するはずが無かった。
ナンデは新しく加入した3人の花嫁に心から感謝した。自分にまたお鉢が回って来ないように、少しでも長生きして欲しかったのだが、ほんの2週間ほどで。
まずはセージョという女に悲劇が起きた。彼女は神に仕える徳の高い女性だった。お話に出て来る聖女のように、清らかで美しい彼女なら、悪鬼のようなドーエスを改心させられるのではないかと派遣された。
セージョには悪人さえ改心させる人徳はあっても、特別な力や加護は無い。だから最初はドーエスの残酷さに怯えていたが、夫婦生活がはじまると、ベッドでの甘やかな態度に自分のほうが絆されてしまった。
見目麗しく異性としての魅力に溢れるドーエスに心を奪われたセージョは、この方にもきっと無法を行うだけの理由や心の傷があるのだろう。妻の私が正しい方向に導いてあげたいと考えていた。
だからドーエスに復讐しようと、平民の少年が入って来た時も
「もうおやめになってください。あなたほどお強い方なら、この子1人見逃したところで脅威にはならないでしょう」
ここは私の顔に免じて、どうか少年をお許しくださいとセージョはドーエスに頼んだ。これまでセージョが相手にして来た男たちは、どんな荒くれ者でも自分の身をていして他者を救おうとする姿勢に感動して剣を下ろした。
しかしドーエスは愉快そうに口の端を上げると
「なぜ私がお前の顔に免じて、自分の意を変えなければならない?」
セージョの前髪を掴んで、ジッと目を覗き込みながら
「二、三度情を交わしたくらいで、私に気に入られたとでも思ったか?」
面白そうに問うドーエスの瞳には怒りも憤りも無かった。まるでこの時を待っていたかのように、喜色だけを浮かべる夫に
「あっ、だって……あんなに優しく私に触れてくださったのに……」
セージョはドーエスにも、自分たちと同じように愛や優しさがあると信じたかった。しかしドーエスは、
「優しく触れるのは当然だろう? お前たちは脆弱すぎて、少しでも力を入れれば、ほら。すぐに手足がもげてしまう」
「ぎあああっ!?」
とんぼの羽をもぐように、いとも簡単にセージョの腕を引き千切った。セージョはその激痛によって、ようやくドーエスの異常性と、命を賭してまで他者を庇う覚悟が自分には無かったことを思い知ったが
「お前の顔に免じて、あの子どもを許して欲しいのだったな? 可愛い妻の頼みだ、聞いてやろう。お前のその美しい顔と引き換えにな」
ドーエスはさらにセージョの顔に切れ目を入れて、ずるりと皮を剥ぎ取った。その痛みとショックで、セージョは息絶えた。少年は失禁し、一部始終を目撃したナンデも
「おごえぇっ……」
と嘔吐したが、すぐにドーエスの視線に気づいて
「ゴメンなさい。ゴメンなさい。掃除します。自分で掃除します」
動転したナンデは急いでなんとかしなきゃと焦るあまり、素手で吐しゃ物をかき集めようとした。およそ王族らしくないナンデの無様な振る舞いに、ドーエスはかえってニッコリして
「よいのだ、ナンデ。怖がりのそなたに恐ろしいものを見せてしまった私が悪い。どうせその子どもの粗相も、死体の処理もさせねばならない。ここは使用人に任せて、そなたは休んでいろ」
素なのかわざとなのか、セージョの面の皮を剥いだ手でナンデの頭を撫でた。手についた血と脂を塗り込むような手つきだったので、やっぱりわざとかもしれない。
「アイエエエ……」
ナンデは控えめに啼きながらも、ドーエスの仕打ちに大人しく耐えた。
不幸中の幸いとしてドーエスはセージョとの約束どおり、少年を無傷で解放した。ナンデは泣きじゃくる少年に
「アンタの無謀のせいで1人の女が死んだことを忘れるな。生き残ったからには他のヤツラが無茶しないように、アンタがあの人の恐ろしさを伝えて止めるのよ」
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