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第四話・妻が増えても逃げられない
殺し方に趣向を凝らさないで(残酷描写注意)
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ナンデは頼むから残りの女たちには大人しくしていて欲しかった。そこでナンデは残りの新人たちに、ドーエスは決して私たちを愛していないから、殺されたくなければ余計な真似をするなと警告したが
「あなたに注意していただかなくても、旦那様の機嫌を損ねるようなことはしないわ」
見るからに高慢で性格の悪そうなハレムという女に、
「本当ね? 奥様面してあの方に馴れ馴れしく振る舞ったりしないわね?」
不安そうに問うナンデを、ハレムは鼻で笑って
「何よ、もしかして嫉妬しているの? まぁ、あなたの顔色なんてまるで悪夢から覚めたばかりのように真っ青ですものね。わたくしやもう1人の子のように、輝く目とバラ色の頬をした美しい女を警戒するのは当然でしょうけど」
「だから、そのノリをやめろって言ってんのよ! アンタはここがハーレムだとでも思ってんの!?」
これ以上、凄惨な現場を目撃したくないナンデは、ハレムに必死に言い聞かせようとした。しかしハレムはナンデの勢いに押されつつも
「何よ、うるさいわね。あなたに言われなくたってうまくやるわよ。用済みのあなたこそ、処分されないように気を付けたら?」
思いがけず的確な指摘に、ナンデは「ぐっ」とダメージを受けた。新人の心配ばかりしてしまったが、確かに自分だってドーエスの関心が下がったからこそ首が危ういかもしれない。
ナンデはなるべく息を潜めて生活することにした。ドーエスの目に留まらなければ「そうだ、殺そう」とは思われないかもしれない。
次にドーエスの魔の手にかかったのはナンデではなく、やはりハレムだった。はじめは様子を見て大人しくしていたが、ドーエスのほうから美しい衣装や宝石をくれたので段々と欲が出た。他の2人の妻よりも、自分にいちばん貢いで欲しくて
「このイヤリングも素晴らしいですけど、ナンデ様がしていらっしゃるようなティアラをわたくしも欲しいわ。お強いドーエス様なら、ティアラくらいいくらでも手に入れられるでしょう? よろしければ今度……」
事後。満足させたご褒美と言わんばかりにアクセサリーを強請って来たハレムを、ドーエスは面白そうに見やって
「まだ結婚してからひと月も経たないのに、ずいぶん私に慣れたようだな? ナンデなど1年近くともに居ても、1度も私にものを強請ったことが無いのに」
ナンデはドーエスとの生活を結婚ではなく、異常者による拉致監禁だと考えている。いつ自分を殺すか分からない狂人に、贅沢が言えるはずもない。生活必需品でさえ、ものすごく遠慮がちにドーエスにお伺いを立てるほどだった。
欲を見せたせいで気分を害してしまったと気づいたハレムは
「す、すみません。ご気分を害されましたか? でもわたくしは決して物欲から申したわけではなくて、妻としてドーエス様のご寵愛を感じたいから、つい欲張ってしまっただけで……」
あくまで「あなたが好きだから」というテイにすれば男の機嫌を取れるだろうと考えたが、ドーエスの場合は
「物を乞うのも情を乞うのも同じことだ。ナンデに言われなかったか? 私は決して妻たちを愛しているわけじゃないから、驕った態度を取るなと」
「あ、ああ……」
ハレムは侵略者ドーエスの怒りを買ってしまったと怯えた。しかし実際のところドーエスは怒っているのではなく、
「まぁ、そんなに宝石が欲しいなら、私が手ずから飾ってやろう。ほら、そのキツネのような目を抉って宝石をはめ込めばもっと美しくなるぞ」
「いぎゃああっ!?」
ナンデは直接、ハレムの死体は見なかった。しかし片づけをした使用人の話では、ハレムは両目をはじめ額や首回りなどに、メリメリと宝石を埋め込まれて死んでいたらしい。
(殺し方に趣向を凝らさないでぇっ!)
多人数が相手だとあっさり殺すが、少人数だと猟奇性を発揮して来るドーエスにナンデは戦慄した。最後の1人だけは、どうか消えないで。私を1人にしないでと願ったが、最後の女もやはり自ら問題を起こす。
「あなたに注意していただかなくても、旦那様の機嫌を損ねるようなことはしないわ」
見るからに高慢で性格の悪そうなハレムという女に、
「本当ね? 奥様面してあの方に馴れ馴れしく振る舞ったりしないわね?」
不安そうに問うナンデを、ハレムは鼻で笑って
「何よ、もしかして嫉妬しているの? まぁ、あなたの顔色なんてまるで悪夢から覚めたばかりのように真っ青ですものね。わたくしやもう1人の子のように、輝く目とバラ色の頬をした美しい女を警戒するのは当然でしょうけど」
「だから、そのノリをやめろって言ってんのよ! アンタはここがハーレムだとでも思ってんの!?」
これ以上、凄惨な現場を目撃したくないナンデは、ハレムに必死に言い聞かせようとした。しかしハレムはナンデの勢いに押されつつも
「何よ、うるさいわね。あなたに言われなくたってうまくやるわよ。用済みのあなたこそ、処分されないように気を付けたら?」
思いがけず的確な指摘に、ナンデは「ぐっ」とダメージを受けた。新人の心配ばかりしてしまったが、確かに自分だってドーエスの関心が下がったからこそ首が危ういかもしれない。
ナンデはなるべく息を潜めて生活することにした。ドーエスの目に留まらなければ「そうだ、殺そう」とは思われないかもしれない。
次にドーエスの魔の手にかかったのはナンデではなく、やはりハレムだった。はじめは様子を見て大人しくしていたが、ドーエスのほうから美しい衣装や宝石をくれたので段々と欲が出た。他の2人の妻よりも、自分にいちばん貢いで欲しくて
「このイヤリングも素晴らしいですけど、ナンデ様がしていらっしゃるようなティアラをわたくしも欲しいわ。お強いドーエス様なら、ティアラくらいいくらでも手に入れられるでしょう? よろしければ今度……」
事後。満足させたご褒美と言わんばかりにアクセサリーを強請って来たハレムを、ドーエスは面白そうに見やって
「まだ結婚してからひと月も経たないのに、ずいぶん私に慣れたようだな? ナンデなど1年近くともに居ても、1度も私にものを強請ったことが無いのに」
ナンデはドーエスとの生活を結婚ではなく、異常者による拉致監禁だと考えている。いつ自分を殺すか分からない狂人に、贅沢が言えるはずもない。生活必需品でさえ、ものすごく遠慮がちにドーエスにお伺いを立てるほどだった。
欲を見せたせいで気分を害してしまったと気づいたハレムは
「す、すみません。ご気分を害されましたか? でもわたくしは決して物欲から申したわけではなくて、妻としてドーエス様のご寵愛を感じたいから、つい欲張ってしまっただけで……」
あくまで「あなたが好きだから」というテイにすれば男の機嫌を取れるだろうと考えたが、ドーエスの場合は
「物を乞うのも情を乞うのも同じことだ。ナンデに言われなかったか? 私は決して妻たちを愛しているわけじゃないから、驕った態度を取るなと」
「あ、ああ……」
ハレムは侵略者ドーエスの怒りを買ってしまったと怯えた。しかし実際のところドーエスは怒っているのではなく、
「まぁ、そんなに宝石が欲しいなら、私が手ずから飾ってやろう。ほら、そのキツネのような目を抉って宝石をはめ込めばもっと美しくなるぞ」
「いぎゃああっ!?」
ナンデは直接、ハレムの死体は見なかった。しかし片づけをした使用人の話では、ハレムは両目をはじめ額や首回りなどに、メリメリと宝石を埋め込まれて死んでいたらしい。
(殺し方に趣向を凝らさないでぇっ!)
多人数が相手だとあっさり殺すが、少人数だと猟奇性を発揮して来るドーエスにナンデは戦慄した。最後の1人だけは、どうか消えないで。私を1人にしないでと願ったが、最後の女もやはり自ら問題を起こす。
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