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Phase 2 なぜか世界の命運を担うことになった迷宮探索者の憂鬱
第96話 クーデター
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「ドルバンよ。貴様、自分が何を言っているのか分かっているのか?」
「ええ、分かっておりますとも。あなたを陛下と呼ぶのもこれまでだ。勇者様、あの邪魔な男ロキとその仲間たち、そして国王を殺してください!」
「分かったぜ!」
これまで王国内で大きな力を持っていた大司教と勇者。いずれも女神の名における権力であった。
国王が女神への信仰を禁じると宣言したため、ついに二人は本性を現した。
元々彼らは勇者の武力によって、現国王を王座から引きずり下ろすつもりだったのだ。
そんな国王と大司教、勇者の三人のやりとりを聞いていたロキが、突然叫び声を上げた。
「分かりやすくなってきたぁー!!!」
その声に皆、意味が分からないという表情を浮かべてロキを見る。
「やっぱ口喧嘩とか裁判とか、面倒くさいのは俺向いてねえや!こういう展開が一番分かりやすくていいぜ。陛下、この頭の悪いバカどもを煽ってくれてありがとう!あとは俺の出番だ」
そう言ってロキは国王を庇うように、勇者の前に立つ。
バカラたち騎士も、国王の前で守るような配置に立った。
最後に国王が、確かめるように勇者に問いかけた。
「ダイジローよ。これがお前の本心か?それともドルバンに乗せられてるだけなのか?」
「ああ?俺が神殿に操られてるわけねえだろう?俺は前回だってお前から王位を譲ってもらったんだ。どっちみち同じことだろ?俺は勇者なんだ。俺が一番偉いんだ。俺はお前たちとは違うんだよ!」
そう叫び、勇者がロキへと飛びかかろうとしたその時、ロキは合図を送った。
「アルマ!」
「はい!」
次の瞬間、勇者は躓き激しく転倒する。
ロキの正面にあるテーブルの上に、激しい音を立てて勇者が落下する。
その場にいるほとんどの人間が、何が起きた分からずに静観していた。
「……勇者様?」
心配した大司教が声をかけると、聖剣を杖に勇者が立ち上がろうとしていた。
転倒の怪我で、その額からは流血している。
「てめえ……何しやがった?!」
恨めしそうに問いかける勇者。
ニヤリと笑ったロキは種明かしをする。
「結界だよ。王都の中でも神殿の中だけは結界がかかっていないって言うから、今結界をかけさせたんだ。これでお前の唯一のアドバンテージである女神の加護、身体能力の向上は無くなったな。これでお前たちの悪だくみは終了だ。諦めるんだな」
「は?結界?嘘を付け!俺が何も知らないと思ったか?結界を張るには聖女が瞑想をして集中して時間をかけなきゃいけないんだ。こんな瞬間的に結界を張れるわけがない!何か仕掛けがあるんだろう?」
「瞑想?……それは多分おまえらが聖女にストレスを与えすぎてるからだろ。ウチのアルマの結界は自由自在なんだよ」
「そもそもなんでテメエの手下が結界を使える?!」
「手下じゃねえ、仲間だ。そういう発想だからルナさんの力に制限がかかってたんだ。アルマが神威代行魔法を使える理由は、多分だがお前が使った時間逆行魔法にルナさんも巻き込んだせいで何かひずみが発生したんだろ?それで本来一つの時代に一人しかいない聖女が、同時に二人生まれたってことじゃねえの?知らんけど」
「てめえも最初から手札に聖女を持っていやがったってことか……」
そう言う勇者の肩は、怒りでわなわなと震えていた。
「諦めろ」
「ふざけんな!レオーネ!結界解除だ!結界を解除しろ!」
その勇者の声に、大司教も呼応する。
「そうです!レオーネ!結界を解除しなさい!結界を解除するのもあなたならできるはずです!」
二人に命令された聖女レオーネは、毅然とした態度で回答する。
「いやです。結界を解除したらあなたたちはロキさんや国王陛下を殺すのでしょう?そんなことはさせません」
「命令に逆らうのか?きさま何様のつもりだ!」
そんな大司教の罵倒に耐えかねた国王が口をはさむ。
「いい加減にしろドルバン。聖女は貴様の道具ではないのだぞ!」
そう言われた大司教は、悔しさに顔を歪め何も言い返せなくなった。
「≪時間逆行≫!!!ロードだ!女神!聞いてんのか?!ロードだって言ってんだよ!」
「見苦しいぞ勇者。迷宮の中でならその魔法も使えたかもしれないが、神威結界の中じゃ一切の魔法が使えないのは分かってんだろ?」
「くそっ!くそっ!くそっ!てめえだけはぶっ殺してやる!」
自暴自棄になった勇者は、聖剣を振り回しながらロキへと襲い掛かった。
「おっと」
難なく剣を交わすロキ。
「結界の中じゃお前の自慢の魔法も使えないんだろ?武器を持ってる俺の方が有利なんだ。ぶっころしてやるよ!」
血走った目でロキへと襲い掛かる。
一度、二度と繰り返し聖剣を振り下ろすが、その全てをロキは容易に交わす。
「ちきしょう、避けんじゃねえよ!」
そして次の瞬間、大振りの剣の柄の部分をロキは蹴り上げる。
カランという音を立てて聖剣が地面に投げ出される。
「なんでだ?なんで武器を持った俺が、魔法使いのてめえごときに勝てねえんだ?!」
「大振りすぎだろ。普通剣っていうのは大きい筋肉、背中の筋肉を使って打ち下ろすもんだ。てめえは今までずっと女神の加護に頼って腕の力で振り回してたんだろ?そんな剣筋、素人以下だ」
「魔法使いに言われたくねえ」
「ところでお前ずっと俺の事を魔法使いって言ってるけど、いつ俺が魔法専門職って言った?俺はどの武器も一通りこなす迷宮探索者だぞ?」
そこまで言われ、いよいよ完全に自分の敗北を悟る勇者。
だが彼のプライドは、その事実を受け止めきれず、叫び声を上げながら無様にもロキへと殴り掛かっていった。
「うわあああああ!!!」
ロキはそれをいなし、勇者の後ろへと回り込む。
腕を勇者の首に絡ませ、首を絞めた。
「ううお!うぐおお!」
うめき声を上げる勇者。
ロキは国王と視線を交わす。
国王はゆっくりと頷いた。
それを確認したロキは、瞬間的に力をかけ勇者の首を横へ。
首の骨を折られた勇者ダイジローは、その瞬間絶命した。
壇上からその光景を眺めていた大司教ドルバンは、自らが起こしたクーデターが失敗したことを悟り、絶望した。
「ええ、分かっておりますとも。あなたを陛下と呼ぶのもこれまでだ。勇者様、あの邪魔な男ロキとその仲間たち、そして国王を殺してください!」
「分かったぜ!」
これまで王国内で大きな力を持っていた大司教と勇者。いずれも女神の名における権力であった。
国王が女神への信仰を禁じると宣言したため、ついに二人は本性を現した。
元々彼らは勇者の武力によって、現国王を王座から引きずり下ろすつもりだったのだ。
そんな国王と大司教、勇者の三人のやりとりを聞いていたロキが、突然叫び声を上げた。
「分かりやすくなってきたぁー!!!」
その声に皆、意味が分からないという表情を浮かべてロキを見る。
「やっぱ口喧嘩とか裁判とか、面倒くさいのは俺向いてねえや!こういう展開が一番分かりやすくていいぜ。陛下、この頭の悪いバカどもを煽ってくれてありがとう!あとは俺の出番だ」
そう言ってロキは国王を庇うように、勇者の前に立つ。
バカラたち騎士も、国王の前で守るような配置に立った。
最後に国王が、確かめるように勇者に問いかけた。
「ダイジローよ。これがお前の本心か?それともドルバンに乗せられてるだけなのか?」
「ああ?俺が神殿に操られてるわけねえだろう?俺は前回だってお前から王位を譲ってもらったんだ。どっちみち同じことだろ?俺は勇者なんだ。俺が一番偉いんだ。俺はお前たちとは違うんだよ!」
そう叫び、勇者がロキへと飛びかかろうとしたその時、ロキは合図を送った。
「アルマ!」
「はい!」
次の瞬間、勇者は躓き激しく転倒する。
ロキの正面にあるテーブルの上に、激しい音を立てて勇者が落下する。
その場にいるほとんどの人間が、何が起きた分からずに静観していた。
「……勇者様?」
心配した大司教が声をかけると、聖剣を杖に勇者が立ち上がろうとしていた。
転倒の怪我で、その額からは流血している。
「てめえ……何しやがった?!」
恨めしそうに問いかける勇者。
ニヤリと笑ったロキは種明かしをする。
「結界だよ。王都の中でも神殿の中だけは結界がかかっていないって言うから、今結界をかけさせたんだ。これでお前の唯一のアドバンテージである女神の加護、身体能力の向上は無くなったな。これでお前たちの悪だくみは終了だ。諦めるんだな」
「は?結界?嘘を付け!俺が何も知らないと思ったか?結界を張るには聖女が瞑想をして集中して時間をかけなきゃいけないんだ。こんな瞬間的に結界を張れるわけがない!何か仕掛けがあるんだろう?」
「瞑想?……それは多分おまえらが聖女にストレスを与えすぎてるからだろ。ウチのアルマの結界は自由自在なんだよ」
「そもそもなんでテメエの手下が結界を使える?!」
「手下じゃねえ、仲間だ。そういう発想だからルナさんの力に制限がかかってたんだ。アルマが神威代行魔法を使える理由は、多分だがお前が使った時間逆行魔法にルナさんも巻き込んだせいで何かひずみが発生したんだろ?それで本来一つの時代に一人しかいない聖女が、同時に二人生まれたってことじゃねえの?知らんけど」
「てめえも最初から手札に聖女を持っていやがったってことか……」
そう言う勇者の肩は、怒りでわなわなと震えていた。
「諦めろ」
「ふざけんな!レオーネ!結界解除だ!結界を解除しろ!」
その勇者の声に、大司教も呼応する。
「そうです!レオーネ!結界を解除しなさい!結界を解除するのもあなたならできるはずです!」
二人に命令された聖女レオーネは、毅然とした態度で回答する。
「いやです。結界を解除したらあなたたちはロキさんや国王陛下を殺すのでしょう?そんなことはさせません」
「命令に逆らうのか?きさま何様のつもりだ!」
そんな大司教の罵倒に耐えかねた国王が口をはさむ。
「いい加減にしろドルバン。聖女は貴様の道具ではないのだぞ!」
そう言われた大司教は、悔しさに顔を歪め何も言い返せなくなった。
「≪時間逆行≫!!!ロードだ!女神!聞いてんのか?!ロードだって言ってんだよ!」
「見苦しいぞ勇者。迷宮の中でならその魔法も使えたかもしれないが、神威結界の中じゃ一切の魔法が使えないのは分かってんだろ?」
「くそっ!くそっ!くそっ!てめえだけはぶっ殺してやる!」
自暴自棄になった勇者は、聖剣を振り回しながらロキへと襲い掛かった。
「おっと」
難なく剣を交わすロキ。
「結界の中じゃお前の自慢の魔法も使えないんだろ?武器を持ってる俺の方が有利なんだ。ぶっころしてやるよ!」
血走った目でロキへと襲い掛かる。
一度、二度と繰り返し聖剣を振り下ろすが、その全てをロキは容易に交わす。
「ちきしょう、避けんじゃねえよ!」
そして次の瞬間、大振りの剣の柄の部分をロキは蹴り上げる。
カランという音を立てて聖剣が地面に投げ出される。
「なんでだ?なんで武器を持った俺が、魔法使いのてめえごときに勝てねえんだ?!」
「大振りすぎだろ。普通剣っていうのは大きい筋肉、背中の筋肉を使って打ち下ろすもんだ。てめえは今までずっと女神の加護に頼って腕の力で振り回してたんだろ?そんな剣筋、素人以下だ」
「魔法使いに言われたくねえ」
「ところでお前ずっと俺の事を魔法使いって言ってるけど、いつ俺が魔法専門職って言った?俺はどの武器も一通りこなす迷宮探索者だぞ?」
そこまで言われ、いよいよ完全に自分の敗北を悟る勇者。
だが彼のプライドは、その事実を受け止めきれず、叫び声を上げながら無様にもロキへと殴り掛かっていった。
「うわあああああ!!!」
ロキはそれをいなし、勇者の後ろへと回り込む。
腕を勇者の首に絡ませ、首を絞めた。
「ううお!うぐおお!」
うめき声を上げる勇者。
ロキは国王と視線を交わす。
国王はゆっくりと頷いた。
それを確認したロキは、瞬間的に力をかけ勇者の首を横へ。
首の骨を折られた勇者ダイジローは、その瞬間絶命した。
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