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第4話 魔王、人間と会う
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人間として転生してしまった元魔王のオレは、まず最初に遭遇した人間に対し、どう接触していいか迷っていた。
その人間は、森の中を一人で歩いていた。
どこかの国の紋章の入った赤い服の上に、装飾の入った胸当て肩当てなどの軽装の鎧を身に纏い、腰には立派な剣を吊るしている。見るからにどこかの国の騎士だろう。そんな奴が一人でこんな森の中で何をしているんだ?
それより、俺が今話しかけるのに躊躇している理由がある。困ったことに、転生して生まれ変わったばかりのオレは生まれたままの姿、つまり全裸だという事だ。そしてそこに歩いている人間、そいつがおそらく女だという事だ。
その女は、黒くまっすぐな髪を後ろで縛り、前髪は眉毛の長さでそろえている。きりっとした太めの眉毛、少しきつそうな目つきをしている。装備もきっちりしてるし、恐らく堅苦しい性格だろう。こういうタイプの女の前に全裸で登場したら、性犯罪者として扱われてしまうんじゃなかろうか。同じ女でもまだ粗暴な冒険者ならよかったかもしれない。
その身を人間の姿に落ちぶれたと言え、オレは誇り高き魔王だ。変態として扱われる事は、オレのプライドが耐えられない。ならば何かの理由で服を無くしてしまったので助けてほしいという設定で話しかけてみるとか?いや、何度も言うがオレは誇り高き魔王。そんなしょうもない嘘を言うなど魔王としてのプライドが許さない。ここはやはりあれか?堂々とこのまま全裸で話しかけるべきか?いやしかしそれだと女に、変態と叫ばれてしまう。
そんな思考のループを10回くらい繰り返している間ずっと、俺は木の陰からその女に声を掛けられずにいた。
もたもたしていたら女はどんどん森を進んでいってしまった。女の行き先には、先ほど≪周辺捜索≫の魔法で確認したゴブリンの巣がある。さっき確認できただけでも、数十体のゴブリンがいた。当然、巣の奥にはもっといるはずだ。いくら最弱のモンスターと言えど、その数は女一人では危険だ。危ないと注意してやるべきか?
というかオレはさっきから何をコソコソしているのだ?
転生して人間になったとは言え、肉体能力は高く、魔法も問題なく使える。最強の武器も召喚できた。今もオレは無敵だ。なのになぜこんなにピンチなのだ?!納得いかん!!!
今の境遇に腹を立てていると、結局女はゴブリンの巣の前まで行ってしまった。あーあ。
見張りをしていたゴブリンの気配に気づいた女は、慌てて身を潜める。しかし遅かった。ゴブリンに見つかってしまったのだ。女とゴブリンは戦闘に入る。女は剣を抜くが、なんとゴブリンの中に魔法を使うゴブリンメイジが混じっていた。ゴブリンメイジの放つ≪石つぶて≫の魔法が女に命中する。ガードした腕を押さえてうずくまる女騎士。そこに一斉に5体のゴブリンウォーリアーが襲い掛かる。いきなりピンチかよ?仕方ない。
「≪拡散追尾魔法矢≫!」
『灰燼に帰す弓』を召喚し攻撃力を増加させるまでもなかった。最小限度の魔力で放った魔法の矢は、ゴブリンの人数分に分裂し、それぞれの急所に命中する。全部で6体いた見張りのゴブリンは、オレの放った一撃で全滅した。
女は目の前で起こった出来事に驚き、そしてオレの方へ振り返った。
「あ、危ないところをありがとう……あなたは……?」
オレは木陰から姿を現す。
「悪いが服を……」
「キャアアアアアアアアアアアアア!!!!変態いいいいいいいい!!!!!!」
オレの(全裸)姿を見るなり、女騎士は悲鳴を挙げて走り去った。
「ちょっと待てそっちは!」
女の走って行った方向は、両側を崖に囲まれた一本道になっており、その先にはゴブリンの巣になっていた。
「ええい!世話の焼ける」
オレは後を追った。
ゴブリンの巣に迷い込んだ女騎士を追いながら、なんでオレはこの先に進んでいるのか考えた。なんか助けに行ってる感じになってしまっているが、そうではない。オレが人間を助けるわけがない。
オレの目的は、服を手に入れる事だ。そうだ。服を探しにオレはゴブリンの巣に向かっているのだ。女を見つける前に適当な服を見つけたらどうする?立ち去るか?いや、先ほど女が叫んだ変態という言葉を訂正させなければならんな。そうだ。決してオレが人間を助けてやるわけではない。先ほどの言葉を訂正させるために追わなければいけないようだな。
そんな事を考えながら進むと、洞窟の入り口が見えてきた。洞窟の中から女の悲鳴が聞こえる。
……あいつ捕まりやがったな?
その人間は、森の中を一人で歩いていた。
どこかの国の紋章の入った赤い服の上に、装飾の入った胸当て肩当てなどの軽装の鎧を身に纏い、腰には立派な剣を吊るしている。見るからにどこかの国の騎士だろう。そんな奴が一人でこんな森の中で何をしているんだ?
それより、俺が今話しかけるのに躊躇している理由がある。困ったことに、転生して生まれ変わったばかりのオレは生まれたままの姿、つまり全裸だという事だ。そしてそこに歩いている人間、そいつがおそらく女だという事だ。
その女は、黒くまっすぐな髪を後ろで縛り、前髪は眉毛の長さでそろえている。きりっとした太めの眉毛、少しきつそうな目つきをしている。装備もきっちりしてるし、恐らく堅苦しい性格だろう。こういうタイプの女の前に全裸で登場したら、性犯罪者として扱われてしまうんじゃなかろうか。同じ女でもまだ粗暴な冒険者ならよかったかもしれない。
その身を人間の姿に落ちぶれたと言え、オレは誇り高き魔王だ。変態として扱われる事は、オレのプライドが耐えられない。ならば何かの理由で服を無くしてしまったので助けてほしいという設定で話しかけてみるとか?いや、何度も言うがオレは誇り高き魔王。そんなしょうもない嘘を言うなど魔王としてのプライドが許さない。ここはやはりあれか?堂々とこのまま全裸で話しかけるべきか?いやしかしそれだと女に、変態と叫ばれてしまう。
そんな思考のループを10回くらい繰り返している間ずっと、俺は木の陰からその女に声を掛けられずにいた。
もたもたしていたら女はどんどん森を進んでいってしまった。女の行き先には、先ほど≪周辺捜索≫の魔法で確認したゴブリンの巣がある。さっき確認できただけでも、数十体のゴブリンがいた。当然、巣の奥にはもっといるはずだ。いくら最弱のモンスターと言えど、その数は女一人では危険だ。危ないと注意してやるべきか?
というかオレはさっきから何をコソコソしているのだ?
転生して人間になったとは言え、肉体能力は高く、魔法も問題なく使える。最強の武器も召喚できた。今もオレは無敵だ。なのになぜこんなにピンチなのだ?!納得いかん!!!
今の境遇に腹を立てていると、結局女はゴブリンの巣の前まで行ってしまった。あーあ。
見張りをしていたゴブリンの気配に気づいた女は、慌てて身を潜める。しかし遅かった。ゴブリンに見つかってしまったのだ。女とゴブリンは戦闘に入る。女は剣を抜くが、なんとゴブリンの中に魔法を使うゴブリンメイジが混じっていた。ゴブリンメイジの放つ≪石つぶて≫の魔法が女に命中する。ガードした腕を押さえてうずくまる女騎士。そこに一斉に5体のゴブリンウォーリアーが襲い掛かる。いきなりピンチかよ?仕方ない。
「≪拡散追尾魔法矢≫!」
『灰燼に帰す弓』を召喚し攻撃力を増加させるまでもなかった。最小限度の魔力で放った魔法の矢は、ゴブリンの人数分に分裂し、それぞれの急所に命中する。全部で6体いた見張りのゴブリンは、オレの放った一撃で全滅した。
女は目の前で起こった出来事に驚き、そしてオレの方へ振り返った。
「あ、危ないところをありがとう……あなたは……?」
オレは木陰から姿を現す。
「悪いが服を……」
「キャアアアアアアアアアアアアア!!!!変態いいいいいいいい!!!!!!」
オレの(全裸)姿を見るなり、女騎士は悲鳴を挙げて走り去った。
「ちょっと待てそっちは!」
女の走って行った方向は、両側を崖に囲まれた一本道になっており、その先にはゴブリンの巣になっていた。
「ええい!世話の焼ける」
オレは後を追った。
ゴブリンの巣に迷い込んだ女騎士を追いながら、なんでオレはこの先に進んでいるのか考えた。なんか助けに行ってる感じになってしまっているが、そうではない。オレが人間を助けるわけがない。
オレの目的は、服を手に入れる事だ。そうだ。服を探しにオレはゴブリンの巣に向かっているのだ。女を見つける前に適当な服を見つけたらどうする?立ち去るか?いや、先ほど女が叫んだ変態という言葉を訂正させなければならんな。そうだ。決してオレが人間を助けてやるわけではない。先ほどの言葉を訂正させるために追わなければいけないようだな。
そんな事を考えながら進むと、洞窟の入り口が見えてきた。洞窟の中から女の悲鳴が聞こえる。
……あいつ捕まりやがったな?
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