37 / 102
第37話 名探偵魔王、推理の時間
しおりを挟む
「それでは、お前たちを暗殺しようとした犯人について、オレの推理を発表しよう。オレは実際に会って話せば、その者が嘘をついているか隠し事をしているのかなど、ある程度は分かるのだ。よほどの天才詐欺師とかであれば別だがな。なぜならオレは長い事、魔界の王をやってきた。その間たくさんの者と会ったり話したりした事で、目が肥えているからだ」
ヴォルトが自信たっぷりに話し始めると、部屋にいる者たちの視線がヴォルトに集まる。
だが話の腰を折るように第四王子が質問を浴びせて来た。
「ヴォルト殿……。先ほどから僕は話に付いてゆけないのですが、魔界の王とか勇者とかいうのはどういう事なのですか?」
「あれ?話してなかったっけ?」
第二、第三王子にはユウから話したと聞き、第四王子にヴォルトが魔王である事、ユウが勇者であることなどを説明した。
「ひ、ひいい!魔王と知らず、これまで失礼な態度をすいませんでした!」
「いや、今はそういうのいいから!オレの推理の時間だから。オレの推理聞いて」
「こいつ段取り悪くていつも計画通り進まないんだぜ。魔王のくせに。ウケるだろ?」
ヴォルトが第四王子と話していると、ユウが第二、第三王子にヴォルトの悪口を言っていた。
そんなユウを横目でにらみながら、ヴォルトは何とか本題に戻そうとする。
「ゴホン!それでは改めてオレの推理を説明しよう。まずこの城にガーゴイルが現れたのは、間違いなく次期王位継承者たるお前たち王子の命を狙ってのことだ。先ほど言ったように、オレは最初はお前たち三人のうち誰かが犯人ではないかと考えていた。だが違ったようだ。今夜、お前たち三人がいる場所それぞれにガーゴイルは現れ、命を狙った。そして今のお前たちのガーゴイルに対する恐怖心などは本物のようだ。だとするとお前たち三人とも犯人ではないと、オレは思う。」
「では誰だと言うのですか?我ら全員死んで得をする人物がいるというのですか?」
「それは……第五王子しかいないだろう。第五王子の元へは、ガーゴイルは今まで一度も来たことがないと言っていたしな」
第二王子の質問に、ヴォルトはずばり答える。
だがそれを聞いて、第二王子は信じられないと言う顔をしていた。
「ピエールはまだ八歳です!あの子が次期王位を狙うほどの欲を秘めているとは考えられません!」
「それについては、オレも同感だ」
「ではなぜ?」
「あくまで現時点の推測なのだが、犯人はおそらく第五王子の母親。第五王妃ではないだろうか?」
ヴォルトの推理に、部屋にいた人間全員がざわつく。これまでヴォルトが王子たちに疑いの言葉を投げかける事はあっても、ここまではっきりと容疑者として名前を挙げた事がなかったからだ。
「五人の王妃にそれぞれ一人ずつ王子が生まれたのだそうだが、第五王妃だけ王女と王子の二人を産んでいる。先に生まれた王女だけで我慢すればいいのに、その後に王子まで生んでいるのは、第五王妃が国王の母となる事に執着していたからではないだろうか?それだけ権力欲が強いのではないかという気がする。この国では騎士団長スカーレットのように女性でも要職に就けるほど女性差別は少ないようだが、国王だけは男が継ぐという習慣が残っているようだしな。娘が王位を継げないのなら、もう一人男の子をと思ってもおかしくあるまい。だが念願の王子を身ごもったが、その上には四人の兄がおりやはり息子に王位を継がせるのは難しかった。そんな時、第五王子より王位継承権の高い兄たちの暗殺を考えてもおかしくあるまい?」
「まさか……そんな人には見えませんでしたが……」
第二王子がショックを受けたような表情を見せるが、そんな第二王子に第四王子が話しかける。
「いや、第一王妃の態度が大きすぎたせいで、他の王妃たちは押さえつけられていました。彼女たちが何を考えていたかなど分かりませんよ?」
「確かにそうだな……」
第四王子の言葉に第三王子も頷く。
だんだん三人は、ヴォルトの推測を信じ始めた。
「第五王妃自体には、ガーゴイルを使役するほどの魔力は感じられなかった。だとすると裏社会の者に依頼した可能性が高いな。いずれにしても本人に会って事実を聞く必要がありそうだ。それでは今から第五王子のところへゆくとしよう。」
「あのー、すいません。もう一つ質問してもいいですか?」
その言葉は第四王子だった。一応話を中断させないよう、最後まで聞いてから質問をしてきたようだ。
「なんだ?」
「僕はスカーレットとユウ様はジャット兄者の護衛をしているとずっと思っていたのですが、一番狙われてるジャット兄者の護衛は、今誰がしているのですか?」
「……」
第二、第三王子も同じことを思っていたのだろう。不思議そうな顔をしていた。
「ああ、アレね。アレはオレに対してあまりにも失礼な態度を取ったので、こらしめてやった」
「「「え?」」」
三人同時に驚きの顔をする。
言いにくそうなヴォルトに代わって、ユウが三人の王子に説明をする。
「第一王子は、こいつの≪生命力吸収≫の魔法で生命力を吸い取られて、老人になっちまったよ。そんでお前らの親父の国王が出てきて、悪いのは第一王子だと言ってそのまま地下牢に幽閉したらしいぜ?明日辺りに国王から詳しい説明あるんじゃないか?」
「「「えええ?」」」
「というわけで、アレの護衛は必要なくなったのだ。それじゃ第五王子のところへ行くぞ!」
ヴォルトが自信たっぷりに話し始めると、部屋にいる者たちの視線がヴォルトに集まる。
だが話の腰を折るように第四王子が質問を浴びせて来た。
「ヴォルト殿……。先ほどから僕は話に付いてゆけないのですが、魔界の王とか勇者とかいうのはどういう事なのですか?」
「あれ?話してなかったっけ?」
第二、第三王子にはユウから話したと聞き、第四王子にヴォルトが魔王である事、ユウが勇者であることなどを説明した。
「ひ、ひいい!魔王と知らず、これまで失礼な態度をすいませんでした!」
「いや、今はそういうのいいから!オレの推理の時間だから。オレの推理聞いて」
「こいつ段取り悪くていつも計画通り進まないんだぜ。魔王のくせに。ウケるだろ?」
ヴォルトが第四王子と話していると、ユウが第二、第三王子にヴォルトの悪口を言っていた。
そんなユウを横目でにらみながら、ヴォルトは何とか本題に戻そうとする。
「ゴホン!それでは改めてオレの推理を説明しよう。まずこの城にガーゴイルが現れたのは、間違いなく次期王位継承者たるお前たち王子の命を狙ってのことだ。先ほど言ったように、オレは最初はお前たち三人のうち誰かが犯人ではないかと考えていた。だが違ったようだ。今夜、お前たち三人がいる場所それぞれにガーゴイルは現れ、命を狙った。そして今のお前たちのガーゴイルに対する恐怖心などは本物のようだ。だとするとお前たち三人とも犯人ではないと、オレは思う。」
「では誰だと言うのですか?我ら全員死んで得をする人物がいるというのですか?」
「それは……第五王子しかいないだろう。第五王子の元へは、ガーゴイルは今まで一度も来たことがないと言っていたしな」
第二王子の質問に、ヴォルトはずばり答える。
だがそれを聞いて、第二王子は信じられないと言う顔をしていた。
「ピエールはまだ八歳です!あの子が次期王位を狙うほどの欲を秘めているとは考えられません!」
「それについては、オレも同感だ」
「ではなぜ?」
「あくまで現時点の推測なのだが、犯人はおそらく第五王子の母親。第五王妃ではないだろうか?」
ヴォルトの推理に、部屋にいた人間全員がざわつく。これまでヴォルトが王子たちに疑いの言葉を投げかける事はあっても、ここまではっきりと容疑者として名前を挙げた事がなかったからだ。
「五人の王妃にそれぞれ一人ずつ王子が生まれたのだそうだが、第五王妃だけ王女と王子の二人を産んでいる。先に生まれた王女だけで我慢すればいいのに、その後に王子まで生んでいるのは、第五王妃が国王の母となる事に執着していたからではないだろうか?それだけ権力欲が強いのではないかという気がする。この国では騎士団長スカーレットのように女性でも要職に就けるほど女性差別は少ないようだが、国王だけは男が継ぐという習慣が残っているようだしな。娘が王位を継げないのなら、もう一人男の子をと思ってもおかしくあるまい。だが念願の王子を身ごもったが、その上には四人の兄がおりやはり息子に王位を継がせるのは難しかった。そんな時、第五王子より王位継承権の高い兄たちの暗殺を考えてもおかしくあるまい?」
「まさか……そんな人には見えませんでしたが……」
第二王子がショックを受けたような表情を見せるが、そんな第二王子に第四王子が話しかける。
「いや、第一王妃の態度が大きすぎたせいで、他の王妃たちは押さえつけられていました。彼女たちが何を考えていたかなど分かりませんよ?」
「確かにそうだな……」
第四王子の言葉に第三王子も頷く。
だんだん三人は、ヴォルトの推測を信じ始めた。
「第五王妃自体には、ガーゴイルを使役するほどの魔力は感じられなかった。だとすると裏社会の者に依頼した可能性が高いな。いずれにしても本人に会って事実を聞く必要がありそうだ。それでは今から第五王子のところへゆくとしよう。」
「あのー、すいません。もう一つ質問してもいいですか?」
その言葉は第四王子だった。一応話を中断させないよう、最後まで聞いてから質問をしてきたようだ。
「なんだ?」
「僕はスカーレットとユウ様はジャット兄者の護衛をしているとずっと思っていたのですが、一番狙われてるジャット兄者の護衛は、今誰がしているのですか?」
「……」
第二、第三王子も同じことを思っていたのだろう。不思議そうな顔をしていた。
「ああ、アレね。アレはオレに対してあまりにも失礼な態度を取ったので、こらしめてやった」
「「「え?」」」
三人同時に驚きの顔をする。
言いにくそうなヴォルトに代わって、ユウが三人の王子に説明をする。
「第一王子は、こいつの≪生命力吸収≫の魔法で生命力を吸い取られて、老人になっちまったよ。そんでお前らの親父の国王が出てきて、悪いのは第一王子だと言ってそのまま地下牢に幽閉したらしいぜ?明日辺りに国王から詳しい説明あるんじゃないか?」
「「「えええ?」」」
「というわけで、アレの護衛は必要なくなったのだ。それじゃ第五王子のところへ行くぞ!」
0
あなたにおすすめの小説
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる