8 / 53
第一章 領地でぬくぬく編
第07話 女神、スキルを勘違いされる
しおりを挟む
訓練を始めてから一週間が経過した。相も変わらずダリルが、ローラの訓練についてきては、ベンチに座りながらコックリコックリ――居眠りをかましている。領主の仕事はどうしているのかとローラが尋ねたが、一〇〇人にも満たない極貧村だからやることが少ないのだとか。
それを聞いたローラが内心で、
「それなら、居眠りしてないで、テレサ村が極貧から抜け出す努力をしなさいよっ! 脳筋ダリルに呆れること尽きないわ」
と毒づき、ローラの感想も相変わらずだった。
だかしかし、噓も方便――極貧村だからこそやることは山積みである。
これといった特産のないテレサ村は、貨幣の流通が少ない。開拓した農地から得られる作物は、村人の腹を満たすのがギリギリ。それにも拘らず、魔獣が生息する東の森が近くにあり、ゴブリンにフォレストウルフやボアといった害獣系魔獣が田畑を荒らす始末。
魔獣対策だけではなく、貨幣獲得としても冒険者ギルドを是非とも設置したいところだが、誘致できるほど珍しい魔獣が出る訳でもない。冒険者が必要とする施設もない。そんな状況では、私兵を抱える財源的余裕は、全くない。
つまり、凄腕騎士であるダリルが、魔獣の駆除を担当する外ない。当然、副官であるダリルも同じ役目を担っている。
ただそれも、ローラに余計な心配を掛けたくないダリルが、みんなに協力を仰ぎ、忙しいことがローラの耳に入らないように根回ししているのだ。
悲しきかな――ローラがそれを知っても心配することは、これっぽっちもないだろう。一ミリどころか一ミクロンもない。いや、全くない。むしろ、余計にバカにしている……そうなのである。ローラ恒例の館内探索の結果、ダリルの行動の全てをマチスのボヤキから、ローラは把握済みなのである。
とどのつまり、ダリルの根回しは、全くの無駄であるのだった。
それはさておき、今日も、ラルフの指示通り跳躍の訓練を終えたあと、ローラが修練場をマイペースにとっとこ走り続ける。さきの話もそうだが、ローラバカな家族たちのせいで、ローラは未だ領主館の敷地から外に出してもらえない。
(魔王の討伐状況がさすがに気になるわね。勇者召喚されてから五年が経ったはずなのに、そんな話すら聞こえてこない)
ローラが走りながら考え事をしていると、突然叫び声が聞こえた。
「危ないっ、ローラぁああ!!」
叫び声の元を確認したローラは、ダリルがもの凄い勢いで駆けてくることに気付いた。
どうしたのかとローラが辺りを見渡す。上の方で陽の光に照らされてキラリと煌めく何かが、彼女の方へと飛んで来る最中だった。影の形からして剣だろうか。更に奥へと視線をやると、ローラが確信する。モーラが剣を振り上げた格好で固まっており、テイラーが尻もちを着いている。モーラによって弾き飛ばされたテイラーの模擬剣が、ローラを目指して飛んでいるのだ。刃引されているが、凶器なのには変わりない。
(あーなるほどねー)
ローラが立ち止まることはなかった。むしろ、そのまま落下地点へと向けて走っている。
(ダリルのスピードはさすがだけど、間に合わないわよ。てか、反応が遅いのよ)
ダリルの反応が遅れたのは、寝不足のせいだろう。いつものダリルであれば、とっくにローラを抱きかかえていたかもしれない。まあそれも、ダリルに付きまとわれるのにいい加減辟易しているローラにとっては好都合。
「いっちょ実力を見せてやろうかしらね」
と、一策を講じることにした。
「止まるんだッ! ローラぁああー、え?」
ダリルが悲痛の叫び声をあげるが、その結果に間抜けな声を出して驚いている。ゆっくりと歩を緩め、信じられない結果を目の当たりにして呆然と立ち尽くしてしまった。ローラは、飛んできた模擬剣に対して避けるでもなく、右手の人差し指と中指で剣先を摘んで受け止めたのだ。
「ふふーん、どうかしら。必殺、二指真空摘よ!」
ローラがその技の名前を不敵な笑みを浮かべながら叫んだが、あまりの事態に誰の耳にも届いていないようである。
からくりはこうだ。飛んできた剣の軌道をローラが神眼により見切る。アクセラレータを肩と肘の関節に作用させて動作の補助をし、そのまま剣の刀身を摘まむ。事前に人差し指と中指にパワーブーストとプロテクションを掛けることで、飛んできた模擬剣のダメージを無効化したのだ。
これは、その条件を全て満たしてはじめてできる技である。
ダリルが我に返り、そしてモーラたちもローラの元へ駆け付ける。
「ローラ大丈夫かっ」
「ごめんなさい、ローラ」
「だいじょうぶよ。ほら、このとおり」
受け止めた剣をテイラーに渡しながら、ローラが右手をみんなに見えるようにひらひらとさせる。ローラは、猫被りを完全に止め、不敵な笑みともとれるドヤ顔をして見せた。
「しかし、いったい……」
と困惑顔のダリル。
事情を説明してほしそうな表情の全員に種明かしをする。
「パワーブーストとプロテクションをみぎてにかけたの」
えへっと笑いながらローラが、事もなげに打ち明けた。
「ローラ様、それをどこで覚えたのですか?」
「そうだぞ、ローラ。教わっていないだろそんなこと。ましてや魔力が足りる訳……」
ローラの説明に納得できないのか、ラルフとダリルが次々と質問を浴びせてくる。
(そりゃあそうよね。はじめから知っていただけで教わってなんかいないもの)
ローラの心中は、どう説明したものかと今更悩み始めていた。
すると、
「そうよ。私だってパワーブースト使えるようになったのは、つい二、三年前よ」
「僕だって今その訓練をしている最中なのに」
などとモーラとテイラーが、それぞれが使えるようになった時期と比較して驚いている。
「うーん、わかんない。みんながつかっているのを、まねてみたらできたの」
子供らしくわからないと言って誤魔化そうとしたローラであったが、そのあとの言葉がいけなかったようだ。
途端、ダリルがローラの正面にしゃがみ込み、ローラの両肩を掴んで真剣な眼差しを向けた。
「魔力のオーラが見えるのか?」
ダリルの質問にローラが、コクリと小さく頷く。
「ラルフよ、これは……」
困惑の表情と共にラルフを見上げるダリル。
「え、ええ……おそらく、魔法眼のスキルでしょうな」
(魔法眼? 何だろう……それは)
ラルフが呟いたスキル名を聞いたローラは、
「まほうがん?」
と、それをなぞるように口に出し、意味がわからなかった。
「魔法眼とは、魔力の流れや色を見ることができるスキルだ。それで相手が使ってくる魔法を判断したり、感情を理解することができる魔法の目のことだよ」
ローラに向き直ったダリルがそう説明し、モーラが反応する。
「お父様、それってあのローラ様の特技と言われている力かしら」
「その通りだよ、モーラ。しかし、そうだとすると皇帝陛下に報告せねばならぬかもしれない……」
いつの間にかただならぬ雰囲気となっており、ローラが冷や汗をかく。
(あれ? 何か大事になりそうな予感がするのはわたしだけかしら……それにしても魔法眼なんて知らない、神眼のことがそう伝わっているのかしら)
そんな風にローラが混乱していると、訓練は中止となってしまった。
ローラはただただ驚かせようとしただけなのだが、計らずも再び家族会議が開催されることになるのであった。
それを聞いたローラが内心で、
「それなら、居眠りしてないで、テレサ村が極貧から抜け出す努力をしなさいよっ! 脳筋ダリルに呆れること尽きないわ」
と毒づき、ローラの感想も相変わらずだった。
だかしかし、噓も方便――極貧村だからこそやることは山積みである。
これといった特産のないテレサ村は、貨幣の流通が少ない。開拓した農地から得られる作物は、村人の腹を満たすのがギリギリ。それにも拘らず、魔獣が生息する東の森が近くにあり、ゴブリンにフォレストウルフやボアといった害獣系魔獣が田畑を荒らす始末。
魔獣対策だけではなく、貨幣獲得としても冒険者ギルドを是非とも設置したいところだが、誘致できるほど珍しい魔獣が出る訳でもない。冒険者が必要とする施設もない。そんな状況では、私兵を抱える財源的余裕は、全くない。
つまり、凄腕騎士であるダリルが、魔獣の駆除を担当する外ない。当然、副官であるダリルも同じ役目を担っている。
ただそれも、ローラに余計な心配を掛けたくないダリルが、みんなに協力を仰ぎ、忙しいことがローラの耳に入らないように根回ししているのだ。
悲しきかな――ローラがそれを知っても心配することは、これっぽっちもないだろう。一ミリどころか一ミクロンもない。いや、全くない。むしろ、余計にバカにしている……そうなのである。ローラ恒例の館内探索の結果、ダリルの行動の全てをマチスのボヤキから、ローラは把握済みなのである。
とどのつまり、ダリルの根回しは、全くの無駄であるのだった。
それはさておき、今日も、ラルフの指示通り跳躍の訓練を終えたあと、ローラが修練場をマイペースにとっとこ走り続ける。さきの話もそうだが、ローラバカな家族たちのせいで、ローラは未だ領主館の敷地から外に出してもらえない。
(魔王の討伐状況がさすがに気になるわね。勇者召喚されてから五年が経ったはずなのに、そんな話すら聞こえてこない)
ローラが走りながら考え事をしていると、突然叫び声が聞こえた。
「危ないっ、ローラぁああ!!」
叫び声の元を確認したローラは、ダリルがもの凄い勢いで駆けてくることに気付いた。
どうしたのかとローラが辺りを見渡す。上の方で陽の光に照らされてキラリと煌めく何かが、彼女の方へと飛んで来る最中だった。影の形からして剣だろうか。更に奥へと視線をやると、ローラが確信する。モーラが剣を振り上げた格好で固まっており、テイラーが尻もちを着いている。モーラによって弾き飛ばされたテイラーの模擬剣が、ローラを目指して飛んでいるのだ。刃引されているが、凶器なのには変わりない。
(あーなるほどねー)
ローラが立ち止まることはなかった。むしろ、そのまま落下地点へと向けて走っている。
(ダリルのスピードはさすがだけど、間に合わないわよ。てか、反応が遅いのよ)
ダリルの反応が遅れたのは、寝不足のせいだろう。いつものダリルであれば、とっくにローラを抱きかかえていたかもしれない。まあそれも、ダリルに付きまとわれるのにいい加減辟易しているローラにとっては好都合。
「いっちょ実力を見せてやろうかしらね」
と、一策を講じることにした。
「止まるんだッ! ローラぁああー、え?」
ダリルが悲痛の叫び声をあげるが、その結果に間抜けな声を出して驚いている。ゆっくりと歩を緩め、信じられない結果を目の当たりにして呆然と立ち尽くしてしまった。ローラは、飛んできた模擬剣に対して避けるでもなく、右手の人差し指と中指で剣先を摘んで受け止めたのだ。
「ふふーん、どうかしら。必殺、二指真空摘よ!」
ローラがその技の名前を不敵な笑みを浮かべながら叫んだが、あまりの事態に誰の耳にも届いていないようである。
からくりはこうだ。飛んできた剣の軌道をローラが神眼により見切る。アクセラレータを肩と肘の関節に作用させて動作の補助をし、そのまま剣の刀身を摘まむ。事前に人差し指と中指にパワーブーストとプロテクションを掛けることで、飛んできた模擬剣のダメージを無効化したのだ。
これは、その条件を全て満たしてはじめてできる技である。
ダリルが我に返り、そしてモーラたちもローラの元へ駆け付ける。
「ローラ大丈夫かっ」
「ごめんなさい、ローラ」
「だいじょうぶよ。ほら、このとおり」
受け止めた剣をテイラーに渡しながら、ローラが右手をみんなに見えるようにひらひらとさせる。ローラは、猫被りを完全に止め、不敵な笑みともとれるドヤ顔をして見せた。
「しかし、いったい……」
と困惑顔のダリル。
事情を説明してほしそうな表情の全員に種明かしをする。
「パワーブーストとプロテクションをみぎてにかけたの」
えへっと笑いながらローラが、事もなげに打ち明けた。
「ローラ様、それをどこで覚えたのですか?」
「そうだぞ、ローラ。教わっていないだろそんなこと。ましてや魔力が足りる訳……」
ローラの説明に納得できないのか、ラルフとダリルが次々と質問を浴びせてくる。
(そりゃあそうよね。はじめから知っていただけで教わってなんかいないもの)
ローラの心中は、どう説明したものかと今更悩み始めていた。
すると、
「そうよ。私だってパワーブースト使えるようになったのは、つい二、三年前よ」
「僕だって今その訓練をしている最中なのに」
などとモーラとテイラーが、それぞれが使えるようになった時期と比較して驚いている。
「うーん、わかんない。みんながつかっているのを、まねてみたらできたの」
子供らしくわからないと言って誤魔化そうとしたローラであったが、そのあとの言葉がいけなかったようだ。
途端、ダリルがローラの正面にしゃがみ込み、ローラの両肩を掴んで真剣な眼差しを向けた。
「魔力のオーラが見えるのか?」
ダリルの質問にローラが、コクリと小さく頷く。
「ラルフよ、これは……」
困惑の表情と共にラルフを見上げるダリル。
「え、ええ……おそらく、魔法眼のスキルでしょうな」
(魔法眼? 何だろう……それは)
ラルフが呟いたスキル名を聞いたローラは、
「まほうがん?」
と、それをなぞるように口に出し、意味がわからなかった。
「魔法眼とは、魔力の流れや色を見ることができるスキルだ。それで相手が使ってくる魔法を判断したり、感情を理解することができる魔法の目のことだよ」
ローラに向き直ったダリルがそう説明し、モーラが反応する。
「お父様、それってあのローラ様の特技と言われている力かしら」
「その通りだよ、モーラ。しかし、そうだとすると皇帝陛下に報告せねばならぬかもしれない……」
いつの間にかただならぬ雰囲気となっており、ローラが冷や汗をかく。
(あれ? 何か大事になりそうな予感がするのはわたしだけかしら……それにしても魔法眼なんて知らない、神眼のことがそう伝わっているのかしら)
そんな風にローラが混乱していると、訓練は中止となってしまった。
ローラはただただ驚かせようとしただけなのだが、計らずも再び家族会議が開催されることになるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~
スサノワ
ファンタジー
「ここわぁ、地獄かぁ――!?」
悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、気がつきゃ金糸のような髪の小娘に!?
「えっ、ファンタジーかと思ったぁ? 残っ念っ、ハイ坊主ハラペコSFファンタジーでしたぁ――ウケケケッケッ♪」
やかましぃやぁ。
※小説家になろうさんにも投稿しています。投稿時は初稿そのまま。順次整えます。よろしくお願いします。
子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~
九條葉月
ファンタジー
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます!
七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。
しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。
食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。
孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。
これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる