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第一章 領地でぬくぬく編
第32話 女神、変化に困惑する(▲)
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変化に気付いたのは、なにもローラだけではない。
「おっ、ユリアちゃんは勝負に出たな。でも、それだとモーラにはダメだろっ」
ユリアの取った行動に対し、ダリルが酷評する。ユリアが、前回と同様に跳躍して一気に距離を取ったのだ。
「同じ手はくらわないわよっ!」
前回と同じ展開にモーラが、二の舞いを演じないというように叫び、距離を詰めようと追従する。
が、ユリアの罠だったようだ。
ユリアが模擬剣を地面に突き刺すと、突如地割れが起こった。粉塵を伴わせて目の前に現れた亀裂に、モーラは驚いたふうにたたらを踏んで急停止する。
「考えたじゃないの」
魔法を直接当てることは禁止したが、この使い方なら問題ない。ローラは、ユリアがアースクラックを使用したことに、なるほどなと感心する。
ユリアは、困惑した様子のモーラを見てチャンスと思ったのか、赤く輝く右手を伸ばすように前に出してモーラへと襲い掛かる。
アースクラックにより砂煙が舞い、視界が悪い。
モーラは、その接近に気が付いていないのか、ユリアの姿を探すように首を左右に振って辺りを見回している。またもやユリアの勝利に終わる――
ことは、無かった。
「丸見えよっ」
モーラが叫び、踏ん張るように腰を落とす。ユリアが、右手を伸ばした無防備な姿勢で飛び込み、胴がガラ空きだ。どうやら、ユリアは、目の前のチャンスに焦り、勝利を急ぎすぎたようだ。
モーラが振り抜いた模擬剣の平面が、ユリアの右脇腹に命中した。ユリアは、数メートル吹き飛ばされて転がる。
脇腹を抱えながら呻いているユリアの下へ、モーラが近付く。
「無闇に飛んではダメじゃない」
亀裂をジャンプして飛び込んできたユリアの行動に対し、モーラが助言する。
「はは、そうですよね……」
苦悶の表情を浮かべながらいったユリアは、自分の失敗に気付いたようである。
「はーい、お姉様の勝ちぃー!」
「やったわっ」
ローラの宣言に、モーラがガッツポーズをする。
「もしかして気付いていたの?」
「うん、まあね。チラッとだけど、砂煙の奥に輝きが見えたの。だから、気付いていないフリをしたのよ」
どうやら、罠にはめたと思ったユリアが、逆手に取られたようだ。
「へー、お姉様もやるじゃない」
「まあね。でも、魔法の特訓の成果を出せなかったけどね」
自嘲気味に笑うモーラに、ローラはいった。
「何をいっているのよ。身体強化魔法の扱いが格段に上達していたし、もう詠唱だって必要ないと思うわ」
途端、全員が驚きの声を上げる。
ただそれも、試しにモーラが身体強化魔法でそれを成功させると、みなが納得した。
ローラが、今後もイメージ力を鍛えることの重要性を伝え、この度の訓練は終わりを迎えるのだった。
――――――
夜。
入浴を終えて部屋に戻ってきたローラは、メイドに手伝ってもらいながら、お気に入りの花柄ピンクのパジャマに着替えを済ませる。ローラがベッドに潜り込むとメイドが退出する。扉が閉まるのを確認したローラが、ピンクの掛け布団をさらに手繰り寄せてから目を瞑る。
(今夜はよく眠れそうだわ)
モーラが自信を取り戻したことに満足したローラは、気分が良かった。
が、眠れなかった。
「あぁああー! なんでよっ……」
ガバっと身だけを起こし、髪を掻き乱す。意味がわからなかった。気分が良いにも拘らず、胸のあたりがざわついているのである。苦しい。
ベッドから降りたローラは、窓際へ向かう。窓の鍵棒を引っ張り、押し開ける。春といっても夜ともなれば、肌寒い。窓を通り抜ける冷たい風がローラの金髪を揺らす。
「どうしちゃったのかしら、嬉しいハズなのに……」
そもそも、どうして嬉しいのかもわからない。
モーラから感謝されたから?
モーラが自信を取り戻したから?
モーラが翼竜騎士団からの誘いを受けることを決心したから?
確かに、モーラのために、いままで被っていたいい子の仮面を脱ぎ捨てた。そのこと自体も自分らしくないと、ローラはいまさらながらに首を傾げる。
「ねえ、なんでこたえてくれないの? なんで、無視するのよ……」
ローラは、霞んだ夜空に浮かぶ月に向かって呟いた。
月が神界への通り道という訳ではないのだが、自然に視線が誘導された。朧月夜が、まるでローラの心のようだったこともあるかもしれない。
女神だったころのローラは、感情とは無縁の存在だった。それなのに、身近な人々の言動にローラの行動が左右されている。
「これは罰なの?」
なおもローラが月に向かって問い掛けるが、何の変化も起こらない。相変わらずの無反応。かつては、ローラのステータスに「堕ちた女神」となっていることに恐怖を覚えた。忌まわしき冥王ディースと同じ存在になってしまったのではないかという恐怖。
むやみに下界に降りたものだから、罰なのだと思った。それでも、邪神になりたくないローラは、ヒューマンたちのためになるような善行を行うことにしたのだ。魔王討伐である。
べつに魔王が悪いわけではない。確証はないが、魔王を討伐すれば、さすがに神界にいる上司たちもローラの存在に気付くハズだ。
「もし、いまのわたしを見ていて、敢えて無視しているなら許さないんだからね」
無視され続けているいまの状況を考えたら、怒りが込み上げてきた。
「はぁー、なんなのよ、まったく……」
ブツブツと独白している自分に嫌気がさしたローラは、窓を閉じる。目を閉じていれば自然と眠れるだろう。
突然、扉を叩く乾いた音が鳴った。
ローラは、無視しようかと思ったが、どうせ眠れないのだからと、返事をする。
「だれぇー?」
「ああ、よかった。起きていたのね。モーラよ、入ってもいいかしら」
「……あ、うん、入って」
くぐもった声が、予想外の人物の訪れを告げ、逡巡したローラだったが、許可する。
「ごめんね、起こしちゃったかしら?」
「いえ、眠れなくて……」
「そうみたいね。どうしたの?」
窓際に佇んでいるローラを不思議そうな目でモーラが見ている。夜も更け、大分遅い時間だ。ふつうならとっくに夢の中にいる時間帯だった。
「どうしたの、って……お姉様こそどうしたのよ」
部屋の灯りを落としているため真っ暗だが、廊下の燭台に灯る光がモーラを照らしており、装いがまったくもって相応しくなかった。なぜか、モーラが革鎧を装備しているのだ。
「ああ、これはね……」
いい出し辛いのか、モーラが黙り込む。
(えーっと、まさかもう出発するってこと? 確か、さっきの話では、明日の朝だった気がするんだけど……いや、冒険者じゃあるまいし、そんな恰好で帝都に向かう訳ないわよね)
ユリアとの模擬戦で勝利したことで、モーラは自信を取り戻したようなのだ。モーラ曰く、ローラの指導により魔法詠唱の苦手意識を払拭できたことが大きかったらしいが、夕食の席で翼竜騎士団に入団する決意を固めたと、モーラがいっていたのだった。
入団式が四月一日にあるため、急ぎ帝都に戻る必要があったが、さすがに夜に出発する訳にはいかず、明朝まで待つことになったのだ。
「ええっと、変な話だと笑わないでもらえる?」
ようやくモーラが口を開いたかと思ったら、なにやら様子がおかしい。モーラに近寄り、ローラが手を取る。
「うん、女神ローラの名に懸けて誓うわ」
「あ、いや、そこまでしなくても――」
「いいからっ」
ローラは、自然と口を衝いて出た言葉に身を任せる。モーラが、恐縮したように遮ろうとしたが、べつにローラが女神の転生体だと知っている訳ではない。デミウルゴス神教が大陸全土で信奉されており、一柱であるローラの名前を口にして約束することは、契約と同義なのである。つまり、ローラの宣言が大げさすぎると、モーラはいいたいのだろう。
が、ローラは真剣だった。
ローラの迫力に押されたようにモーラが、首肯する。
「じゃ、じゃあ、いうわよ……」
「うん、いって」
すると、モーラが、頭突きしそうな勢いで頭を下げる。
「……ローラっ、いまから私と決闘してっ!」
「……」
ローラは、さすがに押し黙った。意味がわからない。
(決闘? しかも、いまから? って、はぁああー!)
かくして、ローラはモーラと二人、修練場へと向かうのであった。
「おっ、ユリアちゃんは勝負に出たな。でも、それだとモーラにはダメだろっ」
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「同じ手はくらわないわよっ!」
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が、ユリアの罠だったようだ。
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ユリアは、困惑した様子のモーラを見てチャンスと思ったのか、赤く輝く右手を伸ばすように前に出してモーラへと襲い掛かる。
アースクラックにより砂煙が舞い、視界が悪い。
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ことは、無かった。
「丸見えよっ」
モーラが叫び、踏ん張るように腰を落とす。ユリアが、右手を伸ばした無防備な姿勢で飛び込み、胴がガラ空きだ。どうやら、ユリアは、目の前のチャンスに焦り、勝利を急ぎすぎたようだ。
モーラが振り抜いた模擬剣の平面が、ユリアの右脇腹に命中した。ユリアは、数メートル吹き飛ばされて転がる。
脇腹を抱えながら呻いているユリアの下へ、モーラが近付く。
「無闇に飛んではダメじゃない」
亀裂をジャンプして飛び込んできたユリアの行動に対し、モーラが助言する。
「はは、そうですよね……」
苦悶の表情を浮かべながらいったユリアは、自分の失敗に気付いたようである。
「はーい、お姉様の勝ちぃー!」
「やったわっ」
ローラの宣言に、モーラがガッツポーズをする。
「もしかして気付いていたの?」
「うん、まあね。チラッとだけど、砂煙の奥に輝きが見えたの。だから、気付いていないフリをしたのよ」
どうやら、罠にはめたと思ったユリアが、逆手に取られたようだ。
「へー、お姉様もやるじゃない」
「まあね。でも、魔法の特訓の成果を出せなかったけどね」
自嘲気味に笑うモーラに、ローラはいった。
「何をいっているのよ。身体強化魔法の扱いが格段に上達していたし、もう詠唱だって必要ないと思うわ」
途端、全員が驚きの声を上げる。
ただそれも、試しにモーラが身体強化魔法でそれを成功させると、みなが納得した。
ローラが、今後もイメージ力を鍛えることの重要性を伝え、この度の訓練は終わりを迎えるのだった。
――――――
夜。
入浴を終えて部屋に戻ってきたローラは、メイドに手伝ってもらいながら、お気に入りの花柄ピンクのパジャマに着替えを済ませる。ローラがベッドに潜り込むとメイドが退出する。扉が閉まるのを確認したローラが、ピンクの掛け布団をさらに手繰り寄せてから目を瞑る。
(今夜はよく眠れそうだわ)
モーラが自信を取り戻したことに満足したローラは、気分が良かった。
が、眠れなかった。
「あぁああー! なんでよっ……」
ガバっと身だけを起こし、髪を掻き乱す。意味がわからなかった。気分が良いにも拘らず、胸のあたりがざわついているのである。苦しい。
ベッドから降りたローラは、窓際へ向かう。窓の鍵棒を引っ張り、押し開ける。春といっても夜ともなれば、肌寒い。窓を通り抜ける冷たい風がローラの金髪を揺らす。
「どうしちゃったのかしら、嬉しいハズなのに……」
そもそも、どうして嬉しいのかもわからない。
モーラから感謝されたから?
モーラが自信を取り戻したから?
モーラが翼竜騎士団からの誘いを受けることを決心したから?
確かに、モーラのために、いままで被っていたいい子の仮面を脱ぎ捨てた。そのこと自体も自分らしくないと、ローラはいまさらながらに首を傾げる。
「ねえ、なんでこたえてくれないの? なんで、無視するのよ……」
ローラは、霞んだ夜空に浮かぶ月に向かって呟いた。
月が神界への通り道という訳ではないのだが、自然に視線が誘導された。朧月夜が、まるでローラの心のようだったこともあるかもしれない。
女神だったころのローラは、感情とは無縁の存在だった。それなのに、身近な人々の言動にローラの行動が左右されている。
「これは罰なの?」
なおもローラが月に向かって問い掛けるが、何の変化も起こらない。相変わらずの無反応。かつては、ローラのステータスに「堕ちた女神」となっていることに恐怖を覚えた。忌まわしき冥王ディースと同じ存在になってしまったのではないかという恐怖。
むやみに下界に降りたものだから、罰なのだと思った。それでも、邪神になりたくないローラは、ヒューマンたちのためになるような善行を行うことにしたのだ。魔王討伐である。
べつに魔王が悪いわけではない。確証はないが、魔王を討伐すれば、さすがに神界にいる上司たちもローラの存在に気付くハズだ。
「もし、いまのわたしを見ていて、敢えて無視しているなら許さないんだからね」
無視され続けているいまの状況を考えたら、怒りが込み上げてきた。
「はぁー、なんなのよ、まったく……」
ブツブツと独白している自分に嫌気がさしたローラは、窓を閉じる。目を閉じていれば自然と眠れるだろう。
突然、扉を叩く乾いた音が鳴った。
ローラは、無視しようかと思ったが、どうせ眠れないのだからと、返事をする。
「だれぇー?」
「ああ、よかった。起きていたのね。モーラよ、入ってもいいかしら」
「……あ、うん、入って」
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「ごめんね、起こしちゃったかしら?」
「いえ、眠れなくて……」
「そうみたいね。どうしたの?」
窓際に佇んでいるローラを不思議そうな目でモーラが見ている。夜も更け、大分遅い時間だ。ふつうならとっくに夢の中にいる時間帯だった。
「どうしたの、って……お姉様こそどうしたのよ」
部屋の灯りを落としているため真っ暗だが、廊下の燭台に灯る光がモーラを照らしており、装いがまったくもって相応しくなかった。なぜか、モーラが革鎧を装備しているのだ。
「ああ、これはね……」
いい出し辛いのか、モーラが黙り込む。
(えーっと、まさかもう出発するってこと? 確か、さっきの話では、明日の朝だった気がするんだけど……いや、冒険者じゃあるまいし、そんな恰好で帝都に向かう訳ないわよね)
ユリアとの模擬戦で勝利したことで、モーラは自信を取り戻したようなのだ。モーラ曰く、ローラの指導により魔法詠唱の苦手意識を払拭できたことが大きかったらしいが、夕食の席で翼竜騎士団に入団する決意を固めたと、モーラがいっていたのだった。
入団式が四月一日にあるため、急ぎ帝都に戻る必要があったが、さすがに夜に出発する訳にはいかず、明朝まで待つことになったのだ。
「ええっと、変な話だと笑わないでもらえる?」
ようやくモーラが口を開いたかと思ったら、なにやら様子がおかしい。モーラに近寄り、ローラが手を取る。
「うん、女神ローラの名に懸けて誓うわ」
「あ、いや、そこまでしなくても――」
「いいからっ」
ローラは、自然と口を衝いて出た言葉に身を任せる。モーラが、恐縮したように遮ろうとしたが、べつにローラが女神の転生体だと知っている訳ではない。デミウルゴス神教が大陸全土で信奉されており、一柱であるローラの名前を口にして約束することは、契約と同義なのである。つまり、ローラの宣言が大げさすぎると、モーラはいいたいのだろう。
が、ローラは真剣だった。
ローラの迫力に押されたようにモーラが、首肯する。
「じゃ、じゃあ、いうわよ……」
「うん、いって」
すると、モーラが、頭突きしそうな勢いで頭を下げる。
「……ローラっ、いまから私と決闘してっ!」
「……」
ローラは、さすがに押し黙った。意味がわからない。
(決闘? しかも、いまから? って、はぁああー!)
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