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連載
落ち着いて頂きたい
しおりを挟む「そうだわ!御三方ともお腹に余裕はございます?」
カイエン伯爵御一行様は、不思議そうな顔で頷いてくれた
揃いすぎて、口の端がニヤリとするを我慢したのはバレてないわよね?
「レシピと言いましても、お好みが分からないので選んで頂ければと思います」
一口サイズのミニ料理を3人分づつ10種類程、ポポポンと魔法で机の上に並べるとカイエン伯爵家の3人は目を見開いて固まってしまった
「…リーゼ。むやみに君の魔法を見せるものではないよ」
「だって食べて頂いた方が…」
「それなら、一度退室して用意をして来るべきだ」
「…ごめんなさい」
と、そんな会話をしていると、盛大にお腹の音が3つ鳴り響いた
「…どうぞ召し上がってみて下さい」
セシルも流石に毒気を抜かれた様で3人に試食を進めた
「「「ありがとうございます!!!」」」
3人が一心不乱に食べ続け…
「「「これがいいです!!!」」」
カイエン伯爵は豚の生姜焼き
カイエン夫人は棒棒鶏
マライア様はハンバーグ
見事にバラバラ
「お前は、旅館に入り浸って美味いものをたらふく食べただろう!」
「あら!!入り浸れる程あなたの稼ぎは良くなくってよ!?」
「なんだと?!私は当主だぞ!」
「そんなの関係ありませんわ!こちらのお料理に決定です!」
「お母様?!勝手に決めないで!!私がリーゼロッテ様とお友達になって頂いたから、こんな機会を頂いたのよ?!」
…カイエン伯爵家が喧嘩をはじめてしまった
どうしたらいいの?!
この3つを渡しちゃえば解決なんじゃ?
と、チラリとセシルを見ると
「ダメだ。言っただろう。安売りはいけないと」
相談前から答えが返って来てしまったわ
でも、喧嘩は収まるどころかヒートアップしてない?
「あ、あの。皆様落ち着いて…」
恐る恐る声を掛けたものの、3人の耳には届いてないみたい
セシルがパンパンと手を叩くと、3人の言い合いがピタッと止まった
「リーゼのレシピ、調味料。確かに貴重ではありますが、ここを何処かお忘れですか?ローゼバルト公爵家ですよ?…お帰り頂く様お話した方が宜しいでしょうか?」
セシルの言葉に3人ともが顔を青くして跳ぶ前のカエルような姿勢を取るのが見えてしまった私はそれはもう慌てましたよ
「お待ち下さい!!」
フライング土下座なんてさせません!!
まさかカイエン伯爵家3人共が、フライング土下座の使い手だったとは…
「しかし、謝罪を!!」
何故、謝罪がフライング土下座一択なのか理解出来ないわ!
「謝罪でしたらそのままの体勢でお願い致しますわ。跳ばれては困ります」
流石のセシルも、状況は読めないでしょう!
怪訝な顔で私を見ながら、跳ぶ??と、小声で呟いていたもんね
「失礼致しました!!どうかお許し下さい」
伯爵の謝罪に、セシルも分かってくれたら構わないと伝え静かに話合いをして頂く事になった
その間にアンナが戻りしっかり100ダースを確認したと伝えられたので、こっそりアンナに耳打ちをする
「アンナ、戻って早々悪いけれど一旦外へ出て収納空間から調味料セットを5つ出して持って来てくれる?人前で魔法を使うとセシルに怒られるの。あとお土産用にディナーセットを3つ」
「かしこまりました。お持ち致しますね」
同じ轍は踏まない
私、出来る子だから!
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