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51. 逃がしませんよ? Side テオ
しおりを挟む【Side テオ】
結婚式前日の夜。テオとリリーは部屋でくつろいでいた。
テオは全てをリリーに伝えていた。テオがリリーとの結婚を決めたのは、ドントール国王を倒す為の舞台づくりだということ。テオはマティアを好きだったこと。リックストン国とドントール国との戦いを止めるために、リリーを利用しようとしていること。
それでも、リリーはテオとの結婚に了承した。
「お姉さまたちは……大丈夫でしょうか?」
結婚式前夜にも関わらず、リリーはマティアの心配をしている。
「ああ、心配することない。きっと明日、ひょっこり会場に現れるさ。そんなことより……俺のわがままに付き合ってくれてありがとう、リリー。」
テオはリリーに頭を下げた。
「わがまま、ですか?」
「ああ。最初に約束した通り、これから先すべてのことは、リリーの望み通りにしてもらって構わない。」
こんな不誠実な結婚が許されるはずない。ドントール国王を倒せたら、リリーを自由にしようとテオは決めていた。
「でしたら、私の望みは1つですよ。テオ様。」
リリーはテオの目をじっと見つめた。
「へ?」
ーーーーどういうことだ?
「テオ様には言っていませんが、一番最初に私とテオ様の結婚を提案したのは私なんです。」
リリーはにっこり笑ってテオに言った。
「えーと?」
訳が分からくて、テオは首を傾げた。
ーーーーリックストンとドントール国の戦いを止める舞台を作るために、リリーと結婚したはずで…。
「テオ様がお姉さまのことをずっと見ていたように、私はずっとテオ様のことを見ていたのですよ。」
リリーのまなざしは真剣だった。テオは驚いて、ただリリーの名前を呼ぶ。
「……リリー。」
「わたしは臆病で……今まで何もできませんでした。でも、戦いを止めようとするお姉さまを助けたいのです。私はこの国の王女ですから。」
テオは呆然とリリーを見つめている。リリーはそのテオの手をとった。
「逃がしませんよ。テオ様。明日、貴方は私の旦那様になるのです。そして、ドントール国とリックストン国の戦いを止めるのです。」
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