【完結】他に好きな人ができたから婚約破棄すると言われました。〜お嬢様は天才魔法使いの"好き"に気づけない〜

五月ふう

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2. 浮気相手が妊娠しちゃったからさ

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「婚約破棄?!」

私が急に立ち上がった反動で
ガタン!と
椅子が倒れる。

「え?!
 ど、どいうこと?!」

ライトは首を傾げた。

「言葉通りだよ?
 ミィナと僕は
 婚約破棄するんだ。」

するんだ、、て、、。

「な、なんで??」

ライトは表情を変えずに
飄々としている。

「婚約破棄の理由かぁ。
 あんまり考えてなかったな。」

「考えて無かった、、?」

ライトは顎に手を当てて
少し考えると、

ポンッと手を打った。

「決めた!
 他に好きな人ができたから
 婚約破棄したい、とかは?」

私は呆然として、ライトを見た。
この人は何を言っているんだろう?

何を言わない私を見て
勘違いしたのか
ライトは言葉を続けた。

「だめ?
 なら、これは?

 浮気相手が妊娠しちゃったから
 ミィナとは
 婚約破棄しないといけない、

 とかは?」

「やめて!!」

私は耳を押さえて
ライトを睨んだ。

「信じられない、、!
 私を、騙していたの??」

ライトはコクリと頷いた。

「そうだよ。」

ライトのいつもと変わらない
優しい顔を見ていると
頭が混乱してくる。

「私を愛していると言ったのも、
 嘘なの?」

「そうさ。
 あーあ。ミィナ泣かないで。」

ライトは私の顔を覗きこむ。

「最低、、、!
 なぜ私を騙したの、、、?!」

「理由は簡単だよ。」

ライトは一枚の魔法書類を
私に手渡した。

魔法書類とは
契約を実行することが
魔法によって記録されたものだ。

「これは写しだから、
 ミィナにあげるね。」

私の背筋に冷や汗が伝った。
魔法書類の契約に従わなければ
法律によって罰されてしまう。

魔法書類には

ーミィナ・パドレンは
 学園を所有する権利を
 ライトに譲渡するー

と書かれていた。

「え、、、?
 どういうこと、、?」

ライトは少し面倒くさそうに
顔を歪めた。

「もー、ほんとに
 ミィナはお馬鹿さんだね。 
 
 書いてあるとおり、
 学園の所有権は
 僕のものだよ。」

私は必死で首を振った。
背筋が凍る。

「してない!!
 私、こんな契約してないよ!!」

「残念だけど、
 契約しちゃったんだな。

 書類はきちんと読めって
 パパに習わなかった?」

確かに、ライトに言われるままに
署名した書類が何枚かあった。

だけどそれは、、
ライトを婚約者として
信頼していたからであって、、、!

「で、でも
 婚約破棄したんだから、
 無効よ!!」

「婚約破棄した場合、
 学園の権利を僕に
 譲渡するっていう契約だったのさ。」

私は拳をぎゅっと握って叫んだ。

「そんなの詐欺よ!!」

ライトは薄く微笑んだ。

「ああ、詐欺だよ。
 でもミィナは
 それを証明できないよね。」

心臓がドクンドクンと音を立てている。
パドレン学園は、
パパから任された大切なものなのに。

「とにかくそんな契約無効よ!!
 早くここから出ていって!!」

「いいや、
 出ていくのは君さ。」

そう言ってライトはパチンと
指を鳴らした。

すると
二人の屈強な男が
部屋に入ってきた。

「手荒な真似はしたくない。
 自分から出ていってほしいな?」

ライトはバラの花を
右手で弄びながら言った。

二人の男によって
私はじりじりと部屋の隅に
追い詰められる。

私は両手を前にかざす。

「ちちんぷいぷい、ぷい!」

私の手のひらから、
サボテンがころりと出てくる。

「ぷっ。」

ライトが私の様子を見て、
吹き出した。

舐めるなよ。

「えい!」

私はサボテンを
男に投げつけた。

男は真顔で、
サボテンをひょいと避け
私の首の後ろを手刀で
ビシッと打った。

「うぐっっ。」

頭がぐらりと揺れ
足元から体が崩れ落ちた。

「バイバイ。ミィナ。」

薄れゆく意識の中で、
ライトの声が聞こえた。



   ◇◇◇



「なあ、
 そこで寝転んで何してんの?」

副校長のアイザイアの声がして
私は目を覚ました。

私は雨の中
学園の裏門の外に放り出されていた。

全身びしょ濡れで
体中で雨を浴びている。

「ア、アイザイア、、、
 学園、、取られた、、、。」

「はぁ?!」




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