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3. 落ち込む時じゃないだろ?
しおりを挟む「私が馬鹿なせいで
パドレン学園がとられちゃう・・・。」
土砂降りの雨の中。
私は座り込んでアイザイアを見上げた。
雨と涙で
顔はぐちゃぐちゃになっている。
「お前が馬鹿なのは
今に始まったことじゃないだろ!」
そう言いながら、
アイザイアは
私の腕を引っ張って立たせた。
「詳しい事情は
俺の家の研究室で聞く。」
アイザイアは私の体を抱え込み
瞬間移動の呪文を唱えた。
「トランスポート!!」
ぶわっと
大きな風が吹き
私は目をつぶった。
そして再び目を開けた時には
私はアイザイアの家にいた。
「アイザイアは、
やっぱり天才だね・・・。」
絨毯の上に座り込んだまま
私はアイザイアを見上げた。
瞬間移動魔法は高度魔法の一つ。
使えるものは滅多にいない。
「知ってる。」
アイザイアは不愛想にそう呟いて
私にタオルを投げつけた。
「濡れた服で家にいるな!
さっさとシャワー浴びてこい!!」
私は黙ってうなずくと
がっくりとうなだれて浴室に向かった。
浴室の場所はわかっている。
私とアイザイアは幼馴染。
昔からよく遊びに来ていた家だ。
「ごめん、、アイザイア、、。」
小さい声でつぶやく。
魔法が使えない私の代わりに
パドレン学園を支えてくれていたのは
副校長アイザイアだった。
「謝るのは良いから早くいけ!
風邪をひかれたら困るんだ!」
◇◇◇
「そこ座れ!!」
お風呂からでると
アイザイアが
椅子に座って腕を組んでいた。
アイザイアは私と同じ24歳。
黒髪に眼鏡をかけている。
パドレン学園卒業生のなかで
最も天才だと評され
本人もそれを自負している。
「さぁ、何故学園を奪われたのか
事情を説明してもらおうか・・・?」
私は身を縮ませた。
「えっと、、、
ライトに騙された、、、。
なんかうちがよく見ずに
署名した魔法契約書が
”学園を譲る”っていう
契約書だったらしくて・・・。」
消えたい、、。
声が尻すぼみに小さくなっていく。
アイザイアは顎に手を当て
ため息をついた。
「魔法契約書に
ミィナが署名したのか・・・?」
私はこくりと頷いた。
「ごめんなさい、、、!」
私は頭を地面にこすりつけた。
アイザイアは立ち膝になると
両手で私の顔を掴むと
無理やり正面を向かせた。
「俺に謝ったって
何も変わらないだろ!」
アイザイアの
森のような深い緑の目が
私をまっすぐに見ている。
「確かにミィナは馬鹿だった。
だが悪いのはミィナを
騙したライトだ。
そうだろ?」
私は唇をかんだ。
「で、でも
私はアイザイアの
忠告を聞かなかった、、、。
悪いのは私だ、、、。」
アイザイアはずっと
ライトが怪しいと言っていた。
アイザイアの忠告を無視して
私はライトとの婚約を
決めてしまったのだ。
「確かに俺は、
ミィナがライトと婚約することに
反対していたが、、、
だが俺だって
ライトが
何をしようとしているのか
気づけなかった。」
アイザイアは
悔しそうに顔を歪ませた。
「アイザイア・・・。」
「今は
落ち込んでる場合じゃないだろ?」
アイザイアが少しだけ
優しい口調で言った。
私は大きく頷く。
「学園を取り戻さなきゃ、、。
パパが私を信じて
預けてくれたんだから、!」
魔力のない私を
パパはずっと信じてくれていた。
私だって、
きっとまだ何かできるはず。
アイザイアは
にっこりと笑った。
「だろ?」
アイザイアが厳しいようで
実は誰よりも優しいことを
私は知っている。
「絶対、
パドレン学園を取り戻す!」
私は両手を前にかざす。
「ちちんぷいぷい、ぷい!」
右手に現れたのは
黄色いひまわり。
「お前っこのタイミングでっ。」
アイザイアが
ぷっと吹き出した。
私はひまわりを
テーブルの上に乗せて
その上に手をかざした。
「なにしてんだよ?」
「アイザイアも手をかざして!」
「ええ、、。」
渋るアイザイアの手を引いて
ひまわりの上に手をかざさせる。
「これは誓いだよ!
絶対に、
学園を取り戻すっていうね!」
アイザイアはやれやれと
首を振った。
「ほら、さっさと作戦会議するぞ!」
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