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石の巫女
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頭の中に流れた映像のことを話すと、永遠は困った顔になった。
「見えたって……要芽の力は石の声を聞くことだぞ? 視る力じゃない」
「でも本当に見えたんだってば!」
たくさん不思議なことをしているくせに、私がインペリアルトパーズが見た光景を視たって言っても信じてくれないなんて。
永遠のバカ!
「春花さん!」
永遠は信じてくれなかったけど、春花さんなら信じてくれるかもしれないって思って目を向けた。
でも春花さんの表情も困り顔。
「頭ごなしに否定するつもりはないけれど……視る力なんて私も聞いたことが無いから……」
「でも、本当なんです!」
呪われたブラックダイヤモンドを買ったのが柚乃のお母さんだってこともあって、早くなんとかしなきゃってあせっちゃう。
強い呪いだって石たちは言ってた。
そういう石は人が悪い感情を持ちやすくなるよう誘導するんだよね?
柚乃のお母さんが悪い感情を持ったら、柚乃にも悪いことが起きたりするんじゃないの?
気ばかりあせって、イライラしてくる。
本当に、早くなんとかしないとないのに!
『カナメ、落ち着くんだ』
「っ!?」
黒水晶をさわってないのに、リオくんの声が頭の中に響いた。
「リオくん? どうして……?」
『僕の声聞こえた? そっか、やっぱり力が強くなってるんだな』
「え?」
なにかを理解しているみたいなリオくん。
よくわかってない私に『具現化するよ』って断りを入れてくる。
いいよ、なんて言ってないのに、リオくんはすぐに具現化して男の子の姿になった。
倉橋さんがものすごく驚いて目を見開いてる。
でもさすがは大人ってことかな?
深く息をはいて平静をたもとうとしてた。
「大丈夫、カナメは間違ってない」
目の前に立ったリオくんは優しく笑って私を肯定してくれる。
リオくんは私の味方なんだって思ったら、ホッとしてイライラも治まった。
『そうだよ! カナメちゃんはトクベツなんだから! トワ、ホントわかってない!』
「オウちゃんも……」
ぷんぷんって効果音でもつきそうなオウちゃんの声も聞こえた。
もちろんトパーズにもさわってない。
「どういうこと? 石にさわってないのにリオくんとオウちゃんの声が聞こえるよ?」
「たぶん石の部分に直接さわらなくても持っているだけで聞こえるようになったんだ。……やっぱり力が強くなってる、石の声を聞くまじないはカナメと相性が良すぎたんだな」
リオくんの言っていることの意味がわからなくて軽く首をかしげると、私と同じ疑問を持ったらしい永遠が叫んだ。
「ちょっと待てよ! 要芽の力が強くなってるってどういうことだよ!? まじないが相性良すぎた? そんなの聞いたことないぞ!?」
「カナメはトクベツなんだよ。それより、呪われた石がどこにあるのかハッキリさせた方がいいんじゃないか?」
疑問ばかり口にする永遠にリオくんは淡々と話す。
そしたら春花さんが「たしかにそうね」とリオくんに同意した。
「倉橋さん、まずは本当にもう売られてしまったか確認をお願いできますか?」
「……はい、少々お待ちください」
春花さんの頼みに部屋を出て行った倉橋さんを見送って、私たちはソファーに座り直した。
リオくんは石に戻らずそのままそばにいてくれる。
「で? 要芽が特別ってどういうことだよ?」
リオくんが具現化した辺りから一気に不機嫌になった永遠が、向かいがわのソファーにドカッと腰を下ろして聞いて来る。
そんな永遠にあきれのため息をついたリオくんは、「くわしくは話せないけど」って簡単に説明してくれる。
「カナメの家系では代々女の子が石の巫女になるんだ。今はまだサイ――カナメの祖母が石の巫女だけど、いずれはカナメに代替わりする予定だ」
「石の、巫女?」
なにそれ、はじめて聞いたんだけど。
「なんで要芽が不思議そうなんだよ、自分のことだろ?」
「そんなこと言ったって、今まで巫女とか聞いたことなかったし」
おばあちゃんの家が神社とかだったら少しはピンと来たかもしれない。
でも、長期休みのたびに行くおばあちゃんの家はちょっと古いけど普通の家。
巫女なんて言葉ひと言も聞いた覚えがない。
「カナメが十六歳になったら教える予定だったんだよ。それに石の巫女なんてふたつ名があるけど、そんな大したことするわけじゃないし」
「そうなの?」
「簡単に言うと、年に一、二回サイの家の近くにある石をさわるだけ」
「石……ああ」
そこまで言われて思い出した。
たしかに長期休暇でおばあちゃんの家に行くと、毎回黒くて大きな石をさわりに行ったっけ。
あれをやればいいだけなら、本当に大したことはしないんだね。
「とにかく、そういうわけだからカナメは元々色んな石と相性がいいんだ。きっと石を介してかけられたまじないだから、石の声を聞く力以外のこともできるようになったんだと思う」
『……』
だまり込んだ永遠と春花さんの表情はまだ半信半疑って感じ。
でも、さっきみたいに信じられないって否定する気は無いみたい。
コンコン
「失礼致します」
話が一応ひと段落したところで倉橋さんが戻って来た。
部屋に入った倉橋さんはかたい表情をしている。
「申し訳ございません。呪われているというブラックダイヤモンドはそちらのお嬢さんがおっしゃる通り販売してしまったようです」
なんでも、よせてあった商品を『特別なお客様に見せるものだから』と従業員には伝えていたんだって。
それを新人さんが特別なお客様ってところを常連さんのことだと勘違いして見せて販売しちゃったらしい。
「マジか……」
私の言った通りになっていて驚く永遠。
春花さんは一度目を閉じてから、覚悟を決めるようにまぶたと口を開いた。
「そう……じゃあ、要芽ちゃんの言う通りお友だちのお母様が購入したのは間違いないとみた方がいいわね」
私の言ったことを信じることにしてくれたらしい春花さんにホッとした。
柚乃になにかあったらって今でも心配なのに、一番協力してくれそうな人たちに疑われてたんじゃあなにもできないもん。
「疑ってごめんなさいね」
「いえ……」
あやまって、また優しい笑顔を見せてくれた春花さんに安心した。
永遠はまだ戸惑ってるみたいだったけど、疑って悪かったとは思ってくれたみたい。
「俺も、ごめん」
「うん、信じてくれるならいいよ」
謝罪を受け入れて、私はあらためて二人を見る。
信じてくれたなら、これからどうすればいいのか教えて欲しい。
「それで、どうすれば柚乃のお母さんが買ったブラックダイヤモンドからディコルを消すことができるの? 永遠が行って祓ってくれるの?」
「まあそうなるけど……さすがにろくに知らない人の家に行って宝石見せてくれなんて言ったってムリに決まってるだろ?」
「まあ、たしかに」
そりゃそうだとうなずいた私に、春花さんがお願い事をした。
「そういうことだから、なんとかその子の家に永遠が行けるようにしてもらえないかしら?」
「まあ、多分大丈夫だとは思いますけど……」
今日の約束は断っちゃったけれど、別の日にって言ったとき嫌とは言われなかったし。
永遠もって言ったらちょとは嫌がられちゃうかもしれないけれど、クラスメートだし断られたりまではしないと思う。
「じゃあ、早めにセッティングしてくれよ!」
立って近づいてきた永遠に頼んだ! って肩をたたかれる。
仕方ないなと思いながら「ええー?」って不満そうにしていたら、そばで見守ってくれてたリオくんがとんでもないことを言い始めた。
「あ、そのときは僕も行くから。この姿で」
「え!?」
この姿って、人型に具現化した姿でってこと!?
永遠みたいに柚乃と接点もないのに連れてけないよ!
具現化しない状態で連れて行くだけじゃダメなの? って思っていたら、とても真剣な目で心配の言葉をかけられた。
「この姿の方が何かあったときすぐにカナメを守れるからね。強いディコルがいるならなおさら危ないし」
「うっ」
それもそうだって思っちゃった。
『カナメちゃん! カナメちゃん! わたしも行くからね! 絶対だよ!?』
ポケットに入ったままのオウちゃんの声も聞こえて、私はもうどうにでもなれって投げやりな気分で「わかったよ!」と叫んだ。
***
そんな感じで一日が終わって家に帰ると、すぐにお母さんが柚乃から連絡があったことを知らせてくれた。
「柚乃ちゃんがね、明日お家に来てもいいって言ってたわよ」
早くも永遠を柚乃の家に連れて行けそうな状況にホッとする。
でも、折り返しの連絡で永遠たちが一緒に行くことを説明しなきゃいけない。
特にリオくんのことはどう説明しようって頭をなやませる。
「いや、でも柚乃が心配だし、なんとか納得してもらおう!」
大事な親友のためだからって気持ちをふるい立たせて、私は柚乃に電話をしたのだった。
「見えたって……要芽の力は石の声を聞くことだぞ? 視る力じゃない」
「でも本当に見えたんだってば!」
たくさん不思議なことをしているくせに、私がインペリアルトパーズが見た光景を視たって言っても信じてくれないなんて。
永遠のバカ!
「春花さん!」
永遠は信じてくれなかったけど、春花さんなら信じてくれるかもしれないって思って目を向けた。
でも春花さんの表情も困り顔。
「頭ごなしに否定するつもりはないけれど……視る力なんて私も聞いたことが無いから……」
「でも、本当なんです!」
呪われたブラックダイヤモンドを買ったのが柚乃のお母さんだってこともあって、早くなんとかしなきゃってあせっちゃう。
強い呪いだって石たちは言ってた。
そういう石は人が悪い感情を持ちやすくなるよう誘導するんだよね?
柚乃のお母さんが悪い感情を持ったら、柚乃にも悪いことが起きたりするんじゃないの?
気ばかりあせって、イライラしてくる。
本当に、早くなんとかしないとないのに!
『カナメ、落ち着くんだ』
「っ!?」
黒水晶をさわってないのに、リオくんの声が頭の中に響いた。
「リオくん? どうして……?」
『僕の声聞こえた? そっか、やっぱり力が強くなってるんだな』
「え?」
なにかを理解しているみたいなリオくん。
よくわかってない私に『具現化するよ』って断りを入れてくる。
いいよ、なんて言ってないのに、リオくんはすぐに具現化して男の子の姿になった。
倉橋さんがものすごく驚いて目を見開いてる。
でもさすがは大人ってことかな?
深く息をはいて平静をたもとうとしてた。
「大丈夫、カナメは間違ってない」
目の前に立ったリオくんは優しく笑って私を肯定してくれる。
リオくんは私の味方なんだって思ったら、ホッとしてイライラも治まった。
『そうだよ! カナメちゃんはトクベツなんだから! トワ、ホントわかってない!』
「オウちゃんも……」
ぷんぷんって効果音でもつきそうなオウちゃんの声も聞こえた。
もちろんトパーズにもさわってない。
「どういうこと? 石にさわってないのにリオくんとオウちゃんの声が聞こえるよ?」
「たぶん石の部分に直接さわらなくても持っているだけで聞こえるようになったんだ。……やっぱり力が強くなってる、石の声を聞くまじないはカナメと相性が良すぎたんだな」
リオくんの言っていることの意味がわからなくて軽く首をかしげると、私と同じ疑問を持ったらしい永遠が叫んだ。
「ちょっと待てよ! 要芽の力が強くなってるってどういうことだよ!? まじないが相性良すぎた? そんなの聞いたことないぞ!?」
「カナメはトクベツなんだよ。それより、呪われた石がどこにあるのかハッキリさせた方がいいんじゃないか?」
疑問ばかり口にする永遠にリオくんは淡々と話す。
そしたら春花さんが「たしかにそうね」とリオくんに同意した。
「倉橋さん、まずは本当にもう売られてしまったか確認をお願いできますか?」
「……はい、少々お待ちください」
春花さんの頼みに部屋を出て行った倉橋さんを見送って、私たちはソファーに座り直した。
リオくんは石に戻らずそのままそばにいてくれる。
「で? 要芽が特別ってどういうことだよ?」
リオくんが具現化した辺りから一気に不機嫌になった永遠が、向かいがわのソファーにドカッと腰を下ろして聞いて来る。
そんな永遠にあきれのため息をついたリオくんは、「くわしくは話せないけど」って簡単に説明してくれる。
「カナメの家系では代々女の子が石の巫女になるんだ。今はまだサイ――カナメの祖母が石の巫女だけど、いずれはカナメに代替わりする予定だ」
「石の、巫女?」
なにそれ、はじめて聞いたんだけど。
「なんで要芽が不思議そうなんだよ、自分のことだろ?」
「そんなこと言ったって、今まで巫女とか聞いたことなかったし」
おばあちゃんの家が神社とかだったら少しはピンと来たかもしれない。
でも、長期休みのたびに行くおばあちゃんの家はちょっと古いけど普通の家。
巫女なんて言葉ひと言も聞いた覚えがない。
「カナメが十六歳になったら教える予定だったんだよ。それに石の巫女なんてふたつ名があるけど、そんな大したことするわけじゃないし」
「そうなの?」
「簡単に言うと、年に一、二回サイの家の近くにある石をさわるだけ」
「石……ああ」
そこまで言われて思い出した。
たしかに長期休暇でおばあちゃんの家に行くと、毎回黒くて大きな石をさわりに行ったっけ。
あれをやればいいだけなら、本当に大したことはしないんだね。
「とにかく、そういうわけだからカナメは元々色んな石と相性がいいんだ。きっと石を介してかけられたまじないだから、石の声を聞く力以外のこともできるようになったんだと思う」
『……』
だまり込んだ永遠と春花さんの表情はまだ半信半疑って感じ。
でも、さっきみたいに信じられないって否定する気は無いみたい。
コンコン
「失礼致します」
話が一応ひと段落したところで倉橋さんが戻って来た。
部屋に入った倉橋さんはかたい表情をしている。
「申し訳ございません。呪われているというブラックダイヤモンドはそちらのお嬢さんがおっしゃる通り販売してしまったようです」
なんでも、よせてあった商品を『特別なお客様に見せるものだから』と従業員には伝えていたんだって。
それを新人さんが特別なお客様ってところを常連さんのことだと勘違いして見せて販売しちゃったらしい。
「マジか……」
私の言った通りになっていて驚く永遠。
春花さんは一度目を閉じてから、覚悟を決めるようにまぶたと口を開いた。
「そう……じゃあ、要芽ちゃんの言う通りお友だちのお母様が購入したのは間違いないとみた方がいいわね」
私の言ったことを信じることにしてくれたらしい春花さんにホッとした。
柚乃になにかあったらって今でも心配なのに、一番協力してくれそうな人たちに疑われてたんじゃあなにもできないもん。
「疑ってごめんなさいね」
「いえ……」
あやまって、また優しい笑顔を見せてくれた春花さんに安心した。
永遠はまだ戸惑ってるみたいだったけど、疑って悪かったとは思ってくれたみたい。
「俺も、ごめん」
「うん、信じてくれるならいいよ」
謝罪を受け入れて、私はあらためて二人を見る。
信じてくれたなら、これからどうすればいいのか教えて欲しい。
「それで、どうすれば柚乃のお母さんが買ったブラックダイヤモンドからディコルを消すことができるの? 永遠が行って祓ってくれるの?」
「まあそうなるけど……さすがにろくに知らない人の家に行って宝石見せてくれなんて言ったってムリに決まってるだろ?」
「まあ、たしかに」
そりゃそうだとうなずいた私に、春花さんがお願い事をした。
「そういうことだから、なんとかその子の家に永遠が行けるようにしてもらえないかしら?」
「まあ、多分大丈夫だとは思いますけど……」
今日の約束は断っちゃったけれど、別の日にって言ったとき嫌とは言われなかったし。
永遠もって言ったらちょとは嫌がられちゃうかもしれないけれど、クラスメートだし断られたりまではしないと思う。
「じゃあ、早めにセッティングしてくれよ!」
立って近づいてきた永遠に頼んだ! って肩をたたかれる。
仕方ないなと思いながら「ええー?」って不満そうにしていたら、そばで見守ってくれてたリオくんがとんでもないことを言い始めた。
「あ、そのときは僕も行くから。この姿で」
「え!?」
この姿って、人型に具現化した姿でってこと!?
永遠みたいに柚乃と接点もないのに連れてけないよ!
具現化しない状態で連れて行くだけじゃダメなの? って思っていたら、とても真剣な目で心配の言葉をかけられた。
「この姿の方が何かあったときすぐにカナメを守れるからね。強いディコルがいるならなおさら危ないし」
「うっ」
それもそうだって思っちゃった。
『カナメちゃん! カナメちゃん! わたしも行くからね! 絶対だよ!?』
ポケットに入ったままのオウちゃんの声も聞こえて、私はもうどうにでもなれって投げやりな気分で「わかったよ!」と叫んだ。
***
そんな感じで一日が終わって家に帰ると、すぐにお母さんが柚乃から連絡があったことを知らせてくれた。
「柚乃ちゃんがね、明日お家に来てもいいって言ってたわよ」
早くも永遠を柚乃の家に連れて行けそうな状況にホッとする。
でも、折り返しの連絡で永遠たちが一緒に行くことを説明しなきゃいけない。
特にリオくんのことはどう説明しようって頭をなやませる。
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