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異界を渡るマレビト
私が聖女!?②
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「うん、これで大丈夫!」
何人目かわからないケガ人の治療を終えて、よしっとうなずいた。
「ありがとうございます、旅の聖女さま。女神さまのお導きに感謝を」
「はい、女神さまのご加護がありますように」
お礼を言われて、この世界での“どういたしまして”って意味の言葉を返した。
何度か普通に「どういたしまして」って返してたら、何人目かに治療した人に気まずげに言われたんだ。
「あの……もしかして旅の聖女さまはとても変わった場所から来られたのでしょうか?」
なんて言われて、「女神さまのお導きに感謝を」と言われたら「女神さまのご加護がありますように」って返すものだって教えてもらった。
回復魔法の呪文もそうだけど、どうやらこの世界は色んな場面で女神さまって言葉が出てくるみたい。
他にもどうして旅の聖女さまって呼ばれるのか不思議だったけれど、他の聖女との違いを教えてもらった。
理由は簡単。
丈夫な革靴をはいてるからだって。
あまり聖女は神殿から出ないから布靴をはいているんだって。
旅をするわけでもないのにきゅうくつな革靴なんてはかないって言われちゃった。
この世界ではオシャレとかで服や身につけるものを決めたりしないのかな?
不思議だけど、自分の世界のことだって知らないことはたくさんあるし、異世界ってなったらなおさらだよね。
変に思われないためにもこの世界のやり方に慣れなきゃ。
えっと、なんて言うんだっけ?
たしか“郷に入っては郷に従え”って言うやつ。
それぞれの場所で習慣とかは違うから、そこで暮らすならその習慣を自分もやるべきだとかって意味のことわざ。
変なのって思っても、そこの人たちにとっては大事なことだったりするから守っておいた方がいいって田舎のおじいちゃんが言ってたな。
「おつかれさま、大丈夫? 疲れてない?」
治療を終えた人がいなくなってからアキラ先輩が心配そうに聞いてきた。
それだけで思わずドキッと心臓がはねる。
イケボな声も今の格好もカッコ良すぎて、アキラ先輩が近くにいる方が疲れそう。
でもそんなこと言えるわけないから、私はアキラ先輩を直視しないようにして答えた。
「大丈夫ですよ! それなりに疲れはありますけど、まだまだ元気です」
拳をにぎって笑顔で言うと、別の方から声がかかる。
「あなたすごいのね。何人も治療してたのに疲れてる様子すらないなんて」
「あ、あなた」
ケガ人もさっきの人で最後だったのか、もう治療目的で近づいて来る人はいなくなった。
代わりに、さっき私を見つけてこっちの広い場所まで引っ張ってきた聖女が青い兵士服を着た大人しそうな男の人を連れて近づいて来る。
何人目かわからないケガ人の治療を終えて、よしっとうなずいた。
「ありがとうございます、旅の聖女さま。女神さまのお導きに感謝を」
「はい、女神さまのご加護がありますように」
お礼を言われて、この世界での“どういたしまして”って意味の言葉を返した。
何度か普通に「どういたしまして」って返してたら、何人目かに治療した人に気まずげに言われたんだ。
「あの……もしかして旅の聖女さまはとても変わった場所から来られたのでしょうか?」
なんて言われて、「女神さまのお導きに感謝を」と言われたら「女神さまのご加護がありますように」って返すものだって教えてもらった。
回復魔法の呪文もそうだけど、どうやらこの世界は色んな場面で女神さまって言葉が出てくるみたい。
他にもどうして旅の聖女さまって呼ばれるのか不思議だったけれど、他の聖女との違いを教えてもらった。
理由は簡単。
丈夫な革靴をはいてるからだって。
あまり聖女は神殿から出ないから布靴をはいているんだって。
旅をするわけでもないのにきゅうくつな革靴なんてはかないって言われちゃった。
この世界ではオシャレとかで服や身につけるものを決めたりしないのかな?
不思議だけど、自分の世界のことだって知らないことはたくさんあるし、異世界ってなったらなおさらだよね。
変に思われないためにもこの世界のやり方に慣れなきゃ。
えっと、なんて言うんだっけ?
たしか“郷に入っては郷に従え”って言うやつ。
それぞれの場所で習慣とかは違うから、そこで暮らすならその習慣を自分もやるべきだとかって意味のことわざ。
変なのって思っても、そこの人たちにとっては大事なことだったりするから守っておいた方がいいって田舎のおじいちゃんが言ってたな。
「おつかれさま、大丈夫? 疲れてない?」
治療を終えた人がいなくなってからアキラ先輩が心配そうに聞いてきた。
それだけで思わずドキッと心臓がはねる。
イケボな声も今の格好もカッコ良すぎて、アキラ先輩が近くにいる方が疲れそう。
でもそんなこと言えるわけないから、私はアキラ先輩を直視しないようにして答えた。
「大丈夫ですよ! それなりに疲れはありますけど、まだまだ元気です」
拳をにぎって笑顔で言うと、別の方から声がかかる。
「あなたすごいのね。何人も治療してたのに疲れてる様子すらないなんて」
「あ、あなた」
ケガ人もさっきの人で最後だったのか、もう治療目的で近づいて来る人はいなくなった。
代わりに、さっき私を見つけてこっちの広い場所まで引っ張ってきた聖女が青い兵士服を着た大人しそうな男の人を連れて近づいて来る。
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