不思議なハートの力

ひろの助

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第Ⅵ章。「光の神イクタス」

10、剣道大会⑤-1回戦対牧野(先鋒戦)-

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--リレーション⑧-剣道大会⑤--

今日は、大阪府の剣道大会が、宮火屋みやびやアリーナ体育館たいいくかんで行われる。

神海しんかいのクラスメイトは、神海が用意よういしたバスに乗り込んだ。
当然、朋子と真菜美も乗り込んだ。
バスの中は、左右に2座席づつ並んでいる。
青ですずしげな座席ざせきシートである。
(高級なバスなのでしょうか?)
朋子は、いさんで座る座席を探した。
「真ん中がいい?
 それとも前にする?」
朋子は、真菜美の気持ちを確認するかのようにたずねる。
真菜美は、神海のことは別段べつだんに何も思わないが、
朋子の顔を見て、真剣しんけんに答えなければと思った。
「うん。前がいいんじゃない。
 真っ先に神海君を応援する場所を取れるよ」
「そうや。
 前。前」
朋子は一番前の向かって右の窓がわに座った。
真菜美は、そのとなりに座る。
窓から学校が見える。
「神海君。優勝できるかなぁ」
朋子は、不安と緊張きんちょうで一杯である。
「出来るよ。きっと。
 あの神海君だよ」
(どの神海君だよ)( ゚Д゚)
真菜美は、安心させようと言葉を探したが、見つからない。
バスは、点呼てんこをすませ出発した。
国道26号線を進む。
車のなみにそい、体育館が近づいて来る。
窓に大きな体育館が見えた。
宮火屋アリーナ体育館だ。
バスは、体育館の入り口の前に停車した。
「ブュシューーゥ」扉が開く。
朋子は、一番先にバスを降りた。
「大きいね」
朋子の緊張きんちょうは、猶更なおさらに高まった。
「ドクン。ドクン」
心臓しんぞうがドキドキする。
決勝戦に行くには、3回勝たなければならない。
トーナメント表が張り出されていた。
神海は、浪速剛剣道場なにわごうけんどうじょうである。
「対戦相手はと、」
朋子は、浪速剛剣道場を探した。
対戦相手は、枚野海剣館まきのかいけんかんである。
偶然、朋子は、枚野海剣館の横を通った。
話声が聞こえる。
「内は、先鋒せんぽう勝負で行く。
 その後は、ひたすら引き分けをねらえ」
(げぇ)
朋子は、その場をいそいそと通り過ぎた。
小声で真菜美に話す。
「何か。先鋒勝負とか言ってる。
 あれ、うちと戦う道場だよね?
 やばい?
 知らせた方が良いの?」
「大丈夫。そのくらい神海君の道場の人は、分かってるよ」
真菜美も本当は不安である。
その気持ちをおさえるように自分に言い聞かせた。
(大丈夫。大丈夫。大丈夫)
朋子と真菜美は、試合会場の2階に座った。
開会の挨拶あいさつがあり、試合場に散らばる。
選手が、試合の位置についた。
礼をする。
(浪速剛剣道場VS枚野海剣館)試合が開始される。
浪速が赤、牧野が白である。

先鋒:山内樹貴たつきVS相手方先鋒(名前は、省略しょうりゃくする)が始まった。

礼をする。
相手は、大柄である。
スラットした均整きんせいの取れた体格たいかく
小学生にしては無駄むだがない。
洗練せんれんされている。

山内は、中段に構えた。
相手も中段に構える。
小学生は、対外たいがいは中段だよ。
「はじめ」の合図あいずかる。
即、相手が飛んできた。
「めん!」
するどく面をたたく。
山内は、んでのところで頭上で竹刀を横にしてふせいだ。
相手は、連続してたたみ掛ける。
山内は、間合まあいをめて防いだ。
グラブ(小手)で押し合う。
(力負けする)
山内は、苦しんでいる。
相手の足が、構えが、一息ひといき二息ふたいき、動く。
山内もめなければと思った。
面を打とうとりかざす。
しかし、相手の腕が少し動く、その動作に心が動いた。
一瞬いつしゅんすきが生まれた。
「バシ」
「めぇぇぇえ」
白のはたが三本上がった。

その後は、山内は、2本負けしないように頑張った。
相手に余裕が出来たのか、面、胴、をつぎつぎ打ち込んでくる。
山内には実力差が歴然れきぜんとしているのが分かったからである。
防戦にまわった。
(こんなやつがいたなんて)
2分が過ぎた。
白が一勝いっしょうした。

つづく。次回(1回戦対牧野後半戦)

※今回の内容は前話に書いた予定と変わりました。
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