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17 重くて硬く、そして鋭く尖っている。
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公園に到着し、ベンチに座りカズ君を待つ。その間も私は刑事の事が気になり辺りをキョロキョロと見る。すると、「どうしたの?キョロキョロして」とカズ君に声をかけられた。
「ひゃあ!」
私はビックリして今まであまり出した事のない声を出す。
「お、お疲れ様、カズ君」
「ありがとう」
カズ君はそう言って、自転車から降りて私の隣に座った。そして、私の顔を見る。
「えっと、それで、どうしたの?」
さて、なんと言ったものか……結局どうするかちゃんと決まっていない。とりあえず、「あのね……」と悩みを抱えているのをアピールする。
「何があったのか、言ってみてよ」
言ったらどうなるだろう?私のことを避けられるのではないか?そのような心配が頭の中をグルグルと回り、あまりにも考え過ぎて私の脳はオーバーヒートした。
ええい!もういいや!と私は勢いに任せる事にする。あとはどうにでもなれだ!
「実は今日、警察が部屋に来たの」
カズ君は目を見開き、「け、警察?」と聞き返してきた。
「何か聞き込みにきたの?周りで事件とかあったのかな……」
決して私自身を疑わない姿勢に、心が痛む。ごめんなさい……ほんと、ごめんなさい……
「ううん。私が疑われてるの」
「な、なんで?何かしたの?」
「私、過去に何人かと付き合う事になってたんだけど……」
と、言ったところでカズ君は複雑な表情をする。あまり過去の男関係は知りたくないのだろう。
「その人達全員が……事故で亡くなってるんだ」
言ってしまった……さて、カズ君はどんな反応をする?
「そうなんだ……」
カズ君は返事に困っているようだった。今まで自分の身に降りかかってきた危険を思い返しているのだろうか?
「それで、警察はね、私が事故で殺してるんじゃないかって疑ってるみたいなの」
カズ君はしばらく考えて口を開く。
「偶然でしょ?」
「もちろん!」
偶然だ。私に告白した人は事故死するという偶然が積み重なっているだけだ。私が事故を作っているわけじゃない。勝手に事故が起きるだけ。それを私は利用して……私は……
私は俯き、酷く自分が惨めな気持ちになってきた。最低な女だ。その能力を利用して金儲けに使って……
なのに、誰かに助けてほしいと願っている。自己中心的で、救われない女だ……
「モモちゃん?」
カズ君は心配そうに私を見る。私は、このままカズ君といるわけにはいかないと思った。もうきっと、依頼も達成することができない気がする。もしもここで事故が起きて死ねば、更に私は疑われるし、事故が起きなかったら、このまま嘘の関係がズルズルと続いてしまう。だったら、もういいじゃん。この依頼から手を引いて、大人しく暮せば……
「カズ君、別れよっか」
私は自然とその言葉を放っていた。ふわりと舞うそのセリフは、重くて硬く、そして鋭く尖っている。それがカズ君の胸に突き刺さったのを実感した。
彼は涙を流し、「やだよ」と言う。私なんかのために泣く必要はない。いや、別れたくないっていう、自分のために泣いているのか?
「モモちゃんと、別れたくない……」
本気で放たれたその言葉を私はどう受け止めればいいのだろうか?
「ひゃあ!」
私はビックリして今まであまり出した事のない声を出す。
「お、お疲れ様、カズ君」
「ありがとう」
カズ君はそう言って、自転車から降りて私の隣に座った。そして、私の顔を見る。
「えっと、それで、どうしたの?」
さて、なんと言ったものか……結局どうするかちゃんと決まっていない。とりあえず、「あのね……」と悩みを抱えているのをアピールする。
「何があったのか、言ってみてよ」
言ったらどうなるだろう?私のことを避けられるのではないか?そのような心配が頭の中をグルグルと回り、あまりにも考え過ぎて私の脳はオーバーヒートした。
ええい!もういいや!と私は勢いに任せる事にする。あとはどうにでもなれだ!
「実は今日、警察が部屋に来たの」
カズ君は目を見開き、「け、警察?」と聞き返してきた。
「何か聞き込みにきたの?周りで事件とかあったのかな……」
決して私自身を疑わない姿勢に、心が痛む。ごめんなさい……ほんと、ごめんなさい……
「ううん。私が疑われてるの」
「な、なんで?何かしたの?」
「私、過去に何人かと付き合う事になってたんだけど……」
と、言ったところでカズ君は複雑な表情をする。あまり過去の男関係は知りたくないのだろう。
「その人達全員が……事故で亡くなってるんだ」
言ってしまった……さて、カズ君はどんな反応をする?
「そうなんだ……」
カズ君は返事に困っているようだった。今まで自分の身に降りかかってきた危険を思い返しているのだろうか?
「それで、警察はね、私が事故で殺してるんじゃないかって疑ってるみたいなの」
カズ君はしばらく考えて口を開く。
「偶然でしょ?」
「もちろん!」
偶然だ。私に告白した人は事故死するという偶然が積み重なっているだけだ。私が事故を作っているわけじゃない。勝手に事故が起きるだけ。それを私は利用して……私は……
私は俯き、酷く自分が惨めな気持ちになってきた。最低な女だ。その能力を利用して金儲けに使って……
なのに、誰かに助けてほしいと願っている。自己中心的で、救われない女だ……
「モモちゃん?」
カズ君は心配そうに私を見る。私は、このままカズ君といるわけにはいかないと思った。もうきっと、依頼も達成することができない気がする。もしもここで事故が起きて死ねば、更に私は疑われるし、事故が起きなかったら、このまま嘘の関係がズルズルと続いてしまう。だったら、もういいじゃん。この依頼から手を引いて、大人しく暮せば……
「カズ君、別れよっか」
私は自然とその言葉を放っていた。ふわりと舞うそのセリフは、重くて硬く、そして鋭く尖っている。それがカズ君の胸に突き刺さったのを実感した。
彼は涙を流し、「やだよ」と言う。私なんかのために泣く必要はない。いや、別れたくないっていう、自分のために泣いているのか?
「モモちゃんと、別れたくない……」
本気で放たれたその言葉を私はどう受け止めればいいのだろうか?
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