5 / 11
5 背負っている大剣の柄を握り、鞘から抜こうとするが、腕の長さ的に上手く抜けなかった
しおりを挟む
学校に着くと、すでに隆太くんは教室の中にいた。教室の中ではモンスターの話をしているクラスメイトが沢山いる。昨日は蛇のモンスターを倒したとか、大きいガのモンスターを倒したとか、いや、もうそれモンスターじゃなくて普通の動物では?とか思いつつも、僕は隆太くんに話しかけた。
「おはよう。入部届っていつ出すの?」
僕がそう言うと、隆太くんは鞄から入部届を出して机に置く。
「今から行こうぜ!」
「今から?部活はまだじゃないの?」
「いや、冒険部は朝から活動しているんだ。朝練ってやつだな」
何の練習?と思いつつ、まぁそういう事なら朝の会が始まるまで時間はあるし……と、僕と隆太くんは教室を出た。
冒険部の部室は一階の使われていない教室で、戸のガラス部分に“冒険部!!”と大きな字で書かれている。僕たちはノックもせずにガラガラと扉を開けて、顔を覗かせた。そこには奇抜な恰好をした生徒が三人と、定年間近のお爺ちゃんみたいな顧問の先生がいて、こっちを見る。
「おはようございます」
僕と隆太くんが揃ってそう言うと、背中に大きな剣を背負ってマントをつけた体格のいい男子生徒が「おはよう」と返してくれた。他の二人はこっちを見るだけで特に挨拶はない。二人の方の一人は女子生徒で、魔女のような黒いローブに身を包んでいる。もう一人は武闘家のような恰好をした男子生徒で、腕を組んで目を瞑っていた。
「何の用だ?」
と体格のいい男子生徒……名札には雲野と書かれている。三年生のようだ。その雲野さんが、僕たちを睨む。
「俺たちは今、放課後の冒険に向けてミーティング中だ。用が無いなら出て行け」
僕は彼らの恰好を見て、ちょっとこの人たちと距離を取りたくなっていた。しかし、隆太くんはそうではなく、寧ろ目を輝かせて興奮を言葉にする。
「カッケーーー!!!」
雲野さんの眉がピクリと動く。なんか嬉しそうだけど笑うのを我慢している気がする。
「か、カッコ良さはどうでもいい。俺たちは人類の平和のために戦っているだけだ。そのために装備を身にまとっているにすぎない!」
雲野さんは背負っている大剣の柄を握り、鞘から抜こうとするが、腕の長さ的に上手く抜けなかったのだろう。一旦背負っている鞘を下ろして改めて抜いた。そして、大剣を掲げて言う。
「魔王を倒すのは、俺たちだ」
そこまで言ったところで顧問の先生が言う。
「これこれ。校舎内で剣を抜いちゃいかん。没収じゃな」
先生のその発言に雲野さんはピシっと頭を下げて、「勘弁してください」と訴える。
「今回は特別じゃぞ」
この部室で普通なのはこの先生と僕かもしれない……と思っていると、先生は続けて言う。
「力は自慢するためのものではない、誰かを守るためにあるものだ。ヒヨッコ達よ。高みを目指したいのなら、それを心得、精進するのじゃな。フォフォフォ」
あぁ、この先生も大概な気がしてきた。この人たちの師匠みたいなポジションだろうか?イベントで死にそうな感じがする……
早くこの場から去りたいな……と思っていると、隣にいる隆太くんが床に手をつき土下座みたいな事をする。
「お……俺を弟子にしてください!!師匠!!」
いやいや、そこまでする?
「ほほぉ、おぬしら、このパーティに加わりたいという事か?」
その先生の言葉に雲野さんと他二人も反応する。何か三人とも嬉しそうだけど笑うのを堪えている。きっと、入部希望で訪れた人はこの人たちの恰好やノリを見て去って行ったのだろう。だから、仲間を探していたのかもしれない。僕たちのこともただの冷やかしとか、すぐに出て行く生徒だと思っていたが、隆太くんがこんな反応をしたものだから、きっと今めちゃくちゃ嬉しいに違いない。
「お、は、うん。え?入部き……パーティに加わりたい?そうなんだ!そ、そうか!だが、冒険はキツイぞ?お前らが足手まといにならなければいいがな」
雲野さんはアタフタしながらそう言った。入部希望って言いかけてたじゃん!とか思いつつ、僕と隆太くんは入部届を先生に渡す。先生はそれを受け取り、この瞬間から僕たちは冒険部の一員となった。
どうなることやら……
「おはよう。入部届っていつ出すの?」
僕がそう言うと、隆太くんは鞄から入部届を出して机に置く。
「今から行こうぜ!」
「今から?部活はまだじゃないの?」
「いや、冒険部は朝から活動しているんだ。朝練ってやつだな」
何の練習?と思いつつ、まぁそういう事なら朝の会が始まるまで時間はあるし……と、僕と隆太くんは教室を出た。
冒険部の部室は一階の使われていない教室で、戸のガラス部分に“冒険部!!”と大きな字で書かれている。僕たちはノックもせずにガラガラと扉を開けて、顔を覗かせた。そこには奇抜な恰好をした生徒が三人と、定年間近のお爺ちゃんみたいな顧問の先生がいて、こっちを見る。
「おはようございます」
僕と隆太くんが揃ってそう言うと、背中に大きな剣を背負ってマントをつけた体格のいい男子生徒が「おはよう」と返してくれた。他の二人はこっちを見るだけで特に挨拶はない。二人の方の一人は女子生徒で、魔女のような黒いローブに身を包んでいる。もう一人は武闘家のような恰好をした男子生徒で、腕を組んで目を瞑っていた。
「何の用だ?」
と体格のいい男子生徒……名札には雲野と書かれている。三年生のようだ。その雲野さんが、僕たちを睨む。
「俺たちは今、放課後の冒険に向けてミーティング中だ。用が無いなら出て行け」
僕は彼らの恰好を見て、ちょっとこの人たちと距離を取りたくなっていた。しかし、隆太くんはそうではなく、寧ろ目を輝かせて興奮を言葉にする。
「カッケーーー!!!」
雲野さんの眉がピクリと動く。なんか嬉しそうだけど笑うのを我慢している気がする。
「か、カッコ良さはどうでもいい。俺たちは人類の平和のために戦っているだけだ。そのために装備を身にまとっているにすぎない!」
雲野さんは背負っている大剣の柄を握り、鞘から抜こうとするが、腕の長さ的に上手く抜けなかったのだろう。一旦背負っている鞘を下ろして改めて抜いた。そして、大剣を掲げて言う。
「魔王を倒すのは、俺たちだ」
そこまで言ったところで顧問の先生が言う。
「これこれ。校舎内で剣を抜いちゃいかん。没収じゃな」
先生のその発言に雲野さんはピシっと頭を下げて、「勘弁してください」と訴える。
「今回は特別じゃぞ」
この部室で普通なのはこの先生と僕かもしれない……と思っていると、先生は続けて言う。
「力は自慢するためのものではない、誰かを守るためにあるものだ。ヒヨッコ達よ。高みを目指したいのなら、それを心得、精進するのじゃな。フォフォフォ」
あぁ、この先生も大概な気がしてきた。この人たちの師匠みたいなポジションだろうか?イベントで死にそうな感じがする……
早くこの場から去りたいな……と思っていると、隣にいる隆太くんが床に手をつき土下座みたいな事をする。
「お……俺を弟子にしてください!!師匠!!」
いやいや、そこまでする?
「ほほぉ、おぬしら、このパーティに加わりたいという事か?」
その先生の言葉に雲野さんと他二人も反応する。何か三人とも嬉しそうだけど笑うのを堪えている。きっと、入部希望で訪れた人はこの人たちの恰好やノリを見て去って行ったのだろう。だから、仲間を探していたのかもしれない。僕たちのこともただの冷やかしとか、すぐに出て行く生徒だと思っていたが、隆太くんがこんな反応をしたものだから、きっと今めちゃくちゃ嬉しいに違いない。
「お、は、うん。え?入部き……パーティに加わりたい?そうなんだ!そ、そうか!だが、冒険はキツイぞ?お前らが足手まといにならなければいいがな」
雲野さんはアタフタしながらそう言った。入部希望って言いかけてたじゃん!とか思いつつ、僕と隆太くんは入部届を先生に渡す。先生はそれを受け取り、この瞬間から僕たちは冒険部の一員となった。
どうなることやら……
0
あなたにおすすめの小説
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
お気に入り・感想、宜しくお願いします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる