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転校生は…?!
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あれ、ここはどこだろう。
あの後、結局授業に出られずに、私はずっとずっと泣いていた。
気づけばここは…?
「次は、早田、早田駅、終点です。」
で、電車…?!
早田駅はどこだろう。知らないし、行ったこともない。とにかく、早田駅で降りて、ひたすら駅員に聞こう。
駅員を探していると、ふとある広告に目が入った。
塾生徒、募集!
住所 小泉駅小泉町三十の七
電話番号 ○○○-○○○○
家の近くだ!
手帳に住所と電話番号をメモした。
とりあえず、駅員にどの電車に乗ればいいのか聞こう。
「あ、あの…、泉川駅って、どうやって行けばいいですか?」
「泉川駅ですか…。ここから2時間くらいのところですねぇ。」
私はどこからどこまで乗っていたのだろう。
「ねぇねぇ、置いていかないでよぉー。」
どこかで聞いたことがある声が耳に入ってきた。
「れな…?どうしてここに?」
「え、ずっといたじゃん。」
この日は不審な会話をしながら何とか帰宅した。
「そんな事なんてあったっけ?」
一瞬人違いかと思ったが、違う。この話し方は絶対藤堂梨々香だ。
昨日、辛うじて帰宅し、寝たのは一時半だった。
その翌日、つまり今日こそは藤堂梨々香に謝らなくてはいけないと思い、学校で必死に探し、やっと謝ることができた。しかし、この体たらく。
あんなに傷ついていた様子だったのに。
「あのねぇ…。私、諦めてるから。分からない?ほっといてほしいの。」
「諦めるってどういうこと…?」
「はぁ?あさやんのことに決まってるでしょ?あさやんは諦めるって言ってんの!」
「な、何であさやんのこと知って…」
「親友だから!………………多分ね…。」
いつもの藤堂梨々香からは想像できないくらい消極的だった。そして、その目からは大粒の涙が出ていた。
「西園寺さん、いや、美玲っ!もし付き合うんだったら、きちんと、女の子らしくね!………頑張れ!」
「ありがとう!」
今日は孤独。今日は一人で帰る。こんなに辛いこと、前は常時だったことを思い出す。れなはどこだろう。友達って大事なんだな…。最近実感する。
「ねーねー、今日話したいことあるから、また泉川駅寄ろうよー!」
「ひぃぃ。」
れな?!ま、まさか…。いつから…?
「出会った時から変わらないねー、でも、性格、明るくなったと思うよ!」
「???」
「ほら、あさやんが来るよ。きちんと今の気持ち、伝えて。」
あさやんは昇降口からどんどんこっちへ来る。どんどん…。ああ、どうやって返事しようか…。勇気を振り絞って、声を掛けてみよう。
「あ、あの…。あさ…や…ん…。」
「お、西園寺さん!」
「あのね、私も…好き、だと思う…。」
「だと思う、かぁ…。まぁいっか、一緒に帰ろう!」
あさやんと二人きり…?それはちょっと…。
「あ、梨々香ちゃんも!………良い?」
「オッケー!」
「あ、呼んでこないとね…。梨々香ちゃん、部活何だったっけ…。」
「吹奏楽部。そろそろ終わるかな…。」
「もう終わってますが。」
盗み聞きされていた。ゆったり歩きながら話していたのだが、藤堂梨々香は二人を追っていたのだ。
「梨々香ちゃん!待ってたよ!」
「勘弁してくれよー、梨々香ー!」
「美玲、遅れてごめーん。吹奏楽部、通常終了時刻より十分オーバー。最悪だよねー。」
…?…何か忘れているような…。
「れなは?れなも一緒に…。」
「誰、それ。」
今日はいつもと違う一日だった。
あの後、結局授業に出られずに、私はずっとずっと泣いていた。
気づけばここは…?
「次は、早田、早田駅、終点です。」
で、電車…?!
早田駅はどこだろう。知らないし、行ったこともない。とにかく、早田駅で降りて、ひたすら駅員に聞こう。
駅員を探していると、ふとある広告に目が入った。
塾生徒、募集!
住所 小泉駅小泉町三十の七
電話番号 ○○○-○○○○
家の近くだ!
手帳に住所と電話番号をメモした。
とりあえず、駅員にどの電車に乗ればいいのか聞こう。
「あ、あの…、泉川駅って、どうやって行けばいいですか?」
「泉川駅ですか…。ここから2時間くらいのところですねぇ。」
私はどこからどこまで乗っていたのだろう。
「ねぇねぇ、置いていかないでよぉー。」
どこかで聞いたことがある声が耳に入ってきた。
「れな…?どうしてここに?」
「え、ずっといたじゃん。」
この日は不審な会話をしながら何とか帰宅した。
「そんな事なんてあったっけ?」
一瞬人違いかと思ったが、違う。この話し方は絶対藤堂梨々香だ。
昨日、辛うじて帰宅し、寝たのは一時半だった。
その翌日、つまり今日こそは藤堂梨々香に謝らなくてはいけないと思い、学校で必死に探し、やっと謝ることができた。しかし、この体たらく。
あんなに傷ついていた様子だったのに。
「あのねぇ…。私、諦めてるから。分からない?ほっといてほしいの。」
「諦めるってどういうこと…?」
「はぁ?あさやんのことに決まってるでしょ?あさやんは諦めるって言ってんの!」
「な、何であさやんのこと知って…」
「親友だから!………………多分ね…。」
いつもの藤堂梨々香からは想像できないくらい消極的だった。そして、その目からは大粒の涙が出ていた。
「西園寺さん、いや、美玲っ!もし付き合うんだったら、きちんと、女の子らしくね!………頑張れ!」
「ありがとう!」
今日は孤独。今日は一人で帰る。こんなに辛いこと、前は常時だったことを思い出す。れなはどこだろう。友達って大事なんだな…。最近実感する。
「ねーねー、今日話したいことあるから、また泉川駅寄ろうよー!」
「ひぃぃ。」
れな?!ま、まさか…。いつから…?
「出会った時から変わらないねー、でも、性格、明るくなったと思うよ!」
「???」
「ほら、あさやんが来るよ。きちんと今の気持ち、伝えて。」
あさやんは昇降口からどんどんこっちへ来る。どんどん…。ああ、どうやって返事しようか…。勇気を振り絞って、声を掛けてみよう。
「あ、あの…。あさ…や…ん…。」
「お、西園寺さん!」
「あのね、私も…好き、だと思う…。」
「だと思う、かぁ…。まぁいっか、一緒に帰ろう!」
あさやんと二人きり…?それはちょっと…。
「あ、梨々香ちゃんも!………良い?」
「オッケー!」
「あ、呼んでこないとね…。梨々香ちゃん、部活何だったっけ…。」
「吹奏楽部。そろそろ終わるかな…。」
「もう終わってますが。」
盗み聞きされていた。ゆったり歩きながら話していたのだが、藤堂梨々香は二人を追っていたのだ。
「梨々香ちゃん!待ってたよ!」
「勘弁してくれよー、梨々香ー!」
「美玲、遅れてごめーん。吹奏楽部、通常終了時刻より十分オーバー。最悪だよねー。」
…?…何か忘れているような…。
「れなは?れなも一緒に…。」
「誰、それ。」
今日はいつもと違う一日だった。
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