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本編
勇者様という罪なお人
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あれは、唇だったのでは。
そう思いながらも、そんなことあるわけないと首を振る。
その行動を何十回も僕は続けていた。
勇者様がいなくなった途端襲ってくる寂しさを誤魔化すために、アンジェリカ様と会う約束をしていたのに、全く準備が進まない。
やっとお出かけ用の服に着替えて、噴水公園まで来たけど、アンジェリカ様の迎えが来るまで魂が抜けたようにそこに立っていた。
「ミノル!」
目の前で停車した馬車の扉からアンジェリカ様が顔を出した。いつも売り子をしてくれている侍女のアメリさんが「お嬢様!」と止めに入っていたけど、全く気にも留めず僕の腕を掴んで、僕を馬車の中に引っ張り込んだ。
同人誌を持参しているわけでもないのに、いつもより興奮した様子で僕を見つめてくる。
「聞いてないわよ! ミノルの雇い主がアレクシス様だなんて!」
そういうことか!
いつも冷静なお嬢様があらぶっている理由がわかり、僕は腹を据えた。
「……それは言っていいものかわからなかったので」
「ま、まあそうね。私もお父様から口外禁止と言われたわ」
「使用人として雇われてるだけですし、今も近所の方たちは当たり前のこととして知っているので、そこまで厳重にしなくてもいいとは思うんですが……」
「いいえ、貴族に知られた日にはミノルがどんな目に遭うかわからないわ。使用人だとしてもその場所を取って代わろうとする人はいくらでもいるのよ。誘拐されてあんなことやこんなことをされたらどうするつもり!?」
「あんなことやこんなことって……イヤらしいことを考えてしまうので、そういう使い方をしないでください……」
「そういうこともされてしまうってことよ! 華奢で童顔なんて、ヤられたい放題なんだから!」
どこの世界線だ!と突っ込みたくなるけど、きっとここがその世界線なんだろうとアンジェリカ様の必死さから読み取れた。
「アレクシス様がずっと傍におられるのならいいけれど、一年も帰ってこないとわかっているから危ないの。本当に今まで無事でよかったわ。これからは父の、クライフ侯の名前を出していいから、絶対に誰にもついていってはだめよ!」
「は、はい。十分に気を付けます」
「でもアレクシス様も今までよくミノルの存在を知られずにやってこれたわね。案外うまいじゃない……」
「うまいというか、勇者様が王都に戻られているときはほとんど外出されているので、使用人としても旨味がないと思われてるのかもしれません。それか本当に存在が知られてないか……」
一緒に外出したこともないしね。
すると、アンジェリカ様がにんまりと口を弧にした。
「ふーん……そういうことね」
「お嬢様?」
「なにもないわ。ミノルのことはクライフ侯爵家がなんとしても守るから安心して」
「え、っと……心強いです……?」
「ええ、任せて。アレクシス様の頼みだなんて、光栄の極みだもの」
なにやらお嬢様は使命感に燃えはじめ、僕はただその様子に首を傾げるしかなかった。
◇ ◇ ◇
勇者様がいなくなると、なんの変哲もない僕の日常が戻ってくる。
妄想して、絵に起こして、本を作る。そして蚤の市で販売する。アメリさんが喜んで売り子をしてくれているから、僕は描くことに専念できるのだ。
ただ、勇者様と神子様の絡みを想像すると、不意にあの玄関先で抱き締められたときのことを思い出してしまうようになった。
あのときは頭が真っ白で何も感じられなかったけど、じわじわと、勇者様の温かみとか腕の力強さとか、彼に触れた記憶が蘇って、神子様を抱きしめる勇者様をリアルに想像しすぎてしまう。神子様の位置に自分がいるような、そんな感覚に囚われるのだ。
あれは勇者様のお礼の気持ちであって下心なんてないはずなのに、イヤらしい妄想とダブらせてしまう自分が許せなくて、筆が止まることが増えた。
そうなる理由はわかってた。認めたくなかったけど、もう自分の心に嘘を吐けないところまで来てしまっていたのだ。
僕はペンを置いて、机に突っ伏す。おでこを少し冷えた天板に押し付けた。
「優しくされて、こんなにころっと落ちるなんて、異世界って怖い」
一種の吊り橋効果なのかもしれない。
でも初めて会ってから丸三年経っているし、燃えるような恋というものでもない。ゆっくりじっくり、勇者様の人となりを知るほどに惹かれていく。だからこの想いはけして突発的なものじゃないはずで……
「それが余計に駄目なんだけどさ」
よくある、召喚されて出逢ってすぐに恋に落ちて、そのまま致してしまうような王道とは違う。もしそんなのだったら、気の迷いだった、とか、若気の至りだった、で済ませられるかもしれないのに。
そんな憂いを深い溜め息とともに吐き出したとき、こんこんとノッカーが音を立てた。
勇者様が旅に出て一月。ヨルダンさんが手紙を持ってきてくれたのかもしれないと、待たせないように大急ぎで玄関まで駆る。もう一度鳴ったノック音に「はーい」と返しながら扉を開けると、そこには見知らぬ男の人が立っていた。
巡回する姿をよく見る衛兵の制服。勇者様に負けず劣らずの体格。そして赤い髪が特徴の人物だった。
僕が見上げると、彼はニッカリと白い歯をのぞかせて笑った。
「初めましてだな。アレクから話は聞いてると思うが、王都警備隊のケヴィンだ。君がミノルで間違いないか?」
軽く自己紹介してから大きくごつごつとした手を差し出してくる。
巡回路を変更してくれた人だと思い出して、僕は慌てて握り返し、こくこくと頷いた。
「はい! 初めまして、ケヴィンさん。ミノルといいます」
「アレクから拾ったとかなんとか事情を聞いたが……小さいな。まだ成人前だったりしないよな?」
「ちいさ……いえ! 二十は越えてますから!」
あなたがデカいだけです!と言いかけてその言葉を飲み込み、成人していることをしっかりと主張する。
軍人と一般市民を比較すべきじゃないっていうのはもちろん、勇者様含め骨格が異なるのだ。あちらの世界で平均身長に満たなかった僕が小さく見えても仕方がない。ほんのすこーしだけ平均に届かなかっただけだけどね!
「ならいいんだ。アイツにそういった嗜好があったのかと思って……悪い悪い、そう怒るな」
僕の恨みがましい視線に気付いたのか、ケヴィンさんが苦笑しながら謝った。
「そうそう、今日はやっとここいらの当番に回れたから、顔だけでも見に来ようと思ってな。どうだ、不便はないか?」
「はい、衛兵さんたちの姿をよく拝見するようになったので、安心して外出できています。なんだか大事にしてしまったようですみませんでした」
「いや、こうして要望を出してくれるほうがこっちも動きやすいんだ。君が気にする必要はない。それに、こういうのを盾にすると予算も引っ張りやすいからな」
ケヴィンさんはにやりと笑ってみせた。
勇者様のご友人なだけあって、色々な面で実力者なのだろう。
「そういうことなら良かったです」
「おう、いいってことよ。んじゃあ、俺は仕事に戻るから、何かあったらそこらのやつにすぐに声かけてくれな」
「はい、ありがとうございます」
これからもお願いします、と会釈をして僕はケヴィンさんを見送った。
面倒見のよさそうな人で、勇者様が彼を頼った理由がよくわかる。予算の話も本当かどうか……気にしないように言ってくれたのかもしれない。
ただ、みんな優しくしてくれるのは、勇者様の人柄によるものだ。ちゃんとそれを理解しておかないと、そのうち勘違いしてしまいそう。
「はぁ……こんなに甘やかされたら困っちゃうな……」
勇者様におんぶにだっこ。このままだと勇者様なしじゃ生きられなくなる。しかも僕の心まで持っていってしまってるんだから勇者様は罪なお人だ。
机に座って窓の外を見下ろすと、他の衛兵と合流したケヴィンさんがこちらを振り向いて片手を上げた。それに手を振り返してから、手元の原稿をそっと横に避ける。
初めて会った人と会話したからか、ほんの少しだけど気が紛れたような気がする。料理の本に手を付けることにして、僕はペンを握り直した。
そう思いながらも、そんなことあるわけないと首を振る。
その行動を何十回も僕は続けていた。
勇者様がいなくなった途端襲ってくる寂しさを誤魔化すために、アンジェリカ様と会う約束をしていたのに、全く準備が進まない。
やっとお出かけ用の服に着替えて、噴水公園まで来たけど、アンジェリカ様の迎えが来るまで魂が抜けたようにそこに立っていた。
「ミノル!」
目の前で停車した馬車の扉からアンジェリカ様が顔を出した。いつも売り子をしてくれている侍女のアメリさんが「お嬢様!」と止めに入っていたけど、全く気にも留めず僕の腕を掴んで、僕を馬車の中に引っ張り込んだ。
同人誌を持参しているわけでもないのに、いつもより興奮した様子で僕を見つめてくる。
「聞いてないわよ! ミノルの雇い主がアレクシス様だなんて!」
そういうことか!
いつも冷静なお嬢様があらぶっている理由がわかり、僕は腹を据えた。
「……それは言っていいものかわからなかったので」
「ま、まあそうね。私もお父様から口外禁止と言われたわ」
「使用人として雇われてるだけですし、今も近所の方たちは当たり前のこととして知っているので、そこまで厳重にしなくてもいいとは思うんですが……」
「いいえ、貴族に知られた日にはミノルがどんな目に遭うかわからないわ。使用人だとしてもその場所を取って代わろうとする人はいくらでもいるのよ。誘拐されてあんなことやこんなことをされたらどうするつもり!?」
「あんなことやこんなことって……イヤらしいことを考えてしまうので、そういう使い方をしないでください……」
「そういうこともされてしまうってことよ! 華奢で童顔なんて、ヤられたい放題なんだから!」
どこの世界線だ!と突っ込みたくなるけど、きっとここがその世界線なんだろうとアンジェリカ様の必死さから読み取れた。
「アレクシス様がずっと傍におられるのならいいけれど、一年も帰ってこないとわかっているから危ないの。本当に今まで無事でよかったわ。これからは父の、クライフ侯の名前を出していいから、絶対に誰にもついていってはだめよ!」
「は、はい。十分に気を付けます」
「でもアレクシス様も今までよくミノルの存在を知られずにやってこれたわね。案外うまいじゃない……」
「うまいというか、勇者様が王都に戻られているときはほとんど外出されているので、使用人としても旨味がないと思われてるのかもしれません。それか本当に存在が知られてないか……」
一緒に外出したこともないしね。
すると、アンジェリカ様がにんまりと口を弧にした。
「ふーん……そういうことね」
「お嬢様?」
「なにもないわ。ミノルのことはクライフ侯爵家がなんとしても守るから安心して」
「え、っと……心強いです……?」
「ええ、任せて。アレクシス様の頼みだなんて、光栄の極みだもの」
なにやらお嬢様は使命感に燃えはじめ、僕はただその様子に首を傾げるしかなかった。
◇ ◇ ◇
勇者様がいなくなると、なんの変哲もない僕の日常が戻ってくる。
妄想して、絵に起こして、本を作る。そして蚤の市で販売する。アメリさんが喜んで売り子をしてくれているから、僕は描くことに専念できるのだ。
ただ、勇者様と神子様の絡みを想像すると、不意にあの玄関先で抱き締められたときのことを思い出してしまうようになった。
あのときは頭が真っ白で何も感じられなかったけど、じわじわと、勇者様の温かみとか腕の力強さとか、彼に触れた記憶が蘇って、神子様を抱きしめる勇者様をリアルに想像しすぎてしまう。神子様の位置に自分がいるような、そんな感覚に囚われるのだ。
あれは勇者様のお礼の気持ちであって下心なんてないはずなのに、イヤらしい妄想とダブらせてしまう自分が許せなくて、筆が止まることが増えた。
そうなる理由はわかってた。認めたくなかったけど、もう自分の心に嘘を吐けないところまで来てしまっていたのだ。
僕はペンを置いて、机に突っ伏す。おでこを少し冷えた天板に押し付けた。
「優しくされて、こんなにころっと落ちるなんて、異世界って怖い」
一種の吊り橋効果なのかもしれない。
でも初めて会ってから丸三年経っているし、燃えるような恋というものでもない。ゆっくりじっくり、勇者様の人となりを知るほどに惹かれていく。だからこの想いはけして突発的なものじゃないはずで……
「それが余計に駄目なんだけどさ」
よくある、召喚されて出逢ってすぐに恋に落ちて、そのまま致してしまうような王道とは違う。もしそんなのだったら、気の迷いだった、とか、若気の至りだった、で済ませられるかもしれないのに。
そんな憂いを深い溜め息とともに吐き出したとき、こんこんとノッカーが音を立てた。
勇者様が旅に出て一月。ヨルダンさんが手紙を持ってきてくれたのかもしれないと、待たせないように大急ぎで玄関まで駆る。もう一度鳴ったノック音に「はーい」と返しながら扉を開けると、そこには見知らぬ男の人が立っていた。
巡回する姿をよく見る衛兵の制服。勇者様に負けず劣らずの体格。そして赤い髪が特徴の人物だった。
僕が見上げると、彼はニッカリと白い歯をのぞかせて笑った。
「初めましてだな。アレクから話は聞いてると思うが、王都警備隊のケヴィンだ。君がミノルで間違いないか?」
軽く自己紹介してから大きくごつごつとした手を差し出してくる。
巡回路を変更してくれた人だと思い出して、僕は慌てて握り返し、こくこくと頷いた。
「はい! 初めまして、ケヴィンさん。ミノルといいます」
「アレクから拾ったとかなんとか事情を聞いたが……小さいな。まだ成人前だったりしないよな?」
「ちいさ……いえ! 二十は越えてますから!」
あなたがデカいだけです!と言いかけてその言葉を飲み込み、成人していることをしっかりと主張する。
軍人と一般市民を比較すべきじゃないっていうのはもちろん、勇者様含め骨格が異なるのだ。あちらの世界で平均身長に満たなかった僕が小さく見えても仕方がない。ほんのすこーしだけ平均に届かなかっただけだけどね!
「ならいいんだ。アイツにそういった嗜好があったのかと思って……悪い悪い、そう怒るな」
僕の恨みがましい視線に気付いたのか、ケヴィンさんが苦笑しながら謝った。
「そうそう、今日はやっとここいらの当番に回れたから、顔だけでも見に来ようと思ってな。どうだ、不便はないか?」
「はい、衛兵さんたちの姿をよく拝見するようになったので、安心して外出できています。なんだか大事にしてしまったようですみませんでした」
「いや、こうして要望を出してくれるほうがこっちも動きやすいんだ。君が気にする必要はない。それに、こういうのを盾にすると予算も引っ張りやすいからな」
ケヴィンさんはにやりと笑ってみせた。
勇者様のご友人なだけあって、色々な面で実力者なのだろう。
「そういうことなら良かったです」
「おう、いいってことよ。んじゃあ、俺は仕事に戻るから、何かあったらそこらのやつにすぐに声かけてくれな」
「はい、ありがとうございます」
これからもお願いします、と会釈をして僕はケヴィンさんを見送った。
面倒見のよさそうな人で、勇者様が彼を頼った理由がよくわかる。予算の話も本当かどうか……気にしないように言ってくれたのかもしれない。
ただ、みんな優しくしてくれるのは、勇者様の人柄によるものだ。ちゃんとそれを理解しておかないと、そのうち勘違いしてしまいそう。
「はぁ……こんなに甘やかされたら困っちゃうな……」
勇者様におんぶにだっこ。このままだと勇者様なしじゃ生きられなくなる。しかも僕の心まで持っていってしまってるんだから勇者様は罪なお人だ。
机に座って窓の外を見下ろすと、他の衛兵と合流したケヴィンさんがこちらを振り向いて片手を上げた。それに手を振り返してから、手元の原稿をそっと横に避ける。
初めて会った人と会話したからか、ほんの少しだけど気が紛れたような気がする。料理の本に手を付けることにして、僕はペンを握り直した。
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