どこまでも醜い私は、ある日黒髪の少年を手に入れた

布施鉱平

文字の大きさ
60 / 90
第四章

交わり、喜び、そして……

しおりを挟む
「へっ……?」

 シャーラは思わず、間の抜けた声を上げた。

 自分の奉仕(足コキ)により少年が射精し、この夢のような時間はそれで終わった────はずだったのだ。

 だというのに、目の前に立ち上がった少年の股間は萎えて小さくなるどころか、未だまっすぐに天を向き、先端からは『まだ足りない』とでも言わんばかりに透明な液体を溢れさせているではないか。

(う、嘘だろう……?)

 この歳でいまだ処女であるシャーラとて、男が一度射精をしてしまえば回復するまでにはかなりの時間を要し、事後は『聖者の午睡せいじゃタイム』とも呼ばれる男性特有の気だるさから、すぐ眠りについてしまうものだということくらい知っている。

 しかし、目の前で起きている現実は、それとは全く正反対のものなのだ。
 驚くな、という方が無理な話だろう。

「あっ……」

 驚愕から放心状態にあったシャーラは、気づけば足を握られていた。
 ちょうど、先程まで少年のチンポをしごいていた、足裏から足刀部にかけての部分だ。

 さらにそのまま足を持ち上げられ、テントの床に仰向けに転がされてしまう。

 少年の意図が読めず、シャーラは抵抗も拒絶もできないまま身を固くしていった。

 そんなシャーラの状態を知ってか知らずか、少年はまるで焦らすかのようにゆっくりとした動作で顔を近づけて行くと……










「あっ! ひっ!? ダ、ダメっ、そんなこと……っ!♡」










 あろう事か、掴んでいた足にキスを落としてきた。

 長時間、外を歩き回ってきた足だ。

 その間、ずっとブーツの中に押し込められていた足だ。

 とうぜん蒸れているし、においだってしないわけがない。
 あまりにも予想外かつ怒涛どとうの展開だったため、〈清浄化クリンネス〉すらかけ忘れていたのだから。

 止めなければいけない。

 こんなにも背徳的なことを、天使のような少年にさせていい訳が無い。

 そう思うのに、

「あっ♡ んっ♡」

 少年に口づけされている部分から這い上がってくる、肌をあわ立たせるようなゾクゾクとした快感に、シャーラは身を震わせ、抑えきれぬ喘ぎを漏らすことしかできなかった。


 つま先から足の甲へ。


「んっ♡ ふっ♡」


 足の甲から足首へ。


「あっ♡ あっ♡ あっ♡」


 足首からすねへ、膝へ、太ももへ、そして────


「~~~~っ!♡」


 その口づけが太ももの内側から脚の付け根へと移動した瞬間、シャーラの体は一度大きく跳ね、そのままビクビクと震え続けた。

 軽い絶頂を、何度も繰り返しているのだ。

 噛み締めた口の端から、涎が垂れていくのが分かる。

 しかしそれを拭うための両手は胸の前で強く握られ、自分の意志では開くこともできそうになかった。

「っ!♡ っ!♡ っ!♡」

 少年がその小さな舌や唇で、皮膚が薄く敏感なVラインを舐めたり吸ったりしながら、徐々に中心へと近づいていっているからだ。

 そこ・・はすでに、洪水と言ってもいいくらいに溢れていた。

 ヌルヌルとした分泌液は尻を伝ってテントの床に垂れ、小さな水たまりを作っているほどだ。

「□×$○&#……」

 少年がシャーラの股間に顔をうずめたまま、何かを呟いた。

 その直後、

「~~~~~~っ!!♡♡」

 少年は、躊躇ちゅうちょも、容赦も、予告もなく、シャーラの秘められた部分を覆い隠す布を横にずらした。

 冷たい空気が、シャーラの性器を舐めた。
 布地から解放されたシャーラの性器は、蒸し暑い室温が冷たく感じるほどに熱くなっていたのだろう。

 その次に感じたのは、熱い空気だ。
 多くの湿度を含むその空気が、どこから発せられたものかなど、考えるまでもない。

 少年が、シャーラの性器を、間近で覗き込んでいるのだ。

「ひゅっ……!!?♡♡♡」

 そして訪れた、これまでに感じたことがない衝撃に、シャーラは目を見開いて鋭く息を吸い込んだ。
 
 ひゅっ、ひゅっ、と喉を鳴らしながら、何度も何度も繰り返し息を吸い込む。


 まさか、そんなわけがない、ありえない……

 
 自分の想像を何度も頭の中で否定しながら、シャーラは恐る恐る視線を自らの股間へと向けた。







 







「っっっ!?!?!?♡♡♡♡」















 そこには、シャーラの想像した『ありえない』光景が繰り広げられていた。















 むき出しになったシャーラの性器にむしゃぶりつく、少年の姿があったのだ。















 ◇










 じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ……



 
 





 狭いテントに、何かを舐めしゃぶるような音が響いていた。










「あっ!♡ あっ!♡ あっ!♡ あんっ!♡」

 だが、それと同時にシャーラの喘ぎ声も響いているので、彼女がフェラチオをしているわけではない。









 
 じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ……










 規則正しいその音は、少年が腰を振るたびに響いていた。










 ────シャーラの狭い膣肉が、少年のチンポに隙間なく絡みつき、まるで舐めしゃぶるような音を立てているのだ。










「あっ!♡ あっ!♡ またっ!♡ イっ!♡ っ!!♡♡ ……~~~~~っ!!!♡♡♡」

 褐色の肢体が仰け反り、シャーラは何度目になるか分からない絶頂を迎えた。
 
「$△#○%……!!」

 その締めつけに合わせて、少年もまた腰の動きを速める。

 シャーラの体の中で唯一ピンク色をしている陰唇が、激しい抽挿により捲れ上がって引きずり出され、またすぐ体内に押し込められていく。

 何度も、何度も。

 
 じゅぽっ! じゅぽっ! じゅぽっ! じゅぽっ!


「~~~っ!!♡♡ ~~~っ!!♡♡ ~~~っ!!♡♡」
 
 シャーラは、まるで子供が『いやいや』をするかのように頭を左右に振りながら、食いしばった歯の隙間から声にならない悲鳴を上げた。


 苦しい。


 あまりにも気持ちよすぎて、イキすぎて────そして幸せすぎて、胸が痛いほどに苦しい。

 体の奥に突きこまれたチンポの先端が子宮を叩くたびに、気が狂いそうなほどの快楽と歓喜が全身を駆け巡り、体だけではなく頭の中までがぐちゃぐちゃに掻き回されている。



 じゅっぽっ! じゅっぽっ! じゅっぽっ! じゅっぽっ! …………ずんっ!!


「……っ!!♡♡」


 びゅーっ! びゅるるっ! どぷっ、どぷっ、どぷっ……


「っっ!!♡♡ っっっ!!!♡♡♡ かはっ…………ひゅ~……、ひゅ~……」


 そして一番奥で少年が達した瞬間、シャーラは全身をこわばらせたあと、詰まらせていた呼吸を解放して脱力した。

 胸の上に倒れ込んできた少年もまた、同じように脱力して体重をあずけ、荒い呼吸を繰り返している。

「…………♡」

 シャーラは、力を入れるのが億劫なほど気だるい右腕をなんとか持ち上げると、目の前にある少年の頭に手を置き、柔らかな黒髪をそっと撫で付けた。

 初めのうち抱いていた不安や恐れは、もはやどこにも残っていない。

 今この瞬間、シャーラの心を埋めて尽くしているのは、少年に対する愛おしさだけだ。
 
「……ちゅっ♡」

 快楽の余韻に浸っている少年の頭に、シャーラはキスを落とした。

 以前の彼女であれば、自分などに愛情を示されては迷惑だろうと思い、決して自分からキスなんてできなかっただろう。


 だが、そんな卑屈な自分を、少年が壊してくれた。


 何度も求めてくれることで。


 愛してくれることで。


 子宮を精液で満たし、妄想でしかなかった『自分の子供を産む』という可能性を与えてくれることで、人を愛してもいいのだと────自分を愛してもいいのだということを、教えてくれた。


「ちゅっ♡」

 
 込み上げる愛しさを形にしたくてもう一度頭にキスを落とすと、それに反応した少年が、ゆっくりと顔を上げた。

 綺麗な夜の色がシャーラを見つめ、そして────



 










 ────ちゅうっ 















 少年の唇が、シャーラの唇に重なった。

 













 シャーラは目を閉じ、全神経を唇に集中させ、少年の柔らかさを、甘さを感じ取った。














 ────もう、死んでもいいねぇ。


 束の間シャーラはそう思い、そしてすぐに、やはりまだ死ぬわけにはいかないと思い直した。

 自分がずっとそばにいることはできないだろうが、少年が幸せに生きていけるかどうかを見届けたいし、もしかしたら、自分の中には新しい命が芽生えているかもしれないのだから。





























 ────ザシュッ!






























 …………だが、そんな彼女の想いを嘲笑あざわらうかのように、テントの外から突き込まれた白刃が、シャーラの喉元へと吸い込まれるように走っていった。
しおりを挟む
感想 89

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

処理中です...