モブ喰い勇者 ~美少女ヒロイン? いえ、興味ありません~

布施鉱平

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異世界の勇者

第七話、冒険者ナイト

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「…………さて」

 ベッドから起き上がったユウは、身支度を整えるとメイに視線を送った。

 うつ伏せのまま気絶したメイのアナルは完全に開ききり、ポッカリと空いた肉の洞窟からは大量の精液が流れ出している。

「ふふっ」

 その光景を見ているとまた股間に熱がたぎるのを感じたが、流石に自制心を働かせ、ユウは情欲を押さえ込んだ。

「〈初級回復ヒール〉」

 メイに回復魔法をかけ、その呼吸が穏やかになったことを確認すると、ユウは部屋を後にした。

 昨日メイを立ちバックで犯した廊下を歩きながら「〈空間倉庫ストレージ〉」と呟き、空中に手を掲げる。
 すると、何もない空間に黒い穴が開いた。

 ユウの手がそこに吸い込まれていき、またすぐに出てくる。

 その手には、先程までは持っていなかった白い仮面が握られていた。
 
 そしてユウは目元の部分だけを隠すその仮面を装備すると、まだ日の高い外の世界へと歩み出ていくのだった。




 ◇


 ────ドーマ王国。

 ユウが召喚されたエーギル王国の遥か東方に位置する海洋国家であり、主な財源を海運によって得ている商業国家でもある。
 
 国の面積こそ小さいが、多種多様な人、物、文化が入り込むことによって独自の成長を遂げており、技術や文化の発展具合で言うならば、ほかのどの国よりも先に進んでいるといっていい国だ。

 その首都であるベリアの都に、ユウの購入した屋敷はあった。

 ベリアは海と接してはいないが、ドーマ王国の主要な街道を結ぶ地点に置かれており、その盛況さは港町の比ではない。

 荷馬車がすれ違えるよう、幅広く作られた石畳の道の左右にはいくつもの露店が立ち並び、呼び込みの声や値段交渉をする人の声が途切れることなく響いている。

 そんな喧騒の中を、ユウは歩いていく。

 目的地は、商業地区から少し外れた場所にあるギルド地区。
 
 異世界ものではお馴染みの、冒険者ギルドがある場所だ。

 ギルド地区に近づくに従って、道行く人々の雰囲気が荒事を生業とする者のそれへと代わる。

 ユウはそれに物怖じする様子もみせずに歩き続け、レンガ造りの頑丈そうな建物の前へとたどり着いた。

 大きく頑丈な扉を押し開き、その中に入っていく。
 
 商業地区とはまた違う野太い声の喧騒が聞こえていたが、中に入ったユウに視線が集中した瞬間から、その声は次第に小さくなっていった。

 冒険者ギルドの中を進むユウの耳に、他の冒険者たちの囁く声が聞こえてくる。

「…………おい、あれ例のA級冒険者じゃないか?」
「ああ、なんでもたった半年でA級に昇格したっていう…………」
「あれが最もS級に近いと言われる『ナイト』か…………」

 ユウはこの世界に召喚されたあと、魔王討伐の旅をする傍らで『ナイト』という偽名で冒険者活動を行っていた。
 勇者である『ユウ』の名前は余りにも知名度が高すぎるため、自由に活動することが難しくなってしまうからだ。
 
 もちろん、ドーマ王国の国王や信頼の置ける重臣たち、それに冒険者ギルドのごく一部の者はナイトの正体がユウであることを知っている。

 知っているうえで、その正体は決して明かさないことを約束をしていた。
 それが、ユウがこの国に居住する代わりに出した条件だからだ。

「ナイト様! 来ていただけて光栄です!」

 冒険者ギルド内を進んでいたユウ────ナイトに声を掛けてきたのは、ベリアギルドで最も可愛いと噂の受付嬢、メリンダだ。
  
 メリンダは今まで何人もの冒険者を虜にしてきた笑顔を浮かべながら、ナイトの下に小走りで近づいてくる。

「今日はなにかご依頼を受けていただけるのですか? でしたら私が────」
「いえ、すみませんメリンダさん。僕の受付担当はもう決まってますので」

 自慢の笑顔を引きつらせるメリンダをスルーして、ナイトはいつもの受付嬢の前に立つ。

「やあ、今日もよろしく頼むよ、スー」
「は、はい、よろしくお願いします、ナイト様…………///」

 ナイトに女殺しの笑顔を向けられ、顔を真っ赤にしながら上目遣いでもじもじと対応するのは、ベリアギルドで一番地味だと言われている受付嬢のスー。

 何を隠そう彼女もまた、地味専勇者に目をつけられた女性のひとりだった。

 
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