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エルフのお婿さん
英雄の祈り
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「…………」
薄暗い家畜牧場の中、ジャックはひとり目を瞑り、じっと何かを思案するような表情で座り込んでいた。
ジャックが考えていること────それはもちろん、連れ去られて行った良夫のことだ。
(ヨシオさん……無事でいてくれればいいが……)
ジャックがエルフに捕らえられ、この里に連れてこられた当初。
牧場には、ジャックの他に二人の男が捕らえられていた。
話を聞くと、どうやらジャックと同じ依頼を受けて回春草を採取しに来た冒険者たちのようだったが……その彼らは、すでにいない。
エルフたちに絞りとられて枯れ果て、もう使い物にならなくなったからと、ほんの数日でどこかに連れて行かれてしまったのだ。
彼らがその後どうなったのか、ジャックは知らない。
もう二度と、ここには戻ってこなかったからだ。
良夫が連れて行かれた理由が、彼らと同じように『使い物にならなくなった』と判断されたからではないだろうが、前例がある以上、心配するなと言うほうが無理な話である。
ましてや、これまでに良夫が相手にしてきたのは、まだ未熟さの残る若いエルフたちばかりなのだ。
もし、つれて行かれた先にアレらが待ち構えていたとしたら……
────ブルリッ
ジャックは、大樹組と呼ばれるエルフたちの相手をさせられた時のことを思い出し、体を震わせた。
キツすぎる締まり、尽きることのない性欲……それだけではなく、長く生きてきたからなのか性癖がこじれている者も少なくはなかった。
舌が痺れるまでクンニをさせ続ける者、親娘ロールを強要してくる者、わざわざジャックに服を着させ、なぜかそれを引きちぎってからでないとセックスしない者……
中には、子作りが目的だというのにアナルセックスにしか興味のない者もいた。
外見も年齢と比例する訳ではないらしく、人間であればどう見ても○0代前半くらいにしか見えない幼児体型のエルフにセックスを迫られ、「子供とはできない」とそれを断ったら「もう600歳を超えているから大丈夫!」と言われて、さすがのジャックもショックを受けたものである。
────エルフの本当の恐ろしさを、良夫はまだ知らない。
……いや、今まさに、思い知っている最中なのかもしれない。
ジャックが心配しているのは、良夫の体と言うよりも、むしろ心の方なのであった。
どれだけ良夫が対エルフに特化したチンポの持ち主だとはいえ、心までもが鋼のように硬い、ということはないだろう。
良夫は明言していなかったが、ジャックは良夫のことを『特殊な血統を受け継いできた王族』だと思っている。
そしてその目的まで読み切れてはいないが、おそらくはこの里のエルフに対して『楔』のようなものを打ち込みに来たのではないか、とジャックは推察していた。
例えば、そのチンポで有力なエルフを虜にし、里の中で内乱を起こしてエルフを同士討ちさせるつもりなのかもしれない。
もしくはこの里の全てを掌握し、エルフの戦闘能力を利用して敵対する国を滅ぼすつもりなのかもしれない。
何にせよ、エルフを籠絡する訓練を良夫は積んできたはずだ。
しかし、実際のエルフの生態など誰にも分かるはずがない。
エルフに捕まって帰ってきた者など、ジャックの知る限りでは一人も居ないのだから。
だとすれば、彼女たちの特殊な性癖まで想定した訓練は、積んでいないはずなのである。
エルフの変態的な要望に応えきれず、良夫の心が折れてしまわないか…………
それが、ジャックの心配していることだった。
ジャックは、まだ出会ってからたった二日しか経っていないが、良夫のことを好きになっていた。
もちろん性的な対象としてではなく、友人としてである。
初めて見たときは新種のオークかと思ったが、慣れてくれば平たい顔の作りにも全体的に丸い肉体にも愛嬌があるし、何より王族(だとジャックは思っている)だというのに全く偉ぶらないその態度に好感が持てた。
そして何よりエルフに対して一切の怯えを見せず、それどころか複数を相手にして見事返り討ちにしてしまったその男らしさに、ジャックは惚れてしまったのだ。
もちろん、性的な対象としてではなく。
だから────
「生きて、帰ってきてくれよ。ヨシオさん……」
ただ祈ることしか出来ないが、だからこそ、ジャックはその祈りを言葉にした。
もう一度、あのオーク似の友人の笑顔が見たい。
強く、その願いを込めて。
────もちろんジャックには、すでにこの時、良夫がアナルセックスによってルルを失禁気絶させていたことなど知る由もなかった。
それどころか、この里の最有力者である里長のレムを執拗なクンニで失禁寸前まで追い込んだあげく、さらにその処女まで奪っていることなど、想像出来るはずもなかったのである。
ジャックの心配とは裏腹に、当の良夫はレムの豊満な肉体を抱きしめながら、幸せいっぱいでスヤスヤと眠りについている最中なのであった……
薄暗い家畜牧場の中、ジャックはひとり目を瞑り、じっと何かを思案するような表情で座り込んでいた。
ジャックが考えていること────それはもちろん、連れ去られて行った良夫のことだ。
(ヨシオさん……無事でいてくれればいいが……)
ジャックがエルフに捕らえられ、この里に連れてこられた当初。
牧場には、ジャックの他に二人の男が捕らえられていた。
話を聞くと、どうやらジャックと同じ依頼を受けて回春草を採取しに来た冒険者たちのようだったが……その彼らは、すでにいない。
エルフたちに絞りとられて枯れ果て、もう使い物にならなくなったからと、ほんの数日でどこかに連れて行かれてしまったのだ。
彼らがその後どうなったのか、ジャックは知らない。
もう二度と、ここには戻ってこなかったからだ。
良夫が連れて行かれた理由が、彼らと同じように『使い物にならなくなった』と判断されたからではないだろうが、前例がある以上、心配するなと言うほうが無理な話である。
ましてや、これまでに良夫が相手にしてきたのは、まだ未熟さの残る若いエルフたちばかりなのだ。
もし、つれて行かれた先にアレらが待ち構えていたとしたら……
────ブルリッ
ジャックは、大樹組と呼ばれるエルフたちの相手をさせられた時のことを思い出し、体を震わせた。
キツすぎる締まり、尽きることのない性欲……それだけではなく、長く生きてきたからなのか性癖がこじれている者も少なくはなかった。
舌が痺れるまでクンニをさせ続ける者、親娘ロールを強要してくる者、わざわざジャックに服を着させ、なぜかそれを引きちぎってからでないとセックスしない者……
中には、子作りが目的だというのにアナルセックスにしか興味のない者もいた。
外見も年齢と比例する訳ではないらしく、人間であればどう見ても○0代前半くらいにしか見えない幼児体型のエルフにセックスを迫られ、「子供とはできない」とそれを断ったら「もう600歳を超えているから大丈夫!」と言われて、さすがのジャックもショックを受けたものである。
────エルフの本当の恐ろしさを、良夫はまだ知らない。
……いや、今まさに、思い知っている最中なのかもしれない。
ジャックが心配しているのは、良夫の体と言うよりも、むしろ心の方なのであった。
どれだけ良夫が対エルフに特化したチンポの持ち主だとはいえ、心までもが鋼のように硬い、ということはないだろう。
良夫は明言していなかったが、ジャックは良夫のことを『特殊な血統を受け継いできた王族』だと思っている。
そしてその目的まで読み切れてはいないが、おそらくはこの里のエルフに対して『楔』のようなものを打ち込みに来たのではないか、とジャックは推察していた。
例えば、そのチンポで有力なエルフを虜にし、里の中で内乱を起こしてエルフを同士討ちさせるつもりなのかもしれない。
もしくはこの里の全てを掌握し、エルフの戦闘能力を利用して敵対する国を滅ぼすつもりなのかもしれない。
何にせよ、エルフを籠絡する訓練を良夫は積んできたはずだ。
しかし、実際のエルフの生態など誰にも分かるはずがない。
エルフに捕まって帰ってきた者など、ジャックの知る限りでは一人も居ないのだから。
だとすれば、彼女たちの特殊な性癖まで想定した訓練は、積んでいないはずなのである。
エルフの変態的な要望に応えきれず、良夫の心が折れてしまわないか…………
それが、ジャックの心配していることだった。
ジャックは、まだ出会ってからたった二日しか経っていないが、良夫のことを好きになっていた。
もちろん性的な対象としてではなく、友人としてである。
初めて見たときは新種のオークかと思ったが、慣れてくれば平たい顔の作りにも全体的に丸い肉体にも愛嬌があるし、何より王族(だとジャックは思っている)だというのに全く偉ぶらないその態度に好感が持てた。
そして何よりエルフに対して一切の怯えを見せず、それどころか複数を相手にして見事返り討ちにしてしまったその男らしさに、ジャックは惚れてしまったのだ。
もちろん、性的な対象としてではなく。
だから────
「生きて、帰ってきてくれよ。ヨシオさん……」
ただ祈ることしか出来ないが、だからこそ、ジャックはその祈りを言葉にした。
もう一度、あのオーク似の友人の笑顔が見たい。
強く、その願いを込めて。
────もちろんジャックには、すでにこの時、良夫がアナルセックスによってルルを失禁気絶させていたことなど知る由もなかった。
それどころか、この里の最有力者である里長のレムを執拗なクンニで失禁寸前まで追い込んだあげく、さらにその処女まで奪っていることなど、想像出来るはずもなかったのである。
ジャックの心配とは裏腹に、当の良夫はレムの豊満な肉体を抱きしめながら、幸せいっぱいでスヤスヤと眠りについている最中なのであった……
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