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龍と晴と華夜
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私達はいつも一緒だった。
幼馴染の1人、真っ赤な髪をした龍の両親は鬼神、いわゆる鬼に変化しすることが出来、今6歳になる 彼自身もすでに鬼の角が生えていた。
もう1人の幼馴染の青い髪の晴の両親は八咫烏、いわゆる烏に変化することが出来て、5歳になる彼もすでに烏に変化出来ていた。
私の名前は華夜。5歳。父は鬼神、母は妖狐。二つ上の兄はすでに鬼として角が生えていた。
でも私には何も起きない。母みたいに狐の耳も父や兄みたいに角も生えていない。
確かにまだ変化が起きてない者もたくさんいるし、周りの人達にもこれからだと言われている。
でもこの時から私は何となく嫌な予感がしていた。
もしかしてヒトになるんではないかと…。
「華夜!遊びに行こうぜ!!」
「華夜ちゃん。近くの公園まで行こうよー。」
「うん。行く!」
私達の棲んでいる所は山の中でもオニの棲む場所としてはかなり大きい街と言われている。
結界が張られている為、人間に気付かれることはなく、家の作りは山の中でも人間と変わらないらしい。
ヒトはオニの棲む世界に戻れないが、オニは姿を隠して人間の世界に行き、色々な便利な技術を学び、それをオニの世界で広める為あまり変わらないのだそうだ。
なので山の中だがマンションもビルも沢山あるし、この街にはオニの世界の偉い立場の者が沢山住んでいる。言わば人間の世界で言えば首都と呼ばれる街だった。
オニの世界では変化が強ければ強いほど強いオニと認められて、いわゆるエリート扱いになる。
逆に変化が弱い者はなれる仕事が限られてくるのだった。
私の親や龍と晴の親は強いオニとしてこのオニの世界では名前の知らない者はいなかった。
龍のお父様はオニの世界の政治家で一番偉い首相をされている。
晴のお父様は龍のお父様の補佐をされていて、副首相の立場でいらっしゃる。
そして私のお父様は龍のお父様と晴のお父様の補佐をしていて、官僚のお仕事をされている。
その為それぞれの家族同士仲良くて、年の近い私達は気付いた時から一緒にいた。
何をするのもどこに行くのも一緒だった。
「華夜、つい最近晴が烏になれたんだけど、まだ飛べなかったのにもう飛べるようになったんだぜ!晴の年で変化するだけでもスゲェのにちゃんと変化を維持して烏として飛べるなんて、スゲェよな!」
「やめてよ、龍。なんとなく出来ただけだし、その時はたまたまだよ。今も出来るかなんて分かんないし。」
「その為にも今から公園に行くんだろー。晴の練習の成果を華夜にも見せてやらないとだろ!」
「え?その為に今日公園に行くの?そんなの嫌だよ。絶対見せないからね。」
「華夜も見てみたいよな?晴の飛ぶとこ!」
「華夜ちゃんも見てみたい?僕の飛ぶとこ…?」
2人が楽しいそうに笑っていて楽しそうに変化の話をしていても、私はすぐに反応出来なかった。
自分は変化出来なくて、何も変化がないことがこの時の私はずっと悩んでいた。
「華夜?」
「華夜ちゃん?」
「え…?あ、ごめん。ちょっとボーッとしてただけ。うん。私も晴が飛ぶとこ見てみたい。でも無茶はしないで…。怪我するところは見たくないもん。」
「華夜ちゃん…。」
「大丈夫だろ。もし晴が怪我しても華夜の能力で治してやればいいじゃん。」
「私の治癒能力だって万能じゃないんだよ。もし晴がおっきい怪我したら治せないかもしれないじゃん。」
「いやいや、治癒能力をすでに使えるってだけですごいのにそれを完璧に使いこなせる華夜が治せないわけないじゃん。それに華夜は華夜のおばさんの能力でもある幻惑ももう使えるんだろう?」
私達オニには変化以外にもそのオニ特有の能力が使える。その能力は様々で使えても使いこなすのが難しく5歳になる私が二種類の能力をただ使えるだけじゃなく、範囲、効果それぞれ使いこなしていることは稀だった。
でも能力があるから、使えるからと言ってオニではない。
やはり見た目が変わることがこのオニの世界の掟だった。
「能力使えても怪我している所は見たくないよ…。幻惑だって使えても結局まだオニじゃないもん…。」
「華夜、さっきボーッとしてたのはまたそれを悩んでたのかよ。気にすんなよ!確かに俺とか晴とかは変化してるけど、それだってだいぶ早いんだ。華夜のにいちゃんだって最近角が生えたんだろ?華夜はおばさん似だし気付けば尻尾とか生えてくるよ!だからあんま悩むなよ!」
「そうだよ。華夜ちゃん。大丈夫だよ。んじゃ華夜ちゃんの元気が出るように僕も頑張って飛ぶよ!」
いつも私がそのことで落ち込むと龍と晴は慰めてくれた。
その度に少し前を向けた。
「うん。ありがとう。」
その度に笑顔に戻れた。
どんなに辛く、みんなからまだ変化しないのかと親戚に言われてもこの2人がいつも私を支えてくれていた。
龍の明るさに元気をもらって、晴の優しさに心を休ませていた。
それが私達の毎日だった。
どんどん年齢を重ねて、オニの小学校に入って、皆が少しずつオニになっていて…。小学校の高学年ぐらいになると結構な人数がオニになっていて、周りからオニになれないことでからかわれる度に龍や晴が助けてくれた。
その度に申し訳なさと感謝にあふれていた。
いつも龍は「気にするなよ!大丈夫だから!」と言ってくれて、晴は「華夜ちゃん。気にしちゃダメだよ。まだ時間はあるし、焦らなくて大丈夫だよ。」って励ましてくれた。
ただ一つずつ年を取る度に焦る気持ちだけが募っていき、遂には中学に上がっても私に変化の兆しは見られなった…。
幼馴染の1人、真っ赤な髪をした龍の両親は鬼神、いわゆる鬼に変化しすることが出来、今6歳になる 彼自身もすでに鬼の角が生えていた。
もう1人の幼馴染の青い髪の晴の両親は八咫烏、いわゆる烏に変化することが出来て、5歳になる彼もすでに烏に変化出来ていた。
私の名前は華夜。5歳。父は鬼神、母は妖狐。二つ上の兄はすでに鬼として角が生えていた。
でも私には何も起きない。母みたいに狐の耳も父や兄みたいに角も生えていない。
確かにまだ変化が起きてない者もたくさんいるし、周りの人達にもこれからだと言われている。
でもこの時から私は何となく嫌な予感がしていた。
もしかしてヒトになるんではないかと…。
「華夜!遊びに行こうぜ!!」
「華夜ちゃん。近くの公園まで行こうよー。」
「うん。行く!」
私達の棲んでいる所は山の中でもオニの棲む場所としてはかなり大きい街と言われている。
結界が張られている為、人間に気付かれることはなく、家の作りは山の中でも人間と変わらないらしい。
ヒトはオニの棲む世界に戻れないが、オニは姿を隠して人間の世界に行き、色々な便利な技術を学び、それをオニの世界で広める為あまり変わらないのだそうだ。
なので山の中だがマンションもビルも沢山あるし、この街にはオニの世界の偉い立場の者が沢山住んでいる。言わば人間の世界で言えば首都と呼ばれる街だった。
オニの世界では変化が強ければ強いほど強いオニと認められて、いわゆるエリート扱いになる。
逆に変化が弱い者はなれる仕事が限られてくるのだった。
私の親や龍と晴の親は強いオニとしてこのオニの世界では名前の知らない者はいなかった。
龍のお父様はオニの世界の政治家で一番偉い首相をされている。
晴のお父様は龍のお父様の補佐をされていて、副首相の立場でいらっしゃる。
そして私のお父様は龍のお父様と晴のお父様の補佐をしていて、官僚のお仕事をされている。
その為それぞれの家族同士仲良くて、年の近い私達は気付いた時から一緒にいた。
何をするのもどこに行くのも一緒だった。
「華夜、つい最近晴が烏になれたんだけど、まだ飛べなかったのにもう飛べるようになったんだぜ!晴の年で変化するだけでもスゲェのにちゃんと変化を維持して烏として飛べるなんて、スゲェよな!」
「やめてよ、龍。なんとなく出来ただけだし、その時はたまたまだよ。今も出来るかなんて分かんないし。」
「その為にも今から公園に行くんだろー。晴の練習の成果を華夜にも見せてやらないとだろ!」
「え?その為に今日公園に行くの?そんなの嫌だよ。絶対見せないからね。」
「華夜も見てみたいよな?晴の飛ぶとこ!」
「華夜ちゃんも見てみたい?僕の飛ぶとこ…?」
2人が楽しいそうに笑っていて楽しそうに変化の話をしていても、私はすぐに反応出来なかった。
自分は変化出来なくて、何も変化がないことがこの時の私はずっと悩んでいた。
「華夜?」
「華夜ちゃん?」
「え…?あ、ごめん。ちょっとボーッとしてただけ。うん。私も晴が飛ぶとこ見てみたい。でも無茶はしないで…。怪我するところは見たくないもん。」
「華夜ちゃん…。」
「大丈夫だろ。もし晴が怪我しても華夜の能力で治してやればいいじゃん。」
「私の治癒能力だって万能じゃないんだよ。もし晴がおっきい怪我したら治せないかもしれないじゃん。」
「いやいや、治癒能力をすでに使えるってだけですごいのにそれを完璧に使いこなせる華夜が治せないわけないじゃん。それに華夜は華夜のおばさんの能力でもある幻惑ももう使えるんだろう?」
私達オニには変化以外にもそのオニ特有の能力が使える。その能力は様々で使えても使いこなすのが難しく5歳になる私が二種類の能力をただ使えるだけじゃなく、範囲、効果それぞれ使いこなしていることは稀だった。
でも能力があるから、使えるからと言ってオニではない。
やはり見た目が変わることがこのオニの世界の掟だった。
「能力使えても怪我している所は見たくないよ…。幻惑だって使えても結局まだオニじゃないもん…。」
「華夜、さっきボーッとしてたのはまたそれを悩んでたのかよ。気にすんなよ!確かに俺とか晴とかは変化してるけど、それだってだいぶ早いんだ。華夜のにいちゃんだって最近角が生えたんだろ?華夜はおばさん似だし気付けば尻尾とか生えてくるよ!だからあんま悩むなよ!」
「そうだよ。華夜ちゃん。大丈夫だよ。んじゃ華夜ちゃんの元気が出るように僕も頑張って飛ぶよ!」
いつも私がそのことで落ち込むと龍と晴は慰めてくれた。
その度に少し前を向けた。
「うん。ありがとう。」
その度に笑顔に戻れた。
どんなに辛く、みんなからまだ変化しないのかと親戚に言われてもこの2人がいつも私を支えてくれていた。
龍の明るさに元気をもらって、晴の優しさに心を休ませていた。
それが私達の毎日だった。
どんどん年齢を重ねて、オニの小学校に入って、皆が少しずつオニになっていて…。小学校の高学年ぐらいになると結構な人数がオニになっていて、周りからオニになれないことでからかわれる度に龍や晴が助けてくれた。
その度に申し訳なさと感謝にあふれていた。
いつも龍は「気にするなよ!大丈夫だから!」と言ってくれて、晴は「華夜ちゃん。気にしちゃダメだよ。まだ時間はあるし、焦らなくて大丈夫だよ。」って励ましてくれた。
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