我が身可愛さに行動したら取り返しのつかない結果になった。

かんだ

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23.確信

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 23.確信
 
 殊更ゆっくりとした言い方に、俺はあからさまに動揺してしまった。人の機微に聡いテオが気付かないわけがない。
 俺が口を開く前にテオは続けた。
「おかしいと思っていたんだ。メリットがないのに俺を助ける理由が分からなかった。仮に完全なる人助けだとして、自他共に親子のような関係だと認める陛下に俺の存在を伝えないのはおかしい。俺との関係を隠すということはバレると困るからだろう。だが、大魔法使い様を困らせられるような事案なんてあるか? 魔法は完璧ではないが、大魔法使い様に至っては完璧に近い。何せ、創世神話の女神様の生まれ変わりと言われるくらいだからな。何でも出来る存在が俺を助け俺の神力を魔力に変えて取り込み、それを陛下に伝えずにいる。自身の魔力が使えないから、という理由ならまあ理解出来る。そう仮定してお前を観察してみたところ、魔法を使わなくなる周期が分かった。俺に処置をする前の数日間だ。そして、先ほどの動揺。合っているだろう?」
 疑問符をつけているが確信的な言い方だった。
 百点満点の正解に冷や汗が流れる。ただそばにいただけではなかったらしい。鋭い観察眼に心臓が逸る。
「お前は詰めが甘い。何でも出来て脅威などない世界で生きてきた弊害だろうな」
 テオはクスッと笑って目の前に立った。あまりの近さに驚き、反射的に顔を見上げる。
「俺にはルネが必要だが、ルネにも俺が必要だろう。なのに、俺の機嫌を損ねてどうする?」
「……待って、ちょっと、落ち着きたい」
「今の話が俺の勘違いなら、魔法を使って証明してくれ。ちょうど処置をしたい頃合いだから難しいと思うがな」
 そのとおりだ。今の俺は大した魔法は使えない。テオから取り込んだ分が少なくなっている中で、先程回復することに魔力を使ってしまったからだ。
 今、何の魔法も使わずにいるというのは肯定したと同意だった。
「ルネ、俺たちには俺たちしかいない。お互いを尊重し優先し合わなければならない」
 テオの両手が頬を包む。顔が近付いてきたと思ったら唇へとキスをされた。触れるだけのそれだ。
「こんなに激昂したのは初めてだ。だが、そのおかげで、俺にとってお前が特別だと確信することが出来たよ」
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