我が身可愛さに行動したら取り返しのつかない結果になった。

かんだ

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6.訪問者

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 そうだよな。するしかないよな。そもそも、早く魔法が使えないことを言わないと陛下から依頼があった時に困る。例え厳しい罰を与えられたとしても、自業自得なのだから素直に受け入れる他ない。
 俺は精一杯足に力を入れて起き上がり、陛下の元へ参上しようと決めた。そして、解決策は陛下に決めてもらおう。
「……はぁ」
 止まらない溜め息を吐きながら魔塔の専用研究室を出る。長い廊下を進みながら従者のセルジュを探す。魔塔は王宮から大して離れていないため一人で行くつもりだが、一応留守にすることは伝えておこうと思ったのだ。研究室の隣室がセルジュの専用室だが、そこにはいなかった。他の魔法使いにセルジュの居場所を聞けば、外で訪問者の対応をしているとのことだった。
「訪問者って? セルジュに?」
「いえ、ルネ様にですよ。まあまあしつこいらしくてその対応をしています」
 珍しい。俺への依頼というのも、セルジュが対応しているということも。
 魔法使いへ依頼をしたい場合、魔塔の一階にある受付窓口に行く。そこに窓口専任の職員がおり、依頼内容を捌いているのだ。セルジュは俺の専属従者であるため、窓口業務や訪問者の対応をすることはないし、俺は陛下の専属魔法使いであると公示されているため俺への依頼がくることもない。そもそもこの国の魔法使いは優秀であり、わざわざ俺に依頼する必要もないのだ。あっても助言をするくらい。
「何でセルジュが?」
「その方が関係者出入口で待ち伏せをしていたらしくて。そこは魔法使いにしか分からないはずなのに」
「じゃあ魔力を持っているんだ」
 中に入れなくても、魔力を持っていれば隠されたそこを見つけることは出来る。さすがに入ることは出来ないだろうが。
「だと思います。運悪く外に出たのがセルジュ殿でして、ルネ様にお会いしたいと頑なに動こうとしないんですよ」
「へー。俺に依頼かな?」
「ですがルネ様が国王陛下の専属だということは国民の誰もが知っていることなのに」
「じゃあ外国の人とか?」
「あり得なくはないですね。ルネ様以上の魔法使いはいませんから」
 とにかくセルジュは面倒な目に遭っているらしい。
 俺は様子を見に行こうと関係者出入口を目指した。少しだけ扉を開けて木々が広がる向こう側を覗く。視線を動かせばそこにはセルジュがいた。背を向けている。対峙している相手は大きかった。ローブで殆どが隠されているため様相は分からない。耳を澄ませば二人の会話が聞こえてきた。
「だから、大魔法使い様は国王陛下の専属なんですよ。王命がなければ対応出来ません」
「それは何度も聞いた。とにかく話だけ聞いてもらえれば良いと言っているだろう? 誰が応えてくれと言った」
「だから、何度も言っていますけど、王命がなければそれさえもダメなんですよ」
「ここの大魔法使い様はそんなに行動が制限されているのか? 何一つ自分では物事を考えられないのか?」
「そうですよ」
 ……いや、別にそうじゃないよ。ちゃんと考えられるよ。
 多分面倒で肯定しただけだろうけど、否定するところは否定して欲しい。
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