我が身可愛さに行動したら取り返しのつかない結果になった。

かんだ

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10.状況把握

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「最初は魔力が多過ぎて体が耐えられないと思っていた。生まれた時から俺はそのせいで日常生活を送るのもままならなかった。眠っている方が多かったくらいだ。多くの魔法使いに見てもらって、魔力を減らす方法を試したりもしたが何一つ解決に至らなかった。数年前にやっと、俺の体にある魔力は魔力ではない、という仮定が生まれた」
 魔力量が多くて体が耐えられないということはほぼあり得ないが、絶対にゼロではない。ここ数十年はないが、遠い過去の事例で読んだことがある。その者は成人を迎える前に衰弱し死んだらしい。
「今年二十三になったが、歳を重ねる毎に体が言うことを聞かなくなって、内臓への負荷が大きくなってきた。吐血は当たり前だし、一月の半分は起き上がれない。体調が良い時がない。全ての病気と大怪我を一気に負っているようなイメージだ」
 想像もしたくないくらい大変そうだが、それにしては男の体格は良過ぎるなと思った。歳は男の方が一つ上だが、体の作りが全く違うように見える。俺は貧弱、男は騎士団員と言われてもおかしくない外見だ。
 俺のそれが伝わったのか、男は小さく笑ってから答えた。
「起きている時は、なるべく時の流れを止めた亜空間にいるようにしている」
「あぁ、なるほど。亜空間を作れる魔法使いがいるのか。優秀だな」
 それなら納得だ。時が止まっているならいきなり眠ってしまうこともない。
「亜空間は長くはいられないってところが難点だがな。魔力じゃない力のせいで、どうにも出来ない。このままなら数年もせず俺は死ぬ」
 妥当だな。体が耐えられないなら、むしろ今生きていることさえ奇跡的かもしれない。亜空間を作れることもだが、男を今も生き長らえさせているのだから男の協力者は相当優秀だ。
「だから、これは呪いだと言う者も多い」
「ふーん」
「……怖くないのか?」
「まだ俺自身で確かめていないし」
 呪いは怖い。発動者の命も構築式に組み込まなければならないから簡単に解除は出来ない。
 だが、男が呪われているかどうか、まだ俺は確認していない。真実かも分からないことに気を揉むなんて時間の無駄はしない。
「本当に呪いだったら面倒だけどね」
「簡単に言うんだな。呪いだと決め付ける周りは顔すら見せないのに」
 そりゃあそうだ。魔法使いでさえ呪いには関わりたくないのだから、一般人だったら呪いの可能性があるだけでも近付きたくないだろう。
「呪いかどうか確かめる術も対抗する術もない人間なら、怖がって当たり前だろ。むしろ未知に対して怖がるなと言うほうが横暴だ」
 思ったままを言えば、男はジッと俺を見つめた。……もしかして、気分を害したのだろうか。
「まあそんな気にするなよ。呪いだったら顔を見せなくなった奴らが正しかったってことでホッと出来るし、呪いじゃなかったら惑わされて馬鹿だなって思えば良いじゃん」
 気分を害されて襲われては堪らない。笑いながら呪いについて締めれば、男は「はは」っと軽く笑った。
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