36 / 87
第1章 約束と再会編
第36話 よかった
しおりを挟む
「安心して、エレシュキガル――――もう大丈夫だよ」
幻かと思った。
夢を見ているようだった。
「アーサー様……?」
力は底についていた。
だが、私は何とか声を絞り出し、彼の名を呼ぶ。
血まみれの手を彼へと伸ばした。
「大丈夫だよ、エレちゃん。今助けるから」
彼もこちらに向き直り、レイピアを振った。
すると、薔薇の蔓に火が付く。私に絡まる蔓が燃えるが、熱くはなかった。
優しい温かな炎だった。
全て燃え尽きると、私の体は解放され、前へと倒れていく。
上手く力が入らない。このままじゃ顔から倒れちゃう――――。
「おおっと……危ない、危ない」
だが、地面に倒れ込む前に、アーサー様の胸に飛び込んだ。
彼はいつの間にか私の目の前まで来ていた。
彼の胸は温かった。
そこに私は顔をうずめる。花の香りがした。
「…………アーサー様、なぜここにいるのですか」
ここにいるなんて言ってなかったはずだ。
ブリジット様とお茶するのも今日の朝決まったことだもの。
知るにしても、タイミングがなかったはずだ。
顔を上げると、安心したような、でも、心配そうな不安定な表情を浮かべるアーサー様がいた。
「それはエレちゃんのピンチだったからさ」
「…………」
「でも、こんなに傷だらけにさせてしまったのだけれど、遅くなってごめんね」
「いえ……」
助けていただけただけでも、よかった。
彼が来ていなかったら、私は今頃この世にはいなくなっていたのかもしれないから。
「こんなに棘が刺さって、ごめんね。痛い思いさせたね。ごめんね」
アーサー様はそう何度も謝りながら、私に回復魔法をかける。
全身にあった傷が消えていき、元どおりに戻った。
「ありがとうございます」
「いいえ」
だが、精力を吸われたせいか、体に思うように力は入らない。
立ち上がることもできなかった。
「無理しなくてもいいよ。僕まだすることがあるから、一時そこに座って待っててくれる?」
「はい」
自分が着て居たコートを私の肩にかける。
もう一度ニコリと笑うと、私に背を向け、レイピアを片手に彼女に向き合った。
「で、殿下……なぜここに!?」
ブリジット様もアーサー様の登場を意外に思ったのか、声を上げる。
「なぜって? それは君が僕の婚約者を傷つけたからだよ」
「でも、ここはラストナイト家の所有地で――」
「それが何?」
「…………」
レイピアを持つアーサー様の手には力が入り、全身から凄まじいオーラを感じた。
背中だけで分かる。
彼は怒っている。
私を傷つけたことに、激怒していた。
ブリジット様は息を呑み、圧倒されたのか、瞳が揺れている。
「私はただ……ただ! 殿下のために、あの女を離そうと――」
「それで、僕の大切な人を殺す? それは僕のためじゃない。君だけのためだ。そんなお節介、僕たちには必要なかった」
「ス、スカーレットが話していたのです! あの女は厄災を招くと! どうか信じてください! ご理解くださいませ!」
「エレシュキガルは厄災なんかじゃない。適当なことをほざくな」
「いえ! 適当なことは何一つ――」
「それ以上しゃべるな! もうでたらめを言うのはやめろ。エレシュキガルを悪くいうのもやめろ。二度とするな」
アーサー様が強く言うと、ブリジット様は膝から崩れ落ち、ガクリと頭を下げ、俯むく。
「なぜですか……なぜ私のことを信じてくださらないのですか……」
その後はもう何もしゃべらなくなっていた。
一方、アーサー様はブリジット様に話しかけることはなく、ポケットから何か取り出した。
あれは手鏡?
アーサー様が取り出したのは手のひらに収まる小さな手鏡だった。
彼はその手鏡に向かって「リリィ」と話し始めた。
「リリィ、僕の所に来れるかい?」
『いいえ、無理ですね。殿下のところへ行きたいのはやまやまですが、殿下のおられる場所はいささか遠い場所でして、少々時間がかかるかと』
「遠い? 学園にいるから、寮からはそんなに遠くはないと思うけれど」
『いえ、殿下のおられる場所は学園ではないようですよ。殿下の指示通り、ブリジット様が管理されていたというサロンの庭に来ましたが、殿下のお姿が見つかりません。もぬけの殻です。殿下、一体どこに転移したのですか?』
その瞬間、空気が揺らぐ。
圧が波のように全身に襲ってきた。
「もういいわ。2人とも、こロシてヤル――」
先ほどまで俯いていたブリジット様。
顔を上げた彼女の白目は黒く、黒かった瞳は赤く奇妙な輝きを放っていた。
彼女の顔には目を覆うような奇妙な紋章が浮かび上がっていた。
嫌な予感がした。
「アーサー様!」
結界魔法を展開。
自分とアーサー様の体を守るようにバリアを張った。
「アーサー様、ブリジット様を……殺しはしませんよね」
「うん。殺したい気持ちはなくはないけれど、でも、あの紋章が出たってことは――」
「はい。確実に魔王軍に操られています」
前線で戦っていた頃、仲間が操られて帰ってきた時があった。
その時は、解除方法が分からず、味方がやられていく一方なので、殺すしかなかった。
仲間を殺すのは辛かった。辛くて、一時殺してしまったことを悔やんだ。
だけど、今は知ってる。あの解除を方法を、私は知っている。
「アーサー様、ここは私に任せてください」
「ダメだ。これ以上は無理させたくない」
「大丈夫です。私なら、彼女を救えます」
彼女は私に死んでほしいと願った。
だけど、それは私がブリジット様を見捨てる理由にはならない。
「分かった。なら、僕は援護する。無理だったら、すぐに下がって」
「はい」
私は震える足を奮い立たせ、立ち上がる。
「ムンディスモルティスッ!!」
その間にも、ブリジット様は杖がないのにも関わらず、的確に死の呪文を投げてくるが、結界魔法でバリアを構築。
だが、2発ほど受けた時点でバリアは割れた。
あの魔法を解除するためには、ブリジット様に近づかないといけない。
「私は結界魔法を展開します! アーサー様はブリジット様の動きを封じてください!」
「了解!」
氷魔法でブリジット様の足を固める。
だが、ブリジット様は操られているせいか、思った以上に力があり、その氷もやすやすと壊していく。
このようだと、他の魔法で止めようとしてもダメね。
「アーサー様! 氷魔法で即死魔法を受けてください! 私がブリジット様を押えます!」
「ああ!」
アーサー様が死の呪文を受けている間に、私はブリジット様を囲うように、立方体のバリアを張る。
ひたすらに私たちを追いかけていたブリジット様は、障害があると分かると、バリアをバンバン叩き始めた。
「あハははァっ! マジョは死ヌの! 死ななイといけナイのよ!」
「私は死にません! あなたも殺さない!」
魔王軍に操られているとなると、用なしとなった時に彼女は殺される、もしくは自害させられるようになっているの可能性がある。
だから、この魔法をかけるの。
私はブリジット様の方へと手を伸ばす。
普段はかわいらしいブリジット様。
今の彼女はかわいらしさは微塵もなく、私たちの死を望む獣ようだった。
こんなのは本来の彼女ではない。
ああ、精霊の皆様。
どうか私にお力をお貸しください。
ブリジット様をお戻しくださいませ―――。
どこかで見ている彼らに、そう願いながら。
「オムニアド・ニヒリアム!」
私は力強く唱えた。
その瞬間、光の波が手から広がっていき、ブリジット様の体を包み込む。
彼女の体は突然力を失い、崩れ落ちた。
すばやく動き彼女をさっと支え、ブリジット様をそっと地面に寝かせる。
私も傍に座り込んで、ブリジット様に異常がないか確認した。
大けがはしていないし、息もある。
自害するような魔法もない。
だけど、ブリジット様は目を閉じていた。目を閉じたまま。
このまま目覚めない……なんてことはないわよね?
だが、一時して「レイルロードさん」と私の名を呼んだ。
「ねぇ、なぜなの? ……なぜ、私を……私、あなたを殺そうとしていましたのよ……」
「…………」
「あなたを散々いじめましたのよ……」
ブリジット様の声は震えていた。
まるで私が助けたことに信じられないようだった。
「あなたとちゃんと友達になりたかったんです」
きっと私はバカなのだろう。
自分を殺そうとしてきた相手と友達になりたいなんて言っているんだから。
でも、なりたい。彼女とお友達になってみたい。
ブリジット様と色んな話してみたい、って思ってしまったんだもの。
「あなた、本当にバカですわね」
ブリジット様も同じ考えだったのか、呆れて笑っていた。
「あなたのことは大っ嫌い……大っ嫌いですわ……」
その笑顔は徐々に悔しそうな表情に変わり、泣いていた。
大粒の涙を流していた。
「こんなことされたって、私の初恋の人を奪ったことには変わりないのですわ……」
そうなのかもしれない。
ブリジット様は私がアーサー様に会うよりも先に、会って、彼のことを思っていたのかもしれない。
でも、今はそれはどうでもよかった。
誰も死ななくてよかった、その感情だけが今はあった。
私も死んでないし、ブリジット様も死んでない。アーサー様も無事。
ああ………よかったわ…………。
安心感に襲われた瞬間、力が突然抜ける。
保てていた姿勢も崩れ、視界もハチャメチャになって……。
「エレちゃん!」
遠くで私を呼ぶ声が聞こえたけれど、私が返事することはなく――そのまま横に倒れ込んで、そっと目を閉じた。
幻かと思った。
夢を見ているようだった。
「アーサー様……?」
力は底についていた。
だが、私は何とか声を絞り出し、彼の名を呼ぶ。
血まみれの手を彼へと伸ばした。
「大丈夫だよ、エレちゃん。今助けるから」
彼もこちらに向き直り、レイピアを振った。
すると、薔薇の蔓に火が付く。私に絡まる蔓が燃えるが、熱くはなかった。
優しい温かな炎だった。
全て燃え尽きると、私の体は解放され、前へと倒れていく。
上手く力が入らない。このままじゃ顔から倒れちゃう――――。
「おおっと……危ない、危ない」
だが、地面に倒れ込む前に、アーサー様の胸に飛び込んだ。
彼はいつの間にか私の目の前まで来ていた。
彼の胸は温かった。
そこに私は顔をうずめる。花の香りがした。
「…………アーサー様、なぜここにいるのですか」
ここにいるなんて言ってなかったはずだ。
ブリジット様とお茶するのも今日の朝決まったことだもの。
知るにしても、タイミングがなかったはずだ。
顔を上げると、安心したような、でも、心配そうな不安定な表情を浮かべるアーサー様がいた。
「それはエレちゃんのピンチだったからさ」
「…………」
「でも、こんなに傷だらけにさせてしまったのだけれど、遅くなってごめんね」
「いえ……」
助けていただけただけでも、よかった。
彼が来ていなかったら、私は今頃この世にはいなくなっていたのかもしれないから。
「こんなに棘が刺さって、ごめんね。痛い思いさせたね。ごめんね」
アーサー様はそう何度も謝りながら、私に回復魔法をかける。
全身にあった傷が消えていき、元どおりに戻った。
「ありがとうございます」
「いいえ」
だが、精力を吸われたせいか、体に思うように力は入らない。
立ち上がることもできなかった。
「無理しなくてもいいよ。僕まだすることがあるから、一時そこに座って待っててくれる?」
「はい」
自分が着て居たコートを私の肩にかける。
もう一度ニコリと笑うと、私に背を向け、レイピアを片手に彼女に向き合った。
「で、殿下……なぜここに!?」
ブリジット様もアーサー様の登場を意外に思ったのか、声を上げる。
「なぜって? それは君が僕の婚約者を傷つけたからだよ」
「でも、ここはラストナイト家の所有地で――」
「それが何?」
「…………」
レイピアを持つアーサー様の手には力が入り、全身から凄まじいオーラを感じた。
背中だけで分かる。
彼は怒っている。
私を傷つけたことに、激怒していた。
ブリジット様は息を呑み、圧倒されたのか、瞳が揺れている。
「私はただ……ただ! 殿下のために、あの女を離そうと――」
「それで、僕の大切な人を殺す? それは僕のためじゃない。君だけのためだ。そんなお節介、僕たちには必要なかった」
「ス、スカーレットが話していたのです! あの女は厄災を招くと! どうか信じてください! ご理解くださいませ!」
「エレシュキガルは厄災なんかじゃない。適当なことをほざくな」
「いえ! 適当なことは何一つ――」
「それ以上しゃべるな! もうでたらめを言うのはやめろ。エレシュキガルを悪くいうのもやめろ。二度とするな」
アーサー様が強く言うと、ブリジット様は膝から崩れ落ち、ガクリと頭を下げ、俯むく。
「なぜですか……なぜ私のことを信じてくださらないのですか……」
その後はもう何もしゃべらなくなっていた。
一方、アーサー様はブリジット様に話しかけることはなく、ポケットから何か取り出した。
あれは手鏡?
アーサー様が取り出したのは手のひらに収まる小さな手鏡だった。
彼はその手鏡に向かって「リリィ」と話し始めた。
「リリィ、僕の所に来れるかい?」
『いいえ、無理ですね。殿下のところへ行きたいのはやまやまですが、殿下のおられる場所はいささか遠い場所でして、少々時間がかかるかと』
「遠い? 学園にいるから、寮からはそんなに遠くはないと思うけれど」
『いえ、殿下のおられる場所は学園ではないようですよ。殿下の指示通り、ブリジット様が管理されていたというサロンの庭に来ましたが、殿下のお姿が見つかりません。もぬけの殻です。殿下、一体どこに転移したのですか?』
その瞬間、空気が揺らぐ。
圧が波のように全身に襲ってきた。
「もういいわ。2人とも、こロシてヤル――」
先ほどまで俯いていたブリジット様。
顔を上げた彼女の白目は黒く、黒かった瞳は赤く奇妙な輝きを放っていた。
彼女の顔には目を覆うような奇妙な紋章が浮かび上がっていた。
嫌な予感がした。
「アーサー様!」
結界魔法を展開。
自分とアーサー様の体を守るようにバリアを張った。
「アーサー様、ブリジット様を……殺しはしませんよね」
「うん。殺したい気持ちはなくはないけれど、でも、あの紋章が出たってことは――」
「はい。確実に魔王軍に操られています」
前線で戦っていた頃、仲間が操られて帰ってきた時があった。
その時は、解除方法が分からず、味方がやられていく一方なので、殺すしかなかった。
仲間を殺すのは辛かった。辛くて、一時殺してしまったことを悔やんだ。
だけど、今は知ってる。あの解除を方法を、私は知っている。
「アーサー様、ここは私に任せてください」
「ダメだ。これ以上は無理させたくない」
「大丈夫です。私なら、彼女を救えます」
彼女は私に死んでほしいと願った。
だけど、それは私がブリジット様を見捨てる理由にはならない。
「分かった。なら、僕は援護する。無理だったら、すぐに下がって」
「はい」
私は震える足を奮い立たせ、立ち上がる。
「ムンディスモルティスッ!!」
その間にも、ブリジット様は杖がないのにも関わらず、的確に死の呪文を投げてくるが、結界魔法でバリアを構築。
だが、2発ほど受けた時点でバリアは割れた。
あの魔法を解除するためには、ブリジット様に近づかないといけない。
「私は結界魔法を展開します! アーサー様はブリジット様の動きを封じてください!」
「了解!」
氷魔法でブリジット様の足を固める。
だが、ブリジット様は操られているせいか、思った以上に力があり、その氷もやすやすと壊していく。
このようだと、他の魔法で止めようとしてもダメね。
「アーサー様! 氷魔法で即死魔法を受けてください! 私がブリジット様を押えます!」
「ああ!」
アーサー様が死の呪文を受けている間に、私はブリジット様を囲うように、立方体のバリアを張る。
ひたすらに私たちを追いかけていたブリジット様は、障害があると分かると、バリアをバンバン叩き始めた。
「あハははァっ! マジョは死ヌの! 死ななイといけナイのよ!」
「私は死にません! あなたも殺さない!」
魔王軍に操られているとなると、用なしとなった時に彼女は殺される、もしくは自害させられるようになっているの可能性がある。
だから、この魔法をかけるの。
私はブリジット様の方へと手を伸ばす。
普段はかわいらしいブリジット様。
今の彼女はかわいらしさは微塵もなく、私たちの死を望む獣ようだった。
こんなのは本来の彼女ではない。
ああ、精霊の皆様。
どうか私にお力をお貸しください。
ブリジット様をお戻しくださいませ―――。
どこかで見ている彼らに、そう願いながら。
「オムニアド・ニヒリアム!」
私は力強く唱えた。
その瞬間、光の波が手から広がっていき、ブリジット様の体を包み込む。
彼女の体は突然力を失い、崩れ落ちた。
すばやく動き彼女をさっと支え、ブリジット様をそっと地面に寝かせる。
私も傍に座り込んで、ブリジット様に異常がないか確認した。
大けがはしていないし、息もある。
自害するような魔法もない。
だけど、ブリジット様は目を閉じていた。目を閉じたまま。
このまま目覚めない……なんてことはないわよね?
だが、一時して「レイルロードさん」と私の名を呼んだ。
「ねぇ、なぜなの? ……なぜ、私を……私、あなたを殺そうとしていましたのよ……」
「…………」
「あなたを散々いじめましたのよ……」
ブリジット様の声は震えていた。
まるで私が助けたことに信じられないようだった。
「あなたとちゃんと友達になりたかったんです」
きっと私はバカなのだろう。
自分を殺そうとしてきた相手と友達になりたいなんて言っているんだから。
でも、なりたい。彼女とお友達になってみたい。
ブリジット様と色んな話してみたい、って思ってしまったんだもの。
「あなた、本当にバカですわね」
ブリジット様も同じ考えだったのか、呆れて笑っていた。
「あなたのことは大っ嫌い……大っ嫌いですわ……」
その笑顔は徐々に悔しそうな表情に変わり、泣いていた。
大粒の涙を流していた。
「こんなことされたって、私の初恋の人を奪ったことには変わりないのですわ……」
そうなのかもしれない。
ブリジット様は私がアーサー様に会うよりも先に、会って、彼のことを思っていたのかもしれない。
でも、今はそれはどうでもよかった。
誰も死ななくてよかった、その感情だけが今はあった。
私も死んでないし、ブリジット様も死んでない。アーサー様も無事。
ああ………よかったわ…………。
安心感に襲われた瞬間、力が突然抜ける。
保てていた姿勢も崩れ、視界もハチャメチャになって……。
「エレちゃん!」
遠くで私を呼ぶ声が聞こえたけれど、私が返事することはなく――そのまま横に倒れ込んで、そっと目を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました
九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」
悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。
公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。
「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」
――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。
この子、貴方の子供です。私とは寝てない? いいえ、貴方と妹の子です。
サイコちゃん
恋愛
貧乏暮らしをしていたエルティアナは赤ん坊を連れて、オーガスト伯爵の屋敷を訪ねた。その赤ん坊をオーガストの子供だと言い張るが、彼は身に覚えがない。するとエルティアナはこの赤ん坊は妹メルティアナとオーガストの子供だと告げる。当時、妹は第一王子の婚約者であり、現在はこの国の王妃である。ようやく事態を理解したオーガストは動揺し、彼女を追い返そうとするが――
【短編】婚約破棄?「喜んで!」食い気味に答えたら陛下に泣きつかれたけど、知らんがな
みねバイヤーン
恋愛
「タリーシャ・オーデリンド、そなたとの婚約を破棄す」「喜んで!」
タリーシャが食い気味で答えると、あと一歩で間に合わなかった陛下が、会場の入口で「ああー」と言いながら膝から崩れ落ちた。田舎領地で育ったタリーシャ子爵令嬢が、ヴィシャール第一王子殿下の婚約者に決まったとき、王国は揺れた。王子は荒ぶった。あんな少年のように色気のない体の女はいやだと。タリーシャは密かに陛下と約束を交わした。卒業式までに王子が婚約破棄を望めば、婚約は白紙に戻すと。田舎でのびのび暮らしたいタリーシャと、タリーシャをどうしても王妃にしたい陛下との熾烈を極めた攻防が始まる。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる