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序章
5 5年後
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レノが公爵家にやってきて約5年。
レノの身長はずっと伸び、同じ身長だったアシュレイを越していた。
一方、アシュレイの魔法展開は格段に成長。勉学の方も順調だった。
そして、レノとアシュレイは15歳になり、アシュレイは4月から魔法学校に通うことになった。
「ねぇ、レノは一緒に学校に来てくれないの?」
「うん。俺は…………いっかな」
実際、レノは転生するたびに学校に通っていた。学校に行ったところで、おサボり確定である。
レノがそう答えると、アシュレイは小さく頷いた。
「なら、私も学校に行かない」
「え」
隣のアシュレイは決意したかのように真剣な顔。
「いや、それはまずいでしょ。公爵様が怒るんじゃ…………」
公爵がレノを雇ったのはアシュレイの上げるため。そして、高等魔法学校に行けるようにするためだった。
前者はともかく後者のことを考えると、公爵様がレノを雇った意味がなくなってしまう。
それにレノ個人としては家にこもって勉強するよりも、学校で友人たちと勉学に勤しむ方がいいことを分かっていた。
「お父様がなんと言おうと、レノが来てくれないのなら…………私、学校に行かないわ」
「ノエリアも魔法学校に行くって言ってたけれど」
「ノエリアがいても学校に行っても、クラスは別になってどうせ1人になるもの。それなら、ここでレノと一緒に勉強するほうがいい!」
「ノエリア以外の友達もできると思うけれど」
「そんな人現れないと思う」
「いいや、そんなことはないと思うよ。仲良くなれる友達が見つかると思う」
「…………」
そうやってなんだかんだ言っていたアシュレイだが、学校には通うことになった。
レノの方は公爵家に残り、公爵家の魔導士を育成していくことに。
そして、迎えたアシュレイ出発の日。
アシュレイが通うノーザンクロス高等魔法学校。
その学校は公爵家からかなり離れている。そのため、アシュレイは学校の隣にある寮暮らしをしなければならなかった。
「ここから通えればいいのに…………」
どこか寂しそうな顔を浮かべるアシュレイ。
数ヶ月後にはそんなことを忘れて友達と学校生活を楽しんでいるだろう。
「夏期休暇と冬期休暇の時に帰ってくれば、俺はいつでもここにいるからさ」
「うん……………………」
そうして、アシュレイは馬車に乗り込み、ノーザンクロス高等魔法学校へ旅立った。
★★★★★★★★
2か月後。
レノの元にアシュレイからの手紙が届いた。
レノはその手紙を受け取ると、自室に戻り、座って読み始めた。
『レノへ。そちらはお元気でしょうか…………うーん。なんか堅苦しいね。ともかく元気? 私は元気?かな。よく分からないわ』
自分が元気かよく分からない? はて?
レノは疑問に思いながらも、読み進めていく。
『ノエリアと同じクラスとなったわ。でも――――――――――――』
その先の文を見て、レノは思わず立ち上がる。
『私はFクラスの生徒。何もかもお終い』
うっすらと聞いていたFクラスの噂。
Fクラスの生徒となった者は、輝かしい学校生活はない。将来がない。
例え貴族であっても、それは変わらない。
就職もまともにできず、差別される。
レノはアシュレイがFクラスに行くことはまずないと考えていた。
アシュレイが問題児と思われるはずがないと考えていたためである。
しかし、アシュレイはFクラス行き。ノエリアと同じクラスというのだがら、ノエリアもきっとFクラスなのだろう。
レノはもう一枚の手紙を見る。そこには大きな文字で。
『もう嫌だ』
と殴り書きされていた。そして、一番下には。
『ねぇ、レノ。私を助けて』
向こうで何があったのか。Fクラスで何があったのか分からない。
しかし、レノはアシュレイの精神状態がよくないことは分かった。
『いえ、私だけじゃない――――――――――――Fクラスのみんなを助けて』
レノはその手紙をぎゅっと握りしめ、そして、公爵の所へ向かった。
レノの身長はずっと伸び、同じ身長だったアシュレイを越していた。
一方、アシュレイの魔法展開は格段に成長。勉学の方も順調だった。
そして、レノとアシュレイは15歳になり、アシュレイは4月から魔法学校に通うことになった。
「ねぇ、レノは一緒に学校に来てくれないの?」
「うん。俺は…………いっかな」
実際、レノは転生するたびに学校に通っていた。学校に行ったところで、おサボり確定である。
レノがそう答えると、アシュレイは小さく頷いた。
「なら、私も学校に行かない」
「え」
隣のアシュレイは決意したかのように真剣な顔。
「いや、それはまずいでしょ。公爵様が怒るんじゃ…………」
公爵がレノを雇ったのはアシュレイの上げるため。そして、高等魔法学校に行けるようにするためだった。
前者はともかく後者のことを考えると、公爵様がレノを雇った意味がなくなってしまう。
それにレノ個人としては家にこもって勉強するよりも、学校で友人たちと勉学に勤しむ方がいいことを分かっていた。
「お父様がなんと言おうと、レノが来てくれないのなら…………私、学校に行かないわ」
「ノエリアも魔法学校に行くって言ってたけれど」
「ノエリアがいても学校に行っても、クラスは別になってどうせ1人になるもの。それなら、ここでレノと一緒に勉強するほうがいい!」
「ノエリア以外の友達もできると思うけれど」
「そんな人現れないと思う」
「いいや、そんなことはないと思うよ。仲良くなれる友達が見つかると思う」
「…………」
そうやってなんだかんだ言っていたアシュレイだが、学校には通うことになった。
レノの方は公爵家に残り、公爵家の魔導士を育成していくことに。
そして、迎えたアシュレイ出発の日。
アシュレイが通うノーザンクロス高等魔法学校。
その学校は公爵家からかなり離れている。そのため、アシュレイは学校の隣にある寮暮らしをしなければならなかった。
「ここから通えればいいのに…………」
どこか寂しそうな顔を浮かべるアシュレイ。
数ヶ月後にはそんなことを忘れて友達と学校生活を楽しんでいるだろう。
「夏期休暇と冬期休暇の時に帰ってくれば、俺はいつでもここにいるからさ」
「うん……………………」
そうして、アシュレイは馬車に乗り込み、ノーザンクロス高等魔法学校へ旅立った。
★★★★★★★★
2か月後。
レノの元にアシュレイからの手紙が届いた。
レノはその手紙を受け取ると、自室に戻り、座って読み始めた。
『レノへ。そちらはお元気でしょうか…………うーん。なんか堅苦しいね。ともかく元気? 私は元気?かな。よく分からないわ』
自分が元気かよく分からない? はて?
レノは疑問に思いながらも、読み進めていく。
『ノエリアと同じクラスとなったわ。でも――――――――――――』
その先の文を見て、レノは思わず立ち上がる。
『私はFクラスの生徒。何もかもお終い』
うっすらと聞いていたFクラスの噂。
Fクラスの生徒となった者は、輝かしい学校生活はない。将来がない。
例え貴族であっても、それは変わらない。
就職もまともにできず、差別される。
レノはアシュレイがFクラスに行くことはまずないと考えていた。
アシュレイが問題児と思われるはずがないと考えていたためである。
しかし、アシュレイはFクラス行き。ノエリアと同じクラスというのだがら、ノエリアもきっとFクラスなのだろう。
レノはもう一枚の手紙を見る。そこには大きな文字で。
『もう嫌だ』
と殴り書きされていた。そして、一番下には。
『ねぇ、レノ。私を助けて』
向こうで何があったのか。Fクラスで何があったのか分からない。
しかし、レノはアシュレイの精神状態がよくないことは分かった。
『いえ、私だけじゃない――――――――――――Fクラスのみんなを助けて』
レノはその手紙をぎゅっと握りしめ、そして、公爵の所へ向かった。
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