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Q3.恋ってどんな味なんですか?? A.べっこう飴??(ミカ)
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僕、如月 深露は先生に呼び出されて職員室に向かったレンを送って、羽川さんとともに入荷した本の整理を行っていた。
羽川さんは3次元の男子など興味のない系オタクであり、また、彼女が同じ運動場を使う陸上部でもあったため、サッカー部に入っていた僕にとって話しやすい方の女子であった。
そんなキャラ濃いめの羽川さんと何気ない話(主に運動部事情)をしていると、古くなっている図書室のドアが音を立て勢いよく開いた。
レンが帰ってきたには早いような……。
「すんませーん。2年の阿由葉さんいますかー??」
ドアの方には1人の金髪男子。
彼の左耳の上には交叉したピン。
耳にはピアス。
いかにもチャラ男という感じであった。
見たことないからきっと1年生であろうけど……レンに用??
告白か??
僕は警戒心を抱きながらも一応事実を述べる。
「いや……いないですけど……」
「よしのぉーーー!!!!」
彼に返事をした瞬間、羽川さんが急に叫びだした。
よしの??
羽川さんの知り合い??
「あ、羽川じゃーん」
「よ、よしのっ!! 今日の昼休みすぐに図書室に来てって言ったのに!!」
「いやぁ、課題出してなかったらせんせに捕まっちゃって……」
金髪チャラ男くんはずがずがと僕らのところに足を進めてきた。
「あ、イケメンで有名なミカパイセンじゃないですか。ども」
チャラ男くんはペコリと頭を下げる。
チャラいけど、挨拶はちゃんとするんだね。
「どうも……君はレンを探しているの??」
「そーなんす。あ、俺は吉野真紘っていいます。今日からお世話になります」
「今日から??」
「ミカ先輩、吉野は図書委員なんですよ。穹せんせのところのクラスの」
「そうなんだ」
穹先生、1年クラスの担任だったけ。
「で、吉野。レンさんに用があるみたいだけど……どうしたの??」
吉野くんは枝毛のない綺麗な金色の髪を片手でいじりながらも本に触れる。
「レンちゃんに『いい加減に委員会の仕事をしに来なさい』って怒られたから来たんだけど」
「レンさん直々に言われたの??」
「そうだよ」
「あ、真紘」
すると、呼び出されていたレンの声が図書室入り口から聞こえた。
振り返ると、レンと穹先生が立っていた。
先生はそのままカウンターの奥に入っていく。
レンは顔を真っ赤にして吉野くんに向かって足音を立てながら歩く。
「真紘、あなたどういうつもり??」
「何が??」
「何がじゃないわ。あなた、ちゃんと学校に登校していると思ったら、授業はサボっているらしいじゃないの」
「あー、それね。朝の時間もったいねーからせっかくだしと思って、絵を描いてたら昼になってて、昼休みもせっかくだしと思って、そのまま絵を描いてたら夕方になっていつのまにか他の部員がやってきて『ヤッホー。乙』みたいな??」
吉野くんすごい生活をしているね……。
でも、他に気になった点が。
「絵を描く??」
このチャラ男に見える吉野くんが??
偏見になるかもしれないけれど、僕には彼は運動部か帰宅部に見える。
「ミカには言ってなかった?? 真紘は私の幼馴染であり」
「美術部部員なんす」
「つまりレンの後輩??」
「そうね。そういうことになるわね」
「それで吉野の担任の私が吉野を叱るように怜に言ったんだよ」
荷物を置きに奥に入っていた穹先生が僕たちの机にやってきた。
校長先生に捕まっていて疲れたのか先生は椅子にドカッと腰を下ろす。
「そのために呼び出したんですか……でも、それは先生が怒ればいいじゃないですか」
「そうなんだけどなぁ……」
穹先生は僕の意見にはぁと溜息をつき、片手に持っていた缶コーヒーの蓋を開ける。
そして、ビールのごとく豪快に飲んだ。
「真紘はなぜか私の言うことは聞くの」
「そうなんだよ。先生である私の言うことは聞かないくせに怜の言うことはしっかり聞くんだとよったく。めんどくさいよ、お前」
「せんせー、乙でーす」
先生を完全になめ切っている吉野くんは先生に笑顔を向けている。
「乙じゃねーよ。お前がどうにかしたらこんなに疲れることはないんだよ」
先生は少々イラついているようだ。
「あー。だからこの吉野を先生の管理下でもあり、レンさんもいる図書委員会に入れたんですね」
「そうなの。この人が授業をサボったり、問題行動を起こして生徒指導室に行かれたりするより、ここで問題起こして私たちから説教される方がマシでしょう」
レン……吉野くんが問題行動を起こす前提なんだ
しかし、僕が気になった点は別にある。
「吉野くん、あの美術部に入っているのによくサボれるね」
そう。
この学校の美術部は少し変わっている。
いや、顧問の先生が変わっていると言ってもいい。
この学校の生徒指導部には鬼のラスボスとも呼ばれる3人の先生がいる。
1人目はサッカー部の顧問で、運動部には1人は絶対いる熱血指導を行う先生。
普段は優しく、時には厳しくと生徒をとても大事に思ういい先生である。
2人目は男性なのか女性なのか、はたまたどの先生か誰も分かっていないが、よほど怖いらしく生徒指導室から出てきた生徒は先生の名前をなぜか口にしない。
それが逆に怖いのだけれど。
そして、最後の先生は美術部の顧問である。
一番怖いと耳にする先生であり、サッカー部の顧問と違って怒鳴るタイプではなく、精神的に徐々に迫っていく敵には絶対したくない№1の先生である。
そんな顧問がいる部活に入っていながら授業をサボるとは、彼はなんという勇者。
この情報を知らないのかな。
「ミカ。あの先生ね、なぜか真紘には優しいのよ」
「へぇ、あの三科先生がお気に入りを?? なんか意外」
「え、レンちゃん。俺、お気に入りなの?? 三科せんせーの??」
「それがまた厄介なんだよ。あの三科先生が吉野に口出ししないのなら他のクラスの子をとやかく言う必要はないなと他の先生が思っているか、吉野を怒ることがそうないんだよ。この吉野めっ」
「うわ。吉野、先生殺しだわ」
羽川さんは先生に同調したのか吉野をばい菌のように見る。
一方、吉野くんはというとケンカを売るように中指を立てようとしていたが、隣にいたレンが彼の手を封じた。
よ、吉野くん……。
そんな様子に僕が苦笑いをしていると、穹先生が吉野くんの愚痴を続けた。
今日はどうも恋愛の愚痴ではなさそう??
「それでこの野郎、女遊びも酷いから生徒指導室で数人の女子とともにすでに説教を食らってんだよ」
その時、当然三科先生はいなんだろうな。
「俺はぜんぜん悪くないっすよ、せんせー。あいつらが悪いんっすよ」
「何が悪くないんだよ。お前、同時に複数の女子をたぶらかしてんだろ。この野郎」
穹先生の口調がさらに荒くなっていく。
「誤解っすよ。ただアイツらの遊びに付き合ったぐらいで勝手にアイツら騒いでんっすよ」
「まるで自分がモテるかのように言うな」
「あ、すみませーん」
あ、嫌な予感察知。
「俺、モテるんで。先生と違って」
「このぉーーーーーーーー!!!!!!!!!」
吉野くんが挑発気味に言うと、穹先生は限界に達したのか椅子を倒し暴れだす。
「うわぁー。せんせーこわーい」と女子みたいな発言をしながら、にやけ顔の吉野くんは図書室の奥へと逃げていった。
僕は羽川さんと子どものように暴れだす先生を抑え、レンは吉野くんを説教するためかぷんすかさせながら追いかけていった。
こうして、チャラチャラ不良後輩と子ども先生のケンカを収めて僕の今日の騒がしくなった昼休みは終わった。
羽川さんは3次元の男子など興味のない系オタクであり、また、彼女が同じ運動場を使う陸上部でもあったため、サッカー部に入っていた僕にとって話しやすい方の女子であった。
そんなキャラ濃いめの羽川さんと何気ない話(主に運動部事情)をしていると、古くなっている図書室のドアが音を立て勢いよく開いた。
レンが帰ってきたには早いような……。
「すんませーん。2年の阿由葉さんいますかー??」
ドアの方には1人の金髪男子。
彼の左耳の上には交叉したピン。
耳にはピアス。
いかにもチャラ男という感じであった。
見たことないからきっと1年生であろうけど……レンに用??
告白か??
僕は警戒心を抱きながらも一応事実を述べる。
「いや……いないですけど……」
「よしのぉーーー!!!!」
彼に返事をした瞬間、羽川さんが急に叫びだした。
よしの??
羽川さんの知り合い??
「あ、羽川じゃーん」
「よ、よしのっ!! 今日の昼休みすぐに図書室に来てって言ったのに!!」
「いやぁ、課題出してなかったらせんせに捕まっちゃって……」
金髪チャラ男くんはずがずがと僕らのところに足を進めてきた。
「あ、イケメンで有名なミカパイセンじゃないですか。ども」
チャラ男くんはペコリと頭を下げる。
チャラいけど、挨拶はちゃんとするんだね。
「どうも……君はレンを探しているの??」
「そーなんす。あ、俺は吉野真紘っていいます。今日からお世話になります」
「今日から??」
「ミカ先輩、吉野は図書委員なんですよ。穹せんせのところのクラスの」
「そうなんだ」
穹先生、1年クラスの担任だったけ。
「で、吉野。レンさんに用があるみたいだけど……どうしたの??」
吉野くんは枝毛のない綺麗な金色の髪を片手でいじりながらも本に触れる。
「レンちゃんに『いい加減に委員会の仕事をしに来なさい』って怒られたから来たんだけど」
「レンさん直々に言われたの??」
「そうだよ」
「あ、真紘」
すると、呼び出されていたレンの声が図書室入り口から聞こえた。
振り返ると、レンと穹先生が立っていた。
先生はそのままカウンターの奥に入っていく。
レンは顔を真っ赤にして吉野くんに向かって足音を立てながら歩く。
「真紘、あなたどういうつもり??」
「何が??」
「何がじゃないわ。あなた、ちゃんと学校に登校していると思ったら、授業はサボっているらしいじゃないの」
「あー、それね。朝の時間もったいねーからせっかくだしと思って、絵を描いてたら昼になってて、昼休みもせっかくだしと思って、そのまま絵を描いてたら夕方になっていつのまにか他の部員がやってきて『ヤッホー。乙』みたいな??」
吉野くんすごい生活をしているね……。
でも、他に気になった点が。
「絵を描く??」
このチャラ男に見える吉野くんが??
偏見になるかもしれないけれど、僕には彼は運動部か帰宅部に見える。
「ミカには言ってなかった?? 真紘は私の幼馴染であり」
「美術部部員なんす」
「つまりレンの後輩??」
「そうね。そういうことになるわね」
「それで吉野の担任の私が吉野を叱るように怜に言ったんだよ」
荷物を置きに奥に入っていた穹先生が僕たちの机にやってきた。
校長先生に捕まっていて疲れたのか先生は椅子にドカッと腰を下ろす。
「そのために呼び出したんですか……でも、それは先生が怒ればいいじゃないですか」
「そうなんだけどなぁ……」
穹先生は僕の意見にはぁと溜息をつき、片手に持っていた缶コーヒーの蓋を開ける。
そして、ビールのごとく豪快に飲んだ。
「真紘はなぜか私の言うことは聞くの」
「そうなんだよ。先生である私の言うことは聞かないくせに怜の言うことはしっかり聞くんだとよったく。めんどくさいよ、お前」
「せんせー、乙でーす」
先生を完全になめ切っている吉野くんは先生に笑顔を向けている。
「乙じゃねーよ。お前がどうにかしたらこんなに疲れることはないんだよ」
先生は少々イラついているようだ。
「あー。だからこの吉野を先生の管理下でもあり、レンさんもいる図書委員会に入れたんですね」
「そうなの。この人が授業をサボったり、問題行動を起こして生徒指導室に行かれたりするより、ここで問題起こして私たちから説教される方がマシでしょう」
レン……吉野くんが問題行動を起こす前提なんだ
しかし、僕が気になった点は別にある。
「吉野くん、あの美術部に入っているのによくサボれるね」
そう。
この学校の美術部は少し変わっている。
いや、顧問の先生が変わっていると言ってもいい。
この学校の生徒指導部には鬼のラスボスとも呼ばれる3人の先生がいる。
1人目はサッカー部の顧問で、運動部には1人は絶対いる熱血指導を行う先生。
普段は優しく、時には厳しくと生徒をとても大事に思ういい先生である。
2人目は男性なのか女性なのか、はたまたどの先生か誰も分かっていないが、よほど怖いらしく生徒指導室から出てきた生徒は先生の名前をなぜか口にしない。
それが逆に怖いのだけれど。
そして、最後の先生は美術部の顧問である。
一番怖いと耳にする先生であり、サッカー部の顧問と違って怒鳴るタイプではなく、精神的に徐々に迫っていく敵には絶対したくない№1の先生である。
そんな顧問がいる部活に入っていながら授業をサボるとは、彼はなんという勇者。
この情報を知らないのかな。
「ミカ。あの先生ね、なぜか真紘には優しいのよ」
「へぇ、あの三科先生がお気に入りを?? なんか意外」
「え、レンちゃん。俺、お気に入りなの?? 三科せんせーの??」
「それがまた厄介なんだよ。あの三科先生が吉野に口出ししないのなら他のクラスの子をとやかく言う必要はないなと他の先生が思っているか、吉野を怒ることがそうないんだよ。この吉野めっ」
「うわ。吉野、先生殺しだわ」
羽川さんは先生に同調したのか吉野をばい菌のように見る。
一方、吉野くんはというとケンカを売るように中指を立てようとしていたが、隣にいたレンが彼の手を封じた。
よ、吉野くん……。
そんな様子に僕が苦笑いをしていると、穹先生が吉野くんの愚痴を続けた。
今日はどうも恋愛の愚痴ではなさそう??
「それでこの野郎、女遊びも酷いから生徒指導室で数人の女子とともにすでに説教を食らってんだよ」
その時、当然三科先生はいなんだろうな。
「俺はぜんぜん悪くないっすよ、せんせー。あいつらが悪いんっすよ」
「何が悪くないんだよ。お前、同時に複数の女子をたぶらかしてんだろ。この野郎」
穹先生の口調がさらに荒くなっていく。
「誤解っすよ。ただアイツらの遊びに付き合ったぐらいで勝手にアイツら騒いでんっすよ」
「まるで自分がモテるかのように言うな」
「あ、すみませーん」
あ、嫌な予感察知。
「俺、モテるんで。先生と違って」
「このぉーーーーーーーー!!!!!!!!!」
吉野くんが挑発気味に言うと、穹先生は限界に達したのか椅子を倒し暴れだす。
「うわぁー。せんせーこわーい」と女子みたいな発言をしながら、にやけ顔の吉野くんは図書室の奥へと逃げていった。
僕は羽川さんと子どものように暴れだす先生を抑え、レンは吉野くんを説教するためかぷんすかさせながら追いかけていった。
こうして、チャラチャラ不良後輩と子ども先生のケンカを収めて僕の今日の騒がしくなった昼休みは終わった。
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