125 / 190
第三章
音楽会
マールバラ公爵邸の音楽会。夜七時開始に合わせ、わたしたちは六時半には公爵邸の門をくぐった。
王都の中心部を外れた高級住宅街。先代国王の王弟殿下であった、初代のマールバラ公爵に賜与された邸は、周辺でも随一の豪華さと広さを誇る。十分なスペースがあるはずの車寄せは、しかし、招待客の馬車でごったがえしていた。
夜の第一正装であるテールコートに、冬の寒さを防ぐための毛皮のついたオーバーコートを纏ったアルバート 殿下が馬車を降りれば、すぐに金釦のついたお仕着せを着た従僕が駆け寄ってくる。
従僕の先導で玄関に入り、コートと帽子、ステッキを預けたところに、この家の執事らしきが挨拶に来た。
「これはアルバート殿下、お待ちしておりました」
「オズワルド小父様と、奥方にご挨拶を」
「はい、こちらでございます」
周囲の招待客よりも殿下が優先なのは、本日の客の中で殿下の身分が最も高いから。わたしは殿下のエスコートで、赤い絨毯の上をゆっくりと歩く。今日は黒い東洋の絹に、鴛鴦の刺繍の入ったイブニング。――以前、ビルツホルンの大使館の晩餐会では黒の長手袋を着用したけれど、今日はオーガンジーの、蝶のようなふわりとした袖のボレロを羽織った。左手の薬指の、サファイアの指輪を強調するためだ。殿下も黒い上着の襟元に、父の形見のサファイアのタイピンを刺し、二人の関係をさりげなく示している。
シャンデリアの輝く広い大広間にわたしたちが入っていくと、先に来ていた招待客が一斉に注目した。
アルバート王子と、元のリンドホルム伯爵令嬢。――婚約者のレコンフィールド公爵令嬢を差し置き、爵位すら失った元・伯爵令嬢をエスコートする王子を、皆はどう、思うだろうか。
――ステファニー嬢じゃないのか。
――ほら、あれが愛人の。
――戦争から戻ったら、すっかり心変わりして。
――ステファニー嬢もお気の毒。
そんなヒソヒソ声が耳に届くけれど、わたしは聞こえないふりをして前を向く。
ホールの中央には、立派なグランド・ピアノが置かれ、演奏者用の椅子も数脚、並べられている。音楽をこよなく愛し、芸術の保護者でもあった、故ブラックウェル伯爵エセルバート・クリーヴランド卿を偲んで、毎年彼の誕生日である十二月三十日に、父・マールバラ公爵が音楽を愛でる夜会を開催しているのだ。
マールバラ公爵と令夫人がわたしたちを出迎える。
「やあ、アルバート。よく来てくれた。それからエルスペス嬢も。ビルツホルン以来だね」
「お久しぶり、アルバート殿下。ようこそ、我が家の夜会に。それから、はじめまして、ミス・エルスペス・アシュバートン」
「お招きありがとうございます、公爵閣下、ヴァイオレット夫人」
公爵夫人は銀髪を綺麗にまとめ、瞳と同じ色の濃い紫色のイブニングドレスに、アメジストの首飾り。内心はともかく、王子が連れてきた愛人にもにこやかだ。殿下はヴァイオレット夫人の手の甲に軽くキスをして、親愛の情を示す。
「殿下が無事にお戻りになって本当によかったわ。三年前、報せを聞いた時は、エセルバートの二の舞かと思って」
涙ぐむ夫人に、殿下がわたしを指し示す。
「……マックス・アシュバートン……彼女の父親が、盾になって俺を庇ってくれたのです。その代り、彼は――」
「ええ、アシュバートン卿のことは聞いていましてよ。本当に戦争は辛いわ。もう二度とないことを願うばかり」
「そのための講和条約ですからね。オズワルド小父様の活躍で、無事に締結できました」
給仕がさりげなく運んできた発泡ワインのグラスを、それぞれ手に取り、軽く乾杯する。
「今日はピアノと、チェロのプロの方に来ていただいているの。お素人の演奏も数曲。楽しんでいってね?」
「ええ、楽しみですよ、ヴァイオレットおば様」
わたしたちは案内された席に並んで座り、ワインで喉を潤しながら周囲を観察する。
「盛況な催しですのね。毎年、こんなに?」
「俺はブラックウェル伯爵が戦死した年に来ただけだが、その時はほとんどお通夜のようだった」
戦時中ということもあり、これまではもっと小規模だったらしい。
「今年は次男のゴードンが正式に継嗣として、ブラックウェル伯爵を名乗る、その披露目も兼ねている。後で挨拶に行かないといけないだろうな」
さっきは別の客に挨拶していたせいですれ違いになってしまった、マールバラ公爵の現在の嫡男を、殿下が視線で教えてくれる。少しぽっちゃりとした、人の良さそうな青年だった。
「バイオリンが得意で、玄人はだしだそうだよ。俺も聞いたことはないんだけど」
「……へえ……」
そんな話をしていると、「殿下」と聞き慣れた声がした。振り向けば、ジョナサン・カーティス大尉と婚約者のシャーロット嬢だった。
「ああ、やっと見つかった。いないからどうしたかと思った」
「すみません、車寄せが混雑して、なかなか降りられなくて。……こちらが婚約者のミス・シャーロット・パーマーです」
シャーロット嬢が緊張の面持ちで頭を下げる。シャーロット嬢は茶色い髪を結い、紺のジョーゼットに白いレースと刺繍の花が散らされた、可憐なイブニングドレス。ハイウエストでちょうちん袖に、白いリボンがついている。
「ああ、よろしく。アルバートだ。こちらはミス・エルスペス・アシュバートン」
「以前、お会いしたことがありますの。申し上げましたでしょ?」
「そうだったか? ああ、口の悪い妹がいると言っていたな。今日は妹は留守番か」
「妹はおとなしく音楽を聴いていられる性格ではありませんので」
カーティス大尉が苦笑する。
「それに今日は、シャーロットの、パーマー家の縁での招待なので、カーティス家の者が大挙して押し寄せるわけにまいりません」
グレンフィリック子爵であるパーマー家は、ヴァイオレット夫人の実家、ミドルトン侯爵家の分家筋にあたる。その縁で毎年招待状が来るのだが、普段、この時期は領地で過ごすので、王都に住む未亡人の従姉が出向くだけなのだと言う。
「その従姉がデイジー・フランク、旧姓デイジー・ミルドレッド、シャーロットの父の姉の娘になります」
カーティス大尉がシャーロット嬢の背後に控えていた、妖艶な美女を紹介する。赤い唇の脇のホクロが妙に色っぽい。
「はじめまして、アルバート殿下。デイジー・フランクでございます」
人によっては赤と表現するであろう、鮮やかな金髪に青い瞳。髪は電気ごてで巻いて夜会巻きにして、耳元にダイヤのイヤリングが揺れる。濃いグレイのイブニングドレスの胸元は大胆に開いていて、殿下に向かって会釈すると胸の谷間が強調される。
「ああ、はじめまして」
殿下が素っ気なく挨拶すると、ミセス・デイジーは何とも言えない色を孕んだ目で殿下を見ている。
「感激ですわ。戦争の英雄とこんなところでお逢いできるなんて」
「別に英雄じゃない」
「そちらの方が、噂の恋人? ――従妹のシャーロットがお世話になったそうで」
ミセス・デイジーがわたしに向けて挨拶してきたので、わたしも普通に礼を返す。わたしの左手のサファイアを見て、一瞬、目を見開いた。
「いえ。こちらこそ、いつもカーティス大尉にはお世話になります。百貨店で偶然会っただけですわ」
「シャーロットは引っ込み事案で、いつも緊張のあまり、失敗してしまうのですわ。普段はそんなことないのに。田舎暮らしに慣れてしまって、王都に出てくるのを嫌がるからですわ。ねぇ、シャーロット?」
猫なで声、というのだろうか。甘いのに毒を含んだような声で、呼びかけられたシャーロット嬢が、とたんに緊張して固くなったのがわかる。
「今日も、シャーロットには不慣れな夜会でしょう? 何か失敗をしたらと思うと、居てもたってもいられなくて……ほんと、昔からシャーロットは物慣れない子なんですのよ」
「殿下がこちらに招待を受けたと聞いて、パーマー家に招待状が来ているか問い合わせて、混ぜてもらうことにしたんです。シャーロットと出掛けるいい機会でしたし。デイジーは、ヴァイオレット夫人の親族として、会の裏方にも関わっているんです。今回はシャーロットが心配だと言い張るので、ここまでついてきてもらったのですが」
デイジーの言葉に、カーティス大尉も何気なく相槌をうち、シャーロット嬢は青ざめて、今にも震え出しそうだ。
……まるで呪いみたい、とわたしは思う。この子は緊張のあまり、失敗をする、心配だわ、と言われ続け、いざ失敗すると、ほら、やっぱりと言われる。失敗をするように刷り込まれているようなものだ。でも周囲は、失敗ばかりするシャーロット嬢には、面倒を見てくれるデイジーが必要だと、ますますシャーロット嬢を追い詰めていく。
わたしはカーティス大尉を見た。
――ミセス・デイジーは、カーティス大尉の亡き兄の婚約者だったという。その後、デイジーは王都のフランク氏と結婚したが夫には死に別れ、カーティス大尉はシャーロット嬢と婚約した。
見たところ、ミセス・デイジーはカーティス大尉と同じ年頃か、数歳上くらいだろう。結婚できない年齢差ではない。三十前後になっても輝くように美しく、色香に溢れたデイジーに比べ、年下の従妹のシャーロットはほんの子供で、鼻の頭にはそばかすまで浮いて、はっきり言えば、地味だ。自信のなさが身の内から溢れ出ているし、実際、カチコチに緊張している。
……カーティス大尉は気配りのできる人だと思っていたのに、デイジーとシャーロットの微妙な関係に、どうして気づかないのかしら。
王都の中心部を外れた高級住宅街。先代国王の王弟殿下であった、初代のマールバラ公爵に賜与された邸は、周辺でも随一の豪華さと広さを誇る。十分なスペースがあるはずの車寄せは、しかし、招待客の馬車でごったがえしていた。
夜の第一正装であるテールコートに、冬の寒さを防ぐための毛皮のついたオーバーコートを纏ったアルバート 殿下が馬車を降りれば、すぐに金釦のついたお仕着せを着た従僕が駆け寄ってくる。
従僕の先導で玄関に入り、コートと帽子、ステッキを預けたところに、この家の執事らしきが挨拶に来た。
「これはアルバート殿下、お待ちしておりました」
「オズワルド小父様と、奥方にご挨拶を」
「はい、こちらでございます」
周囲の招待客よりも殿下が優先なのは、本日の客の中で殿下の身分が最も高いから。わたしは殿下のエスコートで、赤い絨毯の上をゆっくりと歩く。今日は黒い東洋の絹に、鴛鴦の刺繍の入ったイブニング。――以前、ビルツホルンの大使館の晩餐会では黒の長手袋を着用したけれど、今日はオーガンジーの、蝶のようなふわりとした袖のボレロを羽織った。左手の薬指の、サファイアの指輪を強調するためだ。殿下も黒い上着の襟元に、父の形見のサファイアのタイピンを刺し、二人の関係をさりげなく示している。
シャンデリアの輝く広い大広間にわたしたちが入っていくと、先に来ていた招待客が一斉に注目した。
アルバート王子と、元のリンドホルム伯爵令嬢。――婚約者のレコンフィールド公爵令嬢を差し置き、爵位すら失った元・伯爵令嬢をエスコートする王子を、皆はどう、思うだろうか。
――ステファニー嬢じゃないのか。
――ほら、あれが愛人の。
――戦争から戻ったら、すっかり心変わりして。
――ステファニー嬢もお気の毒。
そんなヒソヒソ声が耳に届くけれど、わたしは聞こえないふりをして前を向く。
ホールの中央には、立派なグランド・ピアノが置かれ、演奏者用の椅子も数脚、並べられている。音楽をこよなく愛し、芸術の保護者でもあった、故ブラックウェル伯爵エセルバート・クリーヴランド卿を偲んで、毎年彼の誕生日である十二月三十日に、父・マールバラ公爵が音楽を愛でる夜会を開催しているのだ。
マールバラ公爵と令夫人がわたしたちを出迎える。
「やあ、アルバート。よく来てくれた。それからエルスペス嬢も。ビルツホルン以来だね」
「お久しぶり、アルバート殿下。ようこそ、我が家の夜会に。それから、はじめまして、ミス・エルスペス・アシュバートン」
「お招きありがとうございます、公爵閣下、ヴァイオレット夫人」
公爵夫人は銀髪を綺麗にまとめ、瞳と同じ色の濃い紫色のイブニングドレスに、アメジストの首飾り。内心はともかく、王子が連れてきた愛人にもにこやかだ。殿下はヴァイオレット夫人の手の甲に軽くキスをして、親愛の情を示す。
「殿下が無事にお戻りになって本当によかったわ。三年前、報せを聞いた時は、エセルバートの二の舞かと思って」
涙ぐむ夫人に、殿下がわたしを指し示す。
「……マックス・アシュバートン……彼女の父親が、盾になって俺を庇ってくれたのです。その代り、彼は――」
「ええ、アシュバートン卿のことは聞いていましてよ。本当に戦争は辛いわ。もう二度とないことを願うばかり」
「そのための講和条約ですからね。オズワルド小父様の活躍で、無事に締結できました」
給仕がさりげなく運んできた発泡ワインのグラスを、それぞれ手に取り、軽く乾杯する。
「今日はピアノと、チェロのプロの方に来ていただいているの。お素人の演奏も数曲。楽しんでいってね?」
「ええ、楽しみですよ、ヴァイオレットおば様」
わたしたちは案内された席に並んで座り、ワインで喉を潤しながら周囲を観察する。
「盛況な催しですのね。毎年、こんなに?」
「俺はブラックウェル伯爵が戦死した年に来ただけだが、その時はほとんどお通夜のようだった」
戦時中ということもあり、これまではもっと小規模だったらしい。
「今年は次男のゴードンが正式に継嗣として、ブラックウェル伯爵を名乗る、その披露目も兼ねている。後で挨拶に行かないといけないだろうな」
さっきは別の客に挨拶していたせいですれ違いになってしまった、マールバラ公爵の現在の嫡男を、殿下が視線で教えてくれる。少しぽっちゃりとした、人の良さそうな青年だった。
「バイオリンが得意で、玄人はだしだそうだよ。俺も聞いたことはないんだけど」
「……へえ……」
そんな話をしていると、「殿下」と聞き慣れた声がした。振り向けば、ジョナサン・カーティス大尉と婚約者のシャーロット嬢だった。
「ああ、やっと見つかった。いないからどうしたかと思った」
「すみません、車寄せが混雑して、なかなか降りられなくて。……こちらが婚約者のミス・シャーロット・パーマーです」
シャーロット嬢が緊張の面持ちで頭を下げる。シャーロット嬢は茶色い髪を結い、紺のジョーゼットに白いレースと刺繍の花が散らされた、可憐なイブニングドレス。ハイウエストでちょうちん袖に、白いリボンがついている。
「ああ、よろしく。アルバートだ。こちらはミス・エルスペス・アシュバートン」
「以前、お会いしたことがありますの。申し上げましたでしょ?」
「そうだったか? ああ、口の悪い妹がいると言っていたな。今日は妹は留守番か」
「妹はおとなしく音楽を聴いていられる性格ではありませんので」
カーティス大尉が苦笑する。
「それに今日は、シャーロットの、パーマー家の縁での招待なので、カーティス家の者が大挙して押し寄せるわけにまいりません」
グレンフィリック子爵であるパーマー家は、ヴァイオレット夫人の実家、ミドルトン侯爵家の分家筋にあたる。その縁で毎年招待状が来るのだが、普段、この時期は領地で過ごすので、王都に住む未亡人の従姉が出向くだけなのだと言う。
「その従姉がデイジー・フランク、旧姓デイジー・ミルドレッド、シャーロットの父の姉の娘になります」
カーティス大尉がシャーロット嬢の背後に控えていた、妖艶な美女を紹介する。赤い唇の脇のホクロが妙に色っぽい。
「はじめまして、アルバート殿下。デイジー・フランクでございます」
人によっては赤と表現するであろう、鮮やかな金髪に青い瞳。髪は電気ごてで巻いて夜会巻きにして、耳元にダイヤのイヤリングが揺れる。濃いグレイのイブニングドレスの胸元は大胆に開いていて、殿下に向かって会釈すると胸の谷間が強調される。
「ああ、はじめまして」
殿下が素っ気なく挨拶すると、ミセス・デイジーは何とも言えない色を孕んだ目で殿下を見ている。
「感激ですわ。戦争の英雄とこんなところでお逢いできるなんて」
「別に英雄じゃない」
「そちらの方が、噂の恋人? ――従妹のシャーロットがお世話になったそうで」
ミセス・デイジーがわたしに向けて挨拶してきたので、わたしも普通に礼を返す。わたしの左手のサファイアを見て、一瞬、目を見開いた。
「いえ。こちらこそ、いつもカーティス大尉にはお世話になります。百貨店で偶然会っただけですわ」
「シャーロットは引っ込み事案で、いつも緊張のあまり、失敗してしまうのですわ。普段はそんなことないのに。田舎暮らしに慣れてしまって、王都に出てくるのを嫌がるからですわ。ねぇ、シャーロット?」
猫なで声、というのだろうか。甘いのに毒を含んだような声で、呼びかけられたシャーロット嬢が、とたんに緊張して固くなったのがわかる。
「今日も、シャーロットには不慣れな夜会でしょう? 何か失敗をしたらと思うと、居てもたってもいられなくて……ほんと、昔からシャーロットは物慣れない子なんですのよ」
「殿下がこちらに招待を受けたと聞いて、パーマー家に招待状が来ているか問い合わせて、混ぜてもらうことにしたんです。シャーロットと出掛けるいい機会でしたし。デイジーは、ヴァイオレット夫人の親族として、会の裏方にも関わっているんです。今回はシャーロットが心配だと言い張るので、ここまでついてきてもらったのですが」
デイジーの言葉に、カーティス大尉も何気なく相槌をうち、シャーロット嬢は青ざめて、今にも震え出しそうだ。
……まるで呪いみたい、とわたしは思う。この子は緊張のあまり、失敗をする、心配だわ、と言われ続け、いざ失敗すると、ほら、やっぱりと言われる。失敗をするように刷り込まれているようなものだ。でも周囲は、失敗ばかりするシャーロット嬢には、面倒を見てくれるデイジーが必要だと、ますますシャーロット嬢を追い詰めていく。
わたしはカーティス大尉を見た。
――ミセス・デイジーは、カーティス大尉の亡き兄の婚約者だったという。その後、デイジーは王都のフランク氏と結婚したが夫には死に別れ、カーティス大尉はシャーロット嬢と婚約した。
見たところ、ミセス・デイジーはカーティス大尉と同じ年頃か、数歳上くらいだろう。結婚できない年齢差ではない。三十前後になっても輝くように美しく、色香に溢れたデイジーに比べ、年下の従妹のシャーロットはほんの子供で、鼻の頭にはそばかすまで浮いて、はっきり言えば、地味だ。自信のなさが身の内から溢れ出ているし、実際、カチコチに緊張している。
……カーティス大尉は気配りのできる人だと思っていたのに、デイジーとシャーロットの微妙な関係に、どうして気づかないのかしら。
あなたにおすすめの小説
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。