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3.異霊の暗翳
初めて感じた恐怖
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「お前なぁ……。いい加減にしろよ……」
呆れ声を隠そうともせずに、詩依良が背後の彼女へと話しかける。腰を抜かして歩けない沙耶は、詩依良に背負われているのだ。
「あうぅ……。ごめんなさい……」
肩越しからは申し訳なさそうな、恥ずかしそうな声が詩依良に返って来る。だが彼女の視界には入らないが、沙耶の顔は心なしか嬉しそうでもあった。
沙耶を背負う詩依良はとても力強く歩を進めており、彼女の見た目からは少し想像出来ないほど力がある様だ。そしてそれは、沙耶が教室で見る〝一之宮詩依良〟のイメージとは程遠いものであった。
一之宮詩依良である時の彼女は、可憐で優雅で華奢で儚げな、美少女の持つ全ての印象を有している。沙耶の脳裏にある一之宮詩依良には、力強さや逞しさと言ったイメージは含まれない。
しかし今、沙耶を背負う詩依良の足取りに危な気な所は無く、安定してしっかりとしていた。だがそれもそう驚く様な事では無いのは、よく考えれば分からない話では無いのだ。
沙耶の持つ一之宮詩依良像には含まれていない様だが、彼女は体育の時間でもそのスポーツ万能ぶりを披露している。
決して沙耶の思い描く想像図だけが詩依良の全てでは無いのだ。寧ろ、文武両道の大和撫子と言う方が合っているのかも知れない。
だが沙耶が今、そう思うのも仕方のない事なのだろう。
運動も高いレベルでそつ無く熟す詩依良だが、意外な筋肉質だとか、がっちりとした骨格だとかいう事は無い。沙耶が抱き付く詩依良の背中は柔らかく、温かく、そして良い香りがしたのだった。
そこから沙耶がそう考えても、そう不思議では無かったのだ。
それにそれよりも沙耶は今、そう言った事を深く考える様な余裕はなかったのだ。
沙耶にとって、誰かにおぶさると言う行為は実に約10年ぶりとなる。
小学1年生の時にあの騒動が起こって以来、同級生はおろか家族からも敬遠されて来た沙耶にとっては、理由はどうあれ「自分が背負われる」と言う行為が子供の様に嬉しかったのだ。
彼女の有頂天となっている気持ちがその表情に、声に、雰囲気につい含まれてしまう。そしてそれを、詩依良は敏感に感じ取っていた。
「お前、何喜んでんだよ……。歩けるなら、もう降ろすぞ」
少し大きく首を回し、背中越しに沙耶の表情を盗み見た詩依良からその事を指摘されてしまう。沙耶は気付いていないが、彼女の表情に特に強く現れていた想いを視止められたのだ。
「こ、これはあの……その……」
ハッと表情を引き締め、頭をすぼめる様にして詩依良の背中へ顔を隠しながら、沙耶はシドロモドロに言い訳を探した。
まさか、背負ってもらえた事が嬉しいとは流石に言い難い。そんな沙耶の挙動に、詩依良はフゥッと1つ、深い溜息をついたのだった。
暫く歩を進め、詩依良は少し気になった疑問を投げ掛けた。
「それよりお前……あんな事は初めてだったのか?」
彼女の質問には、何についてなのかが明確に示されていなかった。
「あんな事」だけでは本来ならば、詩依良が何を言っているのか分からない様なものだが、沙耶には彼女の言う「あんな事」の意味がすぐに理解出来ていた。
詩依良は、沙耶が霊に襲われた事について問いかけているのだ。
そもそも霊が視えると言う事は、視られた霊達も〝自分が視られている〟と言う事を感じ取る。何の能力も持たない多くの人達に、本来ならば自分達の存在を気付いて貰うなど出来ない。
だがもし、霊が〝気付いて貰えた〟と感じたならば、その霊は何故かその人物にすり寄って行く習性があるのだ。
地縛霊や守護霊など、その場から容易に移動出来ない霊は別だが、自由に行動している浮遊霊や動物霊などはそう言った現世の人物から投げ掛けられる視線に敏感だ。
そして沙耶程に霊が視えると言う事は、当然霊達にもそれを気付かれている。勘づいた霊達は、彼女に近付いて行くだろう。
そう言った霊達が全て無害な者達ばかりとは限らず、中には好戦的な霊や、存在自体が危険な霊をも呼び寄せてしまうのだ。
詩依良が沙耶に問いかけたのは、そう言った危険な、好戦的な霊に襲われた事が過去に無かったのかと言う内容だった。
「……ううん。小学生の時に一回だけ……追いかけられた事があるよ……」
ブルッと沙耶が身震いしたのを、詩依良は背中越しに感じていた。沙耶にしてみれば、あまり思い出したくない事なのかもしれない。
「一回だけか!?」
しかし詩依良は驚いたように問い返した。沙耶の高い霊視能力ならば、もっと多く霊に襲われた経験があってもおかしくは無いのだ。
彼女には、霊達が「自然と」視界に入ってきてしまう。一般の人達が見る景色の中に、自然に霊達が入り込み、沙耶もそれを普通の事と特に気にしてはいなかったのだ。
だが前述の通り、沙耶にどの様な思いがあっても、気付いて貰えた霊はその全部がそうでは無いにしろ彼女にすり寄って行く筈だ。
もし沙耶がそう言った霊障に対処する様な家系なり、何か教えを受けているのであればその少なさも理解出来なくも無い。
例えば何か特殊なお札であるとか、御守りの様な物を持つだけでも随分と違うものだ。だがそれでも、一回と言うのは少な過ぎた。
「う、うん。そうだけど……な、何!?」
詩依良の大き過ぎる反応に、沙耶は何かまずい事でも言ったのかと動揺して聞き返してしまった。
「い、いや……何でもない」
詩依良にしても、沙耶の回答が余りにも予想外だっただけなのだ。だが彼女には、沙耶が霊に襲われる確率が少なくなる理由、その可能性について心当たりがあった。
非常に稀なケースではあるが、恐らく沙耶には、稀有な危機回避能力があるのかもしれないと詩依良は考えていた。霊感や第六感等と言われるものがそれに当たる。
例えば「こちらは危ない感じがする」「こっちは何か行きたくない」と言った、理由は定かでなくとも何か確信めいた理由で行動を変更する、云わばちょっとした未来予知に近い能力がそれらを指す言葉であり、特に霊を相手とする場合などは重要になる。
そう言った能力は、本来ならば長い修行を掛けて、それらの感性を徐々に鋭敏としていく。そうする事で、危機回避能力をより正確に高めて行くのだ。
超一流の霊感保有者に至っては、何が起こるのか、何がそこに居るのかまで正確に把握出来るらしく、正しく未来予知の域に達していた。しかしそこまでの能力者は大抵が高齢で、自身で頻繁に出歩く事も無くなるので、そう言った能力が役に立つ事は殆ど無い。
因みに一般的な「未来予知」の様に、自身が関わらない、遠く離れた場所の出来事でも言い当てる……と言った能力の事では無く、これはあくまでも自分の勘を指すのである。
「そうか……。そんな昔に一度襲われただけしか経験が無いんなら、驚いてもしょうがねぇよな……」
詩依良は自身の声で若干怯えた様になってしまった沙耶を宥める様に、殊更に声を和らげて言葉を返した。彼女にしても沙耶が、今までに一度しか襲われた事が無かったとしても、別に何か問題がある訳では無いのだ。
ただ詩依良にとって余りにも意外だっただけなのだから、必要以上に沙耶を怯えさせても意味は無かった。
詩依良の声に沙耶もそれ以上怯えた風も無く、すぐに落ち着いた声が返って来た。
「うん……何て言うのかな……。昔襲われた時は、ただ追い駆け回されただけだったんだけど、さっきみたいに無機質……と言うか……当たり前の様に人をこ……殺そうって言う感じは……初めてだったから……」
確かに、ユウキには沙耶を殺そうと言う明確な殺意は無かった。
ただ障害を排除する、そう言った機械的な気持ちだったのだろう。もしくは、それすらも考えていなかったかもしれない。
ユウキにしてみれば、周囲を飛び回る羽虫を払った程度であったかもしれないのだ。
―――だからこそ、沙耶はより恐ろしかった……。
ユウキ自身の意志とは関係なく、ただ彼女が不快に思っただけで普通の人間を死に至らしめてしまう彼女の霊力は、確かに悪霊と言えるほどのものだったのだ。
呆れ声を隠そうともせずに、詩依良が背後の彼女へと話しかける。腰を抜かして歩けない沙耶は、詩依良に背負われているのだ。
「あうぅ……。ごめんなさい……」
肩越しからは申し訳なさそうな、恥ずかしそうな声が詩依良に返って来る。だが彼女の視界には入らないが、沙耶の顔は心なしか嬉しそうでもあった。
沙耶を背負う詩依良はとても力強く歩を進めており、彼女の見た目からは少し想像出来ないほど力がある様だ。そしてそれは、沙耶が教室で見る〝一之宮詩依良〟のイメージとは程遠いものであった。
一之宮詩依良である時の彼女は、可憐で優雅で華奢で儚げな、美少女の持つ全ての印象を有している。沙耶の脳裏にある一之宮詩依良には、力強さや逞しさと言ったイメージは含まれない。
しかし今、沙耶を背負う詩依良の足取りに危な気な所は無く、安定してしっかりとしていた。だがそれもそう驚く様な事では無いのは、よく考えれば分からない話では無いのだ。
沙耶の持つ一之宮詩依良像には含まれていない様だが、彼女は体育の時間でもそのスポーツ万能ぶりを披露している。
決して沙耶の思い描く想像図だけが詩依良の全てでは無いのだ。寧ろ、文武両道の大和撫子と言う方が合っているのかも知れない。
だが沙耶が今、そう思うのも仕方のない事なのだろう。
運動も高いレベルでそつ無く熟す詩依良だが、意外な筋肉質だとか、がっちりとした骨格だとかいう事は無い。沙耶が抱き付く詩依良の背中は柔らかく、温かく、そして良い香りがしたのだった。
そこから沙耶がそう考えても、そう不思議では無かったのだ。
それにそれよりも沙耶は今、そう言った事を深く考える様な余裕はなかったのだ。
沙耶にとって、誰かにおぶさると言う行為は実に約10年ぶりとなる。
小学1年生の時にあの騒動が起こって以来、同級生はおろか家族からも敬遠されて来た沙耶にとっては、理由はどうあれ「自分が背負われる」と言う行為が子供の様に嬉しかったのだ。
彼女の有頂天となっている気持ちがその表情に、声に、雰囲気につい含まれてしまう。そしてそれを、詩依良は敏感に感じ取っていた。
「お前、何喜んでんだよ……。歩けるなら、もう降ろすぞ」
少し大きく首を回し、背中越しに沙耶の表情を盗み見た詩依良からその事を指摘されてしまう。沙耶は気付いていないが、彼女の表情に特に強く現れていた想いを視止められたのだ。
「こ、これはあの……その……」
ハッと表情を引き締め、頭をすぼめる様にして詩依良の背中へ顔を隠しながら、沙耶はシドロモドロに言い訳を探した。
まさか、背負ってもらえた事が嬉しいとは流石に言い難い。そんな沙耶の挙動に、詩依良はフゥッと1つ、深い溜息をついたのだった。
暫く歩を進め、詩依良は少し気になった疑問を投げ掛けた。
「それよりお前……あんな事は初めてだったのか?」
彼女の質問には、何についてなのかが明確に示されていなかった。
「あんな事」だけでは本来ならば、詩依良が何を言っているのか分からない様なものだが、沙耶には彼女の言う「あんな事」の意味がすぐに理解出来ていた。
詩依良は、沙耶が霊に襲われた事について問いかけているのだ。
そもそも霊が視えると言う事は、視られた霊達も〝自分が視られている〟と言う事を感じ取る。何の能力も持たない多くの人達に、本来ならば自分達の存在を気付いて貰うなど出来ない。
だがもし、霊が〝気付いて貰えた〟と感じたならば、その霊は何故かその人物にすり寄って行く習性があるのだ。
地縛霊や守護霊など、その場から容易に移動出来ない霊は別だが、自由に行動している浮遊霊や動物霊などはそう言った現世の人物から投げ掛けられる視線に敏感だ。
そして沙耶程に霊が視えると言う事は、当然霊達にもそれを気付かれている。勘づいた霊達は、彼女に近付いて行くだろう。
そう言った霊達が全て無害な者達ばかりとは限らず、中には好戦的な霊や、存在自体が危険な霊をも呼び寄せてしまうのだ。
詩依良が沙耶に問いかけたのは、そう言った危険な、好戦的な霊に襲われた事が過去に無かったのかと言う内容だった。
「……ううん。小学生の時に一回だけ……追いかけられた事があるよ……」
ブルッと沙耶が身震いしたのを、詩依良は背中越しに感じていた。沙耶にしてみれば、あまり思い出したくない事なのかもしれない。
「一回だけか!?」
しかし詩依良は驚いたように問い返した。沙耶の高い霊視能力ならば、もっと多く霊に襲われた経験があってもおかしくは無いのだ。
彼女には、霊達が「自然と」視界に入ってきてしまう。一般の人達が見る景色の中に、自然に霊達が入り込み、沙耶もそれを普通の事と特に気にしてはいなかったのだ。
だが前述の通り、沙耶にどの様な思いがあっても、気付いて貰えた霊はその全部がそうでは無いにしろ彼女にすり寄って行く筈だ。
もし沙耶がそう言った霊障に対処する様な家系なり、何か教えを受けているのであればその少なさも理解出来なくも無い。
例えば何か特殊なお札であるとか、御守りの様な物を持つだけでも随分と違うものだ。だがそれでも、一回と言うのは少な過ぎた。
「う、うん。そうだけど……な、何!?」
詩依良の大き過ぎる反応に、沙耶は何かまずい事でも言ったのかと動揺して聞き返してしまった。
「い、いや……何でもない」
詩依良にしても、沙耶の回答が余りにも予想外だっただけなのだ。だが彼女には、沙耶が霊に襲われる確率が少なくなる理由、その可能性について心当たりがあった。
非常に稀なケースではあるが、恐らく沙耶には、稀有な危機回避能力があるのかもしれないと詩依良は考えていた。霊感や第六感等と言われるものがそれに当たる。
例えば「こちらは危ない感じがする」「こっちは何か行きたくない」と言った、理由は定かでなくとも何か確信めいた理由で行動を変更する、云わばちょっとした未来予知に近い能力がそれらを指す言葉であり、特に霊を相手とする場合などは重要になる。
そう言った能力は、本来ならば長い修行を掛けて、それらの感性を徐々に鋭敏としていく。そうする事で、危機回避能力をより正確に高めて行くのだ。
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因みに一般的な「未来予知」の様に、自身が関わらない、遠く離れた場所の出来事でも言い当てる……と言った能力の事では無く、これはあくまでも自分の勘を指すのである。
「そうか……。そんな昔に一度襲われただけしか経験が無いんなら、驚いてもしょうがねぇよな……」
詩依良は自身の声で若干怯えた様になってしまった沙耶を宥める様に、殊更に声を和らげて言葉を返した。彼女にしても沙耶が、今までに一度しか襲われた事が無かったとしても、別に何か問題がある訳では無いのだ。
ただ詩依良にとって余りにも意外だっただけなのだから、必要以上に沙耶を怯えさせても意味は無かった。
詩依良の声に沙耶もそれ以上怯えた風も無く、すぐに落ち着いた声が返って来た。
「うん……何て言うのかな……。昔襲われた時は、ただ追い駆け回されただけだったんだけど、さっきみたいに無機質……と言うか……当たり前の様に人をこ……殺そうって言う感じは……初めてだったから……」
確かに、ユウキには沙耶を殺そうと言う明確な殺意は無かった。
ただ障害を排除する、そう言った機械的な気持ちだったのだろう。もしくは、それすらも考えていなかったかもしれない。
ユウキにしてみれば、周囲を飛び回る羽虫を払った程度であったかもしれないのだ。
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