気ままに陰陽師!

海月大和

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第二話

エピローグ

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 お屋敷に戻った菜央たちはお茶とお菓子で一服し、世間話に花を咲かせた。そうしてひとときの楽しい時間を過ごしたあとは、別れの時間だ。

 丘の上の神社の鳥居の前に菜央たちはいた。隣には三房さんが、向かいには見送りの忠重さんと菖蒲さんが立っている。

「今日はお招きいただきありがとうございました」
「ありがとうございました! とっても楽しかったです!」
「おもてなし、心から感謝します」

 彰と菜央、二宮が感謝とともに頭を下げる。忠重さんと菖蒲さんは嬉しそうに笑い、

「楽しんでいただけてなにより。また来てくだされ」
「美味しいものを用意して待っています」

 と言った。

 三房さんが「繋ぎ給え、導き給え」と唱え鳥居の中に門を作り、

「準備が出来ましたよ」

 と三人に声をかける。

 もう一度三人は深々とお辞儀をして、大きな鳥居をくぐっていったのだった。






 その様子を高い木の上から見ている者がいた。甚平を着たまだ十かそこらの子供だった。樹の枝に座って足をぶらぶらさせ、手にはどこからか取ってきた苺を持っている。

「平和ボケの狐たちにいたずらしてやるだけのつもりだったけど……」

 子供は苺を頬張り、咀嚼する。

「思ったより面白いのが見つかったなぁ。珍しい術を使う陰陽師」

 ごくりと苺を飲み下した子供はにひひととても無邪気に笑った。

「しばらくあいつにちょっかい出して遊んでみようか」

 きししと笑いながら、子供は座っていた樹の枝から飛び降りる。落ちる勢いのまま、子供は地面にするりと飲み込まれて消えた。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

もちもち
2019.12.25 もちもち

一章を拝読いたしました! 人は見かけによらないという言葉が後半までずっと活きていたように感じました。狐を煽るという事だったかもですが、意外に二宮さんは好戦的にも振る舞うのですね(*^^*)
テンポもまとまりも良くて、楽しい気分で最後まで拝読させていただきました。
次回作も狐にまつわるお話でしょうか、楽しみにしています!

2019.12.25 海月大和

もちもち様。お読みいただきありがとうございます!二宮は思った以上にやんちゃな感じになってしまいました。挑発云々は池永を守るために自分へ注意を向けさせるという側面もあります。イキってるように見えないか心配ですが…(^_^;  楽しんでいただけたなら大変嬉しく思います。感想ありがとうございました!

解除

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