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カフェ霧雲堂、春の新作発表会!
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ぽかぽかと日差しが温かく、山の麓にもようやく春の気配が満ちてきた。
雲渓村のあちこちで桜が咲き、子どもたちは薄着になり、山菜採りの村人の姿もちらほらと見える。
そんなある日のこと、霧雲堂の店内に、カリンの弾んだ声が響いた。
「ということで! カフェ霧雲堂、春の新作メニュー発表会を開催します!」
突然の宣言に、シュウは茶を淹れていた手を止め、目を瞬かせた。
「……新作、ですか?」
「そう! シャオケイと一緒に、こっそり試作してたの。薬草を使った、春限定スイーツ!」
隣で頷くシャオケイが、恥ずかしそうに言葉を添える。
「先生が朝の散歩で見つけた“白花カッコウ草”や“薄荷蕾”……あれを使ったお菓子です」
カリンは手に持ったお品書きボードを掲げて、にこりと微笑む。
「題して、『霧雲堂 春のお茶うけ五選』!」
新作発表は、日曜の昼下がり。
天気にも恵まれ、霧雲堂の庭にはテーブルが並び、ふだんより多くの村人たちが訪れていた。
「まずはこちら、“白花カッコウ草のゼリー寄せ”。ほんのり甘くて、喉にもいいんです」
「きれい……透明な中に、花が閉じ込められてるみたいだわ」
子どもたちには、“薄荷蕾の冷やし団子”が人気だった。
もっちりした団子に、ほんのりとした清涼感があり、春先の眠気も吹き飛ぶと評判に。
「うちのおじいちゃん、最近昼寝ばっかりしてたけど、これでシャキッとしたよ!」
「こ、こりゃ、勝手に言うな!」
会場には笑いが絶えない。
一方、シュウは茶席で、来場者に新作の“春芽茶”をふるまっていた。
「こちらは、春先に芽吹く薬草を数種、丁寧に干してブレンドしたものです。身体を内から温めつつ、眠気を穏やかに晴らしてくれますよ」
「うわあ……先生の説明を聞くだけで、健康になった気がします」
「そう仰っていただけると、調合師冥利に尽きますね」
そう言って、静かに茶を注ぐシュウの手元を、子猫たちがちょこまかと横切っていく。
「……おや、茶葉を盗まれてしまいました」
「きゃっ、団子も!」
どうやら子猫たちも新作メニューを気に入ったらしい。
「こらっ、これは試作品なんだから! あっ、あぁっ! お皿が!」
てんやわんやのなか、シャオケイが追いかけて走り出し、カリンが笑い転げる。
「まったく、にぎやかですね……」
シュウはため息をつきつつも、どこか楽しげに目を細めていた。
日が傾き始めたころ、庭の中央でカリンが両手を広げる。
「みんなー、今日はありがとう! 次の季節にも、また新しいメニューを用意するから、楽しみにしててね!」
拍手と歓声が湧き上がる。
子どもたちがカリンのまわりに集まり、シャオケイは手作りの薬草飴を配っていた。
その様子を見ながら、シュウは縁側に腰を下ろし、静かにお茶を一口。
「……変わってきましたね、この店も、この村も、私たちも」
ウーロンが足元にすり寄り、子猫がその横にぴたりと寄り添う。
春の風が吹き抜けるなか、霧雲堂には、新しい季節の香りと、変わらぬ穏やかな時間が流れていた。
雲渓村のあちこちで桜が咲き、子どもたちは薄着になり、山菜採りの村人の姿もちらほらと見える。
そんなある日のこと、霧雲堂の店内に、カリンの弾んだ声が響いた。
「ということで! カフェ霧雲堂、春の新作メニュー発表会を開催します!」
突然の宣言に、シュウは茶を淹れていた手を止め、目を瞬かせた。
「……新作、ですか?」
「そう! シャオケイと一緒に、こっそり試作してたの。薬草を使った、春限定スイーツ!」
隣で頷くシャオケイが、恥ずかしそうに言葉を添える。
「先生が朝の散歩で見つけた“白花カッコウ草”や“薄荷蕾”……あれを使ったお菓子です」
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「題して、『霧雲堂 春のお茶うけ五選』!」
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「きれい……透明な中に、花が閉じ込められてるみたいだわ」
子どもたちには、“薄荷蕾の冷やし団子”が人気だった。
もっちりした団子に、ほんのりとした清涼感があり、春先の眠気も吹き飛ぶと評判に。
「うちのおじいちゃん、最近昼寝ばっかりしてたけど、これでシャキッとしたよ!」
「こ、こりゃ、勝手に言うな!」
会場には笑いが絶えない。
一方、シュウは茶席で、来場者に新作の“春芽茶”をふるまっていた。
「こちらは、春先に芽吹く薬草を数種、丁寧に干してブレンドしたものです。身体を内から温めつつ、眠気を穏やかに晴らしてくれますよ」
「うわあ……先生の説明を聞くだけで、健康になった気がします」
「そう仰っていただけると、調合師冥利に尽きますね」
そう言って、静かに茶を注ぐシュウの手元を、子猫たちがちょこまかと横切っていく。
「……おや、茶葉を盗まれてしまいました」
「きゃっ、団子も!」
どうやら子猫たちも新作メニューを気に入ったらしい。
「こらっ、これは試作品なんだから! あっ、あぁっ! お皿が!」
てんやわんやのなか、シャオケイが追いかけて走り出し、カリンが笑い転げる。
「まったく、にぎやかですね……」
シュウはため息をつきつつも、どこか楽しげに目を細めていた。
日が傾き始めたころ、庭の中央でカリンが両手を広げる。
「みんなー、今日はありがとう! 次の季節にも、また新しいメニューを用意するから、楽しみにしててね!」
拍手と歓声が湧き上がる。
子どもたちがカリンのまわりに集まり、シャオケイは手作りの薬草飴を配っていた。
その様子を見ながら、シュウは縁側に腰を下ろし、静かにお茶を一口。
「……変わってきましたね、この店も、この村も、私たちも」
ウーロンが足元にすり寄り、子猫がその横にぴたりと寄り添う。
春の風が吹き抜けるなか、霧雲堂には、新しい季節の香りと、変わらぬ穏やかな時間が流れていた。
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