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魔導書士、担当者と話す
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王都を後にした私たちは、トネルコさんの商会に来ていた。
「おお、ニコライ様お待ちしておりました。ご依頼の件、一通り見繕ってみました。こちら、当商会の書籍の仕入れ担当者でございます」
「どうもニコライ様。サーシャと申します。以後お見知りおきを」
眼鏡をかけたクールそうな女性が、ロングの青髪を揺らして挨拶する。
「どうも、ニコライと申します。それで、どんな本がありますでしょうか」
「はい、こちらにお越しください」
そうして案内された部屋には、大量の本が箱に入れて並べられていた。
「こちらからご入用のものをお持ちください」
「ありがとうございます。拝見します」
確認をするが、やはり魔導学や魔導史といった分野はアカデミーの売店と同様、内容に誤りが散見される。やはりこれがメジャーな内容なのだろう。周辺分野の、信頼できそうな本だけをよけていくことにする。
「すみません、今回はこれをお願いします」
大量にあった本の中から選り分けると、1箱分に収まってしまった。
「これだけでよろしいのですか?僭越ながら、書籍担当者としてそれなりのものを取りそろえたつもりでしたが」
サーシャさんが少し不服そうにしていたので、
「いえ、実はですね…」
私は事情を説明した。
「なるほど」
サーシャさんはそれだけ言うと、あとはもう何も言わなかった。
「申し訳ございません。ニコライ様のお眼鏡にかなうものが少なかったということで」
本の選別を終えて応接間に来た私たちをトネルコさんが迎える。
「いえいえ、気にしないでください。王都でも似たようなものでしたので」
「そうでございますか?いえ、次こそはと彼女も張り切っておりましたので、またご用命ください。さて、それはさておき、新しい魔導書具のお話ですが」
トネルコさんによると新商品が欲しいということだったので、思いつく限りでいくつかの商品アイデアを提案し、よさそうなものをいくつか試作品を作って持ってくることになった。
「いやー、それではニコライ様、新商品期待しておりますので!」
「ええ、それではまた来ます。じゃあレイラさん、村に帰りましょうか」
「ああ、そうだな」
「かしこまりました」
1つ余分に返事が返ってきた。私とレイラさんが同時に振り返ると、なぜか旅支度を済ませたサーシャさんが立っていた。
「おお、サーシャよ、しっかりお役目を果たしてきなさい」
「はい、旦那様」
「いやいやいや、待ってください。どういうことですか?」
「おや、聞いておりませんか?なんでも、サーシャがニコライ様の元で働きたいということでして」
「はい。私には魔導書についての正しい知識がありません。このままでは書籍仕入れ担当者としての役目を果たせません。なので、ニコライ様のお側にお仕えし、己の役目を果たしたいのです」
淡々と言うサーシャさんの目はどこまでも真っすぐだった。
「…分かりました。それではお連れしましょう。私もうまく教えられるか分かりませんが、よろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしくお願いいたします、ご主人様」
「おお、ニコライ様お待ちしておりました。ご依頼の件、一通り見繕ってみました。こちら、当商会の書籍の仕入れ担当者でございます」
「どうもニコライ様。サーシャと申します。以後お見知りおきを」
眼鏡をかけたクールそうな女性が、ロングの青髪を揺らして挨拶する。
「どうも、ニコライと申します。それで、どんな本がありますでしょうか」
「はい、こちらにお越しください」
そうして案内された部屋には、大量の本が箱に入れて並べられていた。
「こちらからご入用のものをお持ちください」
「ありがとうございます。拝見します」
確認をするが、やはり魔導学や魔導史といった分野はアカデミーの売店と同様、内容に誤りが散見される。やはりこれがメジャーな内容なのだろう。周辺分野の、信頼できそうな本だけをよけていくことにする。
「すみません、今回はこれをお願いします」
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「これだけでよろしいのですか?僭越ながら、書籍担当者としてそれなりのものを取りそろえたつもりでしたが」
サーシャさんが少し不服そうにしていたので、
「いえ、実はですね…」
私は事情を説明した。
「なるほど」
サーシャさんはそれだけ言うと、あとはもう何も言わなかった。
「申し訳ございません。ニコライ様のお眼鏡にかなうものが少なかったということで」
本の選別を終えて応接間に来た私たちをトネルコさんが迎える。
「いえいえ、気にしないでください。王都でも似たようなものでしたので」
「そうでございますか?いえ、次こそはと彼女も張り切っておりましたので、またご用命ください。さて、それはさておき、新しい魔導書具のお話ですが」
トネルコさんによると新商品が欲しいということだったので、思いつく限りでいくつかの商品アイデアを提案し、よさそうなものをいくつか試作品を作って持ってくることになった。
「いやー、それではニコライ様、新商品期待しておりますので!」
「ええ、それではまた来ます。じゃあレイラさん、村に帰りましょうか」
「ああ、そうだな」
「かしこまりました」
1つ余分に返事が返ってきた。私とレイラさんが同時に振り返ると、なぜか旅支度を済ませたサーシャさんが立っていた。
「おお、サーシャよ、しっかりお役目を果たしてきなさい」
「はい、旦那様」
「いやいやいや、待ってください。どういうことですか?」
「おや、聞いておりませんか?なんでも、サーシャがニコライ様の元で働きたいということでして」
「はい。私には魔導書についての正しい知識がありません。このままでは書籍仕入れ担当者としての役目を果たせません。なので、ニコライ様のお側にお仕えし、己の役目を果たしたいのです」
淡々と言うサーシャさんの目はどこまでも真っすぐだった。
「…分かりました。それではお連れしましょう。私もうまく教えられるか分かりませんが、よろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしくお願いいたします、ご主人様」
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