無自覚最強な魔導書士が図書館を作るお話

甘夏蜜柑

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魔導書士、授業を開始する

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 学校の受講者を集めるために、工房の職人に声をかけた。
「勉強ってのは苦手なんですがねぇ…」
 誰に声をかけても、最初はあまり興味がなさそうに聞いていたが、無料で受けれる、読み書き計算ができれば職業選択の幅が広がるといったこともあり、若い職人を中心に受講希望者が何名か集まった。
 村人にも声をかけ、そちらも何名か集まったので、早速図書館の一角で授業を開始した。

「え、えー、このように、現代王国文字はこれだけの種類がありまして、発音としてはそれぞれー、えー…」
 マルクが読み書きを、サーシャが計算を、私とルルが歴史や化学といったその他科目を教える。皆最初はうんうん唸りながら授業を受け、授業が終わると疲労困憊といった感じだったが、しばらく続けていくとだんだん授業内容に興味を持ち始め、授業後に質問が出たり、そのまま図書館で調べ物をするといった風になってきた。
 また、工房にも良い影響が出ていた。今までは私の設計通りに組み立てるといったことが主な仕事内容だったが、自分が作っているものがどういった構造なのか、仕事の流れを効率よくできないか等といったことを考えるようになり、結果として仕事の質がぐんと上がったのだ。

 そうしたことをしばらく続けていると、評判を聞いた他の者が授業に参加するようになった。中には近隣の村から受けに来る者もいる。各自の理解度にも差が出てきたので、それに応じて講義内容も段階的に用意し、各々がそれぞれに適したものを受講するようになった。
 ある程度人数が増えると、講師と教室が不足してきたので、初級クラスは上級クラスの受講者が教えるようにし、図書館とは別に専用の建物を作った。

 さらに続けていくと、自ら学んだことを活かしたいと、上級クラスのなかからよその土地に職を求めるものが出始めた。
 そうしたものが各地で評判を得るに従い、講師・学生が王国各地から集まるようになってきた。それに伴い図書館の利用者も増えたが、それ以上に工房と学校の規模が大きくなってきた。そして、
「おはようございます、ニコライ校長」
「ニコライ校長、本日もご機嫌麗しゅう」
「校長、講義内容について質問があるのですが」
 図書館の館長という本業を忘れられてしまった。
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