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第1章 沢田くんと恋の予感
沢田くんと心の声
しおりを挟む何の取り柄もないというと少し悲しいけど、私はどちらかというとそういうタイプかなと自分では思っていた。
成績は普通だし、顔立ちも派手じゃないし、ピアノを弾けるわけでもないし、星の名前に詳しいわけでもないし。
名前だって佐藤だし。日本で一番多い苗字だし。高校二年でクラス替えしたこの教室にも、すでに三人もの佐藤がいて、私はその真ん中の佐藤。
前の席の佐藤は杏里ちゃんていう、ハーフっぽい美女で、後ろの席の佐藤は麻由香ちゃんっていう、おしゃべりで元気な子だ。
ちなみに間に挟まれた私の名前は景子っていうありがちな名前で、よく「下の名前なんだっけ?」と聞かれたりする。
まあ、こんな感じなので、私も一応人間関係くらいは頑張りたいと、空気が読めるように必死で頑張ってみた。せっかく同じクラスで一年間一緒に過ごすことになったクラスメイトから省かれるのは嫌だしね。
そして、その結果。
「杏里ちゃん、麻由香ちゃん、おはよう~」
「あ、景ちゃん【地味子】おはよ」
「おはよー!【モブキャラ】」
……皆さん。お分かりいただけたであろうか。
これは私がいじめに遭っているという記録。ではない。私のクラスで日常的に行われている朝の挨拶風景である。
ではなぜ、彼女たちは私のことを地味だのモブだの言うのだろうか。
実は、これは私が約一年前の高校入学した頃に、突然手に入れてしまった恐ろしい能力による効果なのだ。みんなの気持ちを読み取ろうと必死に頑張った結果、キャッチ能力が異常に高まってしまい、彼女たちの思考が声として聞こえるようになってしまったのである!
今まで何の取り柄もなく生きてきたはずだったのに、突然「サトリ」能力を手に入れてしまうなんて、最初は戸惑ったりショックだったりした。
幻聴なのかもしれない、なんて耳鼻科に通ったりして。
でももちろん耳に異常はなく、精神的にも何の問題もなかった。
私自身は至極正常に、周りの心の声だけが聞こえる体質になってしまったのだ。
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